2009/02/15
安心!?食べ物情報 Food Review 484
安心!?食べ物情報484号 -=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=--=/=-=/=-=/ --安心!?食べ物情報--Food-Review----------------------------- -------------------------------------484号--2009.02.15------ --〔今週の内容〕-------------------------------------------- 「いただいたメール」「Q&A」「フードバンクと賞味期限」 -=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=--=/=-=/=-=/ ------------------------------------------------------------ ブログ毎日?更新中 http://www.kenji.ne.jp/blog/ ------------------------------------------------------------ ---〔話題〕------------------------------------------------- トレハロースについて、こんなメールをいただきました。 --〔↓引用はじめ〕------------------------------------------ いつもメールマガジンを読ませていただいています。 トレハロースについて、「使用用途により食品にもなりうる」、 「保健所や、業者にも問い合わせ、確認したので、間違いないと思 っています」とのメールが紹介されていましたので、この件につい ては日頃から関心のある者から一言意見を述べさせていただきます。 トレハロースは既存添加物名簿に収載されていますので、加工食 品に添加して使用すれば食品添加物としか解釈がしようがないはず です。 それにもかかわらず、食品扱いかのような表示が横行しており、 製造者に問い合わせても「メーカーがこの用途なら食品扱いだと言 っている」との返事がきます。 保健所は、残念なことに添加物についてよく理解している人が少 ないです。添加物に関する問い合わせがあれば、メーカーに問い合 わせて回答するケースが多いです。間違いか間違いでないかの判断 基準としては弱く、摘発されないための保険程度に考えておくべき です。 「一般飲食物添加物に該当するので食品扱いでも添加物扱いでも OK」などという説明を受けたケースもあるようです。既存添加物名 簿に載っているものが一般飲食物添加物になるわけがありません。 本件については、林原商事によるグレーな商法としか言いようが ありません。 このことはウェブサイト http://www.hayashibarashoji.jp/product/treha/index.html からも読み取れます。 「トレハロースはいわゆる人工甘味料ではない、砂糖と同様の天 然糖質です。」 「天然物であるが念の為、安全性についても国内外で幅広く試験 が行われ確認されています。」 と記載されていますが、一方で食品添加物、既存添加物であるとの 記載はありません。 添加物なので安全性について試験されるのは当然です。なぜ「天 然であるが念の為」などという表現をするのでしょう。 天然に多く存在するが添加物として扱われているものはたくさん あります。むしろ、添加物のほとんどがそのようなものだと言って よいくらいです。ソルビン酸もグリシンもグルタミン酸Naも天然に 存在して、安全性が確認されて、堂々と添加物として使われている のです。 また砂糖と同様の天然糖質という表現にも欺瞞を感じます。サト ウキビやテンサイから抽出される砂糖とは異なり(砂糖も精製過程 で様々な食品添加物を利用するのですがそれはさておき)、酵素反 応を利用して製造されています。これは、 http://www.hayashibarashoji.jp/product/treha/seizou.html でも説明があるように、林原が優れた酵素を発見したことによるわ けですが、トップページではそのことには全く触れられず天然で安 全なものというイメージだけが強調されています。 トレハロースは優れた特徴を持っていることは確かです。その大 量生産を可能にした林原生物化学研究所の技術力もすばらしいと思 います。それだけに、堂々とした商売をしてほしいものだと願いま す。 --〔↑引用おわり〕------------------------------------------ これはおっしゃるとおりと思います。「味の素」など他の商品が いろいろ言われて攻撃目標になっている現実を見ると、「天然物」 を強調する気持ちは理解できるのですけれどね。 せっかく画期的な製造方法を発明したのに、それを隠すような宣 伝をするというのはやはりどこか違うと思います。 --〔Q&A〕------------------------------------------------ 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け ています。質問の宛先は why@ kenji.ne.jp です。いつでもどうぞ。 ------------------------------------------------------------ Q.キャベツ酵素ジュースを初めて作ってみました。飲んでみると クラクラ〜としたのですが、これは発酵させたことによってアルコ ールが発生してということでしょうか? ------------------------------------------------------------ A.アルコールは糖からできますので、発酵によって少しくらいは できているかもしれませんが、量はごくわずかだと思います。人に よっては感じる可能性はあります。 それにしても、こんな危険なものをよく平気で飲むものだと感心 します。要するにキャベツの腐ったものですからね。 水とキャベツだけで作るそうですが、中には何ができているかわ からないということは理解しておいた方がよいと思います。 そのうえで飲むというのなら別に止める義理はありませんが、少 なくとも私はやめておきます。 ------------------------------------------------------------ Q.鶏卵は、一日に数度産卵を促すことで大量生産しているために 超安価の設定がされているのでしょうか?何回もの産卵で黄身が透 明になってしまうために黄色の色素を含む飼料を与えているのは本 当なのでしょうか? ------------------------------------------------------------ A.一日に数度、卵を産ませる技術があったら養鶏場は儲かるでし ょうね。これは「フライドチキン用の鶏は脚が6本ある」というの と同程度のデマです。 卵を生む周期は鶏固有のもので、普通は一日より少し長いのです。 一年間に300個を越えれば上等ですが、このごろはずいぶん改良 されて、よく産むようになっているそうです。 卵が安価なのは大規模農場がたくさんできてシェアを拡げたこと と、アメリカから安く飼料が買えるからです。 鶏は自分で色素を作ることはできませんので、黄身の色はエサに 依存します。一番多いのはトウモロコシの黄色です。 飼料用の米を作って、鶏のエサにするという試みもありますが、 この場合はエサに色素となる物質を混ぜる必要があります。 色素用のエサとしては、パブリカやアミ類がよく使われます。別 に悪いことではありませんが、あまり不自然な濃い色のものは気持 ちよくないですよね。 ------------------------------------------------------------ Q.電子レンジを我が家ではとても便利に使っておりますが、電子 レンジを使用した電磁波と食品との影響がどのくらいあるものなの かを知りたくおもいます。私の友人は電磁波を気にして使いません。 ------------------------------------------------------------ A.電子レンジの電磁波が食品に影響を与えるという問題と、電磁 波が直接人体に影響を与えるという問題とは別のものです。 食品に直接影響を与えるということはあり得ません。電子レンジ に使われるマイクロ波は、食品の中の水を温める効果はありますが、 化学的な変化を起すほどのエネルギーはありません。 また電磁波(光のようなもの)ですから、食品中に留まるという こともありません。食品は加熱されるという以上の影響は受けませ ん。加熱の影響はかなり大きなもので、タンパク質が固まったりし ますが、すべての調理はそういうものです。 直接、電子レンジの電磁波を浴びれば、人間の身体にも影響はあ るので、電子レンジという商品は電磁波が漏れないような工夫をし て成立しています。外に電磁波が出れば、それに従ってエネルギー の効率も悪くなりますので、当たり前のことですが、電磁波がどん どん出てくるような電子レンジはありません。 ごく微量なら漏れる分があるかもしれませんが、私たちの生活空 間は電磁波に満ちていますので、気にする必要はありません。 -〔食べ物情報〕--------------------------------------------- 「フードバンクと賞味期限」 ------------------------------------------------------------ 前回の記事について、こんなメールをいただきました。 --〔↓引用はじめ〕------------------------------------------ いつも愛読しております 本日話題に上がったフードバンクについてセカンドハーベストジ ャパンに取材したことがあります。 http://www.2hj.org/index.php/jpn_home 確かに、いろいろな問題はあると思いますが、そこで聞いたのは 生鮮食料品以外の廃棄食品の多さです。 つまり、袋に印刷ミスのあったお菓子や缶詰、外箱やパッケージ にダメージがある食品などは日本の厳しい流通過程でA品として通 らずにロットごと破棄されるそうです。(もちろん、これが安売り 量販店に卸されることもあるのかもしれませ ん) 上記団体では、そうした不良食品を引き受けて再配布することも してい るそうです。 検品や保管にかかるコストを考えるとそのほうが企業も助かると いう判 断です。 生鮮食料品に関しては大手量販店のコストコなどから、賞味期限 未満の物を定期的に仕入れ賞味期限以内に再配布、加工しているそ うですが、割合的には少ないと 聞きました。 http://www.2hj.org/index.php/what_is_j/sponsors_j アメリカでは各教会を拠点にこうしたボランティアが組織され、 その規模は、冷蔵倉庫も持つほど大規模に運営されていると聞きま した。 たしかに、日本の団体規模はまだ小さく受益者は小規模NGOや炊 き出しなどが主であり食品管理という面でも自主管理で課題はある と思いますが、取り組みとしては面白いと思いました。 活動としては、環境や食の問題を解決するというより、ムダを利 用して弱者福祉の役に立てようという側面がより強いと思います。 アメリカの教会の役割は私にはよく分かりませんが、弱者のシェ ルターであり、最終的なよりどころであるという宗教的な役割を果 たす拠点が日本にはない、ということを言われました。 セカンドハーベストジャパンのモデルはこのアメリカのフードバ ンクで、セカンドハーベストジャパンの主催者もアメリカ人(ただ し、宗教的背景はないと言うことです)この活動はアメリカでは実 績があり、誰でも知っているので、協賛スポンサーも外資系が多い という説明を受けました。 以上、ご参考まで 今年も毎週楽しみに拝読いたします --〔↑引用おわり〕------------------------------------------ この件では、ブログの方にも掲載していて、コメントをいただい ています。 --〔↓引用はじめ〕------------------------------------------ これは安全率の問題ですね。安全率が高すぎるのなら下げて、金 持ちも貧乏人も同じ安全性の食べ物を食べれば良いと思います。そ うすれば、コストも下がってより多くの生活に困っている人が助か ります。金持ちは安全性も値段も高い食べ物を、貧乏人には安くて 安全性に劣る食べ物を与えようというのは格差温存のような気がし ます。 ぜいたく品と実用品という区別は食品にもありますが、安全性に はそんな区別はないと思うんですね。古着を寄付するのとは違うん じゃないかと。 ------------------------------------------------------------ 緊急避難的に、飢え死にしそうだったら廃棄食品を食べるのはあ りえます。それを食べるのは貧困者とは限らないわけです。でも、 経常的に貧困者には廃棄食品を与えておけばよいなんて社会はへん ですよね。同じ型の血液がない場合にはやむを得ず違う型の血液を 輸血することもあると聞いたことがあります。しかし、血液は沢山 あるのに、貧困者にはお安い違う型の輸血をするという話は聞いた ことがありません。障害者施設が経済的に苦しいのなら、それを改 善して普通の食品を提供できるように努力すべきだと思うんです。 廃棄食品を障害者施設に回せばよいなんてのは、そういう努力を放 棄しているように思います。 ------------------------------------------------------------ 消費期限切れのお弁当などをブタに与えたら、肉質は最低、流産 死産多発(だったと思う)というしくじりを教訓に、「ヒトの食べ るものなんだから、ヒトに与えたらいけるかも」という思考回路が ひらめいたのかもしれない、という印象を受けました。 「もったいない」も気をつけないといけないな、と、平易に思い ます。 --〔↑引用おわり〕------------------------------------------ さて、賞味期限に関連して、こんなメールをいただきました。 --〔↓引用はじめ〕------------------------------------------ 日頃よりメールマガジンを拝読させていただいてます。 先日、テレビでイギリスの企業が賞味期限切れの商品を専門に販 売している、と言うニュースを見ました。 アプルーブド・フード http://www.tvais.jp/item_dte.php?i_id=1699758&tv_id=225393 個人的には、これはたいへん画期的だと思いました。特に缶詰や 瓶詰めなど、風味が落ちても食べられるものが、10分の1の価格で 買えることは消費者にとってありがたいと思います。 イギリスでは違法では無いとの事ですが、日本では同じビジネス が成り立つでしょうか?違法でないにしても、日本ではマスコミに 叩かれてしまう気がします。 日本での問題点など、ご意見がありましたらお聞かせください。 --〔↑引用おわり〕------------------------------------------ ご紹介のサイトの記事は以下のようなものです。 --〔↓引用はじめ〕------------------------------------------ 大手スーパーなどから仲介業者通じ賞味期限切れ食品を仕入れ、 インターネット販売や直販売しているという、イギリスの企業。 昨年9月以前と比べ売り上げが10倍になったとの事。 日本と同様、生鮮食品などが安全に食べられる期限を表わす「消 費期限」と加工品などの品質を保証する「賞味期限」があり、イギ リス食品基準庁の方の話では「賞味期限切れの方は客がわかって買 えば違法ではない」との事。 --〔↑引用おわり〕------------------------------------------ 日本でも「賞味期限」は目安に過ぎませんので、販売することは 違法にはならないと思います。 ただし、日本ではこの商法は成立しないだろうと考えています。 理由は二つ。一つは消費者側が避けるだろうからです。日本人が こういうものを平気で買うということはまずないのではないでしょ うか。 お金をたくさん持っていてもあまり贅沢しないかわり、お金がな くても誇りは失わないというのが日本人の基本的なパターンですか らね。 もう一つはメーカー側も避けるだろうということです。こちらは 日本人の悪い癖なんですが、賞味期限切れを承知で買っても、品質 に問題があればメーカーに苦情が持ち込まれるだろうことは想像で きます。 賞味期限が過ぎていれば、メーカーは責任がないのですが、ほた してそう割り切ることができるかというと、難しいのではないかと 思うのです。 何でも政府やメーカーが悪いことにしてしまう傾向があるのは、 どうにも困ったことですが。 こういう話をしていると、以前にドイツがBSE騒動で行き場の なくなった肉を北朝鮮に送ったとか、日本で古米の在庫を北朝鮮に 送ることで一掃したとかいうような話を思い出します。 北朝鮮と中国の国境では、中国側から食糧を投げて、北朝鮮の兵 士が必死で取るのを見て笑うという観光があるのだそうです。 まるで猿山見物で、人間のすることとは思えません。「もったい ないから困っている人へ」というのは善意には違いないのですが、 とても間違っていると思います。 いくら生活に困っても、残飯は自力であさるもの。人に恵んでも らうのはお金くらいにしておきたいものです。 --〔後記〕-------------------------------------------------- 今回はたくさんメールをいただきました。みなさん、どうもあり がとうございました。 水曜日に南部(みなべ)梅林に行ってきて、週末には見頃だろう と言っていたのですが、急に暖かくなりました。 ------------------------------------------------------------ -=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=--=/=-=/=-=/ -484号----------------- e-mail why@kenji.ne.jp ------------- --発行--渡辺--宏------- URL http://food.kenji.ne.jp/ ------------------------------------------------------------ 「宮沢賢治の童話と詩 森羅情報サービス」 http://why.kenji.ne.jp/ ------------------------------------------------------------ 購読者数4392名です。ご購読ありがとうございます。 ------------------------------------------------------------ 私あてのメールのあて先は、 why@kenji.ne.jp 私のホームページ(「安心!?食べ物情報」)は http://food.kenji.ne.jp/ です。 バックナンバーもすべて、このページで読めます。 【まぐまぐ】 このメールマガジンは、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を 利用して発行しています。( http://www.mag2.com/ ) マガジンIDは21668です。 このメールマガジンの登録や解除は http://food.kenji.ne.jp/food2.html へ。 -=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=--=/=-=/=-=/


