2002/01/31
Cosmy/子供ステーション No.25
★=============================== Cosmy☆コズミィ/子供ステーション No.25 2002.01.31 ===============================★ 感動というもの 二週間ほど前、近くの公民館が主催の「天体観望会」がありました。 その指導を頼まれて、寒空の中出かけていきました。 天体観望会とは文字通り、夜空をみんなで眺めて楽しもうという企画。 星座を探してみたり、望遠鏡などを用意して、普段は肉眼で見ている星々を 拡大して見ようというわけです。 その公民館の観望会は昨年に三回シリーズで行われていたのですが、 残念なことに三回とも悪天となってしまいました。参加者の皆さんは ついに本物の星を見られないまま終わってしまいました。 今回は待ちに待った晴天です。夕刻から期待が高まります。 ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ 広いグラウンドに集まったのは、いわゆる「天文ファン」とは違う、 ごく普通の家庭の皆さんです。20人ほどでしたが、寒さにもめげず 小学生前のちびっこからおじいちゃんおばあちゃんまで居ます。 みんなで空を仰ぎ、あれは何という星座だとか、あの明るい星は何だとか、 大いにはしゃぎながら時を過ごしました。列を作って望遠鏡に並び、 代わりばんこにレンズをのぞき込みます。空の中ではただの光の点 でしかなかったものが、レンズを通すと鮮やかに色付いていたり、 丸い形になったり、縞模様が見えたり、無数の星の固まりであったり・・。 遠い宇宙に思いを馳せるのに充分な感動が、そこにはありました。 そして老若男女問わず、その感動は一様のものでした。 中でも、ある一家族の感動の仕方は半端なものじゃなかったのです。 お母さん、娘さん、そして小さな息子さん。全員が観望会は初めてでした。 折しも「土星」という天体が良く見える季節。土星は輪を持つ不思議な星。 まるで麦わら帽子のようなものが宙に浮いている姿は、それがどんなに 小さな見え方であっても大きな感動を呼び起こします。 図書やメディアが充分に発達している現代、土星の姿はどなたも 写真などで見たことがあるでしょう。大きな天文台や宇宙を探査する 機械が写した、迫力のある大きな映像。それを頭で知ってはいても、 実際に空に浮かんでいるものを直に見る機会は、ほとんど無いのでは ないでしょうか。頭でっかちになりつつある現代人の「物足りなさ」は、 言うまでもなく「本物」を見聞きし、感じる機会の少なさにあるようですね。 土星を見せてあげると、誰もが「きゃー」とおっしゃいます。 そして「これ、本物だよね!?」と念を押すように聞かれます。 そう、知識などに左右されない、今のあなたのこの瞬間が かけがえのない心の宝物なんですよ、とぼくは思うわけです。 また目の前で感動されている方々が、ぼく自身の感動にもなっています。 その息子さんはまだ土星という天体のことを知らないようでした。 でも、レンズの中にある不思議な形に見とれて、ずーっと首を傾げていました。 どうにも納得がいかないといった様子。お母さんが、「あの星を見てるんだよ」 と指さしても、その星がなぜこんな形に見えるのか、不思議そうでした。 ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ 非日常を体験することは大きな感動を呼び起こします。 と同時に、少し心配もあります。 それは、「日常」に感動しなくなってしまうのではないか、ということ。 人間は「慣れ」る動物ですから、毎日繰り返されればそれを当たり前のことと 思うようになっていくのですね。小さなお子さんが大人になっていくに連れて スレてしまうという言われ方をするのは、慣れが心を支配してしまったことに 他ならないでしょう。刺激を求め続ける限り、人はスレ続けるのかも知れません。 毎日繰り返されること。日が昇り、鳥たちがさえずり、 水が流れて、雲が行き交い、そして日が暮れる。 晴れた晩には星が輝き、星座はいつだって見えていること。 天体観望会はたまにやるから感動するのだという方もおりますが、 果たしてそれでいいのかどうか、ぼくには少し疑問もあります。 幸い、人は忘れることも出来ます。 感動をするのに、何の知識も必要ありません。 その花が何という花か知らなくても美しいと感じられるし、 その鳥が何という鳥か分からなくても、綺麗な声に感動できます。 むしろ知っているということが、感動を邪魔することだって多いはず。 知っているからもう見なくてもいいや、聞かなくてもいいや、 そう、はなっから決めつけてしまうのです。 情緒からかけ離れて暮らすことの多い子供たちには 尚更そういう傾向を感じます。 息子さんの頭をなでながら、お母さんはおっしゃいました。 「この感動を忘れずにいてくれたらねぇ。」 いいえ、忘れてしまっていいんですよ、お母さん。 大人はいつだって、子供たちにチャンスを作ってあげる存在で あるのですから。それが日課なのですからね。 そして、感動とは、目を向ければそこにいつでも有り続けるのですから。 (みゃお) ★========================= 発行:Cosmy☆コズミィ 宇宙・地球・人間を考えるメールマガジン ◎星空セラピー<21410> ◎子供ステーション<21419> ◎恋愛を見つめて<21418> ◎生命の泉<23813> ☆バックナンバー http://homepage1.nifty.com/cosmy/ ==========================★


