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2009/06/19

「億の近道」 2009/06/19

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投資情報メールマガジン                   2009/06/19
             イ意 の 近 道

         −プロが導く「億」資産への近道−   週5回発行
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             −本日の目次−
        (本日の担当:村田雅志&番頭さん)

   ◆コラム「グローバル投資のポイント(142)」:村田 雅志
   ◆コラム「海外直接投資における誤解」:番頭さん

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◆コラム「グローバル投資のポイント(142)」

■家計が苦しむのが前提の株高の継続■

 株価の上昇が続いています。先週末(6月12日)、日経平均株価の終値は、
1万0135円82銭と、昨年10月7日以来8カ月ぶりに終値で1万円を回
復しました。また、米国株式相場のダウ工業株30種平均の終値は、8799
ドル26セントと、1月6日以来の高値となっています。

 いつものことですが、株価の上昇ペースが速いことで、この株高はいつまで
続くのか?といったテーマを取り上げる新聞・雑誌が増えています。あくまで、
簡単な確認でしかありませんが、新聞等でコメントを寄せる有識者と呼ばれる
方々の中には、今回の株高は長くは続かず、いずれ下落する、と考える方も少
なからず存在します。

 株高が続かない、と考える理由の一つは、米国経済の回復が続かないと予想
されるからです。米国経済を下押ししている住宅価格の下落は続いているほか、
雇用者数も減少幅は小さくなっているとはいえ、依然として減少が続いていま
す。住宅価格の下落と雇用の減少という2つの重石がなくならないかぎり、米
国経済が低迷を続けると考えるのは自然のことといえます。

 現在の株高は、世界的な金融危機(リーマン・ショック)に対する過剰反応
の修正であって、過去の下落分を多少取りしただけに過ぎない、という見方も
あります。たしかに、日経平均株価は、昨年9月に7千円を一時割り込むほど
の反応を示しました。今になってみれば、あのときの株安は、過剰反応といえ
なくもありませんので、金融危機の可能性が後退したことで、株安を取り戻す
動きがでてくるのも不思議ではありません。

 こうした考え方は、それなりに合理的なものといえ、否定しきれるものでは
ありません。しかし、最近の原油高・長期金利の上昇が、世界的なインフレを
示しているのであれば、足元の株高も、インフレとともに、それなりに続いて
しまうのかもとの思いを捨て切れません。

 一般的な金融理論では、株価は、企業収益(利益)に連動すると考えられて
います。企業収益は、売上高と各種費用(コスト)の差額になりますので、コ
ストの伸び(増分)よりも売上高の伸びが大きければ、企業収益は増えること
になります。

 売上高は、一般に販売単価と販売数量に分解できます。つまり、インフレが
進み、販売単価が上昇すれば、販売数量が増えなくても売上高は増えることに
なります。

 インフレが進めば、売上高だけでなくコストも増えます。しかし、企業のコ
ストは、モノだけでなくヒト(人件費)で構成されます。インフレが進んでも、
人件費(賃金)が増えなければ、コストは売上高ほど増えず、結果として企業
収益は拡大します。

 こうしたロジックを紹介すると、賃金が増えないのに、インフレが進むのか?
という疑問をいただくことが多くあります。ただ、インフレは、需要が高まる
時だけでなく、流通するお金の量(マネーサプライ)が拡大しても生じます。
なぜなら、物価は、お金とモノとの交換比率を示したものですので、お金の量
が増えれば、相対的にモノ不足となり、インフレとなります。日本だけでなく
欧米各国で量的緩和政策を実施することで、ドルを中心にマネーサプライは飛
躍的に拡大しています。お金の量が一気に増えている以上、以前に比べてイン
フレの可能性は高まっているといえます。

 景気対策として、過去最大の財政支出を世界各国で実施していることも、イ
ンフレの可能性を高めます。賃金を得て消費をする家計での需要が増えなくて
も、政府が景気対策の名の下に財政支出を増やせば、インフレは進みやすくな
ります。

 理由が何であれ、インフレが進もうが、株高が続くのだから良いではないか、
という考える方もいらっしゃるかもしれません。しかし、上記シナリオは、企
業収益の拡大が、インフレと賃金の伸び悩みのセットが前提となったものです。
つまり、一般的な給与所得者にとっては、生活水準が低下することが前提とな
ります。株高が本当に良いかを考えるには、こうした視点もあわせる必要があ
るのでしょう。

村田雅志(むらた・まさし)
(FXCMジャパン・チーフエコノミスト)

<筆者について>
三和総合研究所、三和銀行にて産業機械アナリスト、
UFJ総合研究所にてエコノミストとして活動後、
2004年にGCIアセットマネジメント入社。
2005年9月にGCIキャピタル・チーフエコノミスト。
2009年4月より専修大学客員教授。
2009年6月より現職。

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◆コラム「海外直接投資における誤解」

 1998年の外為法改正により日本の居住者も、海外の銀行に、資産運用を
目的として口座開設をし、海外投資の決済口座として利用する為に認可を受け
た一部の外国為替銀行を通さなくても開設する事が可能になりました。

 億近の読者の方でも様々な用途で海外の預金口座を保有している方は多いの
ではないでしょうか。今後、FXのレバレッジ規制等が実施された場合、海外
のレバレッジ規制の無い国を求めて資金が流出し、その結果として海外預金口
座を開設する方も増えてくる可能性もあります。金融庁は規制を設ける事で満
足なのでしょうが、このようなボーダレスな時代においては海外を利用する事
による抜け道がある事を更に分析する必要があるように思えます。

 日本の居住者は所得金額が1,800万円を超える場合は最高税率で所得税
40%、住民税10%、控除額2,796,000円と高額な税金がかかるわ
けですが、例えば専業トレーダーの方の場合であったらPCと快適な通信環境
があれば世界どこにいても取引できる世の中になっているので、わざわざ日本
の居住者である必要はないように思えます。合法的な節税はいくらでも実施で
きます。実際、物価水準そして税金が低い国に移住しトレードに専念して快適
な投資生活を送っている人は結構おります。

 最近、受ける相談としても海外口座を利用した投資関係が多いです。税理士
法人の関係団体等が海外投資セミナーを実施している影響もあり、裾野が広が
っているからでもあるのですが、投資初心者の方も多く、何故このようなもの
を購入してしまったんだろうというケースが多々あります。また、海外口座を
利用すれば税金を払わずに済むと勘違いしている方があまりにも多いのにも驚
かされます。
 確かに海外預金口座を開設して、その口座を利用して直接海外投資を実施す
るというのは投資の可能性は広がりますし、日本にはない魅力的な商品に触れ
る機会は増えます。しかし、最低限の金融知識は必要ですし担当者とコミュニ
ケーションを取る語学力は必須です。自分はそのような能力に自身がない人で
あってもフィナンシャルアドバイザーをつけた上での投資であれば問題は軽減
されると思います。
 しかし残念ながら海外の投資商品に精通し、金融機関との交渉をなんなくこ
なすフィナンシャルアドバイザーを日本で見つけるのは難しいのが現状です。

 また海外口座を利用すれば税金を払わずに済むと勘違いしている方が多いの
ですが、これも誤解です。日本の居住者である限り、例えそれが海外で受け取
った所得でも国内で申告する義務があります。
 プライベートバンク口座を海外に開設し、税金を払わずに済みたいという方
もおりますがこれもできません。彼等は合法的な節税の方法に対しての提案は
しますが、脱税幇助はしません。なぜならそのような事が他の顧客に迷惑をか
け、そして信頼を失う事の怖さを知っているからです。

 最近、海外で世界的にプライベートバンキング業務を実施している金融機関
が問題になっておりますが、正統なプライベートバンクは例外事項が無い限り
は米国籍の方の口座開設は受付していないので、今回問題にあがってきた金融
機関は自ら自分がプライベートバンクでは無い事を露呈してしまったという事
になるのではないでしょうか。

(番頭さん)

【筆者プロフィール】
 大学卒業後、某都市銀行勤務、某外資銀行勤務を経て独立。専門は個人富裕
層業務。
 幼少期に6年間ドイツで過ごし帰国、その時の経験が後の人生に大きく影響。
日本人の基本的なフィナンシャルリテラシーの向上を願いつつ日々奔走中。

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関し
ては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者
の皆様が損失を被っても当方は一切の責任を負いません。)

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編集者:億の近道発行プロジェクト
発行者:NPO法人イノベーターズ・フォーラム
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