2002/11/18
風をあつめて。-風街通信181号-
-------------------------------------------------------- 風 街 つ う し ん 。 2002年11月18日号 メールマガジン「風をあつめて。」No.181 -------------------------------------------------------- * つ う し ん 欄 * -------------------------------------------------------- こんにちは〜(^▽^)〜(^▽^)〜(^▽^)〜(^▽^)〜(^▽^)〜 ちはる。です。お元気でございましょうか? http://cgi.kazemachi.net/diary_view.cgi 日記↑でもお伝えしましたが、先日「神秘珍珍ニコニコ園」↓ http://www.tiu.ac.jp/~mkeiji/kazewo/zaiko/tintin.html に行って来ました。ここへは以前「風をあつめて。」の読者 の方々とご一緒に探検に行ったこともあるんですが↓、 http://www.tiu.ac.jp/~mkeiji/kazewo/zaiko/tintin2.html それ以来の来訪、しかも4日、13日と2週続きに二回も。 二度目(13日)は彫師の友人と行きまして、それまでニコ 園って「人を無言にさせる力がある」とか言われてたんです が、芸術家の彼女はいたくインスパイアされたご様子、見る 程にハイになってきまして、 「完璧に負けた。ここまで負けると気持ち良いね!私は凡人 だ、今日から又、一からやりなおす!出直しだ!」とかのた まわれちょりました。 ワタシはニコ園もさることながら、感動している彼女の姿を 見ていて、「そうかーイチからかー」とか「そうだよな、壊 れてしまったモンなんて、もっかいつくりゃーいーのかー」 とかなんとなく勇気が湧いて来たもんです。 ブランクがあったので、文章書くのもメルマガ発行するのも 思うようにいかなくて、なんだか不安一杯だったんですが、 思い起こせば初めて「風をあつめて。」を発行したのが1999 年の12月、それから手違い(登録をミスって重複登録になっ たりしてしまったんです(;_;))があったとは言え、気付いた ら計7本ものメルマガをかかえるコトになってしまっていま した。 身体の都合で今回、「風をあつめて。」だけの暫定再開配送 ということになりましたが、これも何かの縁でしょうか? 今日から又イチからやり直すつもりで頑張りますので、どう ぞ宜しく、至らない所も多々あると思いますが、どうか末永 くおつきあい願えます様、改めてお願い申し上げますm(_ _)m。 2002.11.17 猫 ちはる。 -------------------------------------------------------- 今回のお話は、看護学校の時の思い出をふまえつつ、ある友 人のお話しです。旅のハナシでなくてごめんなさいm(_ _)m。 ここしばらくは、(旅行記の連載の準備の関係もあって)旅 のハナシが遠のくかもしれません。 申し訳ありませんが、どうぞご了承頂きます様重ねてお願い 申し上げますm(_ _)m 又、ご意見、ご感想、ご要望などお待ち申し上げております。 どうぞお気軽にお寄せ下さいませm(_ _)m -------------------------------------------------------- * ふ ぁ い る ・ で ー た * -------------------------------------------------------- タイトル 女装者の悲しみ─姫(ひぃ)ちゃん─ ファイルNo. 081 カテゴリ〜なハナシ どたばた・とほほ カテゴリ〜のハナシ 家族・ひと 過去のメルマガ配信 無し 過去のHP掲載 無し -------- 今回のHP掲載 http://cgi.kazemachi.net/textView.cgi?file=./text/81.txt -------------------------------------------------------- *女装者の悲しみ─姫(ひぃ)ちゃん─ * -------------------------------------------------------- このお話しを姫ちゃんに、 日頃の感謝の気持ちを込めて送ります。 ------ ------ ------ ------ ------ ------ ------ 看護学校の授業というのはその学校によっても随分違うんだ ろうけれども、ワタシの通っていた学校(*1)は地元の医師会 が持ってる学校だったからその医師会に入っている医者がか わりばんこでやったりしてた。 で、その日は、整形外科関係の授業で、講師には、おこりっ ぽくて看護婦がほげほげしていると、手術中でもメスを投げ つけてしまうとゆー街の有名なゴーカイゴーケツな整形外科 の医者(せんせい)がいらっしてて、凄みの利いた授業をや っていた。 で、ある薬の説明の所で、思い出した様に研修医時代にやっ てたバイト、夜勤の救外(救急外来)で、「(その薬使って) よく患者を殺したもんだ、三人・・・?殺したかなぁ、いや、 もちろん、わざとじゃないよ」と、 実体験でもってその薬の禁忌(こういう時にこういう風にこ の薬を使うと死んじゃうコトがあるから気をつけましょうね、 とかそういうこと)の説明をして下さり、 それからそのセンセイの若かりし頃の色んな救外(救急外来) での裏話にどんどん飛び火して行って、あのハナシになった のだった。 ある日、いつもの様に夜勤のバイトをしていると、真夜中に 救急車でオッサンが運ばれて来た。それで、 「じゃあ上脱いで下さいって言ったらよぉ・・・驚いたねぇ、 女モノのスリップ着てんだよ、そのオッサン。ピぃンクの! スっケスケのヤツ!」 「いやぁ・・・ありゃ・・・たまげたねぇ。」 と、四角い金縁眼鏡の奥、まんまるい目をひんむき嫌々をし ながら恰幅の良い身体からかすれた声を出し、「いやぁ、あ れは本当にたまげた」と言うのだから、いかに柔道黒帯の猛 者で文字通り無敵のかの大将(センセイ)と言えども、その 時は本当にビビってしまったのだろう。 しかし、そのハナシを聞いたワタシには、そのおじ様が一体 全体どうして、そんなものを着てしまったのか、暗いところ で着替えて奥さんのを誤って着てしまったのか、それとも何 か他の理由からなのか、 考えても考えてもどうしても腑に落ちなくて、頭ん中は「? ??」ばかりが羅列され白黒白黒、とてもワケノワカラン摩 訶不思議なハナシ、という印象がじっとりと残った。 つまり、当時のワタシには、どーしたってそのオッサンが 「手前の意思で女物の下着を着たのだ」という発想はひら めかなかったのだ。 今でこそ、ゲイの友人やら女王様の友人やら全身ピアスの友 人やら・・・様々な方々と仲良く遊んでもらってて、色々な セクシュアリテのカタチや様々な人の生き方というのも知り、 世にはそういった世界があることを理解したり、共感したり、 実感できないまでもナットクというか認めるというか、「そ ういうこともあるんだろうな」と合点の行くようになったワ タシでRのだけれども、 だから、今思い返すとその時の自分の頭大混乱ぶりがなんと も可笑しい様な感じがすんだけど、ラブシーンを見て意味わ かんない子どもていうかさ、井戸をのぞき込んだ時みたいな 途方もない奇妙さというか、 でも当時のワタシにとっては、TV(Trans Vestite)なんて言 葉はおろか、「女装」という事すら全くピンとこなかったん だよな。 そんで、タイトルの姫ちゃんなんだけど、彼女は正式には姫 子といって、ワタシは「姫(ひぃ)ちゃん」って呼んでいる、 女装者で、ワタシの大切な、とても大切なオトモダチ、なん でアリマス。 「女装者」、というからには、姫ちゃんは戸籍上は男性で、 先の「姫子」という名前はいわば女装ネーム?で、戸籍上は 男性らしいかっちょ良いお名前がちゃんとついていて、 それどころか、普段はバリッバリッの企業戦士で右でおまけ に実業団でアメラグまでやっちゃってる、眼光スルドイ、ダ ブルのスーツの良く似合う、目元の涼しい、良いオ・ト・コ なんでR。 フツウ、「女装」なんて聞くと、カワッテル、とか、ヘンタ イ、とか、はたまたヘンシツ、なんて言われちゃうけれど、 姫ちゃんのは、もう少し、根が深い。 でもそのヘンのこと(どーいったイキサツでいつごろから そーなったのかってとこらへん)はとりあえず置いといて、 通常他人が一番に気になるのが、その人のセクシュアリテ、 つまりその人が男か女か男になりたいのか、女になりたいの か、男を愛したいのか女が好きなのか、ということだと思う (ワタシ的にはどっちだっていーんだけど、そのヘンは)。 そう言うことを一言で言ったら、姫ちゃんは「オトコを続け る為にオンナになる」んじゃないかナーとワタシは考えてい る。 ワタシのカンでは、姫ちゃんは、本当はオンナで、でもオト コに生まれちゃったし周囲(まわり)もオトコであることを 期待するしで、普段は半ば仕方なくオトコをやってるんだけ ど、 でもそんな男やってる自分も結構気に入っていっててでもた まにガス抜きしないとやっていかれん、ってトコなんだろう、 って勝手に解釈している。 姫ちゃんは性的にはノンケで、曰く「おっぱいはふくらまし たいけれどそれでも良い、って言ってくれる女の奥さんと静 かに暮らしたい」と思っているのだそうだ。 もう、それだけで、女装者の苦しみ、悲しみがわかるという ものだが、女装者はこまごまとタイヘンなのだ。 女物のお洋服を買おうにも勇気が出ない、勇気が出てもサイ ズが無い、仕方なく上野あたりの大人のおもちゃ屋でぼった くりのドレスを買う、化粧品が欲しい、でも買えない、下着 が欲しい、でも買えない(以下繰り返し・・・)エトセトラ エトセトラ・・・ そんな、姫ちゃんの女装者の苦しみ、悲しみの中で、ワタシ がイチバン「ありゃりゃ」と思ったエピソードは、まだ姫ち ゃんが、今よりもう少し若かった頃、まだ彼女が「女装」を 誰にもカミングアウト出来ずに居た頃のお話である。 姫青年はその頃、いつでも心おきなく女装をする為にわざわ ざアパートを借りて一人で暮らしていた。 あるお休みの日、彼(女)はいそいそとお着替えをして、ウ ィッグも被ってお化粧もして、バッチリである。そんな時、 電話が鳴る。 「カノジョ」である。 最寄の駅から(ワタシの想像ではおそらくスーパーの白い袋 をぶら下げた)カノジョさんが 「ねぇ、今から行っていぃ〜い?」 とあっま〜い声で電話をかけてきたのだ。 嗚呼、悲しいかな、姫青年はまだ、修行が足りないので 「馬鹿、なんで来るんだよッ!突然!帰れッ!」 と思いっきりドスを利かして怒鳴ってしまうのだった・・・ 泣いて帰ったカノジョさんの胸(なか)に一抹の不安がよぎ る。 それでも彼氏(姫ちゃん)からフォローの電話が入るとなん とか気をとり直して、又次の週には彼氏の部屋へ出かけて行 く。 で、さりげな〜くチェックを入れると、落ちているのだ。 茶色いカールした髪が。 そこまで来ると彼女の好奇心は、もう止まらない。引出しを 開ける、バスルームを点検する・・・ルージュなんか、まだ、 良い。 黒いレースのエロエロのそれを見つけてしまったら、もうア ウトである。 サヨナラ、である。 そう、女装はウワキに間違われるのだ。 「どうせなら、パンツの下のカツラも見つけてくれれば良い のに・・・」 とのたまわる姫ちゃんは、今日もオネェ言葉で、悲しい事が あったワタシをやさしく慰めてくれている・・・ ---------- 追記:このお話しを書いたのは多分1998年頃なんだけど、 姫ちゃんはその後2002年春、「おっぱいは勘弁だけど女装 はOK」という女性とめでたく結婚しました。姫ちゃん、 おめでとう!末永くお幸せにね(*^o^*) 追記(その2):ちなみにこのおハナシに出てくる整形外 科の先生は、ウワサでは自家用ジェットで北海道に遊びに 行っちゃうってな、マジ片田舎の整形外科医にしちゃなか なかスゴイ人で、(ほんと「有閑倶楽部」↓かよって感じ っす)、 http://chorus.shueisha.co.jp/yukan/ たまたまワタシの父と同級生なんだけどまだ多分五十代前 半で痛風とノウイッケツで半身麻痺になってて、「今ウチ の病院でリハビリやってるよ」と同級生に聞いた後結構早 くに亡くなりました。 道楽が過ぎたと誰もが思う、「太く短く」を体言した方で した。それはそれでなんだかご立派ですよね。 ------ ------ ------ ------ ------ (*1)ワタシの通っていた看護学校については http://cgi.kazemachi.net/textView.cgi?file=./text/37.txt ↑『てんし、たち。−χちゃんと、89人の天使たち−』 をどうぞ。 -------------------------------------------------------- *ご意見・ご感想・苦情・身の上相談等はご遠慮なく下記まで* -------------------------------------------------------- * 発行者:ネムラナイおもちゃあ猫。: 猫ちはる。 * -------------------------------------------------------- @風をあつめて。 kazewo@geocities.co.jp -------------------------------------------------------- * ホームページ「風街ねっと。」 * -------------------------------------------------------- http://www.kazemachi.net -------------------------------------------------------- *メールマガジン「風をあつめて。」* 〜そんなワタシのメールマガジン〜 -------------------------------------------------------- http://www.kazemachi.net/magazine.html -------------------------------------------------------- * 「風をあつめて。」の登録と解除 * -------------------------------------------------------- http://www.kazemachi.net/magazine.html -------------------------------------------------------- * メールマガジンサイトのメルマガ解除はこちら * -------------------------------------------------------- ウィークリーまぐまぐ:http://www.kaijo.com/ --------------------------------------------------------


