2009/06/05
[Cinemaの王国 vol.625]~『重力ピエロ』
★☆★☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ☆★☆ ★☆ ☆ 「Cinemaの王国」 vol.625(2009. 6. 5) ★☆ ☆★☆ http://homepage1.nifty.com/pochie/ ★☆★☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ======================================================================= このメールマガジンは、自腹で年間100本以上の映画を観るライター(ぽち)が、 映画館で実際に観た映画の感想を書くマガジンです。配給会社など映画関係者 からのPR料は受け取っていません。 ======================================================================= /////////////////////////////////////////////////////////////////////// こんにちは。こちらは梅雨のようなグスグズの天気です。 本日は、伊坂幸太郎原作の日本映画を取り上げました。 /////////////////////////////////////////////////////////////////////// 〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓 【INDEX】 ◆1.今週のこの1本! ―『重力ピエロ』― ◆2.メールちょうだい ◆3.ぽちのひとりごと 〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆1.今週のこの1本! 〜『重力ピエロ』〜 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●『重力ピエロ』 (2009年 日本)(上映時間1時間59分) 監督:森淳一 出演:加瀬亮、岡田将生、小日向文世、吉高由里子、岡田義徳、渡部篤郎、鈴 木京香 *シネカノン有楽町1丁目ほかにて全国公開中 ホームページ http://jyuryoku-p.com/ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ <ストーリー> 大学院で遺伝子研究をする兄の泉水(加瀬亮)と、落書き消しの仕事をしてい る弟の春(岡田将生)。2人は、仙台の街で起こる連続放火事件と、その現場近 くに残されたグラフィティアートの関連性に気付き、事件の真相追及に乗り出 す。やがて、それが家族にまつわる哀しい過去につながっていく……。 <レビュー> 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ミステリーの魅力はないが、家族のドラマとしては奥行きあり 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 伊坂幸太郎の小説の映画化。ただし、『アヒルと鴨のコインロッカー』『フィ ッシュストーリー』をはじめとする他の伊坂作品の映画とは、ずいぶん雰囲気 が違います。 2人の対照的な兄弟。そして、父。彼らが住む街で起きる連続放火事件を追う うちに、やがて亡くなった母を含めた家族の過去へとつながっていきます。 全体の構成はミステリー仕立てですが、正直なところ、そちらのほうは魅力ゼ ロです。原作を読んでいないので何ともいえないのですが、おそらく製作者た ちが意識してそうしているのでしょう。 放火現場の近くで見つかるグラフィティアートがDNAと関係しているという ネタはユニークですが、それ以外は見るべきものがありません。犯人は最初か らバレバレ。謎解きの面白さはまったくありません。 しかし、その代わりに力を注いで描かれるのが家族の物語。まったく似ていな いけれど、いつも一緒で助け合う兄弟。それを温かく見守る父。だが、そこに は今は亡き母をめぐる過去の恐ろしい事件があります。それに翻弄された家族 の微妙なバランスの上に立った絆が、繊細に描かれていきます。 家族のキャラクター設定も巧みなら、演じる役者たちも見事な演技。加瀬亮、 岡田将生、小日向文世、鈴木京香らが、物語に流れる独特の空気をとらえた演 技を披露しています。 物語の底に流れるのは、「人間とは環境なのか遺伝なのか」というテーマ。弟 と父との関係を通して、様々なことを考えさせてくれます。また、どんな困難 な時でも、結局は自分自身で決断する以外にないということも、よく伝わって きました。 原作のものなのかもしれませんが、セリフもなかなか面白いですね。現実には ない変わったセリフですが、この映画のタッチには合っています。 ただ、やや上っ滑りなところもあるし、現実感はあまり感じられません。家族 の物語に放火事件のミステリーが絡んでくると、ますますリアルさとは遠くな る感じ。まあ、それが逆に、この映画の味なのかもしれませんが。 ラストはスッキリするような明快な結末ではありません。観客に様々なことを 考えさせます。 ミステリーの部分に期待しないで、家族のドラマとして観ることをおすすめし ます。 《ぽちの満足度》 ★★★☆☆ 《ぽちのオススメ度》 ★★★☆☆ (伊坂幸太郎原作の映画の中では異色。いろいろと考えさせられる家族のドラ マです。) (ぽち) 〔鑑賞データ〕 2009年6月1日(日)ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後2時15分の回 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆2.メールちょうだいッ!! ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「Cinemaの王国」は皆さんからのメールを活力に発行を続けておりまッす。 ▼(こーいち)さんから『消されたヘッドライン』の感想をいただきました。 <確かに一気に引っ張っていくシナリオ、ドキュメンタリ出身の監督らしい緊 張感ある絵作りはスゴイと思いました。人物もキャラがしっかり立って魅力が あります。ただ、ラストはどうでしょう。ぽちさんも微妙な書き方をされてい ますが、問題が一気に矮小化してしまい、アリかもしれませんが、話がしぼん でしまっているのは残念です。> ありがとうございました。 みなさんも「Cinemaの王国」へのメッセージや取り上げて欲しい作品のリクエ スト、観た映画の感想など、気軽にメールをくださいネ。できれば名前(ハン ドルネーム可)を本文中に明記してください。(メールは誌面で紹介する場合 もあります。載せて欲しくない方は、その旨を明記してください。) ・メールはこちらまで fwkg4052@mb.infoweb.ne.jp ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆3.ぽちのひとりごと ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ *昨日は徳島取材。徳島ラーメン食べ損ねた! *明日からは、『ザ・スピリット』『ウルトラミラクルラブストーリー』『サ ガン 悲しみよこんにちは』『ガマの油』『ハゲタカ』『幸せのセラピー』『U SB』『アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン』などが公開です。 (ぽち) 〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜 ☆このメールマガジンは ■『まぐまぐ』 http://www.mag2.com/ ID:0000021508 の配信システムを利用して発行しています。 ==================================================================== ■週刊「Cinemaの王国」 vol.625 (2009. 6. 5) ●編集発行人:ぽち ●登録・解除はこちらからお願いします。 http://homepage1.nifty.com/pochie/mailmaga/moushikomi.html (発行者自身による解除、アドレスの変更等は一切行っておりません。ご面 倒でもホームページまたは上記メルマガサイトからお願いします。) ☆本誌に掲載されている評価、感想等はあくまでも個人のものであり、特定の 団体、個人等を中傷する意図はありません。掲載された内容に起因するトラブ ルには一切関知いたしません。また、記事の無断転載はお断りします。 ●Copyright(c)1999-2009 ぽち fwkg4052@mb.infoweb.ne.jp ====================================================================


