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2008/03/27

【出たっきり邦人 欧州編】739 ドイツ

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             ◇◆乙編◇◆
             
         〓ドイツ・デュッセルドルフ発〓

         <ビールだけがドイツじゃない?>

           第6回 渡り鳥とサンドイッチ 
                               

皆さんこんにちは。配信が遅くなってしまい申し訳ありませんでした。
 
今回のトピックはあまりいい話ではないので恐縮ですが、1月にベルリン
からデュッセルに移ってきてから起こった出来事を皆さんに聞いて欲しい
と思います。
 
ベルリンに居た時点でネットにてアパートを予約する事ができ、1月下旬
に契約書にサイン、そして住民登録をしてドイツ滞在のビザ申請・取得、
銀行口座も取得して2月1日からは新しい生活が始まる予定だったのです
が…。
 
現実はそんなに甘くなかったのです。
 
 
契約書にサインをした時点で不動産から「この部屋は1月中旬に水漏れが
発生したのですが、今は全て乾燥したので問題ありません。予定通り2月
1日から入居できます」と言われていたので安心していたのですが、入居
前日の1月31日に不動産から電話があり、「水漏れの影響が予想以上に大
きかったので、部屋をしばらく乾燥させた上、壁なども全て修理すること
になったので2週間、長くても3週間は待って下さい」との連絡が入りま
した。前日にそんなことを言われても、明日2月1日からは新しい職場で
の仕事が始まる為、家探しをする時間は全く無く(それよりも、明日から
泊まる場所がない!)、また家を探したとしてもビザの取得(取得の為に
は家の登録が必要)に日数を要する=2月1日から正規に働けない=ので、
それらを考えると不動産の言う「2-3週間」と言うのを信じて、当面は待
った方がいいのだろうという結論に達しました。
 
そして次の日2月1日、ビザの申請・取得に行きます。
 
世界中どこでもそうなのかもしれませんが、ドイツの外国人局(日本でい
う入管?)は鬼門のようなところで、例えば、係員A氏が指定した提出物
を面接官B氏は否定することや(AB共に同じ外国人局の職員)、指定され
ていなかった提出物を急遽持って来るように言われる事(書類はそんな簡
単に準備できない)、他には「ビザを出してやっている」という高圧的な
態度、不快にさせられる言動などなど…。私はベルリンで散々な目にあっ
ているのである程度は覚悟していたのですが今回も…。
 
事前に、面接には予約は不要と言われていたので、2月1日にそのままビ
ザ発給の部屋に行ったところ、「面接には予約が必要です」と。「でも別
の部屋の担当官がいらないと言っていましたが」とは言ったものの、その
人の言葉が覆る事はなく結局2月1日から正式に働く事はできなくなりま
した。とは言え、2月5日に予約を取る事はできたのが救いでしたが。

そして今日から一応業務開始なので出社、家のこと・ビザの事など事情
を説明すると上司A(日本人)からは「大変だねえ」とそっけない返事。今
夜の泊まるところがないのですが、と思いつつ仕事がやってきて気づくと
既に20時。泊まるところのことを別の上司B(非日本人)に相談したところ
すごい親身になって心配してくれて「他の上司(Aさん)は全然気にかけて
くれないのか?仕事より泊まる所の方が大事だろ」とすぐに知り合いの
ホテルを紹介してくれました。そして知り合いのホテルで事情を話した
ところ、無料で3日間も泊めてくれることになったのです!

さらに、その知り合いの知り合いがプライベートハウスを経営しているの
で、3日後はそこに引越し、家の修理の完了を待つ事になりました。有料と
は言え、普通のホテルよりは安いですし、自分で家を探す手間も掛からない
のでありがたいと思った一方、いつ入居できるのか、いつまでこの渡り鳥の
ような生活をしなければならないのか、と全く気が晴れませんでした。
 
そして鬼門のビザ申請へ話は戻ります。2月5日再度外国人局へ。
 
まず面接室に入るなり

面接官「今日は何をしに来たの?」
私「ビザの申請です」
と言って予約の紙を渡すと
面接官「これは誰が作ったの?」
私「(外国人局の人に決まってるでしょ、と思いつつ冷静に)部屋番号○○
の方です」
面接官「普通面接の為の予約は受け付けないんだけどね」と。
 
また意地悪な事を言っている、と思いつつ何も言えないでいると、一応持っ
てきた書類をチェックし始めましたが、私の名刺と契約書の肩書きが微妙に
違うとか、大学の卒業証明書を持って来い(何に使うの?と疑問です)とか、
日本人はデュッセルでは特別(一大コミュニティーがあります)だから仕方
なく即日でビザを出してあげよう、とか。最後には「あー、日本人日本人」
などと嫌みったらしく意味の無い言葉を言っていました。嫌味を言われつつ
も即日でビザを出してもらったので、まあ良しとしましょうか。
 
その足で銀行口座を申請に、とある銀行に行きました。担当してくれた男性
は外国人局の男性とは正反対の非常に優しい男性で、書類にも不備は無く、
数日後には口座開設の案内があるはずでした。が、10日待っても案内が一切
ないので彼に聞いてみたところ、「何故だか理由は分かりませんが、あなた
は今回口座を持てないようです。その旨の手紙が来週届くはずなので、まず
はそれをご覧下さい」と。それからさらに10日ほど手紙を待ったのですが来
ず、再度彼に連絡すると「あなたのビザが仮の短期ビザだからかも。力に慣
れなくて申し訳ないけど、長期のビザを取得したら再度申し込みに来て下さ
い」と、そっけない返事。来ない手紙を20日ほど待って、結局口座開設でき
ないのです。できないのならその旨早めに言ってくれれば別の銀行に行く事
もできたのに…。すぐに開設できると思って結構な額を持ち歩いていたので
すが、今思うと危なかったです。
 
結局この時点でデュッセルに来て1ヶ月経過していましたが、家もない銀行
口座もない生活です(口座は必須ではないのですが、給料・家賃の振込みや
安全性を考えるとやはり必要ですよね)。
 
家の話に戻ります。
 
住むところがあるだけで本当にありがたいのですが、やはり仮の家、そして
自炊ができないのでストレスが溜まります、外食するたびにそれなりのお金
が出ていきます、外食だとお腹一杯にならないのでお腹は空きます。そして
もう一つ大きな問題がありました。このプライベートハウスの宿泊費を誰が
払うかということです。

私?私には一切非はないので少なくとも私ではないと確信します。それでは
大家さん(管理会社)?これはあり得ます。2月1日から有効の契約書を作って
おきながら家を準備できなかった彼らに責任はあるはずです。その点をクリ
アにしようと何度か電話をしたのですが、その度に「損害保険会社から返事
があるので来週末まで待って」の一点張り。待てど全然連絡はなく、さらに
家の修理も最長と言われていた3週間では修理が終わらず、結局1ヶ月以上か
かり3月上旬になってようやく完了しました。
 
その間に別の家を探す事も考えましたが、会社に時間が取られて平日・日中
は何もできず、週末は不動産が閉まっている上、新聞に載っていた家屋情報
の所に電話をしてみたのですが、見知らぬ番号だからでしょうか、誰も電話
を取ってくれず…。結局ストレスを抱えたまま待たざるを得ませんでした。
 
そして3月上旬に引越しをしたのですが、その日に不動産から言われたのが
 
不動産「プライベートハウスの費用は2月分だけ支払う旨、保険会社から連
絡がありましたので領収書を下さい」
私「家が完了したのは3月上旬ですよ。少なくともそこまでは支払って下さ
い」
不動産「2月分だけです」
私「どうしてですか?」
不動産「2月だけです!」
私「どうしてですか??」
 
(以下、同じ事の繰り返し)
 
理由を説明してくれれば納得できたかもしれなかったのですが、理論的には
やはり家の準備が完了した時まで補償するのが普通だと思うのですが、彼は
一切具体的な説明をしてくれませんでした。不思議です。
 
そこで仕方なく2月分の領収書を渡したところ、納税者番号と領収書番号が
無いだの何だの指摘され(プライベートハウスなので普通はそれらの番号は
存在しない)、プライベートハウスのオーナーに後日聞いたところ結局存在
しないとのことでした。この原稿を書いている時点では誰がこの宿泊費(10
万円強)を払うのかクリアになっていません。

他にも2月から入居していれば発生しなかったコスト(外食代)も自腹ですし、
2月中旬からは家にネットが開設されることになっていたのですが、修理の為
に使うことができずお金だけ支払っています。この点不動産に聞いたところ
「補償は無理です」とハッキリ言われました。私はお金を騙し取ろうと思っ
ているつもりでもなく、家や車をよこせと言っている訳でもなく、ただ余分
に掛かったお金だけ補償して欲しいと言っているだけなのですが(この点は友
人の間でも意見が分かれていますので、私が100%正しいとは思っていません)。
 
最悪私が負担する可能性もあります。でもそれって理不尽では??
 
そして引越しが午後早めに終わったので今日こそは銀行口座を持てる、と思
い家の隣にある銀行へ。本当は他の銀行を選びたかったのですが、もう口座
が無いと本当に不便だと思ったので仕方なくそこへ行きました。当然口座を
持てると思っていたのですが…。
 
受付に口座開設をしたい旨話をすると「今日はスタッフの数が少ないので開
設作業はできません。来週来て下さい」と。少し離れた所の別の銀行に行っ
た所既に閉店、まだ空いていた他の銀行に行った所「口座開設には予め予約
をしてからお越し下さい」と…。
 
長き遠き銀行口座。
 
そして2月から始まった新しい職場での仕事。「現地の日系企業」=良いイ
メージを持っていたのですが、実際は全くの逆でして…。あまり詳しくは書
きませんが、
 
・ドイツ(会社の所在地)と日本(本社)のやり方・考え方の違い
・スタッフ(日本人含めて4つの国籍)のやり方・考え方の違い
・同じ会社のヨーロッパ内にある支店のやり方・考え方の違い
 
これらの点で間に挟まれて、言わばサンドイッチになってしまいました。そ
のお陰で時には日曜日にも別のスタッフから電話があり、全く心休まる週末
ではありません(詳細が書けないので読者の方も分かりにくいかと存じます
が、ご理解下さい)。
 
近い友人にこの話をしたところ、「君は最近サンドイッチ(パン類)ばかり
食べているからそんなことになるのだ!」と言われ(その友人は冗談ではな
く本気でこれを言っていました)、確かにその通りなのですが、和食にはお
金が掛かるし自炊はできない状態ですし…。

但しすぐにパン類を避けるようにしたところ、本当にサンドイッチ状態が少
しだけ改善しました(気持ちだけ?)。
 
家の話に戻ります。入居して1週間後、キッチンと居間の間のドアが閉まら
なくなってしまいました。調べたところ床の材質が盛り上がっていた為ドア
が閉まりません(入居時には問題ありませんでした)。再度不動産に電話を
し、業者に来てもらいました。が、彼は状況だけ見て何もせず次に来る日を
決めて帰ってしまいました。結局家の為に今回半日休暇を取ったのですが、
再度取らなければいけません(そう簡単に休みは取れないです)。

そして同じ日にインターネット接続の業者が来ました。接続が完了していな
いにも係わらず彼曰く「このモデムまで信号は来ているようだから、後の設
定の事はプロバイダーに電話してみて」と言って帰ってしまいました。私は
プロバイダーに「ネットへの接続がうまくできないので人を呼んで欲しい」
と言ったので、設定までやってネットができる状態にしてくれると思ってい
たのですが。またプロバイダーに電話をして、再度休みを取らねばいけない
のでしょうか。これはドイツでは普通の事らしいのですが、何だか…。
 
あまりにもこういったことが、しかも同時に起きるので周りからは「家を変
えたら?」と言われました。でも私は遅かれ早かれ仕事の都合で別の街に移
動することがほぼ決まっていますので、今同じ市内で家を変えてもまた引越
しをしなければいけなく、さらにもうそこまでの力が残っていません。渡り
鳥の生活も限界があります。
 
結局この原稿を書いている時点で、プライベートハウスの支払い・床の修理・
インターネットは全く見通しが立っていません。この先どうなるのでしょう
か…。
 
 
以上、1月末にデュッセルに来てから私の身に起こった出来事の一部です。
もっと細かい事はたくさんあるのですが、このくらいにします。
 
逆に良い事もありました。
 
前述の上司B、彼は常に私のことを人一倍気にかけてくれており、本当に助
かりました。あとはプライベートハウスのオーナー(ドイツ人女性)、前述
の出来事を飽きもせず最後まで聞いてくれました。聞いてくれるだけでも感
謝です。また、プライベートハウスのある地域はデュッセルでも田舎の方な
のですが、空気が澄んでいる時は郊外から牛の匂いがするのです(私、牛が
大好きです)。この匂いが時々仕事とか辛いことを忘れさせてくれました。
 
また良い事か悪い事かは関係ありませんが、そのプライベートハウスの隣の
飼い猫、飼い主がいつも不在で家に入ることができず玄関でずっと帰りを待
っているようなのです。私が仕事から帰って来る時、私を発見するとすぐに
すり寄ってきて、本当になついてくれました。誰か人に甘えたいようなので
す。よく考えると、この猫も私と同じ「家の無い」状態なのだと気づきまし
た。そして、ついつい辛い気持ちを彼(ネコ)に話してしまいました、話し
かけても返事がないのは分かっていましたが…。家のある人に家の無い人の
辛さは分かりませんし、サンドイッチ状態でない人にサンドイッチ状態のこ
とを話してもその辛さは分かりません、銀行に4箇所行っても口座を開設で
きない人の気持ちは、口座を持っている人には分からないでしょう。
 
外国生活が不自由なのは分かっています。ある程度覚悟もしていました。た
だし前述の事が同時に起きるとさすがに参ります。友人達はアドバイスを送
ってくれますが(本当にありがたいことです)、動くのは自分です。でも動
くには会社を休まないといけないのですが、そうそう休みを取るわけにもい
きません。そうすると不便なまま物事が進まないでストレスだけ残ります。
 
結局この街とは相性が合わないのだと無理やり思うようにしました。そうで
ないと今まで起こった出来事を受け入れられません。
 
春の訪れと共に状況が少しでも変わることを期待しつつ、早く別の街に移動
したいと思っています。
 
次回は何かいい話題を書きたいと思います。

最後までご覧頂きありがとうございました。

Pride Berliner

ご意見・ご感想をお待ちしています。
pride-berliner2007 hotmail.co.jp
(2007とhotmailの間に@を入れてお送り下さい)

◇◆次回は3月28日(金)アイルランド/ダブリンから配信予定です◇◆
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【北米・オセアニア編】【中南米・アフリカ編】【アジア編】
          【出戻り邦人】もよろしくね 

               ◇◇◇詳細は下記のHPで◇◇◇ 
         http://www.geocities.jp/detahome/
       各種問い合わせ先:detahou@hotmail.com

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電子出版 :出たっきり邦人【欧州編】
      <まぐまぐID:0000023690><melma! ID: m00104971> 
発行協力 :まぐまぐ http://www.mag2.com/
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発行責任者:欧州編ライター一同 連絡先:oushuhen@hotmail.com
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