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サキさん、58歳でアーリーリタイア、タイ北部の町チェンマイに移住しました。それから7年、 移り変わるチェンマイの日常を綴った生活記です。

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2007/12/20

サキさんのチェンマイ日記

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■ 502■ 12月20日 2007

「化粧直し」

  僕の住んでいるニマンヘミンソイ3は、ただいま各戸で改修工事が盛んに行われ
ています。その騒音が朝8時から、夕方5時まで続きうるさくて仕方がありませ 
ん。

 僕がここに越してきた6年前は、空き家が目立つタウンハウスで、静かなソイ
でした。それがこのところ空き家になっていた家が次々と改修工事を始めたので 
す。

 どうしてこんなに急に人気が出たのでしょう。もちろん築15年は経っている
家はそろそろ改修工事をしなければ不都合だらけで、自分が住むにしても、レン 
タルの出すにしても改修工事は必要なのでしょう。

 僕の家のように、何年住んでも、どのように改修をしようがおかまいなし、た
だし大家は一切費用負担しないという契約ですと、不都合は自分で直さないとい 
けないので大変です。

 あちこちが改修をしているので、隣近所が新しくペンキを塗り直したりするの
で、どうしても自分の家と比較してしまい、汚さが目立ちます。年末でもありま 
すから僕も表の玄関や、裏庭の手入れをすることにしました。今住んでいるこの
家は新築当時から全く手を加えていないようで、不都合だらけです。

 家の中は、住み始めこの頃職人をいれペンキを塗り替えたのできれいですが、
外は全く新築時代そのものだと考えられます。

 それに今回の改修工事ブームで、8軒続きのタウンハウスのうち、3軒が改修
工事をしていますので、それだけ我が家が汚く見えます。

 それに全面改装ではないのですが、最近超し て来た隣のカナダ人の奥さんが、
玄関の鉄扉をきれいに塗ったので我が家のそれがよけい汚く見えてしまうという
相対性理論が、僕にペンキ塗りを決心させまし た。家人の強い要望もありました。

 まず黒色のペンキを例のチョータナーの問屋に買いにいきました。ペンキ塗り
を本格的に体験するのは何年ぶりでしょうか。日本に住んでいたとき以来ですか
 らもう27、8年ぶりになります。

 買い求めたペンキは日本製です。速乾性とありますので乾きを待つ必要がない
ようです。最もここは南国タイですので、
乾燥には時間はかからない感じで、それに今は乾期の真最中です。僕の記憶では
鉄扉に塗るペンキはシンナーで薄めて使わなくてはならず、後始末も大変でし た。

 時間の経過は技術を抜群に進歩させます。今回買ったペンキはそのまま塗って
差し支えがなく(塗りやすい濃さに調節ずみです)、快適に作業が進んだのです 
が、それでも植木との狭い間を塗ったので、身体のあちこちにペンキが付きまし
た。
僕の記憶ではペンキを落とすのは一苦労で、シンナーなどでこするより仕方があ
りません。後始末の面倒さに覚悟を決めていたのですが、作業終了後、手を洗う
 際に石鹸でこすってみたところ、なんとこのペンキは油性であるにもかかわらず
石鹸で簡単に落とすことができる優れものです。いやはや技術の進歩は僕の想像
 を遙かに超えています。これでチョータナーの問屋に日本製の塗料が山積みされ
ているのが理解できました。

 案の定ペンキは短時間のうちに乾燥しました。犬や猫、それにネズミやカエル
の侵入を防ぐネットも新しいものと取り替えました。

 一カ所が奇麗になるととあちこちがアンバランスになってしまってしまいます。

 玄関口が奇麗になると、今度は屋根や破風の汚れが気になります。タウンハウ
スは棟続きですので隣の家との境界線がはっきりしており、隣がペンキを 新しく
塗った場合、隣と続いている破風や壁に、はっきりと境界線が現れて、ペンキ塗
り立てとそうでない家の状況が明確に現れてしまいます。

 塗る色は暗黙の了解が出来ているようで、それほど奇抜な色に塗る家はなく、
みな白色や、薄い黄色を使っていますが、それでも使うペンキの種類で微妙に色
 が違い、薄い色の縞模様が何軒も続くということになります。

 一層のことサンフランシスコのように、各戸が全く違う色を塗り分ければ、個
性あふれる集合住宅になろうかと思いますが、慎み深いタイ人はそこまで個性を
 強調する精神には富んでいません。

 壁は水性塗料を塗ります。過日屋上を真っ白に塗り替えた同じペンを選びまし
た。このペンキのせいで、今でも我が家の屋上は真っ白で、光り輝いており、家
 人が洗濯物を干すとき、反射がきつくてサングラスを使用しなければならないと、
苦情を受けていますが、おかげで洗濯物の乾きが早いという、予想外のコメン ト
もいただいています。もっとも、南国の強烈な太陽は、2時間もあれば洗濯物を
からからに乾かしてくれますので、それが多少短縮されたとしても、どれほど の
福音であるかは僕には不明です。

 まず、車庫の壁に取りかかることにしました。この壁は先年ペストコントロー
ルのスタッフが、壁に直接薬剤を振りかけた結果、波模様にはげた部分ができ、 
かなり見苦しいことになっているのを、長年放置していました。車が入っている
状態では見える場所ではないので、それほど気にはしていなかったのですが、今 
回思い切って塗り直すことにしました。

 壁が綺麗になると、それに続く天井の汚さが 目に付きます。
少しペンキを塗ってみるとその汚さが倍加されますこうなると天井もほっておく
訳にはいきません。こうしてあちこち試しに白い色を塗っていると、家人が登場 
して手際の悪さを叱正されます。

 ペンキ塗りはあちこち手をつけるのではなく、一点集中でやらなければ始末に
負えないというご託言です。今回の目的はまず階段の手すりからというわけで、 
階段に手をつけました。
僕があちこち塗っているのは、どのくらい汚さが目立つかという実地検証をして
いたという意図は家人には伝わらなかったようです。

 階段は、螺旋状にちょっと曲ってつけられているので、手すりを支える欄干の
部分がちょっと細かい作業になります。家人の手を煩わせて、面相筆など取り出 
してしばらく細かい作業に専念しました。

 しかし、ペンキ塗りのおもしろさは、ローラーで一気に塗り上げていく作業に
あります。細かい作業は僕にはちょっと苦手です。

 天井は思いの外てこずりました。何せ長い竿の先にローラーを取りつけ、それ
にペンキを含ませ塗っていく作業は上向きの連続で首がこってきます。それに慣
 れないとこつがわからず旨くいきません。何回か試行錯誤している間に、何とか
旨く塗る方法がわかってきました。

 ローラーにペンキを含ませて、最初はそっと、しばらくするとペンキの量が少
なくなりますので、結構力を入れてローラーを天井に押しつけます。こうしない 
と最初のうちペンキは細かい霧となって僕の顔に降り注いで来ます。めがねも顔
もペンキだらけとなってしまいます。

 コツを飲み込んだら作業は格段にスピードアップします。下塗りを含め2日間
ですべてを塗り終わりました。新しく綺麗になった階段にセントポーリアの花を
 おくと、すっかりクリスマスの雰囲気になります。考えてみればもう12月の中
旬です。

 年中あついチェンマイでもこの頃は、早朝は肌寒い毎日が続きます。半袖、半
ズボンではとても寒く、あわてて長袖のシャツなどを着込んでいます。空気が乾 
燥している今の季節は、
日陰にはいると寒さすら感じます。これは以前サンフランシスコで体験した奇妙
な感覚ですが、日中、日向はTシャツ1枚でもあつく感じるのですが、いったん 
ビルの陰にはいると今度は寒さを感じ、あわてて上着を着込む案配です。

 チェンマイではそこまで極端ではありませんが、それでも日中ロッキングチェ
アーに座って読書などしていると、日だまりが恋しくなり、いすを南側の窓辺に
 移動したりしています。ちょっと考えられない事態ですが、チェンマイに寒気到
来ということでしょうか。

 タイ正月を祝う習慣のチェンマイでは、年の暮れといってもさほど街には変化
がなく、歳末商戦などは2軒あるデパートでささやかに行われているだけで、街 
は至って静かです。23日はクーデター後初めての選挙ですが、これも驚くほどの
静かさです。

 バンコクであれば、選挙カーがスピーカーの音量を最高にして街を走り周り、
選挙ポスターが町中に張り出されているので、いやが上にも選挙ムードが盛り上 
がりますが、ここチェンマイでは時々、ピックアップトラックの荷台に候補者の
ポスターを載せた選挙カーがやってくるだけで、町にポスターもそれほど目立ち 
ません。

 軍事クーデターはタイの経済成長を止め、今年はASEANの中で一番低い成
長にとどまったようです。今回の選挙での各党の公約は、なんと軍部が追放した 
タクシン内閣の公約とそっくり同じといいます。なくしてしまってから感じる本
当の良さというところで、選挙結果の予想でも旧タクシン派が第1党に返り咲く 
といいます。そうなったら現在イギリスの亡命しているタクシン氏はどうするの
か、ちょっと興味を引かれる選挙結果です。


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■「サキさんのチェンマイ日記」

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