2005/10/31
【書人宝庫】第87号 Writers'Networkメールマガジン
☆★☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆ ★ Writers'Networkメールマガジン 2005/10/31 ☆ ★ 書 人 宝 庫 第87号 ★ ★ http://www.writers-net.com/ ☆★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆★ このメールマガジンは、等幅フォントでご覧ください ―――――――――――――――――――――――――――――――― コノサカヅキヲ受ケテクレ ドウゾナミナミツガシテオクレ で始まる于武陵の、というより井伏鱒二の超訳? であまりに有名な 『勧酒』ですが、原文の「サカヅキ」=「巵」=「金屈巵」の字が気に なって調べてみたら、これが何と大杯なんですね、一升は入るという。 正確な形状は分からないのですが、柄がついていて、しかも黄金製のよ うなんです。 土っぽいおちょこで、塩っぽい肴をつまみながらちびちびやっての四 畳半的別れのイメージとは全然違うんです。豪快というか、明るいとい うか、開放的というか……二日酔いが心配だけど。 だから、今号の巻頭にふさわしいと思ったんですね、ご好評をいただ いたお三方の連載が最終回になるので、みなさんのご苦労をねぎらい、 その前途を祝す意味で。 山田さんは環境問題の研究・実践の専門家として、坪井さんはペンを 駆使した中国プロスポーツの先導者として、小田さんは鋭い問題提起を する出版人として、それぞれ大きな飛躍を遂げられることでしょう。長 い間ありがとうございました。そしてお疲れさまでした。どうぞ、私に なみなみとつがせて下さい。 私からも、読者のみなさまにお礼を申し上げます。長い間ありがとう ございました。今号が編集長としての最後のお役になります。 そして私も、『書人宝庫』・山里分室の看板を降ろしてから街場へ下 り、キリン・ハートランドの生ビールを二杯だけ飲むつもりです。 (太田越) 【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆★☆ ▼01 北京五輪カウントダウン 中国スポーツ最前線 【最終回】 夢を共有するスポーツ新時代へ <坪井 信人> ▽02 地球環境と私たちの暮らし 【最終回】 持続可能なまちづくりに向けて <山田 岳之> ▼03 市ヶ谷血刀編集日記 【最終回】 フランクフルトブックフェア、行ってきました <小田 明美> ▼01━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆ ★ 北京五輪カウントダウン 中国スポーツ最前線 ★ 【最終回】 夢を共有するスポーツ新時代へ <坪井 信人> ☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ジュビロ磐田、横浜F・マリノス、読売巨人軍、横浜ベイスターズ、 福原愛選手(卓球)、荒川静香選手(フィギュアスケート)、佐藤琢磨 選手(F1)、杉山愛選手(テニス)……。 日本のプロスポーツのチーム名とアスリート名をランダムに並べてみ た。一見するだけでは、それぞれに何ら関連がないように思えるが「ス ポーツ」と「日中関係」をキーワードにすると、影響力の大きさが見え てくる。上記は今年、私自身が中国でコンサルティングや通訳に関わる か、生観戦することができたチームとアスリートたちである。 本連載は、「『夢』のマーケット、スターのいないリーグ」(第一回、 2005/3/31)というタイトルでスタートした。日本にとって、中国は、経 済的には夢のマーケットだが、日本人が熱狂するようなスポーツヒーロ ーはいないという角度から書いた。しかし、どうだろう? 猛スピード で変化する中国社会を紹介するのは本当に難しい。半年前に予測した以 上のスピードで、「中国」と「スポーツ」というキーワードが、日本人 の心に届き始めているように感じる。 中国リーグで活躍する日本人のビックネームは福原愛選手のみだが、 2008年北京五輪に向けて、近年中国ではじまったチャイナ杯フィギュア スケートグランプリシリーズ、F1中国グランプリ、チャイナオープン・ テニスなどの国際大会は、毎年中国で開催され、日本人アスリートも転 戦することになる。「五輪景気」が中国での国際大会を生み、アスリー トを中国に運んで来た。「経済」「政治」というキーワードが中心だっ た「日中関係」において、「スポーツ」の影響力が徐々に大きくなって いることは間違いない。 10月には、ジュビロ磐田の関係者が、中国のプロサッカークラブであ る山東魯能のトレーニングセンターと同クラブが経営するサッカー学校 を視察した。双方のクラブの「アジア・ナンバーワン、世界トップクラ ブの仲間入りを目指す」という目標、そして、「子どもたちに夢を与え たい」「アジアのクラブ同士でもノウハウの享有ができるはずだ」との 理念が一致し、初の交流会議につながった。 ジュビロ磐田といえば、Jリーグの理念を体現し、地域と一体になっ たサッカーをはじめとしたスポーツの普及を進め、実力的にも日本、ア ジアで上位に位置する優良クラブである。そして山東魯能も、今年のア ジアチャンピオンズリーグ(アジアチャンピオンを決める国際大会)で 横浜F・マリノスを含むアジアの強豪を倒してベスト8入りしたチーム。 ジュビロ磐田の関係者は、インフラの見学、経営陣との会議を通して、 交流への思いをさらに強くした。山東魯能は、「文化的なサッカー、百 年クラブ」という理念を掲げ、中国クラブでは他に類を見ない長期戦略 を持つ。そして、トップチームのトレーニングセンターに4面、サッカ ー学校に24面の練習場という、日本では考えられない大規模なインフラ を整備している。日本人サッカーファンにはまだまだなじみの薄いチー ムだが、中国では、「中国のレアル・マドリード」と呼ばれるほどの注 目度も誇る。 草の根の動きだけでは、日中間のスポーツ交流が、日中関係の改善に つながる大きな流れは生まないだろう。しかし、両国の人気スポーツの トップクラブの交流、しかもスポーツだけではない「人の交流という夢」 を持つ双方の提携への動きは、日中スポーツの未来に、新しい風を運ん でくれることだろう。 ▽坪井信人(つぼい・のぶひと) 日本と中国の出版社勤務を経て、現在、北京のスポーツマーケティング 会社所属。スポーツイベントに対する協賛提案、日本のスポーツ関係者、 メディア関係者の中国アテンド、リサーチなどを担当。もちろん逆ルー トも。中国での野球の普及を願い、サポート中。 今回にて連載終了。ありがとうございました。 nobuhitotsuboi@yahoo.co.jp ▽02━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆ ★ 地球環境と私たちの暮らし ★ 【最終回】 持続可能なまちづくりに向けて <山田 岳之> ☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 1992年ブラジルのリオ・デジャネイロで開催された地球サミットでは 「アジェンダ21」が採択されました。「アジェンダ」は英語で「課題」、 「21」は21世紀を表しています。つまり「アジェンダ21」は、21世紀に 向けて、地球環境問題をはじめとする様々な課題に対して、国連やその 機関が取り組んでいく行動計画となるものです。 この「アジェンダ21」は第28章で、「地方公共団体(自治体)の参加 および協力が目標達成のための決定的な要素になる」として、世界中の 地方公共団体に対して、地域を構成する住民、事業者、行政とのパート ナーシップによる「ローカルアジェンダ21」(地域行動計画)の策定と 推進を求めています。 パートナーシップは、1960年代以降のアメリカでの都市再開発で、自 治体と事業者が対等な関係で事業に取り組んだことから注目されました。 70年代以降のスラム街再開発では住民やNPOも参加して事業が行われ ました。イギリスでは近年、自治体と住民・NPO・事業者の協働事業 に優先的に国家予算をつける「戦略的パートナーシップ」が行われてい ます。 日本でも、近年、パートナーシップ事業の必要性が言われるようにな ってきました。地球温暖化防止活動がすべての国民・事業者の協力がな ければ達成できないように、従来の「事業を推進する行政vs批判する住 民」の関係では自治体の仕事が困難になってきているのです。 岡山県津山市では環境基本計画・環境基本条例をともに住民参画で策 定した後、パートナーシップ組織「エコネットワーク津山」を立ち上げ ました。自家用車から公共交通機関利用への転換など、さまざまな課題 に対しての協働事業が住民参画で進められています。 北海道ニセコ町では行政のすべての施策を毎年住民が評価し、岐阜県 多治見市では予算編成の際にすべての事業を環境の観点からチェックす るなど、各地の自治体で「持続可能なまちづくり」への取り組みが始ま っています。 * * * 最後に。 バブル崩壊から15年が経過しましたが、わたしたちの「浪費癖」はな かなか直りません。このままでは石油資源が使いつくされ、子や孫の世 代は江戸時代とおなじ生活をおくらなければならなくなります(江戸時 代は実は究極のエコライフですが)。限られた資源を次の世代へ伝える、 持続可能なライフスタイルの確立は地球環境問題の根本的な解決策です。 さあ、あなたも。できることから始めましょう。 ▽山田岳之(やまだ・たけゆき) 2004年京都大学大学院地球環境学舎環境マネジメント専攻修士課程修了。 日本海洋科学専門学校(大阪市)非常勤講師(環境政策論)。「日本の 環境首都をつくる環境首都コンテスト」(環境首都コンテスト全国ネッ トワーク主催)スタッフ。 ▼03━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆ ★ 市ヶ谷血刀編集日記 ★ 【最終回】 フランクフルトブックフェア、行ってきました <小田 明美> ☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 10月の頭に遅い夏休みをちびちびとって、旅行したり、東京国際映画 祭にいって遊ぼう!と目論んでいたのですが、やはり今年も……。 夏休み旅行は、10月はじめの木・金、月をお休みして、ウラジオスト ックへ、ダーチャ勝手に!視察(自腹なので)。弊社アルバイトと著者、 知り合いの女性誌エディターさん、新聞記者さんとゆるりとした旅をす ることができした。 モスクワのダーチャとは違う、まだそんなに発展していない(?)古 い家並みを見て、ちっちゃな子どものように、ご飯を用意してもらい、 おやつもいっぱいもらって、釣りや山への松ぼっくり拾い、夜にはウォ ッカ酒盛りという素晴らしい時間を過ごしてきました。ぜひ来年みなさ んもご一緒しましょう! 時差はたったの二時間、新潟経由で帰国後、初出社したら、急用で国 際ブックフェアのお仕事が入ってしまいました。もう一週間を切ってか らのホテルや飛行機の手配。通常のコストよりかなりのお値段となって しまいましたが仕方ない。 ブックフェアは世界各国で行われる。いちばんメインは、ドイツ・フ ランクフルトのもので、毎年10月に行われる。今年のメイン国は、韓国。 以前にも行ったことがあるが、一般の方も週末に参加できる。ドイツ 本国からの人が多いが、世界各国からやってくる。 おもに版権ビジネスといって、外国語で書かれたものを自国で出版し たい人たちが集まり、まだ原稿状態のもの、またはまだ構想段階のもの、 もちろん製本されて本になっているものを紹介してもらい、交渉、打ち 合わせなどをするのだが、もちろん本を見学するだけの人もいる。 このころにドイツに行く予定がある方がいたら、ぜひおすすめしたい。 版権ビジネスの用事は出版社の編集者ぐらいなので、ライターのみなさ んにはあまり関係ないかもしれないが、世界中の出版社の編集者やライ ターが集まってくる「お祭り」だから、語学が堪能でない人でも、各ブ ースに並んでいる本を眺めるだけで勉強になる。 そして、ついちっちゃな世界で考えがちになる我々の視点をぐいーっ と拡げるきっかけにもなりますよ。 世界の国際ブックフェアを紹介するサイトがあります。 http://www.pace.or.jp/ ▽小田明美(おだ・あけみ) WAVE出版編集部勤務。 時差ぼけ直す方法教えてください。 oda@wave-publishers.co.jp http://www.wave-publishers.co.jp ※編注・「ダーチャ」とは?→http://tinyurl.com/dzqyn ▲▽━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━▽▲ ★ お読みいただいてのご意見・ご感想は → mailto:shojinhouko@hotmail.com まで ☆『書人宝庫』はライターズ・ネットワークの公式メールマガジンです。 ライターズ・ネットワークは、ライター、編集者、イラストレーター をはじめ、出版、マスコミにかかわるクリエーターたちが、ネット上 の結びつきをベースに、セミナー開催や会員同士の共同企画などをす すめている親睦団体です。 ☆『書人宝庫』への寄稿〆切は毎月15日です。 (寄稿はライターズ・ネットワーク会員に限られます) ★講読中止は http://www.writers-net.com/ より可能です。 ┏━━▼おすすめください『書人宝庫』▽ ━━━━━━━━━━━━┓ ★無料講読手続 http://www.writers-net.com/mag/index.html ★バックナンバーが以下のURLでご覧頂けます。 http://jazz.tegami.com/backnumber/frame.cgi?id=0000012528 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━△お申込みはこちら▲ ━━┛ * ☆ * ★ ・。* ☆ * * ☆ *・ * ★ * ☆ ・。 ★ * ☆ *・ 。 ★ Writers' Networkメールマガジン『書人宝庫』 ☆ 発行人・編集人:ライターズ・ネットワーク代表 大勝文仁 ★ 編集長 :太田越知明 ☆ 編集委員 :小口達也 山田仁 勝亦美栄 河原由香里 長晃枝 六本木博之 則竹知子 井川尚子 ★ 配信 :長晃枝 ☆ http://www.writers-net.com/ shojinhouko@hotmail.com ★Copyright(C)1999-2005 Writers'Network all rights reserved ━━ ☆━☆ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★━★



