2009/04/16
『電子耕』No.258-2009.04.16号
********************************************************************* 隔週刊「農業文化マガジン『電子耕』」 第258号 −環境・農業・食べ物など情報の交流誌− 2009.04.16(木)発行 山崎農業研究所&編集同人 <キーワード> 環境・農業・健康・食べ物などの情報提供、高齢者と若者、農村と都市の 交流ミニコミ誌。山崎農業研究所&『電子耕』編集同人が編集・発行。 http://www.yamazaki-i.org *************************************発行部数 1234 部*************** □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 山崎農業研究所編・発行/農山漁村文化協会発売 『自給再考――グローバリゼーションの次は何か』 (発売:2008/11 定価:1,575円 ) http://shop.ruralnet.or.jp/search_result.php?mode=detail&id=011701&b_no=01_4540082955 たくさんの書評・紹介記事をいただいています。感謝・感謝です。 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ ◎日本農業新聞/書評 (2009/01/19 評者:日本農業新聞編集委員 山田優) http://yamazaki-i.org/(画面トップの「書評はこちらから」よりアクセス下さい) ◎毎日新聞/今週の本棚・新刊(2008/12/21) http://mainichi.jp/enta/book/news/20081221ddm015070022000c.html ◎小谷敏さん(大妻女子大学) 日本海新聞コラム「潮流」/「自給」の方へ(2009/01/31) http://blog.goo.ne.jp/binbin1956/e/c895f6619b30ba7725e264b4daa75219 ◎白崎一裕さん((株)共に生きるために) 月刊とちぎVネットボランティア情報vol.158/しみん文庫 http://yamazaki-i.org/(画面トップの「書評はこちらから」よりアクセス下さい) ◎大内正伸さん(イラストレーター・ライター) ブログ:神流アトリエ日記(3)「書評『自給再考』」 http://sun.ap.teacup.com/applet/tamarin/20081204/archive ◎塩見直紀さん(半農半X研究所、執筆者) ブログ:半農半Xという生き方〜スローレボリューションでいこう! 立国集。 http://plaza.rakuten.co.jp/simpleandmission/diary/200812270000/ ◎戎谷徹也さん(大地を守る会) ブログ:大地を守る会のエビちゃん日記 “あんしんはしんどい” 「自給率」の前に、「自給」の意味を http://www.daichi.or.jp/blog/ebichan/2008/12/16/ ◎吉田太郎さん(長野県農業大学校教授、執筆者) キューバ有機農業ブログ 自給再考の本が出ました http://pub.ne.jp/cubaorganic/?entry_id=1822182 ◎関良基さん(拓殖大学政経学部) ブログ:代替案 書評:『自給再考 −グローバリゼーションの次は何か』 http://blog.goo.ne.jp/reforestation/e/cb22650fa39384bdd22b61440fa81fa0 ◎ブログ:本に溺れたい グローバリゼーションの次は何か http://renqing.cocolog-nifty.com/bookjunkie/2009/01/post-841e.html □ 目 次 □---------------------------------------------------- <巻頭言> 問われる農業ジャーナリズムの意義 松坂正次郎 <84歳からのメッセージ> 軍国少年の疑問 原田 勉 <多摩川源流を尋ねて> その4 水運 安富六郎 <農業書サービスセンター店舗移転のお知らせ> <編集後記> にぎやかな食卓 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ <巻頭言> 問われる農業ジャーナリズムの意義 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 農業ジャーナリズム仲間の所属する発行法人が最近2つ消滅した。全国の農 協関係者を主要読者としていた『日刊・協同組合通信』(発行元は協同組合通 信社)と、公益法人として、ラジオ日経の『農林水産ダイヤル』と称する短波 放送を流してきた『農林放送事業団』である。前者は1948年の創刊だから60年 間の発行、後者は1976年の放送開始なので33年間の放送である。 廃刊や放送打ち切りの理由は明らかにされていないが、わが国の農政の現状 や農林業地域の過疎化、農林家の高齢化を背景として、農協や森林組合等の経 済事情も一因と考えられる。さらにはテレビやインターネットの普及・利用に “客をとられた”面も否定できまい。いずれにしても読者・受信者の減少で、 経営的に継続困難になったものと見られている。 このことは農山村住民への情報による応援団が失われたに等しい。もちろん、 マスコミ業界も不景気風に追われて、心ならずもコマーシャリズムに屈しつつ ある面は否定できない。世界的な大不況=恐慌のなか、日本の基幹的大企業や 小企業、報道・出版界は苦難の泥沼に突き落とされ、いまだに這い上がれず悶 え苦しんでいる。まともに給料も支給されず、退職を迫られて路頭に迷うよう な職場も多い“暗い絵”の時代である。 しかし、この“暗い絵”から抜け出すため、あらゆる知恵を絞り出して、事 態の“チェンジ”を実現せねばなるまい。世界では飢餓のため、毎日2万4000 人が死に追いやられているという。あらためて、食料を生産し、CO2を吸収し、 人間の生存を支えている農業生産の大切さ、農林業者の活動の切実さが世界中 に再認識されつつある。そうした活動の活発化・円滑化のためにも農業ジャー ナリズムの重要性が問い直されている。 松坂正次郎 山崎農業研究所顧問、コラムニスト yamazaki@yamazaki-i.org ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ <84歳からのメッセージ> 軍国少年の疑問 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 著名人の子ども時代を振り返る「わたしが子どもだったころ」というテレビ 番組に刺激されて、私も書くことにした。 私は大正十四年三月生まれ。今年八十四歳になる平凡な男だ。 子どもの頃は、当時当たり前のように、軍国少年だった。小学校高等科のと きから剣道にうちこみ、農学校でも続けて初段になった。 どうせ兵隊にとられるのなら将校になろうと思って、学校教練にも熱心に参 加し、射撃も上手かった。ラッパ手も勤めた。 小学校高等科を卒業するころは級長になり、全校生徒の代表として、教練の ときは小隊長となり、分列行進の指揮をした。卒業式の代表としても軍国に報 いるあいさつをした。 農学校に進んでいるとき、長兄は陸軍に召集され中国戦線に行った。次の兄 は十九才で海軍に志願した。私は徴用で中島飛行機に入った。満十九才で徴兵 検査、結核の既往症があり第三乙種合格。それでもほとんど全員召集され、陸 軍飛行兵として、松山陸軍飛行隊に配属され、整備兵の訓練を受けた。 その前、昭和十三年八月二十日、従兄の原田早己男が漢江攻略戦線で戦死し、 二階級特進で曹長になり、白箱で帰ってきた。功六級という勲章も貰ったが、 両親の嘆きは、ひととおりではなかった。母は病気になり、墓穴に飛び込んで 「サミオなぜ死んだ」と繰り返し泣き叫んだ。誰も止める者もなく共に涙した。 その後、床につき、半年後に亡くなった。父もボーッとして仕事も手つかず、 その時から好きな芝居や映画もぷっつり止めて、笑うことがなくなったと妹か ら聞いた。 始めは、従兄の戦や金鵄勲章を誇りに思っていたが、父母の悲しみを知り、 そして、その養子に入ってから、戦争への疑問が生まれた。こんな苦しみを国 民に与える戦争が果たして聖戦なのだろうか。わが村には、その後十数人の戦 死者があり、遺族はひとりも名誉などとは思っていなかった。表面はどんなで あっても。 そうした疑問は、軍隊に入ってなおさら深まった。航空整備兵の教育という のに、航空機は一機も無く、中島飛行機で行ったエンジンの試運転なども一回 もなかった。 訓練といえば歩兵の戦闘訓練だけだった。しかも日常の内務班は、毎日殴る 蹴るが全員に加えられた。殴り殺された者や、栄養失調で死ぬ者が四十八人の 班で六人も出た。 死に至らなくても全員が栄養失調であった。しかも戦況は何も知らされず。 そして仙台飛行学校に転属する途中で見た。 岡山や神戸、大阪、京都、名古屋、東京も焼け野原だった。 仙台に到着して一週間もしない内に、学校は空爆を受け灰になった。戦死者 も六人出た。 あとは山野を逃げ回り敵の飛行機から逃れた。 やがて八月十五日の終戦がやってきた。戦後は後備役軍曹と辞令を受け、何 度も悪夢を見た。友の中には自衛隊に入る者もあった。朝鮮戦争があってもビ クビクしていた。 少年時代の疑問はやはり正しかったのだ。 軍閥が政治を支配し、全国民に死ぬ苦しみを与えた。ヒロシマ・ナガサキは 言うに及ばず、決して戦争の悲劇を忘れてはならない。 戦争を繰り返してはならない。 だから私は今でも少年時代を反省し、戦争の話を書き続けている。 従兄 原田早己男と養母を忘れずに供養している毎日である。 詳しくは私のホームページをご覧ください。 『電子耕』*「戦争を語り継ぐ」私はこうして軍国少年になった http://nazuna.com/tom/war/01gunkoku.html 1、私はこうして軍国少年になった 2、義兄の金鵄勲章 3、農業学校の軍事教練 4、中島飛行機エンジン試運転工 5、中島飛行機武蔵製作所の被爆 6、松山陸軍航空教育隊 7、軍隊生活・屍衛兵 8、仙台航空予備士官学校で敗戦 9、小説・五十年目の松山(その1・その2) NHK「わたしが子どもだったころ」公式サイト http://www.nhk.or.jp/kodomodattakoro/ 山崎農業研究所会員・『電子耕』編集同人 原田 勉 tom@nazuna.com http://nazuna.com/tom/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ <多摩川源流を尋ねて> その4 水運 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 羽田浦は品川浦と並んで中世からの古い漁村であったと言われる。江戸時代 後期から明治前期まで多摩川に面した河口(左岸)一帯は羽田猟師町または漁 師町と呼ばれ、人家の集中した活気ある漁港であった。 その一部は、羽田空港用地となったが、羽田の町には碇泊港もあり今も漁村 のような雰囲気は漂っている。その背後にある古い町には穴守稲荷神社をはじ め寺院も幾つかある。銭湯も数軒あるほどで、雑貨店などに入ってみれば、人 情味豊かな感じのする街であることを察知できる。 江戸幕府の発足早々(1600年はじめ)、六郷用水によって羽田の東糀谷辺り までは水田があった。この水田の拓けた農村は明治初期の羽田周辺の地図に描 かれている。 河口周辺での水は塩分を含んでいる。井戸水もその影響を受けたであろう。 このために生活水を含めて用水は潮汐の影響のない上流(約25〜30km上流の宿 河原)から引いた。六郷からの用水は多摩川河口の緩い扇状地水田を灌漑して 海老取川まで至り、かなり広範な水掛りを有していたことがわかる。漁師町は この水田農村を背後地に控えることによって、活気ある安定した発展が期待で きたのである。 河口の川幅は500m以上はあるだろう。現在の大師橋の近くに「羽田の渡し」 「大師の渡し」の2つもあったことは、その交通の頻繁さを物語っている。大 師橋の近くには川崎大師がある。正式名は平間寺(へいけんじ)と称し真言宗 の寺で大治年間(1126〜1131)に建造されたと言う。寺の周辺の浅草に似たよ うな繁華街もあり、橋からも近い。渡しは主に江戸時代に羽田側から対岸の川 崎への魚の行商、巡礼者の往来や通勤のためにも利用されてきた。 広い川幅に橋を架けることは難しい、のみならず江戸時代では戦略上も思わ しくないとも言われていたためか、長い間、橋はなく渡しは大師橋の架橋1939 年(昭和14)まで続いた。今はこの橋を通る道路は産業道路と称して京浜工業 地帯を結ぶ幹線となっている。 多摩川の右岸を歩くか、左岸か、あるいは川の上りか、下りか、季節、水嵩、 などなどで川の姿、体験は大きく違う。歩きの面白さはこのような河の多様な 姿にあると思う。その中でも橋は河川を彩る大きな要素である。旧大師橋は最 近、新しくなり、近代的な吊り橋となった。橋型は斜張橋と称し、白色の大師 橋の高塔から斜めに張ったケーブルは遠くからもよく目立ち、河口を代表する かのように周りの緑に映えて見える。 安富六郎 山崎農研会員 電子耕編集同人 yamazaki@yamazaki-i.org ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ <農業書サービスセンター店舗移転のお知らせ> ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【店舗移転のお知らせ】農業書センターはこの春移転いたします。 農業書センターはこの春移転いたします。 大手町・JAビル地下一階の旧店舗は3月27日(金)で閉店いたしました。 新店舗開店は4月13日(月)になります ご愛顧いただいております農文協農業書センターは、この春JAビルの新築に ともない移転いたします。旧店舗から徒歩5分程度の場所です。 今後とも変わらぬおつきあいのほど、よろしくお願いいたします。 3月28日〜4月12日は一時休業となりますが、この間も 「田舎の本屋さん」 http://shop.ruralnet.or.jp/ のメール・電話・FAXによるご注文は受け付けておりますのでぜひご利用くだ さい。 農業書センター<新店舗のご案内> 営業時間 10時〜19時(土曜は11時〜14時) 休日 日・祝祭日(臨時休業あり) アクセス 地下鉄千代田線大手町駅と直結 地下鉄丸の内線A2出口から3分 地下鉄東西線・半蔵門線・三田線各大手町駅と地下道で直結 住所 100-0004 千代田区大手町1-3-2 JAビル地下1階 電話 050-3786-1739(開通しています) FAX 03-3217-3022(4月6日から) こちらは日本で唯一の農業書専門の本屋です。東京・大手町にはあるけれど、 直接来られないお客様にも、ご注文とあらば全国どこにでも本をお届けしてい ます。 地図入りご案内 http://www.ruralnet.or.jp/avcenter/ http://www.ruralnet.or.jp/nbklib/sp/2009/03/news1.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ <編集後記> にぎやかな食卓 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 先日の週末は、家族で参加している環境NGO環境NGOちびっこ探険隊の「春のパ ーティー」の日であった。 環境NGOちびっこ探険隊 http://blog.livedoor.jp/bufobufojp/ 場所は荒川河川敷にある秋ヶ瀬公園のバーベキュー場。お父さんたちでつくる 「おやじの一品」、今回は「うどん」であった。10人以上のお父さんたちに、 小麦粉の量はかくかくで、塩水はこんな塩梅、捏ね方はこんなふう、寝かした あとで茹では……と説明する。捏ねるのと切るのがやはりむずかしいらしく、 だからこそ、そこに作り手の個性が出るのだが、大鍋で茹でたうどんの味は格 別だった。 大鍋はスタッフの一人が実家から借りてきた。水がはいると大人2人でないと 運べないくらいのサイズなのだが、たっぷりのお湯で茹でたのがうまさの秘け つであったように思う。「春のパーティー」らしく、茹ヨモギのペーストとタ ンポポの花びらを練り込んだうどんをつくったのもよかったし、お母さんと子 どもたちでつくった野草の天ぷらも、うどんとよく合った。 わたしが暮らす埼玉県の農家では、人が集まったりするようなとき、うどんを 打って食べることが多い。子どもの頃、親戚の農家で大鍋を使ってうどんを茹 でる光景をなんども見たことがある。だから「うどん」というと、にぎやかな 食べものという印象がある。この「春のパーティー」も、お父さん・お母さん ・子どもたち・ボランティアの大学生たち・スタッフ等々がともに作りともに 食すという、まさにぎやかな食卓であった。 2009年04月16日 山崎農業研究所会員・田口 均 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◎お願い「<読者の声>の投稿規定・メールの書き方」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 1、件名(見出し)を必ず書いて下さい。「はじめまして」は省略して、言い たいことを具体的に。 2、氏名・ハンドルネームは、文末ではなく始めのほうに。 3、1回1テーマ、10行位に。 4、ホームページを持っている人は、文末にURLを。 5、JIS X0208 規格外の文字(機種依存文字)のチェックを。 http://www.chem.sci.osaka-u.ac.jp/networks/check/jisx0208.html インターネットで使えない丸数字や半角カタカナ、括弧入り略号などは文字化 けの原因です。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◎投稿アドレス変更のお知らせ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 電子耕への投稿アドレスは、117号から発行人の変更に伴い、 yamazaki@yamazaki-i.org となっております。投稿される方はこちらのアドレスにお願いします。 ---------------------------------------------------------------------- 次回 259号の締め切りは04月27日、発行は04月30日の予定です。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★『メールマガジンの楽しみ方』発売中 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 書名:岩波アクティブ新書45『メールマガジンの楽しみ方』 著者:原田 勉 定価:735円 発行日:2002年10月4日 発行所:岩波書店 ISBN4-00-700045-X まえがき・目次・著者紹介・注文方法はこちら http://nazuna.com/tom/book.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ <本誌記事の無断転載を禁じます> ********************************************************************** 隔週刊「農業文化マガジン『電子耕』」 第258号 最新号・バックナンバーの閲覧 http://blog.mag2.com/m/log/0000014872 http://nazuna.com/tom/denshico.html 購読申し込み/解除案内 http://www.yamazaki-i.org 2009.04.16(木)発行 山崎農業研究所&編集同人 mailto:yamazaki@yamazaki-i.org ****************************************ここまで『電子耕』************


