2009/11/20
[Cinemaの王国 vol.685]~『ゼロの焦点』
★☆★☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ☆★☆ ★☆ ☆ 「Cinemaの王国」 vol.685(2009.11.20) ★☆ ☆★☆ http://homepage1.nifty.com/pochie/ ★☆★☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ======================================================================= このメールマガジンは、自腹で年間100本以上の映画を観るライター(ぽち)が、 映画館で実際に観た映画の感想を書くマガジンです。配給会社など映画関係者 からのPR料は受け取っていません。 ======================================================================= /////////////////////////////////////////////////////////////////////// こんにちは。 本日は松本清張の名作推理小説の映画化『ゼロの焦点』を取り上げます。 /////////////////////////////////////////////////////////////////////// 〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓 【INDEX】 ◆1.今週のこの1本! ―『ゼロの焦点』― ◆2.メールちょうだい ◆3.ぽちのひとりごと 〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆1.今週のこの1本! ~『ゼロの焦点』~ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●『ゼロの焦点』 (2009年 日本)(上映時間2時間11分) 監督:犬童一心 出演:広末涼子、中谷美紀、木村多江、杉本哲太、崎本大海、野間口徹、黒田 福美、市毛良枝、本田博太郎、西島秀俊、鹿賀丈史 *TOHOシネマズ日劇ほかにて全国公開中 ホームページ http://zero-focus.jp/ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ <ストーリー> 結婚式から7日後、禎子(広末涼子)の夫・憲一(西島秀俊)が勤務地・金沢で 失踪してしまう。禎子は、憲一の足跡を追って金沢を訪れ、得意先会社の社長 夫人・室田佐知子(中谷美紀)と受付嬢の田沼久子(木村多江)という2人の 女と出会う。一方、憲一と関わりのある人物が被害者となる連続殺人事件が相 次いで発生し……。 <レビュー> ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 謎解きの面白さよりも人間ドラマと社会問題に注目すべき映画 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 過去にもテレビドラマや映画になっている松本清張の名作の映画化です。 舞台は昭和30年代。新婚間もない夫が突然失踪。残された妻は、見合い結婚で 夫の過去を知らず、失踪の理由もわかりません。そこで、夫がいなくなった金 沢に出かけ、いろいろと探るうちに、妻は夫の意外な顔を知ることになります。 しかも、その間に、夫に関係する人物が次々に謎の死を遂げるのです……。 というわけで、ミステリーなのですが、それほど凝った仕掛けはありません。 まあ原作の発表当時は画期的だったのかもしれませんが、ありとあらゆるトリ ックが登場した現在では、驚くようなところはまったくナシ。しかも、あまり にも有名な話で、多くの人が結末を知っていますからねぇ。 ただし、それでも魅力を失わないのが松本清張の小説のスゴイところ。トリッ ク以上に面白いのが登場人物の人間ドラマ。そして、事件の背景にある社会的 な状況です。 そんな原作の良さをキッチリと生かしているのがこの映画。人間ドラマでは、 突然夫が失踪してとまどい苦しむ禎子、得意先会社の社長夫人・室田佐知子や 受付嬢・田沼久子の女たちの心理が巧みに描かれます。心の揺らめきを的確に 描写するあたりは、さすがに『ジョゼと虎と魚たち』『メゾン・ド・ヒミコ』 の犬童一心監督です。 事件の社会的な背景も描写されます。冒頭に登場するのは、戦争中のシーン。 それが登場人物たちの人生に大きな影を落としていたことが印象付けられます。 そして、米軍支配下の戦後の混乱期から昭和30年代に至る中で、低い地位に貶 められていた女性たちが立ち上がる姿が、事件の背景として描かれます。社会 派・松本清張の原作らしい映画です。 映像も見事です。特に北陸のどんよりした空と、日本海の荒々しい波が、スク リーン全体を重苦しく、物悲しげなタッチに染めていきます。そして、それと 対照的な女性たちに関係した赤い色……。 広末涼子、中谷美紀、木村多江というキャストも見応えがあります。特に木村 多江のはかなげな演技が絶品。この人、ますます良い女優になっていますね。 一方、中谷美紀のすさまじい演技には絶句。一瞬、ホラー映画かと思いました (笑)。コワすぎです。 ただし、広末の独白で進行させる展開はどうなんでしょう。あれはやめたほう がよかったのでは? というわけで、ミステリーとしての面白さには欠けるし、驚くようなところも まったくありません。しかし、女たちの人間ドラマはなかなかのもの。事件の 背景にある日本の戦後の歴史もよくわかります。 でも、まあ若い人には、ピンと来ないかもね。たとえ頭で理解できても、それ がなぜああいう事件につながるのか、よく理解できないかもしれません。それ だけ日本が変わったということでしょう。 《ぽちの満足度》 ★★☆☆☆(+1/2★) 《ぽちのオススメ度》 ★★★☆☆ (ミステリーとはいえ、謎解きの面白さより人間ドラマや社会派の側面に注目 しましょう。キャストの演技も見応えあり。) (ぽち) 〔鑑賞データ〕 2009年11月18日(日)ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後12時30分の 回 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆2.メールちょうだいッ!! ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「Cinemaの王国」は皆さんからのメールを活力に発行を続けておりまッす。 みなさんも「Cinemaの王国」へのメッセージや取り上げて欲しい作品のリクエ スト、観た映画の感想など、気軽にメールをくださいネ。できれば名前(ハン ドルネーム可)を本文中に明記してください。(メールは誌面で紹介する場合 もあります。載せて欲しくない方は、その旨を明記してください。) ・メールはこちらまで fwkg4052@mb.infoweb.ne.jp ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆3.ぽちのひとりごと ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ *本日より『イングロリアス・バスターズ』と『ロフト.』が公開。明日から は、『2012』『華鬼』『黄金花 秘すれば花、死すれば蝶』『曲がれ!スプー ン』『ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない』『俺たち の世界』『つむじ風食堂の夜』などが公開です。 (ぽち) ~◇~◇~◇~◇~◇~◇~◇~◇~◇~◇~◇~◇~◇~◇~◇~◇~◇~ ☆このメールマガジンは ■『まぐまぐ』 http://www.mag2.com/ ID:0000021508 の配信システムを利用して発行しています。 ==================================================================== ■週刊「Cinemaの王国」 vol.685 (2009.11.20) ●編集発行人:ぽち ●登録・解除はこちらからお願いします。 http://homepage1.nifty.com/pochie/mailmaga/moushikomi.html (発行者自身による解除、アドレスの変更等は一切行っておりません。ご面 倒でもホームページまたは上記メルマガサイトからお願いします。) ☆本誌に掲載されている評価、感想等はあくまでも個人のものであり、特定の 団体、個人等を中傷する意図はありません。掲載された内容に起因するトラブ ルには一切関知いたしません。また、記事の無断転載はお断りします。 ●Copyright(c)1999-2009 ぽち fwkg4052@mb.infoweb.ne.jp ====================================================================



