2009/11/04
[Cinemaの王国 vol.678]~『母なる証明』
★☆★☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ☆★☆ ★☆ ☆ 「Cinemaの王国」 vol.678(2009.11. 4) ★☆ ☆★☆ http://homepage1.nifty.com/pochie/ ★☆★☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ======================================================================= このメールマガジンは、自腹で年間100本以上の映画を観るライター(ぽち)が、 映画館で実際に観た映画の感想を書くマガジンです。配給会社など映画関係者 からのPR料は受け取っていません。 ======================================================================= /////////////////////////////////////////////////////////////////////// こんにちは。すっかり寒くなりました。11月最初に取り上げる映画は、韓国の 鬼才ポン・ジュノ監督の最新作。スゴイ映画です。 /////////////////////////////////////////////////////////////////////// 〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓 【INDEX】 ◆1.今週のこの1本! ―『母なる証明』― ◆2.メールちょうだい ◆3.ぽちのひとりごと 〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆1.今週のこの1本! ~『母なる証明』~ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●『母なる証明』(MOTHER) (2009年 韓国)(上映時間2時間9分) 監督・原案:ポン・ジュノ 出演:キム・ヘジャ、ウォンビン、チン・グ、ユン・ジェムン、チョン・ミソ ン *シネマライズ、シネスイッチ銀座、新宿バルト9ほかにて全国公開中 ホームページ http://www.hahanaru.jp/ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ <ストーリー> ある町で女子高生が惨殺される事件が起きる。警察は、容疑者としてトジュン (ウォンビン)という青年を逮捕する。強引な取り調べでトジュンは自白する が、息子の無実を確信する母(キム・ヘジャ)は、自ら真犯人を探すことを決 意し行動を開始するのだが……。 <レビュー> ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 先の読めないサスペンスを通して壮絶な「母の愛」を描く ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 『ほえる犬は噛まない』『殺人の追憶』『グエムル/漢江の怪物』のポン・ジ ュノ監督の最新作。個人的に、世界の監督の中でも次回作が待ち遠しい1人で すが、今回もやってくれました。またまたスゴイ映画です! 息子に殺人容疑がかかった母親が、無実を証明すべく自ら真相を探るというお 話。殺人事件ネタは『殺人の追憶』と同じ。あの映画の魅力は、サスペンスの 面白さと事件を追う刑事の人間ドラマが見事に融合していたところでしたが、 この映画もサスペンスと人間ドラマの両方の面白さが堪能できます。ただし、 今回描かれるのは息子を思う母親の愛のドラマ。 オープニングは、その母親が草原で踊るシーン。いったい何がなにやらわから ない不思議なシーンですが、ついつい引き込まれてしまいます。その後も印象 的なシーンがたくさん登場します。 前半では、知的障害を持つ青年トジュンと、彼を見守る母の姿がいつものよう にユーモアを込めながら描かれます。 悪友のジンテとつるむ息子にハラハラさせられながらも、一生懸命に愛情を注 ぐ母。その溺愛ぶりは異常なほどで、正直気持ちが悪かったのですが、実はそ の背景に過去のあるショッキングな出来事が存在することが、あとになってわ かってきます。そのへんの仕掛けも見事です。 中盤からは殺人事件が起きて、トジュンが警察に逮捕されてしまいます。強引 な取り調べで自白させられるものの、無実を信じる母親は弁護士のもとに押し かけたり、知り合いの刑事に泣きついたりして、なんとか息子を助けようとし ます。しかし、それでもダメだとわかった彼女は、自ら真犯人を探そうとしま す。 というわけで、そこからはまったく緊張感の途切れないスリリングな展開。サ スペンスとしての面白さがどんどん増していきます。なりふりかまわずに、息 子の悪友や被害者の女子高生の周辺を追いかけ、執念で真相を探ろうとする母 親。様々な伏線が周到に張られて、二転三転する展開はまったく先が読めませ ん。 これでめでたく母親が真相を突き止めて、息子の無実を証明した……となれば ごく普通の感動物語なわけですが、ポン・ジュノがそんなありがちな映画をつ くるはずがありません。 その後に明らかになる驚愕の事実。それに対して母親が取った行動は……。 いやぁ~、スサマジすぎます。背筋ゾクゾクものです。「美しい母の愛」など というきれいごとをぶっ飛ばす衝撃の展開です。 ラストで、バスの中で、自分に針を打つ母親の姿が印象的です。 この映画は、けっして母の愛を否定したものではないでしょう。しかし、それ が単純に美しいものではないことを告げています。時には暴走したり、恐ろし い方向に向かうこともある。そんな母の愛の複雑さを描くことで、観客にいろ いろなことを考えさせます。 壮絶な母親を演じたのは、TVドラマを中心に活躍し"韓国の母"とも称される 国民的大女優キム・ヘジャ。息子役のウォンビンは、5年ぶりの映画出演。 またまたやってくれたポン・ジュノ監督。これだから彼の作品からは絶対に目 が離せないのです。 《ぽちの満足度》 ★★★★☆(+1/2★) 《ぽちのオススメ度》 ★★★★☆ (先の読めないスリリングなミステリーと、すさまじい母親の人間ドラマを描 いた見事な映画。) (ぽち) 〔鑑賞データ〕 2009年10月31日(土)シネマライズにて。午後2時35分の回 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆2.メールちょうだいッ!! ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「Cinemaの王国」は皆さんからのメールを活力に発行を続けておりまッす。 みなさんも「Cinemaの王国」へのメッセージや取り上げて欲しい作品のリクエ スト、観た映画の感想など、気軽にメールをくださいネ。できれば名前(ハン ドルネーム可)を本文中に明記してください。(メールは誌面で紹介する場合 もあります。載せて欲しくない方は、その旨を明記してください。) ・メールはこちらまで fwkg4052@mb.infoweb.ne.jp ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆3.ぽちのひとりごと ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ *『空気人形』をもう1回観ました。良い映画は何度観ても良いです。 (ぽち) ~◇~◇~◇~◇~◇~◇~◇~◇~◇~◇~◇~◇~◇~◇~◇~◇~◇~ ☆このメールマガジンは ■『まぐまぐ』 http://www.mag2.com/ ID:0000021508 の配信システムを利用して発行しています。 ==================================================================== ■週刊「Cinemaの王国」 vol.678 (2009.11. 4) ●編集発行人:ぽち ●登録・解除はこちらからお願いします。 http://homepage1.nifty.com/pochie/mailmaga/moushikomi.html (発行者自身による解除、アドレスの変更等は一切行っておりません。ご面 倒でもホームページまたは上記メルマガサイトからお願いします。) ☆本誌に掲載されている評価、感想等はあくまでも個人のものであり、特定の 団体、個人等を中傷する意図はありません。掲載された内容に起因するトラブ ルには一切関知いたしません。また、記事の無断転載はお断りします。 ●Copyright(c)1999-2009 ぽち fwkg4052@mb.infoweb.ne.jp ====================================================================


