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2004/12/24

@future Weekly 2004.12.24

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                          @future Weekly

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                         ■■ Vol.6-33 ■■

                          2004年12月24日号


今夜はクリスマス・イブですね。
本日はケータイ電話のお話です。(担当:和田雄志)

―――――――――――   INDEX  ――――――――――――

  ● 携帯電話に花が咲く?

 ● ジャパン・カルチャー
              
――――――――――――――――――――――――――――――

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 携帯電話に花が咲く?

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話が花が咲く、という言葉はありますが、「携帯電話に花が咲く」はご存知ですか?
話中の携帯電話から花が咲き出てくるわけではありません。
使い古した携帯電話を鉢に植えると、そこから花が咲くのです。
花咲爺さん、ではなく、花咲ケータイです。

携帯電話の金属部品などは除去し、生分解性プラスティック製のボディを肥料の入
った鉢に植えると、やがて微生物が分解し、埋め込まれたミニ・ヒマワリの花が咲く。
英国は、ウォリック大学のカーワン博士が開発したものです。
http://www2.warwick.ac.uk/newsandevents/pressreleases/NE1000000097300/


「花」そして「すべての武器を楽器に!」は、喜納昌吉&チャンプルーズの歌ですが、
「すべてのケータイに花を」、というのもありですかね。     


 ●●

● ジャパン・カルチャー

 ●●


21世紀に日本が世界に誇れるものといえば、アニメ、デジカメ、クルマなどがあり
ますが、携帯電話も実はすごいんです。

日本の携帯電話は、7000万台時代に突入しましたが、携帯電話の中味が、日本の
さまざまの伝統技術の集大成であることはご存知でしたか?

◆和紙の伝統と技術

まずは伝統和紙。粘材を使用し漉き水を振動させることで長い繊維を均等に分散させ
て薄い紙を漉く高度な「流し漉き」の技術と、薄く均質で美しく丈夫な日本独特の
「和紙」が生まれた。この和紙の抄紙技術が、粘性や絡まりが少なく抄紙困難な合成
繊維やセラミック繊維から高品質な機能紙を作る技術の原点になっている。

和紙の中でも有名なのが、高知県に伝わる土佐和紙。土佐和紙で長年培われた製法を
生かして、高知県春野市の機能紙メーカー、ニッポン高度紙工業株式会社(NKK)で
は電解コンデンサ用セパレータ(電解液を保持しながら陽極と陰極アルミ箔を絶縁す
る紙)という機能紙の生産を始め、土佐和紙の可能性をIT市場で大きく発展させるこ
とになる。電解コンデンサは、携帯電話はもちろん、AV機器やコンピュータを始め、
自動車、家電等に使われているが、これがないとほとんどの電気製品は機能しないと
言えるほど必要不可欠な電子部品である。NKKの電解コンデンサ用セパレータのシェア
は国内95%、世界でも4分の3を占めるに至っている。

◆金箔の伝統と技術

次に、変容を遂げながら現代に生き続ける箔の技術。元禄13年(1700年)京都に創業
した福田金属箔粉工業は、金屏風や西陣織用の金銀糸、仏壇・仏具や伝統工芸などに
使われる金銀箔の生産を手掛ける老舗である。昭和に入ってからは電子部品などのハ
イテク素材メーカーへと変貌を遂げた。

同社の現在の主力となるのが、電解銅箔の生産である。分子の組成を均蜜に保ちなが
ら限りなく薄い銅箔を生成できる。家電メーカーから引き合いがあってエレクトロニ
クス関連に展開してきたもので、同社の電解銅箔は現在、携帯電話のほか家電、自動
車部品などあらゆる電子機器のプリント配線基板に使用され、世界市場で約1割、携帯
電話向けに限ると4割のシェアを誇る。特に、プリント配線の進化形であるフレキシブ
ルプリント配線は、三次元的厚みがでない極薄の銅箔を樹脂フィルムに挟んで回路化
する必要があるが、携帯電話を折り畳むことができるようになったのはこの技術のお
陰である。

銅の配線をのり付けする手法や最適な添加剤といったノウハウが同社の特徴であるが、
競合他社に比べて特に強いのは、金属箔を扱う伝統の中で培われた薄さに対する職人
的感性やデリカシーであるという。例えば、箔の握り具合で品質の良し悪しを判別し
たり、箔を振ってみた時の音の響きで仕上がり具合がわかるといった、経験値が大き
な財産になっているのである。

◆清水焼の伝統と技術

次に、携帯電話の普及によって爆発的に普及が増えたセラミックコンデンサ。京都に
は世界のトップシェア(45%)を長く維持している村田製作所がある。同社の原点は
「清水焼」である。

大正期に清水焼の仕事を行う村田製作所の前身、村田製陶所が生まれる。その後、特
殊磁器を受注する電気碍子メーカーとして村田製作所を立ち上げ、清水焼の絵付け技
術をヒントに酸化チタンのセラミックコンデンサを開発した。セラミック粉だけで数
十万種類のブレンド方法があり、厳重な温度管理の下で生産する必要があるが、これ
らのノウハウは伝統に培われた知見に加えて、大学や陶業試験場の指導を得て改善し
ていったものである。

同社が開発したセラミックコンデンサは、初期の製品に比べサイズを2000分の1にま
で小型化し、携帯電話のコンパクト化に大きく貢献している。1台の携帯電話には200
〜300個のセラミックコンデンサが使われるが、現在、世界の携帯電話の約7割に同社
の製品が使われている。また、近年は携帯電話用のGHz帯に使われるマイクロ波帯の誘
電体フィルタや、これを応用したセラミックアンテナも業界に先駆けて商品化し、これ
らのキット供給で世界市場を寡占化している。

◆携帯ストラップ

いろんなデザインの携帯ストラップ。最近は、着信するとカレーやコーヒーなど香り
がしたり、ミニ観葉植物がカプセルに入ったストラップもある。

画一的工業製品である携帯電話を、個性化・パーソナライズする仕掛けが、これらの
多種多様な携帯ストラップと着メロである。携帯ストラップのルーツは、江戸時代に
大流行した「根付け」ではなかろうか。印籠や財布に象牙やつげなどで様々のミニチ
ュアデザインをした飾り物をぶらさげる風習。

これらは、現代の高校生ギャルやオジサン・おばさんの携帯電話に、まちがいなく継
承されている。時代の最先端である携帯電話だが、日本文化のソフトとハードがぎっ
しり詰まっているのです。

(以上は、未来工学研究所が文部科学省からの委託で実施している「日本文化に内在
 する科学知の再発見」という調査研究からの抜粋です。)


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 編集後記

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クリスマス・シーズンですが、米国では政治と宗教の分離ということで、公共空間で
のツリー飾りなどが規制されている州や都市があるという。キリスト教徒でもないの
に、日本では今年も様々のクリスマスのライトアップが話題になっている。個人住宅
の飾りつけもエスカレートしているようだ。考えてみれば、仏教・神道・儒教など
なんでも採り入れてきた日本であれば、不思議な光景ではない。お盆の迎え火や夏の
花火と変わらないのであろう。無節操と思うか、柔軟というべきか。

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▼ 編集 和田 雄志(yj.wada@iftech.or.jp)
▼ 発行 C F N -- Creative Futurists Node <zine@cfnode.com>
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