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大正6年の創業以来、ラーメン一筋に時代が求める味を追求してきた大成食品がおくるラーメン情報。美味しいラーメン屋さんの紹介、家庭で美味しいラーメンを作るコツやレシピ、名物社長のコラムなどを掲載。

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2007/08/24

【東京ラーメンMM】Vol.158 「中国全省を食べ歩いた男」

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 @=@=@=@=@=@=@             美味しいラーメンを食べよう!
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   @_ramen_@                   『東京ラーメンMM』
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ホームページはこちらです(^^)/~ : http://www.tokyo-ramen.co.jp/

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ラーメン好きの皆様こんにちは。
昨日は女性としてはまだ珍しいほうだと思われる
ラーメンの食べ歩きをしている方にお会いしました。

商談の後、お互いに好きなラーメン店の情報交換をしたのですが
女性と男性では、やはり視点が違うなぁと思ったのでした。
女性はブランド品に限らず「ストーリー好き」。
味の話はもちろんですが、
お店にまつわるストーリーでひとしきり盛り上がりました。

あなたが御ひいきお店には、どんなストーリーがありますか?

さて、本号では、
中国麺類文化研究所所長・坂本一敏氏の講演録を
お送りします。

どうぞ、最後までお楽しみください。
                 (管理人 鈴木)

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 ◆◇◆ 食べある記隊が行く!! 夏の特別編◆◇◆ 
   
    中国の麺 いろいろ
     〜「中国全省を食べ歩いた男」、坂本一敏氏講演 前編〜
        

     7月24日火曜日 午後2時 快晴
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当コーナーは「東京ラーメンMM」編集部員によるラーメンレポートです。
大成食品が主催する既存店オーナー向け商品開発研究会「"麺"夢塾」で
中国麺類文化研究所所長・坂本一敏氏をゲストにお招きしました。
「中国の麺いろいろ」というテーマで行われた講演の模様を
前後編にわけてご紹介します。

   
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回□ 「全省を食べ歩いた男」坂本先生の
      講演会場へ、食べある記隊が潜入! □回

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気温32度を超える猛暑のなか、
食べある記隊は、日本製粉株式会社東部技術センターに向かった。
今日は、ここで中国麺類文化研究所所長・坂本一敏氏の講演があるのだ!

「坂本先生といえば、らーめん業界中の尊敬の的! 
2月に鳥居隊長が赴いた中国視察旅行の団長さんですね!(^^)」
「キャッチフレーズは『全省で食べ歩いた男』\(^^)/"」
「こんなに早く、直接お話を伺えるようになるとは! 感激ですっ♪
今日は、どんなお話が伺えるのかしらねっ♪(^^)人(^^)」
期待に胸おどらせる食べある記隊である。

先生は1941年、名古屋市生まれ。
65年に京都大学文学部哲学科(美学美術史専攻)を卒業後、近畿日本ツーリス
トに入社。74年に中国担当になって以来、30年にわたって中国旅行業務に携
わる。この間、全省をくまなくまわり、麺の研究を進めた。
この成果を「中国麺食い紀行 〜全省で食べ歩いた男の記録」(中島印刷株式会
社 2001年10月刊)として出版。
2002年に中国麺類文化研究所所長となり、現在にいたる。

「略歴を拝見した限りでは、お話するのもはばかられる感じ!?……(@@;」
緊張しながら、会場に入ったところ……、

「あー、地図はここがいいかな?」
「うん、スライドはこのくらいでOK! ああ、そこの照明、落とせる?(^^)」
自らテキパキと準備を手がける坂本先生、発見!

すらりと細身のスーツ姿で、身のこなしはいたって軽やか。
麺食効果なのか?スリムでお肌もつややかなのだった。

   
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回□ 中国全省750箇所をめぐり、
    1300種類以上の麺を食す! □回

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定刻がきて、いよいよ「中国の麺 いろいろ」と題した
講演の始まり始まり〜(^^)♪

「こちらの中国の地図をご覧ください。
赤い点は私がまわったところです。全部で750箇所あります。
ほら、このあたり、びっしり赤い点が連なっているでしょ。
これがシルクロードね!(^^)」

先生によれば、メソポタミア(世界の定説では中央アジア)原産の小麦は、
シルクロードを通じて約5000年前に中国に伝わったとか。
中国で小麦粉による麺が出現したのは、漢の時代。
小麦粉を水で練った生地を焼いた胡餅(ナン)が出発点だった。
やがて、生地をのばしたり、切ったりして成形し、ゆでて食べるスタイルへと
進化し、今度はシルクロードを西へと伝播していくことになる。

「麺はシルクロードからヨーロッパへ行き、イタリアにも伝わりました。
もともと、イタリアのパスタは存在していましたが、
中国から麺が伝わったことで改良されたんです。
つまり、シルクロードは小麦の道であり、麺の道、なんですね。
鳥居さん、今度は麺の道に行きましょう♪(^^)」
坂本先生、茶目っ気たっぷりに手招き。
不意に呼ばれた鳥居隊長も、笑顔でうなずいていた。

「中国は、日本の26倍、767万平方キロメートルもの広大な国土をもってい
ます。緯度も北から南まで相当な差がありますから、土地によって作物も味も違
う。主食も違うわけです。
当然ながら、麺も多種多様。何種類あるかといえば、本には500種類の麺料理
が載っています。
でもそれはごく一部でしょう。
私が食べただけでも、1300種類以上はありますからね」

「ほ〜!(@@)」
「すご〜い!(^o^)」
会場からは、感嘆の声、声、声!
飛行機や鉄道、バス、車……交通網が発達した現在であっても、広大な中国の各
地を巡るのは容易ではない。
日中国交回復直後から、旅行社員という仕事柄とはいえ、750箇所をめぐり、
1300種類もの麺を食べたとは! まさに偉業である。

「中国は、たしかに麺の種類が多い。
でも、中国の麺がうまいとは思いませんね。
うまいのはやはり日本です(^^)」
という言葉で、場内がどっと沸いた。

先生は、ご自身で撮影した麺料理の写真を次々とスライドに映し出す。
いずれも、多彩かつ新鮮な印象! 

極太、幅広、平打ちタイプの麺があったかと思えば、
手のひらサイズの大判の生地がどーんと丼に入っていたり。
逆に極細でぱりぱりとした食感がみてとれるものだったり……。
今はやりの和えそば風のものも多く紹介されていた。
ご飯のかわりに麺が入ってるだけの「丼」スタイルも興味深い。
小さい白いつぶ状の麺がカラフルな野菜とともに炒められていたり。
たっぷりスープに四角い麺の切れ端状のものが浮かんでいたり、と
「とても麺とは思えない」料理もいくつか見受けられた。

スープに入った麺料理のなかには、「大きな器に入れて出され、各自で
とりわける」スタイルも多いよう。
これではたしかに「うまくない(^^;」と先生が連呼されるのも納得だ。

「味はともかく(笑)。
中国の多彩な麺料理のなかから、新メニュー開発のヒントを探して下さいね(^^)」
繰り返し強調する先生であった。

   
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回□ 麺とは何か? □回

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ホワイトボードに、さらさらと漢字を書き始めた先生。

「麺という文字は時代とともに

麪→麺→面

と、推移しています。
最古の文字である『麪』は、穀物を細かくひいたもの、粉という意味ですね。
中国では、小麦、蕎麦、米、とうもろこし、こうりゃん、えんばく、ゆうまいな
ど、雑穀の粉でつくられた主食となる食べ物=<粉食>すべてをさします。

『麪』が、時代の推移とともに『麺』となりました。
粉食全般をさす意味とともに、

<麺條>=粉を水で練った生地を紐のようにしたもの

をさす限定的な意味合いをもつようになりました。
らーめんの麺は、この文字で表していますね。

そして現在の中国では『面』の字になりました。
これが、実に紛らわしい!
<麺>なのか<面>なのか、日本人にはわかりません。
<洗面>と書かれた紙を見て、顔を洗うのか、洗った麺なのか、間違わないでく
ださい(笑)」

「いや、そこで間違うことはないんじゃ?(^^;」
すかさず聴衆から突っ込みが入るのも、お約束!?
   
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回□ 広大な中国の食を分析。
        南と北の違いとは?  □回

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「中国は食文化が南北で大きく二つに分かれます」
と坂本先生。

「『南粉北麺』といって、南方は米を、北は小麦を主食にしているんですよ。
冷涼で降水量も少ない北部では米はあまりとれず、小麦、雑穀が主に
栽培されます。
北に向かうほど、穀物の収穫量は減ったり、不安定になりがちです。
北部においては、
<限られた穀物でいかにして食いつなぐか?>
という危機意識を背景に麺文化が発達したともいえるわけです。
南部では米が豊富にとれるので米飯を主食にしていました。
が、4世紀以降、黄河流域から南方に移住した漢民族が南方に麺を伝え、
以後、粉食文化が定着したようです」
とか。

主食の種類だけでなく、麺の作り方も南北で異なる。
「北方では、古来から道具を使って麺を作るところを見せる、という特徴があり
ます」

雑穀まじりでまとまりにくい生地を、型で押し出したり、
包丁や成形金具で生地を削り出して、ゆで鍋に投入ていく、といった方法だ。

「ふむ〜(^^)♪北方の麺は、新鮮さ、ユニークさが光る感じ!
作り立てを出すパフォーマンス性、おもてなしという点では、
らーめんビジネスのヒントになりそうな気がする〜(^^)」
会場内のみなさんも、熱心にメモをとっている。

「南方では、すでに作られた麺を使い、スープや具で特徴を出していきます」

乾麺や生麺を使用して、具、スープを工夫してバリエーションを出す。
このアプローチは、今の日本の麺料理と共通だ。


さらに、料理の味付けにも特徴がある。
「東酸西辣南甜北鹹」という言葉で表すそうだ。

「東は酸っぱい味。上海近辺、蘇州は酸っぱく、甘い味つけです。
西は辛い。四川の料理は山椒、唐辛子を多用していますね。
南はあまい味つけです。広東料理がその代表といえます。ここでいうあまいは、
うまいに通じるんです。
当時は、砂糖は高級品でした。塩はチベット、内モンゴルなどで岩塩がとれます
から、ありふれた調味料です。
それに比べ、砂糖は自然にとれるものではないため、高級で上等なもの、うまい
もの、とされていました。南の豊かさの反映でもありますね。
一方、北は塩辛い味付けです。日本の東北地方もそうですが、塩辛い味つけは、
寒い地域特有なんでしょうね」

こうした地域による味の違いは、地域の気候や、主な農作物に由来することが多
い。
現在では交通が発達し地域間の味の交流がさかんになっているという。

   
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回□ 西北、華北、東北地域の
     麺の特徴をピックアップ!   □回

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先生は、中国を6つ地域にわけて、さらに詳しい解説をしてくださる。

「西北は、シルクロード、天山道がある一帯です。
ここは一部雑穀入りの麺も食べられているものの、小麦粉の麺が発達している地
域です」
新彊ウイグル自治区の拉条子拌麺(ラーティアオズバンミエン)は、一見したと
ころ、手延べうどんのミートソースがけのようだ。

「トマト味っていうのが、パスタっぽいわね。なるほど、シルクロードは麺の道〜
♪(^^)」
「ふーん、拌麺っていうのは、具がのっていて、あえて食べる麺のことなんだ〜
(@@)。汁なしのあえそばが今年はやってるけど、つまり拌麺スタイルってことな
のね?」
しきりにうなずく食べある記隊。


北京一帯の華北地域は雑麺(小麦に雑穀を入れた麺)と小麦粉の麺が混在する地
域だ。雑麺は、こうりゃん、えんばく、とうもろこし、大豆などを粉にして小麦
粉に加えて作るとか。
「北京、華北一帯の伝統的な麺料理といえば、炸醤麺がまずあげられます。
肉味噌がかかった麺は、日本ではジャージャー麺という名でおなじみですね。
ただ、日本と違うのはトッピングがいっぱいあるってことです。
麺媽(めんま)というと日本では中国産麻竹のタケノコを発酵させたものをさす
んですが、こちらでは麺にのせるトッピングすべてを麺媽とよびます。
季節によって麺媽となる薬味、野菜がかわります。
かぶ、大豆、いんげん、にんじん、きゅうりなど8種類〜20種類もあるんです
よ」
先生の蘊蓄に、「ほ〜♪(^^)」と感嘆の声があがった。

「華北の山東省は、拉麺発祥の地なんですよ。
福山拉麺(フゥシャンラーミェン)という名品があります。
この麺は小麦粉にかんすいを入れてこしを出した生地を両手でひっぱって、2つ
におって両端をもってのばし、もう一回折ってのばし、と繰り返して作ります。
魚スープに豚をまぜた味付けは、日本のらーめんにかなり似ているでしょう? 
この麺が、隣接する東北地域経由で日本へ伝わったのではないか、とみています」

中国の麺のスープが魚ベース、というのは、かなり新鮮!
よもぎに似た植物の灰を使ったかんすい入り麺・蓬莱小麺のスープは、魚の王様
鯛の骨からとるという。


「東北はかつての満州地区、ですね。
寒冷地なので、雑麺はとうもろこしがメインです。
華北同様、雑麺と小麦粉の麺が混在している地域ですが、こちらでは生麺ではな
く、乾麺を食べます。冷や麦のように、干して作る麺もあります」

遼寧省には、「ゴダ湯(タン)」、「拉麺」という麺料理がある。
ゴダ湯のゴダとはこぶという意味で、小さな団子状の小麦粉麺。
大連あたりではスープがわりに食べるもので、主食という扱いではない。
「拉麺は、日本のらーめんのルーツのひとつとなる麺ですね。
ただ、注意していただきたいのは、この拉麺という単語、
<生地をひっぱって作った麺>という製法を示す言葉なのです。
ワンタンを入れたり、トッピングをのせる、という発想は日本のラーメンと同じ
ですね」

(後編につづく)



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      企画・編集:株式会社アプロディー 
    食べある記ライター:山内素子
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