史跡探訪[418]弾道弾防衛序論
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史跡探訪[418] 弾道弾防衛序論
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Regan大統領が提唱した三大プロジェクト、
Manned Space Station
Strategic Defense Initiative (SDI)
Orient Express
のうち、SDIのその後の変遷と、予測される問題点を記した下記文
献の訳文を掲載します。
Introduction to Ballistic Missile Defense
http://www.nuclearfiles.org/menu/key-issues/missile-defense/basics/introduction-missile-defense.htm
弾道弾防衛序論
1950年代後半にソ連が最初に大陸間弾道弾(ICBM)を発射して以来、
いろいろな形態の弾道弾防衛(BMD)構想が米国の政策立案者のアイ
デアに浮かんできた。大量破壊が可能な核弾頭やその他の兵器を搭
載できるICBMは、海や大陸を隔てた相手国の領地に数分間で到達で
きる能力がある。BMDシステムは、短い飛行時間の間にICBMを打ち落
とすことによって国土を防衛しようと考え出された。
ブッシュ政権が提唱する今日の弾道弾防衛は、「スターウオーズ」と
して知られるレーガン時代の戦略防衛構想(SDI)を縮小した形態で
ある。レーガンは、旧ソ連のような武装した強力な敵国からミサイル
攻撃を受けても米国を防御できる雄大な構想を抱いていた。SDIは、
地上や宇宙に基地を置いたレーザーを含む多くの新技術を用いた宇宙
基地システムとして提案された。レーガンの構想はたとえそれが実現
しなくとも、ソ連の指導者・ゴルバチョフが提案した核兵器無能化計
画の障害になったのは確かである。
冷戦終了後、レーガンのSDIは使い物にならず不要だ、として放棄さ
れた。だが、レーガンの後継者ジョージ・ブッシュはBMDシステムの
研究開発を支援し続けた。彼は主に地上発射要撃型をもとにした限定
された弾道弾防衛を目指した。クリントン政権もまた主に地上発射シ
ステムで、いわゆる「悪徒(Rogue)」国からの限定された攻撃に対し
てのみ米国を防衛できるものを模索した。実験が失敗したため、クリ
ントン政権は国家弾道弾防衛(NMD)を装備する時期を延期せざるを
得なかった。クリントンは全米の安全保障を強化できるか否か結論を
出すことができず、2000年9月、彼はその後継者にNMDの採用の決定を
託さざるを得なかった。
ジョージ・ブッシュにとって、弾道弾防衛の装備は大統領職としての
重要な課題であった。2001年5月1日ブッシュ大統領は、「米国、米軍、
友好国そして同盟国を防衛できる効果的な弾道弾防衛に適用可能なす
べての技術と基礎的な方法」を検証するよう求める、と演説した。彼
は「限定された脅威に対する最初の能力を展開しうる弾道弾防衛」を
短期に実現できるある選択肢を得たという。その演説の中でブッシュ
は「30年を迎えるABM(Anti-Ballistic Missile)条約の束縛から逃
れる」ために準備を始めたと語った。彼は「ABM条約は、現状に適合
しているわけでも将来の方向を示しているわけでもない。それは過去
のものだ」と断じたのである。
ブッシュが協議すると約束した多くの同盟国は、米国がABM条約を一
方的に破棄しようとしていることに重大な関心を寄せている。特にロ
シアと中国はより強く遺憾の意を表明している。国連事務総長のスポ
ークスマンはブッシュの表明後、つぎの声明を発表した:国際紛争関
連の法規定の近代化を推進するには、特に新しい軍拡競争を避け宇宙
の非軍事化を維持しつつ現存の軍縮と非軍拡の上に立って固められ作
られていくべきである、と事務総長は考えている。
BMDの装備をめぐる問題は論議の的になり複雑化している。その問題
は国家弾道弾防衛と戦域または地域弾道弾防衛の両方を含む。安全保
障と法律の問題もある。攻撃に対する防御の関係、すなわち多くの人
が信じている関係とは緊密に絡み合っている。宇宙での軍拡競争を含
む新たな核兵器軍拡競争の可能性も含んでいる。核増殖の引き金にな
らないか。そして、弾道弾の脅威の確実性に関する、そして有力な防
御システムの運用可能性に関する判断が含まれる。
弾道弾防衛計画は浅瀬があるのにないといって国民を欺瞞するものだ。
2001年5月1日、ブッシュ大統領は「防衛の最終の形がどうあるべきか
決める前にやるべきことがもっとある」と演説した。ブッシュ政権が
BMDシステムの配備を迅速に進めようとする以外は何事も明らかにして
いない。弾道弾防衛、特にNMD、を配備する米国の計画から浮かび上が
ってきた問題点は次のごとくである:
■配備されるどのBMDも現実の世界の状況下で信頼性が不確実である。
配備されたミサイル防衛システムの信頼性を立証する適切な手段がない。
■BMD開発から給料をもらっていない専門家のほとんどは、攻撃側の
ミサイル能力を改良したり、おとりを取り入れたりすることで、比較
的安価に弾道弾防衛に打ち勝つことができると信じている。
■弾道弾防衛は、弾道弾以外の大量破壊可能な兵器で攻撃してくる敵
対国やテロリストグループの可能性を妨げない。核兵器を車両、船あ
るいは航空機で輸送することは弾道弾を用いるより容易でかつ跡をつ
けられないと言われている。
■NMDはロシアと中国に敵対することによって不安全性を増すばかりか、
非核武装プログラムを停滞させ、新兵器競争の引き金になる。
■多くの弾道弾防衛支持者たちは、全世界の安定と核兵器削減の基礎
となった1972年の「対弾道弾条約(Anti-Ballistic Missile Treaty)」
のような永続してきた条約に違反したり、無効にしようとしている。
もし米国が対弾道弾条約にそんなことをしたなら、ロシアは彼らの国
益のために、「START2条約」と「包括的核実験禁止条約
(Comprehensive Test Ban Treaty: CTBT)」から脱退するであろう。
■弾道弾防衛は、非核武装に関する誠意ある話し合いでなされた「核
兵器の不拡散に関する条約(Non-Proliferation Treaty: NPT)」に対
する義務と、その条約の2000年再審会議で成された約束「核兵器を有
する国家の核の兵器庫の全廃を達成する疑いのない理解」に対する固
守の基礎を危うくする。
■弾道弾防衛の配備は核武装競争を宇宙にまで広げ、「宇宙条約」と
いう別の国際条約を侵し、天空の美と神秘を冒涜する。
■米国が心に描く弾道弾防衛は最も馬鹿げた形態での片務主義である。
弾道弾防衛配備は多くの米国同盟国がそれを支持しないが故に、同盟
国が分裂する恐れがある。
■弾道弾防衛の配備から利益を得ようとしているのはロッキードマー
チン、ボーイング及びTRWなど米防衛契約者たちである。彼らはNMDに
使われるであろう予算の中から一千億ドルものの驚くべき利益を得る
のだ。BMDは安全保障に対する価値が少ないので、利益と強欲とが主
な推進要因であると決め付けざるを得ない。
■BMDの開発と装備はいろいろな機会の喪失を意味する。BMDに力を入
れることは、教育、保険そして軍事に従事している人たちへの給与の
ような他の安全保障と社会的優先権から財政的及び科学的資産を取り
上げてしまうことになる。
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マガジンID:15361
発行日:2008年12月22日(月)
詳細ページ: http://www.mag2.com/m/0000015361.html
ホームページ:http://www.ne.jp/asahi/hayashi/love/
連絡先:hayashi@love.email.ne.jp
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