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2009/03/06

『電子耕』No.255-2009.03.06号

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隔週刊「農業文化マガジン『電子耕』」  第255号
−環境・農業・食べ物など情報の交流誌−
2009.03.06(金)発行      山崎農業研究所&編集同人
<キーワード>
環境・農業・健康・食べ物などの情報提供、高齢者と若者、農村と都市の
交流ミニコミ誌。山崎農業研究所&『電子耕』編集同人が編集・発行。
http://www.yamazaki-i.org
*************************************発行部数  1246  部***************
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山崎農業研究所編・発行/農山漁村文化協会発売
『自給再考――グローバリゼーションの次は何か』
(発売:2008/11 定価:1,575円 )
http://shop.ruralnet.or.jp/search_result.php?mode=detail&id=011701&b_no=01_4540082955
 たくさんの書評・紹介記事をいただいています。感謝・感謝です。
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◎日本農業新聞/書評[new!]
 (2009/01/19 評者:日本農業新聞編集委員 山田優)
 http://yamazaki-i.org/(画面トップの「書評はこちらから」よりアクセス下さい)
◎白崎一裕さん((株)共に生きるために)
 月刊とちぎVネットボランティア情報vol.158/しみん文庫[new!]
 http://yamazaki-i.org/(画面トップの「書評はこちらから」よりアクセス下さい)
◎小谷敏さん(大妻女子大学)[new!]
 日本海新聞コラム「潮流」/「自給」の方へ(2009/01/31)
 http://blog.goo.ne.jp/binbin1956/e/c895f6619b30ba7725e264b4daa75219
◎毎日新聞/今週の本棚・新刊(2008/12/21)
 http://mainichi.jp/enta/book/news/20081221ddm015070022000c.html
◎大内正伸さん(イラストレーター・ライター)
 ブログ:神流アトリエ日記(3)「書評『自給再考』」
 http://sun.ap.teacup.com/applet/tamarin/20081204/archive
◎塩見直紀さん(半農半X研究所、執筆者)
 ブログ:半農半Xという生き方〜スローレボリューションでいこう!
 立国集。
 http://plaza.rakuten.co.jp/simpleandmission/diary/200812270000/
◎戎谷徹也さん(大地を守る会)
 ブログ:大地を守る会のエビちゃん日記 “あんしんはしんどい”
 「自給率」の前に、「自給」の意味を
 http://www.daichi.or.jp/blog/ebichan/2008/12/16/
◎吉田太郎さん(長野県農業大学校教授、執筆者)
 キューバ有機農業ブログ 自給再考の本が出ました
 http://pub.ne.jp/cubaorganic/?entry_id=1822182
◎関良基さん(拓殖大学政経学部)
 ブログ:代替案 書評:『自給再考 −グローバリゼーションの次は何か』
 http://blog.goo.ne.jp/reforestation/e/cb22650fa39384bdd22b61440fa81fa0
◎ブログ:本に溺れたい グローバリゼーションの次は何か
 http://renqing.cocolog-nifty.com/bookjunkie/2009/01/post-841e.html

□  目  次    □----------------------------------------------------
<巻頭言> 日本の「水田」と「米」と「ご飯」は大丈夫か 小泉浩郎
<山崎農業研究所 第132回定例研究会;速報>
日時:2009年2月28日(土)
テーマ:弥生時代における水田稲作文化再考
1.解題:冨田正彦氏(会員、宇都宮大学名誉教授)
<83歳からのメッセージ> 人生はあなたに絶望しなかった(5)完 原田 勉
<多摩川源流を尋ねて> その1  はじめに 安富六郎
<編集後記> 赤トンボを愛おしく思ったわけ
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<巻頭言> 日本の「水田」と「米」と「ご飯」は大丈夫か
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 政府による米政策改革がスタートしてから5年が経った。米政策改革の狙い
を一言でいえば、(1)産業政策に特化=水田農業を産業として自立させる、
(2)攻めの農政=市場原理に基づき地球規模の産地間競争に参加する、である。
そのために、(3)選択と集中=農地制度や米の生産調整を見直し(規制緩和)
大規模経営体(含む法人化前提の集落営農)に施策を重点化し、その結果、
(4)構造改革=水田主業経営が、水田の相当部分を占める農業構造に改革する、
そして、(5)企業の参入緩和=その改革を促進するため一般企業の参入の門戸
を開く、という方向である。

 水田農業を産業政策に特化してよいか、地球規模の産地間競争に勝てるか。
国民に十分な説明がないまま、特に生産現場では困惑からあきらめが進むなか、
新聞、雑誌、テレビ等は、自動車、電子機器等産業の不況の中、次は「農業
だ」と米政策改革を支持する論調が多い。1月28日麻生首相の施政方針演説
「農業に潮目の変化が訪れた」を受け、翌々日朝日新聞は「減反廃止に踏み切
れ」と社説で書き、複数の限られた論客が、相次いで米の関税撤廃、農地利用
の規制緩和、一般企業の参入を声高に説いている。

 本当に産業として経済性(規模と効率)を問うだけで主食である毎日の「ご
飯」を安心していただき続けられるか。さらに国土の環境や水が守られるか、
四季折々の田園風景やむら祭りが次代に引き継がれていくか。生産量、消費量、
価格、自給率等数字だけを追うのではなく、いただく一杯の「ご飯」を国民全
体で考える時期にきているように思う。

小泉浩郎
山崎農業研究所事務局長
yamazaki@yamazaki-i.org

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<山崎農業研究所 第132回定例研究会;速報>
日時:2009年2月28日(土) 
テーマ:弥生時代における水田稲作文化再考
場所:NTC(旧太陽)コンサルタンツ6F   参加者18名
1.解題:冨田正彦氏(会員、宇都宮大学名誉教授)
2.弥生時代の農耕文化と食
  大谷弘幸氏(財団法人山武郡市文化センター、千葉県)
3.農業土木から見た弥生水田の合理性について
  谷口 浩氏(奈良大学通信教育部文化財歴史学科履修、
        元内外エンジニアリング(株))
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1.解題:冨田正彦氏(会員、宇都宮大学名誉教授)
 水田をめぐって以前から多くの研究や本などが出されている。例えば吉田武
彦さんの『水田軽視は農業を亡ぼす』(農文協)、本田幸雄さんの『水田ハ地
球ヲ救ウ』(家の光協会)などがある。後者はとくにその切り口と内容の斬新
さに感銘を受けたものである。

 このような本はわれわれのような水田の専門家が率先して出すべきと思った。
水田は国、その文化をつくってきた。いまこの水田稲作研究のグローバル化が
求められている。

 山崎不二夫先生の『水田ものがたり』(山崎農研発行、農文協発売)はわが
国の水田のあり方を説いたものであり、これをさらに発展させた田渕俊雄さん
の『世界の水田 日本の水田』(同)は水田をグローバルな視点から見ている。
今回のも弥生時代の水田稲作文化は考古学的な面のみならず水田利用・発展も
期待される興味あるテーマである。
(文責 安富・田口)

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<83歳からのメッセージ> 人生はあなたに絶望しなかった(5)完
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<「あきらめない医療」を>

 前回に続き、永田勝太郎さんのNHK「ラジオ深夜便」でお聞きしたお話を
お伝えします。

Q:末期ガンや、そのほかの重篤な病気に限らず、糖尿病や高血圧などにも、
  フランクル博士の考え方は適用できるのでしょうか?

永田:もちろんです。たとえば糖尿病の患者さんの場合、食事療法は避けて
   通れませんね。ところが、食事療法は実行するのが実に難しい。
   自分が慣れ親しんだ食習慣は、簡単に変えられないものなんです。
   ですから、例えば高齢者の糖尿病の患者さんには、私はこういうことを
   言います。「○○さん、確かお孫さんがいたね。五歳?そうかわいい
   盛りだね。でも○○さん、こんなに血糖値が高いでしょう。そのうち
   目が見えなくなっちゃうかも知れないよ。その前に心筋梗塞を起こして、
   あの世に行ってるかも。お孫さんの成人式、あの世から見ても
   しょうがないでしょう。その目で見届けないと」。

   つまり自分のためでは行動変容できなくても、お孫さんのためなら
   行動変容できる。その方を生かしている“意味”を刺激すると
   「食事療法やってみよう」という気持ちになってくださるわけです。

    フランクル先生は、こんなこともおっしゃっています。
   「どんな人間にも必ず意味がある。ただし、多くの人たちが
   それに気づいていないだけだ。医療職の役割は、それを患者と一緒に
   気づくことだ」。

    私たち医療職がすべきは、まず、その人の病気を丁寧に診察し、
   検査をし、状況を判断すること。そして、あきらめることなく、
   患者さんの“生きる意味”に一緒に気づいて行くことなんです。

Q:これからの医療に最も必要なことは、何でしょうか。

永田:専門性の高い医療はもちろん大切です。しかし、その前に、全人的に
   患者さんを理解する医療を広めていかなくてはなりません。

    全人的医療は患者さんに共感するところから始まるのですが、
   これがいちばん難しいですね。しかし、それができないと患者さんを
   理解することはできないわけです。

    全人的医療とは患者さんの体、心、社会環境、生きる意味、その四つ
   を総合して診ていくことです。残念ながら、まだその教育は十分とは
   言えません。

    フランクル先生は亡くなる前、私にこういう言葉を遺されています。
   「永田君、僕はもう十分生きた。ただ一つだけ心残りがある。自分の
   学問が医学の分野でもっと浸透して欲しかった」。

   今後も医学教育にもっともっと努力していかなければなりません。

    それからもうひとつ、今、自分の命も、他人の命も粗末にする人が
   多いですね。その人たちは、自分の命の可能性に自信がないのだと
   思います。

    これはもう、家庭教育、学校教育だけの問題ではなくて、国民全体の
   問題です。私たち一人一人が自分の可能性を信じて、希望をしっかり
   持って、変えていかなければならないと思います。

[聞き手 鈴木健次さん:「ラジオ深夜便」制作グループ
(元NHKアナウンサーとは別人)] (2008年9月23日・24日 放送)


 以上、五回にわたって永田勝太郎さんとオーストリアの精神科医ヴィクトール
・E・フランクル博士の話を掲載させていただきました。

 掲載誌『ラジオ深夜便』2009年1月号に感謝いたします。

定価:350円
発行所 〒150-8328(住所不要)NHKサービスセンター
販売係 TEL:03-3464-1165

NHKサービスセンターオンラインショップ
 雑誌/本/ラジオ深夜便/ラジオ深夜便最新号・バックナンバー
http://shop.nhk-sc.or.jp/shop/c/c102020/
(*2009年1月号は品切れ中)

<参考リンク>
月刊誌『ラジオ深夜便』
http://www.nhk-sc.or.jp/radio/

NHK AMラジオ第一放送「ラジオ深夜便」
http://www.nhk.or.jp/radiodir/shou/shinya/shin.html
放送時間:月〜金曜午後11・20〜午前5・00
     土曜午後11・10〜午前5・00  日曜午後11・15〜午前5・00
    (第4週の日曜日は翌月曜日 午前0・10〜午前5・00)

永田勝太郎先生のウェブサイト
http://www.e-oishasan.net/doctors_site/nagata/

ヴィクトール・E・フランクル:みすず書房
http://www.msz.co.jp/book/author/13919.html


山崎農業研究所会員・『電子耕』編集同人
原田  勉
tom@nazuna.com
http://nazuna.com/tom/

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<多摩川源流を尋ねて> その1  はじめに 
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 2002年8月15日、羽田河口を出発、多摩川の右岸を歩き始める。天気の良い
土曜か日曜日、1日に7〜10kmくらいの距離を歩き継いで行くのである。この
「歩き継」の苦労をはじめに述べておきたい。

 河口から源流までの多摩川は下流、中流、上流の3つに区分されている。河
口0kmから田園調布、調布取水堰(多摩川台公園)14kmまでを下流域、さらに
調布取水堰から32km川上にある拝島橋までを中流域、それより上を上流域と称
している。

 下流の右岸(川崎側)には緑は多いが道路の未整備なところも少なくない。
工場敷地の川岸まで迫っていれば大きく迂回せねばならない。どちらを選ぶか
はその時の判断によるが、古い河岸や水利施設もあるので川崎側(右岸)を歩
いた。しかし「歩き継」地点へのアクセスには不便であった。

 中流での川の土手は比較的よく整備されている。交通も便利である。公園、
緑も多く、道路整備も行き届いている。それでも、右岸にはまだ未整備な場所、
大きな流入河川もある。橋も少ないので右岸、左岸の選択にはその都度、判断
を要した。「歩き継」へのアクセスの最もよいところは調布(市)、府中、立
川あたりであろう。

 上流では、羽村を過ぎると川岸に近づけないところも多くなる。青梅市から
奥多摩町に入るころから何回かトンネルを迂回した。幸いに多摩川は青梅街道
にほぼ沿っているので、電車やバスによる「歩き継」は奥多摩湖、丹波山村ま
では何とか行くことができた。

 ところが、丹波山村からはバスはない。ここから先は徒歩の難所となった。
まず「歩き継」ぎ地点まで自転車を自動車(クルマ)に積んで行く。ここから
自転車を手で押して歩く。急な坂道では押し歩きは疲れるが、帰りには数時間
歩いた距離を自転車で自然に任して下ると30分もかからなかった。おかげで疲
れることはなかった。

 林道には急な坂も多くなり、自転車の押し歩きはついに出来なくなり、あき
らめる。次に考えた方法として、広場も少なくなるが、クルマを駐車させ、そ
こから徒歩で2〜3km行き、再びクルマまで戻る。このような「歩き継」を繰り
返して笠取山の登山道口(作場台)までたどり着いた。ここから先は車も入れ
ない。登山姿で山頂まで登った。

 交通機関のない中山間地の「歩き継」には予期しない苦労はあったが、とに
かく河口から山頂まで無事に「歩き継」できたことはなによりであった。
(安富六郎 山崎農研会員、電子耕編集同人)

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<編集後記> 赤トンボを愛おしく思ったわけ
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2月21日、本研究所会員でもある宇根豊さんが代表をつとめる「農と自然の研
究所」と、生物多様性農業支援センターの主催による「田んぼの生物多様性の
新しい表現のためのシンポジウム」を聴きに出かけた。

今回は、農と自然の研究所が中心になって取り組まれた、「田んぼの生きもの
全種リスト」と「田んぼの生きもの指標」が完成したことを記念してのシンポ
ジウムである。前者には水田やあぜ、ため池の生きもの約5,500種が、そして
後者には、田んぼの生きものの豊かさを示す指標種240種が掲載されている。

リストの作成にかかわった委員達の興味深い講演がつづくなか、新井裕さん
(むさしの里山研究会代表、当研究所会員)の言葉に耳がとまった。

「わたしはトンボ屋ですが、かつては珍しいトンボばかり追いかけていました。
しかし、自分で田んぼやるようになって、そこで生きる当たり前のトンボにも
注目するようになりました。その代表が赤トンボです。そして、田んぼをつく
り続けることがトンボもふくめて多くの生きものに影響を与えることがわかり
ました。赤トンボはわたしたちが田んぼをつくることを待っているのです。そ
のことに気づいたとき、わたしは赤トンボをたいへん愛おしく感じたのです」

記憶をたどってなので、正確ではないのだが、大略、新井さんはこんなふうに
話された。

“生きものへのまなざし”。これは、農と自然の研究所が一貫して追及してき
たテーマである。“生きものへのまなざし”とは何か。私なりに解釈すればそ
れは、生きとし生けるすべてのものへの愛情とでもいうものである。

新井さんの言う“赤トンボの愛おしさ”は、“農へのまなざし”がかわったこ
とと切っても切れない関係にある。“農へのまなざし”がかわるとき、“農と
自然との関係”にまなざしがむけられたとき、“生きものへのまなざし”もた
しかにかわるのである。

2009年03月05日
山崎農業研究所会員・田口 均
yamazaki@yamazaki-i.org

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電子耕への投稿アドレスは、117号から発行人の変更に伴い、
yamazaki@yamazaki-i.org
となっております。投稿される方はこちらのアドレスにお願いします。
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次回  255号の締め切りは03月16日、発行は03月19日の予定です。

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★『メールマガジンの楽しみ方』発売中
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書名:岩波アクティブ新書45『メールマガジンの楽しみ方』
著者:原田  勉  定価:735円  発行日:2002年10月4日
発行所:岩波書店  ISBN4-00-700045-X
まえがき・目次・著者紹介・注文方法はこちら
http://nazuna.com/tom/book.html
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<本誌記事の無断転載を禁じます>
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2009.03.06(金)発行      山崎農業研究所&編集同人
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