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2009/11/04

■Weekly Mail Journal■2009/11/4 No.506

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  2009/11/4    No.506   週刊メールジャーナル   読者数11064(前回)
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●鳩山内閣の政治理念の実行力を見るしかない!
(会員制経済情報誌『現代産業情報』11月1日号より転載)

金融危機から1年余りが経過し、世界の経済は回復の動きも出ているが、識者
は各国の政府が大量に金を使ったことで、改善したように見えるだけだと指摘
する。

いわば、自律的な回復ではなく、危機が去ったとは言えない。

特に米国経済はいまだに消費が低迷し、問題解決のために、政府が借金を重ね、
一時的な雇用対策などに重点を置いている。

産業の競争力向上につながらず、問題を先送りしている。この状況は、10年
も20年も続くかもしれない。

一方、中国政府は競争力をつけるような分野に投資しており、米国との差が鮮
明になっている。

金融危機の影響をわが国でも大きく受けており、自動車産業をはじめ主要な業
界は、低迷を続けたままになっている。

鳩山政権は、子育て支援や医療、介護などの分野で、新たに雇用の創出を意図
しているが、公共事業削減を目指しており、建設業などはさらに難しい状況に
なるだろう。

一部で財政を出動させても、景気回復を急がなければ、懸念される2番底3番
底で税収の大幅な低下も予測されている。

米国と違って我が国は債権国なのだから、適切な対応で具体的な景気対策を行
なえば、将来への展望が開けるかもしれない。

財務省主導の財政赤字論議ばかりに縛られて、積極的な経済対策がとれなけれ
ば、それこそ米国同様、長期に渡って景気低迷が続くかもしれない。

日米問題も厳しい状況になっている。

米軍再編では、沖縄の基地移転やアフガンなどの支援問題などが浮上し、米国
政府も米国メディアもあからさまな日本批判を続けている。

その前提となるオバマ政権が、同国の国民皆保険問題で国論が二分し、さらに
オバマ大統領が立候補したときから強調している、アフガンへの米軍増派もな
かなか決断できていない。

そういう背景の上で、我が国の新政権が変えようとしている政策を、米国が簡
単に受け入れられる余裕がないのだ。

既に米国では「今もっとも厄介なのは中国ではなく日本だ」という声も挙って
おり、我が国の新政権への懸念が強まっている。

しかし我が国も、いつまでも米国への隷属を続ける訳にはいかない。

鳩山首相の言う「対等な日米関係」の実現のためには、一つ一つの課題を、時
間をかけても、しっかり協議し、オバマ政権の変化同様、我が国の新政権誕生
による変化も認めさせる努力が必要だ。

一部論者が言うような「日米の緊密な同盟関係」が、全てに優先するかのごと
き対応は、結局両国のためにならない。

小泉元首相が間違いの多かったブッシュ前大統領に調子を合わせ、同国でも失
笑を買った、「プレスリーの真似事」に象徴されるような恥辱的な外交を継続
させるわけにはいかない。

鳩山内閣の所信表明演説と、それに対する野党質問が続いている。

当然のことだが、理念先行で具体策がないと、厳しい批判が野党側から出てい
るし、マスコミの論調も概ねそんな指摘である。

しかし、鳩山内閣が発足し、これから仕事をしようとしている時に、細かな矛
盾や内閣の不一致を指摘しても仕方がないではないか。

それこそ鳩山内閣の発言ではないが、こんな最悪の国にしてしまったのは、長
期にわたる自公政権の責任だろう。

平成革命とも言える新たな国造りに、様々な分野で困難に直面し、マニフェス
トの実現にも時間がかかるだろう。

しかし、鳩山首相が4年間政権を維持し、変われなかったら自ら責任を取ると
いう決意は、評価すべきだ。

また、閣内不一致と指摘しやすい問題も、自公政権と違い、情報が表に出るガ
ラス張りの政府になってきたからだとも言える。

それに引き替え、野党自民党の凋落ぶりは予想以上だ。役員のメンバーを見て
も、全く評価できない。

都議選で惨敗し、総選挙でも負けた責任者である石原伸晃氏や、それに対抗す
る小池百合子氏などが主要メンバーで、それに比例で復活した武部元幹事長や
二階前経産相が選挙対策を仕切るというのだから、あきれてものが言えない。

別項(次項参照=本誌注)にもあるように、今も二階氏は西松建設疑惑で捜査
対象になっているのだ。若手・中堅の人材不足も深刻である。

代表質問で二番手に登場した、西村政調副会長など、民主党の閣僚に軽くいな
されている。

内容的にも見るものがなく、風格もないこんな人物が、代表質問に登場するよ
うでは、国民・有権者に見放されても仕方がないだろう。

民主党が新政権になり、それぞれのポストで中堅・若手議員が存在感を発揮し
ているのと対象的である。

それもこれも本会議場の中でも、切ない顔をさらけだしている首相経験者や派
閥長老が、いまだにでかい顔をしているのが問題だ。

それに加えて、世襲議員の存在がある。自民党は今月の臨時役員会で、8月の
総選挙でマニフェストで掲げた世襲制限を、事実上撤回した。

志のある人物が、自民党の世襲議員の選挙区での立候補を止められ、有為な人
材が民主党に流れた事実を見ただけでも、自民党の衰退が予想された。

河野太郎議員など、既に自民党的体質を見抜いているグループは、新党結成で
も何でも決意しなければ「政治屋」風ベテラン議員とともに政治家として存在
できなくなるだろう。


●「鳩山」と「二階」を同時進行してバランスを取る地検特捜の政治資金捜査
(転載同前)

鳩山由紀夫首相の政治資金規正法違反捜査は、粛々と進められている。

『朝日新聞』にリーク、捜査の進展具合を国民に知らしめながら、反応を探り
つつ、落とし所に落とすといういつものパターン。

「首相、事務所賃料記載せず」(10月24日)
「匿名献金 鳩山家から」(10月25日)
「首相政治団体 パーティー収入も偽装」(10月26日)

連日のように一面で報じる『朝日新聞』は、検察の両面作戦の一翼を担うもの
だろう。

政界捜査を長年、体験してきた自民党大物代議士のベテラン秘書が推測する。

「友愛政経懇話会の事務担当者である勝場啓二元秘書は、罪を一身に被る覚悟
を固めており、既にそう証言をしています。

通常なら勝場の在宅起訴で終了でしょう。しかし、それで国民が納得しますか。
会計責任者の芳賀大輔が知らなかったでは済まない。

また、4年間で2億円にも達する偽装を気づかなかったという、首相への批判
も強まるでしょう。

そんな時、勝場一人に収めないために、鳩山献金のグレー度を周知させたうえ、
捜査もやむなしという方向性を、『朝日新聞』を通じて残そうとしているんで
す」

なんとも腰砕けの印象だが、法務・検察人事にまで口を出そうとする、民主党
政権への潜在的な反発が「鳩山捜査」につながる一方で、「国家秩序」に気を
配る検察は、政権交代があったばかりの政治を、政治資金規正法違反という形
式犯、それも裏ガネではなく自分のカネを使って記載しなかっただけ、という
“微罪”の首相を、必要以上に追い込みたくはない。

そんな複雑な感情が、「(事件を)大きくしたくないが、中途半端な捜査もし
たくない」という検察の態度につながっている。

検察の「どっちつかず」は、それだけではない。

西松建設事件の「二階(俊博前経済産業相)ルート」で不起訴処分を「不起訴
不当」とした検察審査会の議決によって、特捜部は捜査を再開、11月末の臨
時国会閉会後、秘書らを起訴に持ち込む方針だ。

「二階ルート」は、数々の疑惑を抱えながらも、「小沢捜査」で手一杯だった
こともあって中途半端に終結した。

2004年から06年の間、西松建設は二階氏が代表を務める自民党二階派の
「新しい波」から、883万円にのぼるパーティー券を購入していた。この金
額は、強制捜査に踏み切った小沢氏の「陸山会」への献金に次ぐ。

しかも、小沢氏の秘書同様、購入した「新政治問題研究会」など二つの政治団
体が、西松建設のダミーであることを承知している可能性が高かった。

それは、西松建設と二階氏とが、国沢幹雄西松建設前社長を窓口に、事務所を
無償提供するほどの関係であったことでも明らかだ。

使用していたのは、二階氏の実弟が実質的に運営している「関西新風会」であ
る。

1999年ごろに国沢前社長は、実弟から依頼を受けて、関係会社の名義で大
阪市西区にマンションを購入、改装のうえ年間280万円で賃貸する契約を結
んだ。

その家賃分毎年300万円を、二階氏が代表を務める自民党和歌山県第三支部
へ、社員らの個人献金を装って送金していた。

いきなり公設秘書を逮捕した「小沢捜査」で、民主党の「国策捜査批判」を受
け、国民からも「小沢だけ?」という疑問を持たれた検察は、自民党「二階ル
ート」に捜査着手したものの、秘書らは疑惑への関与や違法性の認識について
全面否定、総選挙が近くなったこともあって取り止めた。

検察審査会で「不起訴不当」が決議された以上、特捜部は再捜査のうえで、公
設秘書らを起訴せざるを得ない。それは、既に勝場元秘書が罪を認めた「鳩山
ルート」も同じこと。

起訴が何人で、どの範囲までという結論は出ていないものの、臨時国会閉会後
の早い時期、「鳩山」と「二階」をほぼ同時に、同じような量刑で起訴するこ
とになる。

ただ、「二階」と違って「鳩山」は、起訴はなくとも本人への影響は避けられ
ない。

世論の声に押されて、「鳩山ルート」で芳賀秘書が起訴となった場合、連座制
の責任が首相に生じるし、母・安子さんや本人の「献金上限」を超えた政治資
金規正法の問題も取り沙汰されよう。

その批判を正面から受け止め、やり過ごすことができるのか。年末、鳩山首相
の胆力が試されることになりそうだ。

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 週刊メールジャーナル 2009年11月4日  第506号(水曜日発行)
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    編集発行人:川崎 明 / 発行所:メールジャーナル社
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