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自腹で年間100本以上の映画を観るライターが、新作映画を中心に毎週1~2本の映画をバッサリ斬る映画レビュー・マガジン。メジャーな映画雑誌にはないユニークな視点を心がけます。映画ファン必見!

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2010/02/05

[Cinemaの王国 vol.711]~『ゴールデンスランバー』

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☆   「Cinemaの王国」  vol.711(2010. 2. 5)
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このメールマガジンは、自腹で年間100本以上の映画を観るライター(ぽち)が、
映画館で実際に観た映画の感想を書くマガジンです。配給会社など映画関係者
からのPR料は受け取っていません。
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こんにちは。
本日は、日本映画を取り上げます。人気作家の伊坂幸太郎の小説の映画化です。

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【INDEX】
◆1.今週のこの1本!
  ―『ゴールデンスランバー』―
◆2.メールちょうだい
◆3.ぽちのひとりごと
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◆1.今週のこの1本! ~『ゴールデンスランバー』~
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●『ゴールデンスランバー』
(2009年 日本)(上映時間2時間19分)
監督:中村義洋
出演:堺雅人、竹内結子、吉岡秀隆、劇団ひとり、香川照之、柄本明、濱田岳、
渋川清彦、ベンガル、大森南朋、貫地谷しほり、相武紗季、伊東四朗、永島敏
行、石丸謙二郎、ソニン、でんでん、滝藤賢一、木下隆行、木内みどり、竜雷
太
*TOHOシネマズ日劇ほかにて全国公開中
ホームページ http://www.golden-slumber.jp/
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<ストーリー>
仙台で凱旋パレード中の首相がラジコンヘリ爆弾によって暗殺される。宅配便
のドライバーの青柳(堺雅人)は、久々に会った大学時代の同級生・森田(吉
岡秀隆)から「オズワルドにされるぞ。とにかく逃げろ」と謎の警告を受けた
直後に警官から発砲され、首相暗殺犯として追われる身となる。身に覚えのな
い証拠によって追い詰められる青柳を心配した大学時代の元恋人の晴子(竹内
結子)は、かつての仲間たちに連絡を取ろうとするのだが……。

<レビュー>
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暗殺犯人に仕立てられた男のスリリングで笑える逃走劇
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『アヒルと鴨のコインロッカー』『フィッシュストーリー』に続いて伊坂幸太
郎の小説を中村義洋監督が映画化した作品。スケールの大きなサスペンスでは
あるものの、それだけにとどまらず様々な魅力を持った映画です。

オープニングはデパートのエレベーターの中の親子連れと謎の男。実は、この
オープニングがエンディングにつながるのです。

続いて登場するのが主人公の青柳。宅配便の仕事をしている彼は、2年前に偶
然アイドルを助けたことからちょっとした有名人に。そして、今は大学時代の
友人と久々に再会。しかし、彼が謎めいた言葉を吐いた直後に、近くでパレー
ド中の首相が爆弾で殺害され、青柳はその犯人に仕立てられてしまいます。

ドラマの導入部はリアルです。青柳が犯人とされた決め手の監視カメラの映像、
テロ捜査のためなら平気で法を犯す捜査当局、そんな当局に踊らされるマスコ
ミ。最近の社会の状況がドラマの展開に説得力を与えています。

青柳が犯人とされたテロの背景には、国家的な陰謀があるらしいことがわかり
ます。しかし、中心に描かれるのはあくまでも青柳の逃走劇。そこには様々な
人々が関わってきます。

青柳の元彼女をはじめ大学時代の友人たち、かつての同僚、父親、昔のバイト
先の社長、自称裏の世界の人間など。事件に巻き込まれながらも、彼らは青柳
を信じてサポート役を果たします。

伊坂作品の映画化らしく、この物語には鮮やかな伏線が張られています。ビー
トルズの曲「ゴールデンスランバー」、空き地に捨てられた車、打ち上げ花火
……。登場した時にはわからないのですが、後になって「なるほどなぁ」とい
う仕掛けが満載。おかげでスリリングで見応えある逃走劇が展開されます。

ユーモアもタップリ。笑える会話の連続です。青柳とアイドルとの関係(「死
ぬ、死ぬ」てそういうことかい!)やシーマンが登場するあたり、ゲームファ
ンなら思わずニッコリ!?

導入部ではリアルだったドラマですが、その後はファンタジー的な要素も加わ
ります。連続通り魔の活躍なんて現実ではありえないこと。でも、そのおかげ
で少々ウソくさかったり、強引な展開も気になりません。リアルと非リアルを
縦横無尽に行き来して、楽しいドラマを生み出しています。

クライマックスでは、人と人とのつながり、信頼することの大切さが伝わって
きます。

いかにも犯人に仕立てられそうな堺雅人演じる青柳を始め、キャラクターもよ
く作り込まれています。ただし、脇役まで有名俳優がゾロゾロ出てくるのはウ
ザイ感じもしましたが……。

よく考えられた仕掛けが満載で、ユーモアもタップリ。見応えのあるエンター
ティメントです。原作は読んでいませんが、おそらく相当に面白いのでしょう。
それを十分に感じさせる出来です。

《ぽちの満足度》
★★★☆☆(+1/2★)

《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆(+1/2★)
(スリリングなサスペンスながら笑いもタップリ。エンターティメントとして
見応え十分です。)
                             (ぽち)

〔鑑賞データ〕
2010年1月31日(日)ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後12時45分の回

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◆2.メールちょうだいッ!!
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「Cinemaの王国」は皆さんからのメールを活力に発行を続けておりまッす。

みなさんも「Cinemaの王国」へのメッセージや取り上げて欲しい作品のリクエ
スト、観た映画の感想など、気軽にメールをくださいネ。できれば名前(ハン
ドルネーム可)を本文中に明記してください。(メールは誌面で紹介する場合
もあります。載せて欲しくない方は、その旨を明記してください。)
・メールはこちらまで fwkg4052@mb.infoweb.ne.jp

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◆3.ぽちのひとりごと
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*『ゴールデンスランバー』の最大の欠点は、劇中の「ゴールデンスラン
バー」がオリジナルのビートルズではなく、斉藤和義の演奏である点かも(そ
れはそれで良い演奏ですが)。著作権上の問題があったのでしょうか。ちなみ
に、私が以前に書いたプロットは、プロデューサーの「著作権的に困難」とい
う声でいまだに映画化されていません……。

*本日からは『50歳の恋愛白書』『インビクタス 負けざる者たち』、明日か
らは『新しい人生のはじめかた』『食堂かたつむり』『サベイランス』『草食
系男子。』『コーチ COACH 40歳のフィギュアスケーター』『抱擁のかけら』
『霜花店 運命、その愛』『涼宮ハルヒの消失』などが公開です。
                         (ぽち)

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