2009/11/01
知の食卓169
手洗い Washing the hands Washing the hands is a very important for us. In order to be a doctor, a person must learn how to wash her/his hands, as many kinds of bacteria attach our hands. However it is difficult to clean our hands perfectly. 新型インフルエンザが流行し、手洗いが勧められています。どのように手を洗っていますか。まず、よくやる流水 でジャーと手を洗う方法がありますね。これだと、洗浄前の80~120%の菌が残るそうです。なぜ、120%、つまり 洗う前より菌が増えることがあるかと言うと、手の爪、しわに入っていた菌や、菌の塊が潰れたりして増えること があるのです。ですから、流水で一回さっと流すのは、気持ちはいいかもしれませんが、かえって危険なのです。 写真(http://mailsrv.nara-edu.ac.jp/~morimoto/com169.htm)は、手洗いの実験結果です。1(そのままの指) と比べて2(水洗いした指)の方が菌数が多いのが分かると思います。3(石鹸で洗った指)は大分菌数が減り ます。4(70%アルコールで洗った指)は、ほとんど菌がありません。でも5のように髪を触ると、ぐっと菌数が 増えます。 部屋の中では、上からさまざまな菌が降ってきています。速さは、秒速9.8 mです。人が歩くと約秒速1 mの風 が吹いて、床にまで落ちた菌が舞い上がります。そして、上から降ってきます。ですから、髪の毛は菌まみれに なっています。せっかく手を洗っても髪を触ったらだいなしです。また、病原性ブドウ球菌は、鼻腔に多く住ん でいますので、鼻を触っても同様に手洗いはだいなしです。料理の前に手を洗ったら、髪がかゆくても鼻がかゆ くても我慢をしなければなりません。 さて、男性と女性の手はどちらがきれいだと思いますか。これは、男性なのです。女性は家事をするので、手 が汚れる場面が多いのです。それに、長い爪と指輪、これが汚れる原因なのです。短い爪の場合(例0.01g)、 そこにいる細菌数は、1000個程度です。それが長い爪の場合(例0.1g)、細菌数は、10の6乗(百万)個程度と なります。男性にとってネイルアートをして、綺麗な指輪をはめた女性の手は魅力的ですが、菌にとっても魅力 的なようです。 ところで、菌は、どのくらいの勢いで増えるのでしょうか。かりに1時間に1回分裂して増えると仮定して (Doubling time 60minutes)計算してみましょう。 0-1 1-2 2-4 3-8 4-16 5-32 6-64 7-128 8-256 9-512 10-1024 11-2048 12-4096 13-8192 14-16384 15-32768 16-65536 17-131072 18-262144 19-524288 20-1048576 21-2097152 22-4194304 23-8388608 24-16777216 25-33554432 26-67108864 27-134217728 28-268435456 29-536870912 30-1073741824 31-2147483648 32-4294967592 33-8589934592 34-17179869184 35-34359738368 36-68719476736 37-137438953472 38-274877906944 39-549755813888 40-1099511627776 41-2199023255552 42-7398046511104 43-8796093022208 44-17592186044426 45-35184372088832 46-70368744177664 47-140737488355328 48-281474976710656 どうです。凄い数でしょう。はじめは、1個だった細菌は、1時間に1回分裂を続けると2日後には、 281兆4749億7671万656個になるのです。これは、栄養が充分な場合です。限られた培地では、栄養がな くなると分裂できなくなりますし、自分達の老廃物で環境も悪くなりますので、一定の数で限界となり ます。しかし、開放系で次々と新しい栄養物がくれば、このようにどんどん増えていくのです。 「参考文献」 ※「身近な食品衛生150訓」西田博著/中央法規出版1980年 ※"Antibiotic-Resistant Bacteria:There is Hope",Susan Offner "American Biology Teacher,Volume60 No.6 1998


