小学校教師用ニュースマガジン RSSを登録する

小学校教育に役立つ情報満載。授業記録、研究論文、ホームページ情報、雑誌や書籍の紹介、公募情報、研究会情報など。多彩な連載22本と投稿で構成。総読者数7200人。

最新号をメルマガでお届けします    
登録 解除

規約に同意して

登録した方には、まぐまぐの公式メルマガ(無料)をお届けします。
2008/04/06

■MM小学1863  佐藤愼二□『通常学級の特別支援』

この記事を取り寄せる

───────────────────────────────────
■MM小学1863  佐藤愼二□
        『通常学級の特別支援−今日からできる!40の提案−』
   2008/4/06(日)蔵満逸司編集 wahaha@po.synapse.ne.jp 
───────────────────────────────────


お薦めの本 


書名 『通常学級の特別支援−今日からできる!40の提案−』

著者  佐藤愼二 著 

出版社 日本文化科学社刊

□□□佐藤愼二さんから

通常学級の“特別支援教育”と聞くと、“特別な専門性”や“特別な努力”が
求められるイメージがあります。しかし、拙書では、発達障害の子どもには“
ないと困る”支援で、どの子どもにも“あると便利”な支援を増やすことを特
別支援教育と考えています。より充実した学級経営や授業づくりのポイントと
アイデアを提案する一冊です。

□□□蔵満のおすすめポイント

「今日からできる!40の提案」というサブタイトルが本書の特徴を見事に表
現している。
大学の先生の書いた本なのに・・・と思って経歴を見て納得。
佐藤さんは、現場で23年間も子どもたちと接した経歴の持ち主。
わかりやすい40の提案の一つ一つを納得しながら読んだ。特別支援に興味の
ない教師にも読んで欲しいと思った。
40の提案は、ネット上でも公開されているので、下に紹介してある。新学期、
一年の授業づくりの構想を練っている今、特におすすめしたい一冊である。

□□□目次を紹介します。
   
目次 
はじめに
I 特別支援教育は本当に“特別”なのか?
II こんな学校にしよう!─今日からできる! 10の提案─
  提案1 子どもの本音の思いを大切に!
  提案2 子どもの本音の思いに“気づき”、寄り添うには!
  提案3 “見方”を変えて子どもの“味方”に!
  提案4 子どもの“いいとこ”を支え、“居場所”をつくる!
  提案5 子どもの支援条件を見直す!─“困った子ども”ではなく“困っ
ている子ども”─
  提案6 学級を支え合う体制をつくる!─学年会を中心とした事前的・積
極的なシステム─
  提案7 小学校1年生を全校で支援する!
  提案8 引き継ぎを学校全体で大切にする!
  提案9 校内委員会を機能させる!
  提案10 保護者との確かな連携協力を!
III こんな学級にしよう!─今日からできる! 10の提案─
  提案11 組織としての理念を大切に!
  提案12 生活・組織のルールを明確に!─基本的なルールを学ぶ─
  提案13 説明のためのアイデア!
  提案14 生活習慣を大切に!
  提案15 整理・整頓・整然・清掃・清潔を大切に!
  提案16 視覚的手がかりを活用する!
  提案17 スケジュールと活動の終点を明確に!
  提案18 静かな時間を確保する!
  提案19 席の位置の最適化と姿勢(いすや机の高さ)に目を向ける!
  提案20 称賛・承認を大切に!
IV こんな授業にしよう!─今日からできる! 10の提案─
  提案21 教科書・ノート準備のタイミングやそのやり方を明示する!
  提案22 導入を工夫する!
  提案23 授業の流れを示す!
  提案24 授業の型を一定に!
  提案25 授業の進め方を工夫する!
  提案26 指示や説明を簡潔に!
  提案27 言葉の表現を適切に!
  提案28 黒板の使い方を工夫する!
  提案29 机間支援を工夫する!
  提案30 視覚情報や作業・運動動作を活用する!
V 保護者との確かな連携協力を!─今日からできる! 10の提案─
  提案31 保護者支援に関する全校的な方針の確認を!
  提案32 支え合う保護者の関係づくりを!─保護者会で子育てピアサポー
ト─
  提案33 保護者(母親)が置かれている状況を踏まえる!
  提案34 “気づき”の放任と独断を避ける!─チーム支援─
  提案35 子どもの“いいとこ”を伝える! 保護者の納得・了解を急がな
い!
  提案36 “ぶるな・ともに”でパートナーシップを!
  提案37 保護者の子育て・しつけの責任にしない!
  提案38 能動的受動の姿勢で!
  提案39 目的は“支援方法”の明確化と共有化!─説明責任を果たして─
  提案40 具体的で実際的な支援内容の提案を!
文献
おわりに

□□□本書「はじめに」から

はじめに 
  通常学級の“特別支援教育”──読者は何をイメージされるだろうか? 
LD・ADHD・高機能自閉症等の“障害”理解、チェックリストによる子ど
もの様子の把握、特別支援教育コーディネーターや校内委員会、校内外支援体
制の構築…。いずれも必須事項とされる“特別支援教育”の姿である。これら
を否定するものではない。しかし、当初からある違和感を覚えていた。それは、
LDやADHDによる困難さを抱え、少々の苦手さ・不得意がありながらも、
充実の学校生活を過ごしていた子どもたちもたくさんいた事実であり、それを
どう評価するのかということであった。その多くは、“特別支援教育”を意識
していた実践ではないだろう。しかし、結果として“特別支援教育”は実現し
ていたと言える。
“特別支援教育”というベクトルを“障害まずありき”の発想で発信するので
はなく、その始点を“通常学級”にこそ求めたいのだ。通常学級の“特別支援
教育”を、何よりもまず、学級生活や授業の中で実現したい。LD等の子ども
たちを含むどの子どもにとっても日々過ごす学校の中心は、学級であり、授業
であるからである。その意味で、通常学級の“特別支援教育”は、決して“特
別”な教育ではないというのが筆者の持論である。
  したがって、本書は、日々の学級経営や授業で何をしたらよいのかに焦点
を当てている。“○○障害の特性に応じた対応”なるものは、取り上げていな
い。もちろん、“特別な指導法”を否定するものではない。通級指導教室等の
個別的な支援が可能な状況ではそのような指導法は十分に検討され、追求され、
生かされるべきである。また、そこでの実践研究の進展によっては、通常学級
で日々活用できるヒントが得られたり、教材開発が進んだりするかもしれない。
しかし、繰り返すが、本書は“○○障害の特性”“特別な指導法”のような発
想からは距離を置いている。
  学級経営や授業の在り方を取り上げるため、“特別”で目新しい提案はな
い。通常学級の一斉支援の中では実践し得ない指導法の提案も一切ない。通常
教育の中で積み上げられてきたさまざまな方法を特別支援教育の視点から見直
し、“今日からできる! 提案”を行う。
  本書は、“学校づくり”“学級づくり”“授業づくり”“保護者との連携
協力”という大きな4つの柱で構成されている。それぞれに10ずつの提案、合
わせて40の提案をしている。“提案”としている意味は、職員会議や学年会等
の会議で配布される“たたき台”“原案”のイメージである。本書での“提案
”がそのまま特効薬として機能することはあり得ない。現実の支援は、学級の
雰囲気や子ども一人ひとりの様子に応じて、柔軟であるべきであり、本来は
オーダーメードである。本書の“たたき台”“原案”、すなわち“提案”を基
に、各学校・各学級でよりよい支援を検討してほしい。
  本書は、通常学級の担任の先生方はもとより、特別支援教育コーディネー
ター担当の先生方、あるいは、通常学級を支援する立場にある特別支援学校の
コーディネーターや各地の巡回指導担当の先生方にぜひご活用いただきたい。
また、学級経営や授業づくり、そして、保護者支援の基本に触れているので、
初任の先生方にも活用していただきたい。 
(佐藤 愼二)
  
おわりに 
  「本校にはそのような(LD等の)子どもはいないので、特別支援教育は
必要ない」と学校長が胸を張って言われることがいまだに多く、困っている…
とは、ある教育委員会の特別支援教育担当者の話である。“そのような子ども
はいない”──これは、“行動上の問題を起こす子どもはいない”とのことの
ようだ。
  筆者はかねてより疑問に思っていたことがある。通常学校における特別支
援教育には、“何か問題が起きた後の事後対応”のイメージが常につきまとっ
ている。それゆえ、いわゆる校内委員会に“特別支援対策委員会”なる名称が
当てられることさえある。“行動上の問題”として表れてから、特別支援の“
対策”を立てるのである。しかし、果たして特別支援教育は“事後対応の教育
”なのだろうか?    少々長いが以下を引用する。 
  学校全体で特別支援教育を推進することにより、いじめや不登校を未然に
防止する効果も期待される。さらに、これらの幼児児童生徒については、障害
に関する医学的診断の確定にこだわらず、常に教育的ニーズを把握しそれに対
応した指導等を行う必要があるが、こうした考え方が学校全体に浸透すること
により、障害の有無にかかわらず、当該学校における幼児児童生徒の確かな学
力の向上や豊かな心の育成にも資するものと言える。こうしたことから、特別
支援教育の理念と基本的考え方が普及・定着することは、現在の学校教育が抱
えている様々な課題の解決や改革に大いに資すると考えられることなどから、
積極的な意義を有するものである。

  これは、“特別支援教育を推進するための制度の在り方について(答申)”
(中央教育審議会、2005)が提起した理念である。
  特別支援教育は、“障害の有無にかかわらず、当該学校における幼児児童
生徒の確かな学力の向上や豊かな心の育成にも資する”のであり、さらに“学
校教育が抱えている様々な課題の解決や改革に大いに資する”“積極的な意義
を有する”のである。
  蛇足になるが、先の“特別支援教育=事後対応論”について、ひと言添え
ておきたい。筆者の経験上、積極的・事前的に支援の充実化を図るより、行動
上の問題として持ち上がってきた後に支援を検討する方が──物理的にも精神
的にも──数倍も労力を要する。その意味では、上記答申の“積極的な意義を
有する”との意味を重く受け止めたい。
  本書の目的は、通常の学校・学級において“積極的・事前的に支援の充実
化”を図る──決して“特別”ではない──特別支援教育の具体的な方法論の
提案にあった。学校づくり、学級づくり、授業づくり、そして、保護者との連
携協力に関する“今日からできる! 40の提案”に、“積極的・事前的な支援
の充実”を具体化してきたつもりである。
  特別支援教育本格実施から1年がたとうとしている。この1年間の間にも、
特別支援教育に関連するかなりの数の書籍が出版されている。しかし、LD等
の子どもたちが日々過ごす学級や授業そのものを取り上げる書籍は決して多く
ない。“特別”ではない支援が日々の学級経営や授業の中で実践されてこその
特別支援教育であると考える。本書がその一助となれば幸いである。
  なお、本書で紹介している実践例や特に授業づくりに関するさまざまなア
イデアの中には、筆者が訪問先の授業で参観したり、研究協議会で聞いたり、
仲間との雑談の中で紹介してもらったりしたものが多くある。この場を借りて、
先生方に心からお礼を申し上げます。また、それらの中には、オリジナルの実
践や指導法として、すでに文献で紹介されているものも多くあるのではないか
と思われる。筆者の力不足で、文献の形で紹介しきれていない点をお許しいた
だきたい。
2008(平成20)年1月
佐藤愼二
 
□□□著者の紹介

佐藤 愼二(さとう・しんじ) 
植草学園短期大学福祉学科児童障害福祉専攻教授。
明治学院大学社会学部社会福祉学科卒業。千葉大学教育学研究科修了。千葉県
内の養護学校(現在の特別支援学校)、小学校情緒障害通級指導教室での23年間
の勤務を経て、現職。全日本特別支援教育研究連盟評議員、全日本特別支援教
育研究連盟機関誌『特別支援教育研究』編集委員、日本生活中心教育研究会理
事、千葉県内で特別支援教育専門家チーム会議委員及び巡回相談員等。
主な著作:『─特別支援教育のための─知的障害教育・基礎知識Q&A』(千
葉大学教育学部附属養護学校編著:分担執筆、K&H)、『特別支援教育のた
めの支援の最適化「できる状況づくり」Q&A』(千葉大学教育学部附属特別
支援学校編著:分担執筆、K&H)、「ホットケーキパーティーにようこそ!〜
通常の学級と情緒障害通級指導教室の連携協力の取り組み〜」(『LD&AD
HD』No.14、明治図書出版)、「提言:ユニバーサルデザインの授業づくり
のために」(『特別支援教育研究』第596号、日本文化科学社)ほか。

イラスト
鈴木香織(すずき・かおり)
植草学園短期大学福祉学科児童障害福祉専攻卒業。
現在、社会福祉法人愛親会・新利根つばさ保育園勤務。

□□□書籍情報

A5判164頁
定価1,890円(本体1,800円+税)
ISBN 978-4-8210-7340-5 

□□□ネット書店の情報

http://www.nichibun.co.jp/book/NBbooks/ISBN978-4-8210-7340-5.html

─────────────読者の皆様へ────────────────
 
読者の関係する研究会・講演会・書籍等の情報原稿募集中。一行35文字、行
数は,研究会・講演会20行以内厳守。連絡先メールアドレスまたは電話番
号と文責者氏名は必須事項です。掲載原稿は、特に断りのお知らせがない場合
は、はなまるworld ★www.hanamaruworld.comに転載されることがあります。
ご了承ください。
 
感想や投稿大歓迎。本MMで使うことがあります。匿名希望・掲載禁止の場合
は明記してください。本文に御氏名のない御質問・御依頼・御批判・御相談に
は御返事をご遠慮させていただきます。諸事情から掲載できないこともありま
す。掲載についてのお問い合わせはご遠慮ください。
 
編集者の方では,登録・解除・アドレス変更を行っておりません。御自分でお
願いします。匿名メール、非常識なメールは迷惑メールと判断し返信は差し上
げておりませんのでご了承ください。
 
───────────────────────────────────

4月

10・音読授業を創る そのA面とB面と   荒木茂
14・正義と勇気の学級&学年集団づくり   内山義朗 
17・試作 音読練習テキスト        蔵満逸司
23 練習学習で国語の力を鍛える       嶋田雄一 
24 子供と英語              藤本薫
28 音読授業を創る そのA面とB面と   荒木茂  7月まで月2回連載
30 小学生のための学習クイズ       蔵満逸司

──────────────関連サイト────────────────
 
小学校教育メーリングリストWAKUWAKU 360名参加
http://member.nifty.ne.jp/KURAMITU/mailing.htm

───────────────────────────────────

編集者のひとりごと

いよいよ新学期。
子どもたちとの出会いの日。
笑顔でスタートしましょうね。

小学館小三教育技術に一本
授業づくりネットワーク4月号に二本
原稿を書いています。 

蔵満逸司 くらみつ いつし
wahaha@po.synapse.ne.jp

この記事を取り寄せる
最新号をメルマガでお届け
登録 解除

規約に同意して

登録した方には、まぐまぐの公式メルマガ(無料)をお届けします。

最近の記事

上へ戻る