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2009/06/17

[Cinemaの王国 vol.629]~『アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン』

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☆   「Cinemaの王国」  vol.629(2009. 6.17)
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このメールマガジンは、自腹で年間100本以上の映画を観るライター(ぽち)が、
映画館で実際に観た映画の感想を書くマガジンです。配給会社など映画関係者
からのPR料は受け取っていません。
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こんにちは。
今週は2本の映画を取り上げる予定です。本日は、日米韓の豪華スター共演に
よる作品です。

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【INDEX】
◆1.今週のこの1本!
  ―『アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン』―
◆2.メールちょうだい
◆3.ぽちのひとりごと
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◆1.今週のこの1本! 〜『アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン』〜
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●『アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン』(I COME WITH THE RAIN)
(2009年 フランス)(上映時間1時間54分)
監督・脚本:トラン・アン・ユン
出演:ジョシュ・ハートネット、木村拓哉、イ・ビョンホン、ショーン・ユー、
トラン・ヌー・イェン・ケー、イライアス・コティーズ
*TOHOシネマズ六本木ヒルズほかにて全国公開中
ホームページ http://icome.gyao.jp/
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<ストーリー>
元刑事の私立探偵クライン(ジョシュ・ハートネット)は、ある時、富豪の男
から失踪した息子シタオ(木村拓哉)の捜索依頼を受ける。シタオを追って、
ロスからフィリピン、香港へと飛ぶクライン。そこで、彼はマフィアのボス、
ス・ドンポもシタオを探していることを知るのだが……。

<レビュー>
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豪華スター共演で描くキリストの受難をテーマにした観念的な映画
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『青いパパイヤの香り』『夏至』などで知られるベトナム系フランス人のトラ
ン・アン・ユン監督。最近では村上春樹の『ノルウェイの森』の映画化で監督
を担当することでも話題です。

もともとエンターティメントとはかなり距離のある、作家性の強い作品で知ら
れる監督ですが、さすがに今回は、ジョシュ・ハートネット、木村拓哉、イ・
ビョンホンというアメリカ、日本、韓国の人気スターを起用しているだけに、
わかりやすいエンターティメント寄りの映画になっているのでは?

と思ったら大間違い!!! 以前よりももっと難解な作品になっているではな
いですか(笑)。

全体の構図はサスペンス・ミステリー。大富豪の息子シタオが行方不明になり、
探偵のクラインが捜索を依頼され、フィリピンから香港へと移動して行方を追
います。そんな中で、自分の女を連れて行かれたマフィアのボスのス・ドンポ
も、シタオを必死になって追うという展開。

お話だけ聞けば、完全なエンタメ映画のようですが、実際は違います。テーマ
は、ズバリ、「キリストの受難」。シタオという青年は、自らが苦痛を受ける
代わりに、病んだ人を癒す不思議な能力の持ち主。いわば現代のキリストです。
そんな彼が暴力によって痛めつけられ、受難に追い込まれる姿を描いています。

彼を追う探偵のクラインも暴力とは深い関わりがあります。刑事時代に、連続
殺人犯人を追ううちに、恐ろしいトラウマを持つに至ったのです。

そんな2人と、愛ゆえに精神的な苦痛に悩むギャングのス・ドンポによる不思
議な物語。わかりやすいメッセージはありませんが、様々な示唆に富んだ奥行
きのある映画です。観客の想像力を大いに刺激します。

トラン・アン・ユン監督の作品らしく映像も見事。手持ちカメラを使いつつ、
不安定で美しい映像を生み出しています。小道具やセットも懲っています。そ
して音楽も魅力的。

観終わって、いろいろなことを考えさせるという点では、見応えのある作品と
いえるでしょう。クライン、シタオ、ス・ドンポ。3人とも肉体的、精神的な
苦痛にのたうちまわり、癒しを求める姿は、宗教と人間との根本的な関係を暗
示しているのかもしれません。

とはいえ、かなり観念的な映画なのでご注意を。やや荒っぽかったり、舌足ら
ずの描写も目につきます。特にせっかくサスペンスの構図を採用しているのだ
から、そのあたりの面白さがあってもよかったのでは?

ちなみに、ス・ドンポの女を演じているトラン・ヌー・イェン・ケーは、トラ
ン・アン・ユン監督の奥さんです。

《ぽちの満足度》
★★★☆☆

《ぽちのオススメ度》
★★☆☆☆
(難解ながら、いろいろと考えさせられる映画です。ただし、豪華スター共演
に引かれて、気軽に観に行くと混乱します。)
                              (ぽち)

〔鑑賞データ〕
2009年6月11日(木)池袋シネマサンシャインにて。午後3時30分の回

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◆2.メールちょうだいッ!!
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*あさっては、ミッキー・ローク主演『レスラー』を取り上げる予定です。
                         (ぽち)

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