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2009/07/05

[WNM 7/3]大衆蜂起に暴力で応じたイラン

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[1]ウィーン発『コンフィデンシャル』  ○IAEA広報部の刷新を期待
[2]特集    ◆大衆蜂起に暴力で応じたイラン
[3]世界の論調 ◆恐怖政治敷くイラン(仏紙)

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[1]ウィーン発『コンフィデンシャル』(http://blog.livedoor.jp/wien2006/)
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○IAEA広報部の刷新を期待

 国際原子力機関(IAEA)広報部は24日夜、ドナウ河沿いのレストランでグ
リル・パーティを主催した。ゲストは招待されたジャーナリストたちだ。ただ
し、招待状を受け取ったジャーナリストもいる一方、敏腕記者として著名な
ジャーナリストには招待状が届かない、といったこともあった。招待状をもらっ
て喜ぶジャーナリストもいる一方、「なぜ、俺には招待状が来ないのか」と激怒
する国連記者たちもいた。

 パーティの当日は生憎、雨降りでゲストも50人程度。パーティの開始が遅れた
ために、グリルが始まる前に帰っていった記者たちも多かった。

 問題は、IAEA広報部がジャーナリストを「ベストフレンドたち」と「そう
ではない記者たち」に分け、前者だけを常に優先するやり方だ。

 「個人企業や民間企業ならば当然だが、国連機関の、それも広報部がジャーナ
リストを選択し、招待状を送るというやり方は良くない」

 「IAEA事務局は理事会で予算のアップを要求しているが、広報部の浪費を
先ず止めてから要求すべきだ」といったきつい声も聞かれる。

 IAEAではコンフィデンシャル情報が部外に流れるケースが絶えず、外交文
書が広報部員と交遊しているジャーナリストたちに筒抜けとなっている事態は普
通ではない。

 情報は武器だ。その情報を巧みに使い分け、親密な関係のあるジャーナリスト
たちを優先し、そうではないジャーナリストたちを疎外するやり方は、少なくと
も国連機関の広報部としては失格だろう。

 国連機関の広報部はコンフィデンシャル情報に対する管理能力と、同時に公平
な広報活動が要求される。IAEA広報部の抜本的な刷新を期待する。



♪ブログでコメント
http://blog.livedoor.jp/wien2006/archives/51462121.html

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[2]特集…大衆蜂起に暴力で応じたイラン 在仏・米コラムニスト ウィリアム・
ファフ
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●信頼失ったイスラム支配/指導者決めるのは国民自身

 【パリ】イランの反体制デモへの弾圧は重大な結果をもたらした。現代の世界
で最も重要なイスラム急進運動が、残虐で抑圧的な独裁体制に変わってしまった
ことを意味するからだ。指導者は選挙で不正を行い、国民の開票のやり直しや再
投票の要求を暴力でねじ伏せてしまった。

 この事件は、いわゆる「文明の衝突」、大サタン米国やイランの仇敵大英帝国
のたくらみとはまったく無関係だ。イランの指導者が権力を乱用した結果だ。イ
ランは、宗教による新しいかたちの共和国を築き、コーランに記された神の法
と、近代の政治と国家の要件とを組み合わせようとした。この国家の持つ力の中
には核開発もある。核開発は核兵器の保有につながり、核兵器を持てば、敵国イ
スラエルと不信心な米国に対抗することが可能になる。

 イランは中東の有力なイスラム国家となった。イスラムの君主国家、ヨルダ
ン、モロッコ、サウジアラビアと肩を並べるイスラム共和国であり、外国の抑圧
からのイスラム教徒解放のモデル国家と言っていいだろう。

 それは、1951年と1979年の西欧の支配に対する民衆蜂起を見れば明らかだ。イ
ランは近代イスラム政権の1つのかたちであり、民主的な基盤を持ち、イスラム
法学者による支配を受けるイスラム支配の見本のような国だ。そこでは、最高指
導者はイスラム法学者であり、政府の決定に対してイスラム法学者の立場から最
終的な判断を下す。

 この政府が今、国際社会の信頼を失っている。同様にイランの多数派を占めて
いるとみられる人々の信頼も失っている。警察力を持つ個人やグループを大量に
動員して力による支配を続けているが、この支配に正当性はない。イスラム教徒
はこの事実から、敵は外だけでなく、イスラム世界の中にもいることを知るべきだ。

 イランは近代になって2度、革命を経験したが、2度とも外国勢力の影響を受
けたものだった。今回、力を乱用しているのは、イラン人自身であり、イスラム
当局だ。国内の独裁者と戦う今回の蜂起は成功するのか。それともまだ続くのか。

 1度目の蜂起は、第2次世界大戦中に英国とソ連に占領されたことを受けたも
のだった。ソ連は北部を独立させ、自国の影響下に置こうとした。イランの立憲
運動は20世紀の初めまでさかのぼる。シャーは1906年に憲法と議会を受け入れ
た。しかしイランは、帝政ロシアと英国の影響圏に分裂、米国は第2次大戦後、
その両方を受け継いだ。

 1945年当時の国民運動は、戦前に議会議員を務めた有力者ムハンマド・モサデ
グが指導していた。モサデグは、英国国営のアングロ・イラニアン・オイル社の
国有化を求めた。

 議会が表決で国有化を承認すると、シャーはモサデグを首相に指名せざるを得
なくなった。しかし、モサデグが英国の要求した条件に抵抗したため、政治危機
が発生し、シャーは国外に脱出、米中央情報局(CIA)に連れ戻され、再び王
位に就いた。

 モサデグは3年間、独房に監禁された。その後も自宅軟禁下に置かれ、解放さ
れることなく死亡した。

 シャーは28年後に再び、蜂起に遭遇する。だが今度は、CIAが救出すること
はできなかった。1979年にイスラム革命が成功し、アヤトラ・ホメイニが指導者
の地位に就いた。革命勢力は、米国大使館を襲撃し、大使館員らを人質にして1
年以上にわたって占拠した。

 レバノンの著名な編集者で評論家のラミ・フーリ氏は最近こう指摘した。アラ
ブの指導者は、独裁的でありながら、潜在的に弱さも持ち、このような指導者の
下にいる普通のアラブ人らは、イランの蜂起を「惨めな思いと羨望」で見詰めて
いた。

 なぜ、惨めなのだろうか。アラブ人が、蜂起したくてもできないのはなぜなの
か。パキスタンのスワト渓谷など同国北西部の地域の部族は、侵入者のタリバン
を今も排除できずにいる。

 イランでの蜂起はまだ続くかもしれない。だが、終息したとしても、イラン人
はいつか必ず再び立ち上がるだろう。

 イラク人は今、再び派閥、民族間の分裂の危機に直面しようとしているよう
だ。イラク人が望めば、サダム・フセインに対して自ら蜂起し、大量の流血や惨
劇を回避できたかもしれない。フセイン以前、イラク人は自身の手で望まない支
配者を排除してきたのだから。誰の支配を受けるかを決めるのは国民自身でなけ
ればならない。それができなければ、その国民相応の政府もしくは、解放者をい
ただく危険を冒すことになる。



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[3]世界の論調
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◆恐怖政治敷くイラン(仏紙「ルモンド」)

 イランは今や恐怖政治の国だ。正当性にますます異議が募る体制は、投獄、拷
問、殺害を事とする。

反対派はイスラム共和国の枠内で存在しようとするだけのことなのに、体制側は
彼らに表現の場を認められるほど十分な力も自信も、持ち合わせているとは感じ
ていないかのようだ。

 アハマディネジャド大統領は、体制の宗教的「指導者」、ハメネイ師の支援を
得て、番犬を放した。指示された目標。それはムサビ元首相が6月12日の大統
領選挙で、自身の名の周りに結集させた広範な反対派連合の、すべての責任者で
ある。

 原理主義者アハマディネジャド氏は、この選挙で63%を得票したと主張する。
だが、それほど人気がありながら、このような弾圧を必要とする体制が一体、ど
こにあろうか。

 6月12日の投票に刻印を残した集中的な不正を告発するため、数百万人のイラ
ン人があえて街頭に出て以来、捕らえられた人々はすでに2000人を超える。なか
には改革派陣営の立役者たちが含まれる。

 ムサビ氏の協力者たち、元閣僚、ジャーナリスト、大学人、人権擁護者。だ
が、地区委員会の密告により、ただデモに参加したとの疑いだけで、あらゆる年
齢層のイラン人たちも巻き込まれた。

 陰惨。シナリオはいつも同じだ。武装した私服の男たちが、どのような令状も
なしに、昼夜を問わずあらゆる時間帯に住居へ踏み込んでくる。最悪の事態を恐
れねばならない。

 親アハマディネジャド派は、反対派に公然と処刑の脅しをかけた。監獄で殴
打、拷問はありふれたことだ。逮捕された人々はしばしば、あっさりと消されて
いく。イラン国民はまたもや不法と、体制側の民兵、バシジの暴力に支配される。

 恐怖を与えなければならない。イスラム的純潔の探求、外国の陰謀という妄
想、イスラム共和国を自由の余地が一切ないイスラム独裁へと変える意図。この
アハマディネジャド大統領の神がかり的な宣言に共感しないような、教育があっ
て洗練された住民を、服従させなければならない―ということだ。

 この体制は英国大使館のイラン人職員を逮捕、欧州連合(EU)を非難する。
国内の女性協力者を尋問、国連にも非難の矛先を向ける。

 国際的糾弾が望まれる。イラン人たちのために最低限、連帯が期待される。
(6月30日)


●その他…
http://www.worldtimes.co.jp/wtop/paper/main.html

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■編集後記
▼広報を担当する者としては、マイナスイメージが付く情報よりも、自分たちに
有利に働く情報を「ベストフレンド」に流してもらいたいと思うもの。そして取
材する側としては、少しでも早く有用な情報を得たいもの。とはいえ、あまり近
付き過ぎると癒着になりかねません。適度な距離感覚を持っていたいものです。
IAEA広報部の件、公平な広報活動へ期待したい一方、「招待されたジャーナ
リスト」、招待されて喜んでいる場合ではないのでは…。(M)

▼IAEAの次期事務局長に天野之弥大使が決まりました。国連の上級職では明
石康事務次長はじめ、かつて緒方貞子・国連高等難民弁務官、中島衛・世界保健
機関事務局長などがいましたが、現在、これというポストに日本人がいませんで
した。国連への拠出金や貢献度からして、日本人の上級職員数はもっといてもい
いと判断されているのですが、その舞台で活躍できる日本人が圧倒的に少ないの
が現実です。ひとつには任期後、帰国しても、日本にポストがないことが尻込み
する理由となっているとか。明石さんが大臣になるとか、それなりに用いられて
いれば、変わるのでしょうが……。つくづく内向きの組織です。日本は。(S)
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