2009/10/02
Wing-Mag No.1603 新政権の硬直性と強権主義(丸山公紀)
■■■■■■■■■ JOG Wing ■ 国際派日本人の情報ファイル ■
新政権の硬直性と強権主義
丸山公紀
■転送歓迎■ No.1603 ■ H21.10.02 ■ 9,185 部 ■■■■■■■
鳩山首相が国連でマスコミ流に言えば「華やかな外交デビュ
ー」を繰り広げている間に、国内では各閣僚がしきりに前政権
路線と変わったことをアピールすることも手伝って毎日、国内
政治の話題にたえることがない。ある意味で国民はドラマや小
説を見聞きすることよりも興味本位で様子見をしているところ
がある。
どなたかも指摘していることであるが、不思議に鳩山政権に
交代してから今日までNHKや朝日、TBS、そして産経や読
売を除いた新聞各紙も批判めいたことも言わず、絶大な評価を
しているが、逆にマスコミ自体が大丈夫なのかと不安になる。
さて、例の群馬の八ツ場ダム建設問題である。前原国交大臣
はマニフェストで公約したことであるから、中止の前提は変わ
らないとしながら、現地を視察、住民との説明会も行う予定だっ
たが、住民の出席反対で代表が中止反対の要望書を大臣に渡す
だけで終わった。
これは一体何だろうか。住民でなくとも、マニフェストに明
記しているからとの理由だけで中止を宣言しては、利水・治水
の効果や今まで投じられた工事費はどうなってしまうのか、大
臣に聞きたくなるだろう。
ダム建設計画が出てから住民は57年間という長きに渡り、
賛成、反対の争いの中、結局は水没予定地区の住民も住居を移
転して、いよいよダム本体の着工にとりかかろうとしていた矢
先、政権が変わって今度はダム建設そのものを中止にするとい
うドタバタ劇は到底、自治体と住民から理解されないのではな
いか。
不思議な光景でもある。普通はダム建設反対を唱えるのは反
体制派や少数派であることが今までの例であることが多いが、
今回は建設賛成を地方自治体と住民側が唱え、中止を政府が唱
えるというのだから、世が世となればこんなにも変わるものな
のか。
小生はこの問題に現政権の硬直性と強権主義を見てしまうの
だ。地方自治体と住民にとってみれば半世紀にわたる建設推進、
反対の争議の中で、結局、十分に合点したかどうかは別として
建設することに決断した心の傾きには多大な時間とエネルギー
をかけたであろう。しかし、それを一瞬にして翻すような路線
を提示されれば、誰でも納得することはできないはずだ。これ
は人の心の問題である。水没する地域に住んでおられた人々も
先祖代々の土地を泣く泣く手放そうとして、心の割り切り方を
したはずだ。しかし、そこから立ち退こうとした決断は、重い
ものがあったろう。
従って、前原大臣がいう金銭的補償ではなく、解決できかど
うかわからないが、心の問題についてどう向き合うことができ
るかである。
そして今日は熊本の川辺川ダム建設反対を前提にして現地を
視察している。ここも八ツ場ダムとは事情が違うものの、大臣
の姿勢は同様である。
こんな様子を見ていると人々の苦労に関係ないところで「初
めに結論ありき」の態度は果たして人心をそのまま新政権につ
なぎ止めることはできないのではないかと思うのだ。
-----------------------------------------------------------
購読申込・購読解除・既刊閲覧・:
まぐまぐ: http://www.mag2.com/m/0000013290.htm
Melma!: http://www.melma.com/mag/56/m00000256/
Mail: nihon@mvh.biglobe.ne.jp または本メールへの返信で
Japan on the Globe 国際派日本人養成講座
http://www2s.biglobe.ne.jp/~nippon/jogindex.htm
相互広告: 弊誌読者の参考になるメルマガとの相互広告歓迎。
------------------------------------------------------------


