2009/05/01
[Cinemaの王国 vol.617]~『グラン・トリノ』
★☆★☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ☆★☆ ★☆ ☆ 「Cinemaの王国」 vol.617(2009. 5. 1) ★☆ ☆★☆ http://homepage1.nifty.com/pochie/ ★☆★☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ======================================================================= このメールマガジンは、自腹で年間100本以上の映画を観るライター(ぽち)が、 映画館で実際に観た映画の感想を書くマガジンです。配給会社など映画関係者 からのPR料は受け取っていません。 ======================================================================= /////////////////////////////////////////////////////////////////////// こんにちは。 今日から5月。そしてゴールデンウィーク真っ只中の方も多いことでしょう。 お休みの間にでも、ぜひ観てもらいたいのが本日取り上げる映画。クリント・ イーストウッド監督の『グラン・トリノ』です。 /////////////////////////////////////////////////////////////////////// 〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓 【INDEX】 ◆1.今週のこの1本! ―『グラン・トリノ』― ◆2.メールちょうだい ◆3.ぽちのひとりごと 〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆1.今週のこの1本! 〜『グラン・トリノ』〜 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●『グラン・トリノ』(GRAN TORINO) (2008年 アメリカ)(上映時間1時間57分) 監督・製作:クリント・イーストウッド 出演:クリント・イーストウッド、ビー・バン、アーニー・ハー、クリストフ ァー・カーレイ、ジョン・キャロル・リンチ *丸の内ピカデリーほかにて全国公開中 ホームページ http://wwws.warnerbros.co.jp/grantorino/ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ <ストーリー> 朝鮮戦争の従軍経験を持つ元自動車工のウォルト・コワルスキー(クリント・ イーストウッド)は、妻に先立たれ、愛車「グラン・トリノ」や愛犬と孤独に 暮らしていた。そんなある日、隣に住むモン族の気弱な少年タオが不良少年グ ループに絡まれる。コワルスキーがライフルを手に彼らを追い払ったことをき っかけに、2人は少しずつ交流を深めていくのだが……。 <レビュー> 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ヘンクツな老人とアジア系の若者の交流に込めた暴力否定の願い 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 クリント・イーストウッドが『ミリオンダラー・ベイビー』以来4年ぶりに監 督・主演した映画です。 オープニングは、イーストウッド演じる元自動車工ウォルトの妻の葬儀シーン。 これにより一人暮らしとなったウォルト。ヘンクツで憎まれ口ばかり叩く嫌わ れ者で、別居する息子たちとの仲もギクシャク。 そして、自宅周辺は移民が増え、彼の隣家に住むのもアジア系のモン族の家族。 それを嘆いて悪態をつくウォルト。 そんな彼が大切にする愛車「グラン・トリノ」を、不良グループに命じられた 隣家の息子タオが盗もうとしたものの、ウォルトに見つけられて未遂に……。 これをきっかけに、ウォルトは隣家と交流し始めます。特に明るくフランクな 長女のスー(この女優がなかなか良い)が積極的にアプローチしたおかげで、 頑なだった彼の心が少しずつほぐれていきます。このあたりの微妙な変化の描 き方が見事。 そんな中でウォルトは、自分の道を見つけられずに消極的に生きる長男のタオ と交流するようになります。自分の工具を貸し与えたり、恋愛のアドバイスを したりして、まるで祖父や父のように接するようになります。それに応えてタ オも少しずつたくましくなっていきます。 ウォルトとタオ一家との交流は、ほほえましくてユーモラス。笑える場面がた くさんあります。 しかし、その一方で、タオにつきまとう不良グループのしつこさはエスカレー トするばかり。それに対して銃を手に、暴力的に対抗するウォルト。その姿は、 かつての「ダーティーハリー」でのイーストウッドを彷彿とさせる迫力です。 実はウォルトは朝鮮戦争に従軍して、人を殺してきた過去があります。それが、 中盤以降のドラマの展開に厚みを加えています。 やがて後半になって起きる衝撃的な出来事。それに対して、ウォルトはどんな 行動をとったのか。すべてを明らかにしてしまうような無粋なマネはしません が、とにかく高潔で感動的な結末です。 そして、そこに込められているのは、暴力の愚かさ、暴力が暴力を招く連鎖の 恐ろしさを訴えるメッセージです。 かつて「ダーティハリー」で銃を武器に不正を打ち砕いたイーストウッドが、 こういう形の結末を描いたのは時代の変化を感じさせますね。それと同時に、 より強い説得力が感じられます。 観終わって深い余韻が残ります。エンディングで流れる音楽も素晴らしい。 それにしても、こんなに見事な映画がどうしてアカデミー作品賞候補にならな かったのか? うーむ、謎……。とにかく、ぜひ観てもらいたい映画です! 《ぽちの満足度》 ★★★★☆(+1/2★) 《ぽちのオススメ度》 ★★★★☆ (イーストウッドのキャリアの集大成といってもいいような素晴らしい映画。 個人的には、とりあえず現時点で今年のナンバー1!) (ぽち) 〔鑑賞データ〕 2009年4月26日(日)シネマ・ロサにて。午後3時30分の回 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆2.メールちょうだいッ!! ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「Cinemaの王国」は皆さんからのメールを活力に発行を続けておりまッす。 ▼(ロッタ)さんから『バーン・アフター・リーディング』と『レイン・フ ォール 雨の牙』の感想をいただきました。 <コーエン兄弟の作、ということで『バーン・アフター・リーディング』を観 ました。『ノーカウントリー』とは全然違うけど、あの結末はやはりコーエン 兄弟だなあと思いました。豪華キャストが楽しかったです。 『レイン・フォール 雨の牙』、なんかサスペンスにしそこなったような変な 映画で、退屈してしまいました。> ありがとうございました。 みなさんも「Cinemaの王国」へのメッセージや取り上げて欲しい作品のリクエ スト、観た映画の感想など、気軽にメールをくださいネ。できれば名前(ハン ドルネーム可)を本文中に明記してください。(メールは誌面で紹介する場合 もあります。載せて欲しくない方は、その旨を明記してください。) ・メールはこちらまで fwkg4052@mb.infoweb.ne.jp ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆3.ぽちのひとりごと ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ *本日から『デュプリシティ スパイは、スパイに嘘をつく』『GOEMON』『新 宿インシデント』『チェイサー』などが公開になっています。明日も『ベルサ イユの子』などが公開に。 (ぽち) 〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜 ☆このメールマガジンは ■『まぐまぐ』 http://www.mag2.com/ ID:0000021508 の配信システムを利用して発行しています。 ==================================================================== ■週刊「Cinemaの王国」 vol.617 (2009. 5. 1) ●編集発行人:ぽち ●登録・解除はこちらからお願いします。 http://homepage1.nifty.com/pochie/mailmaga/moushikomi.html (発行者自身による解除、アドレスの変更等は一切行っておりません。ご面 倒でもホームページまたは上記メルマガサイトからお願いします。) ☆本誌に掲載されている評価、感想等はあくまでも個人のものであり、特定の 団体、個人等を中傷する意図はありません。掲載された内容に起因するトラブ ルには一切関知いたしません。また、記事の無断転載はお断りします。 ●Copyright(c)1999-2009 ぽち fwkg4052@mb.infoweb.ne.jp ====================================================================



