2009/02/02
[Town&Column report 2009/02/02 丸亀町商店街]
=== Town&Column report ======================563部発行=== メールマガジン「地域・まちづくり情報&コラム」 □□□ 2009/02/02 第130号! □□□ ==================================================== ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○ いつもお読み頂きまして、ありがとうございます。 今年も早いもので2月を迎えましたが、いかがお過ごしでしょうか。明日は 、節分、そして明後日は、立春と暦の上では春を迎えようとしています。 本日のメルマガは、新しい商店街の一つの方向性を示している丸亀町商店街 の紹介と阪神・淡路大震災から14年目を迎えて、減災について考えています。 メールマガジン「地域・まちづくり情報&コラム」は、街並み・商業施設・ 旅紀行等の視察レポートと身近な話題などのトレンドを見据えたコラムをマガ ジン形式で発行しております。 基本姿勢として、まちづくりと合い通じるものがありますが、無理なく、地 道に、楽しみながら末永く続けていきたいと思っております。 また、ホームページと連動して画像付きでご覧になることができますので併 せてご利用下さいませ。 ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○ ================== Town&Column report INDEX ============== ◆レポート「香川県の再開発が進む高松丸亀町商店街を訪ねて」 http://www.townnet.com/tsunagu/marugam.html ◆コラム「地震への備え&緊急地震速報サービスを導入して (阪神・淡路大震災から14年目を迎えて)」 http://www.townnet.com/tsunagu/colam162.html ◆最近の新聞からのまちづくり関連情報(メールマガジンオリジナル) ◆“まちづくり”関連書籍の紹介(メールマガジンオリジナル) ===================================================== ─────────────────────────────────── ● 「香川県の再開発が進む高松丸亀町商店街を訪ねて」 ● ─────────────────────────────────── 香川県高松市(人口426,993人、180,122世帯:2009年1月1日現在、面 積375.09平方キロメートル)の高松丸亀町商店街を訪ねてきました。高松市は 、香川県の県庁所在地で四国の玄関口として発展してきた都市です。 ちなみに香川県は、全国一小さな県であり、その中心部に位置するのが高松 市です。最近、まちづくりの視点で、コンパクトシティという言葉がもてはや されていますが、高松市は古い時代から都市のさまざまな機能が中心部に集積 する「コンパクトシティ」と発展してきた街です。 しかし、1988年の瀬戸大橋(本州四国連絡橋)の完成により、大きく流れ が変わり始めました。瀬戸大橋は、瀬戸内海をまたいで、本州の岡山県倉敷市 と四国の香川県坂出市を結ぶ本州四国連絡橋のひとつです。橋は2階建てとな っており、上部に4車線の瀬戸中央自動車道が走り、下部にJR本四国備讃線の 電車が走っています。橋梁部は9,368メートルで、高架部を含めると13.1キ ロメートルの延長を誇っています。 高松市界隈は、瀬戸大橋が完成する前までは、船による物流に依存してきて おり、本州各地で見られるような大型店の立地も少なく、長い間、無風状態で した。しかし、瀬戸大橋の開通により、物流体制を整えた大手流チェーンによ る郊外大型立地が加速して、中心市街地の商店街が衰退に向かっていきました。 さらに、拍車をかけたのが、旧高松市に隣接する都市が都市計画区域内の地 域を市街化区域と市街化調整区域を分ける線引きをしてなく、旧高松市の市街 化調整区域を超えて郊外化が進んでいきました。また、このような状況だった ため、近隣のまちとの合併後の高松市では、平成16年に全国で始めて線引き が廃止される事態となりました。それが、さらに拍車をかけて、大型店の立地 が進みました。 このような状況もあり、高松市では、平成7年から12年の5年間で売り場面 積が39万平方メートルから62万平方メートルと急増しました。その後、既存 のショッピングセンターのスクラップ&ビルドや延べ床面積10万平方メート ル超が2店立地するなど、非常に厳しい流通戦争にさらされていきます。 激しい流通戦争の中、高松丸亀町商店街は、全国でも例を見ない、商店街自 らが再開発に取り組んできています。現在、まだひとつの街区が完成しただけ で、再開発途中ですが、視察団がひっきりなしに訪れています。今回、私は、 愛知県内の商工会議所、商工会の経営指導員の方たちと一緒に視察に行ってき ました。現地では、高松丸亀町商店街振興組合の理事長の古川氏と専務理事の 熊氏からお話をいただくとともに、メインの完成したA街区のドーム界隈をご 案内いただきました。また、古川氏と熊氏は、商店街の組合員であるととも に、再開発の推進役となっている高松丸亀町まちづくり株式会社のそれぞれ専 務取締役と取締役も兼ねています。 高松丸亀町商店街を取り巻く状況は先ほど述べましたので、次に、高松丸亀 町商店街の成り立ち、そして再開発にいたったきっかけ、経緯を紐解いていき ます。高松丸亀町商店街は、高松築城に起源を持つ約400年の歴史を持つ商店 街であり、長く高松市を代表する商店街として栄えてきました。高松市の行政 人口は冒頭で426,993人と述べましたが、商圏人口は約55万人です。中心市 街地には2つのデパートと約800の専門店で構成された8つの商店街があり、 高松丸亀町商店街は位置的にその中心にある高松のメインストリートです。 再開発のきっかけは、1983年(昭和58年)に、鹿庭前理事長の「100年後 を目指した街づくり」が必要との意を受けて、青年会を中心に街づくりの研究 が始まりました。当時は、商店街の通行量が休日3.5万人、平日2万人と、まだ まだ全盛期とも言える時代でしたが、青年部を中心に大学教授を含めた研究委 員会や市民アンケート等、1年間にわたって検討され答申が出されました。 答申の内容は、「物販に特化しすぎた丸亀町が今後100年間、市民の支持を 受け続けることは絶対にできない。物販以外に導入すべき機能として、市民広 場、都市公園、イベントホール、駐輪場、駐車場、休憩施設、公衆トイレ、レ ストラン等の飲食機能、生鮮市場または食品スーパー、ホームセンター等の生 活雑貨店、マンション等の居住施設、電車は無理なのでバスターミナル等であ る。モノを買うだけの街から、時間消費型の街に作り変えることが丸亀町商店 街が今後存続するための必要条件である」というものです。 そして、転機となったのが、ちょうど瀬戸大橋が開通した1988年に開催さ れた丸亀町商店街400年祭です。時はバブルの絶頂期で、108日間にも及ぶ ロングイベントの400年祭の大盛況の最中、この賑わいがこれから100年も 続き、次の500年祭を迎えることができるのだろうか?と商店主の方々が思っ たことです。それ以前に、アーケードの建て替え、路面のカラー舗装、個店の リニューアルなど行ってきていますが、商店街の通行量には減少の兆しが見え 始め、回遊しながらゆっくり時間を過ごせる快適な空間とはなっていない現状 に危機感を持ち始めていました。 上記の流れを受けて、1990年度に再開発事業の調査・研究開始が組合総会 で承認されて、具体的に再開発事業が動き始めました。1993年度にはA街区 の市街地再開発事業基本計画が策定され、同時に準備組合が設立されました。 その後、再開発及びまちづくりの手法、スキームなどに関する多くの調査検討 を同時並行的に行いつつ、地権者の合意形成、関係機関相互の調整を行い、 1998年度に高松丸亀町まちづくり会社(第3セクター)が設立されました。ち なみに、丸亀町再開発事業は、全長470メートルの商店街をAからGの7つの「 街区」にゾーニングしています。そして、それぞれの街区ごとに、コンセプト を定め、それぞれのエリアに合った市場的なものを設けたり、医療モールを設 けたり、カジュアル的、日常的など特色を出した計画がされています。 そして、きっかけから20年ほどたった現在、日本最大の商店街ドームがある A街区が2007年に完成し、2008年からB街区、C街区の一期工事が始まってい ます。ちょうど視察した時は、B街区、C街区が幕が張られて工事の最中でした 。ここまで、ざっと紹介してきた内容でもお分かりいただけると思いますが、 商店街、商店主自らが自分たちのまち、自分たちの商店街を何とかしようと立 ち上がって、商店街が主導となって再開発を進めてきた商店主たちの熱い思い が伝わったのではないでしょうか。20年あまりかけて、商店街が主導となっ て再開発を進めたきた事例は全国的にも珍しいと思います。 それでは、次に現地でお聞きしてきました今回の再開発の丸亀町商店街なら ではの身の丈にあった特徴的な取り組みを紹介していきます。再開発に向けて は、「お客様にとって必要のない店は必ず消滅する。必要のない商店街も必ず 消滅する」という思いでやってきたようです。郊外のショッピングセンターで は、当たり前にやっており商店街でなかなかやれないのが、テナントミックス (店舗構成)や業種変更などです。 丸亀町商店街では、それをお客さんの視点で大胆にやっています。商店街と いうと、高級志向の洋品店の隣に魚屋があったりといろいろな業種がばらばら に雑多にあるものですが、ここでは、再開発によって電器屋さんが移動するな どして、衣料品などの関係業種を隣合うように集約するなどしています。上か ら2番目の画像は、再開発が終わったA街区を写したものです。このA街区は、 テナント配置を大胆に変えています。中央よりの一等地にあった電器屋さんは 、一番端に移って、衣料関係を隣り合わせになるようにしています。ちなみに 画像の奥に見えるアーケードのところがB街区で、今、再開発の工事中です。 また、驚いたのは、靴屋さんが、この商店街に讃岐うどんのお店がないとい うことで、靴屋さんからうどん屋さんに業種変更もしています。上から5番目 の画像のうどん屋さんが靴屋さんから業種変更した親父さんがやっています。 昼に食べてきましたが、腰があってたいへんうまかったです。さすが、本場の 讃岐うどんでした。 丸亀町商店街の再開発における大きな特徴として「所有権と使用権の分離」 と「オーナー変動地代家賃制」が挙げられます。「所有権と使用権の分離」は 、土地の所有を変えずにビルの床をまちづくり会社が取得・運営する手法で、 土地費を初期投資として事業費に顕在化させない仕組みとなっています。土地 をもっている商店主の地権者は、自分の土地を所有し続けることができ、まち づくり会社と定期借地権契約を結び、土地を貸し出します。そして、建物をま ちづくり会社が所有し運営します。 まちづくり会社は家賃収入から建物の管理コストなど必要経費を除いた分を 地権者に分配します。簡単に言えば、地権者はこの事業に土地を投資し、地代 という形で配当を得ることになります。こうすることで、土地の利用と所有が 分離され、土地はまちづくりに望ましい形で合理的に利用されていくことにな ります。視察の際に説明の中で、地権者ひとりひとりに合意を得ていくのが最 初のハードルだったようです。丸亀町商店街でこれができたのは、地元の商店 主が、熱い思いをもって仲間である商店主に地道に説得していった賜物と思い ます。これを部外者でやったら果たしてうまくいっただろうか。同じ仲間だか らこそできたことではないかと思います。 もう一つの特徴的な取り組みの「オーナー変動地代家賃制」は、名前の通り オーナーである地権者が受け取る家賃の額が変動するということです。地権者 (オーナー)が「土地を投資」するということは「リスク」と「リターン」を 伴うということです。地権者はテナントの売上から家賃収入(リターン)が期 待できますが、その額は一定ではなく、テナントの売上によって増減するリス クを含んでいます。これが「オーナー変動地代家賃制」です。視察時の説明の 際に強調されていたのが、この「オーナー変動地代家賃制」を導入することで 、地権者がテナントと協力して売上増に努めるようになるという点です。まさ に、まちづくり会社、テナント、そして地権者の3者が協力してまちづくりを していく仕組みが出来ています。この強力なタッグがさらに街全体の魅力を高 めていると言えます。 最後に、商店街に人を呼び込む仕掛けを紹介していきます。まず、居住空間 を商店街の中に取り込んでいます。AからGの7つの「街区」のうち、G街区を 除いて、すべて9階建てで、1階から3階までが店舗、4階が会議室などのコミ ュニティスペース、5階以上が住宅という3層構造でビルを建てるようルール を決めています。 そして、なんと言っても目玉なのが一番上の画像のガラスのドームです。ち ょうど視察に行った時は、クリスマスオープニングイベントが夕方5時頃から 行われ、ジャズバンドの演奏を聞いてきました。画像上に見える円柱の筒は、 行灯に見立てたイルミネーションで、夜はライトアップされて、さながらシャ ンデリアのようでした。視察時の説明の中で印象に残った言葉として「自分た ちはステージを用意するだけで、そのステージを使うのは、みなさんです。ま ちはステージ」が挙げられます。ドームの下は、使いたい人でひっきりなしと いう状態のようです。 上から3番目の画像は、全自動機械式駐輪場を写したものです。この自転車 の立体駐輪場は全国でもまだまだ珍しいようです。ちなみに、2007年に出来 た名古屋の新しいランドマークのミッドランドスクエアで見たことがあります が、商店街の中では初めて見ました。このハイテク駐輪場は、1日100円とリ ーズナブルで、1時間以内なら無料です。(2008年11月現在)また、上から 4番目の画像は、G街区にある亀井戸水神市場の店内を写したものです。農家 の生産者のつくった野菜や加工品などが販売されており、商店街と生産者の 連携の商農連携が実践されています。たいへん人気があるようです。 皆さんも機会がありましたら、商店街・商店主自らが自分たちのまちの今後 を思って、再開発して作り上げている丸亀町商店街を訪ねてみられてはいかが でしょうか。きっと、商店街の新たな形の方向性を垣間見ることができると思 います。 記:2009年02月02日(視察日:2008年11月21日) By Nagura ホームページの画像付きで見る場合のURL: http://www.townnet.com/tsunagu/marugam.html その他の文中に出てきました関連ページのURL: ※「名古屋の新しいランドマークミッドランドスクエアを訪ねて」 http://www.townnet.com/tsunagu/midland.html ─────────────────────────────────── ● 「地震への備え&緊急地震速報サービスを導入して (阪神・淡路大震災から14年目を迎えて)」 ● ─────────────────────────────────── 6,433人が犠牲となった阪神・淡路大震災から、2009年1月17日で14年目 を迎えました。本当に地震はいつやってくるかわかりません。皆さん、地震へ の備え、心構えは大丈夫でしょうか。 当方の住んでいる東海エリアは、東海地震がいつ起こってもおかしくない状 態にあります。最悪の事態として、東海地震、東南海地震、南海地震が同時に 発生するかもしれないという予測もあります。3つの地震がほぼ同時に起これ ば、関東から東海、関西にかけて、日本の大動脈のエリアが大ダメージを受け 、人的被害のみならず、経済的にも大きな影響が出ます。 最近では、「減災」という言葉が一般的に使われるようになってきたように 思います。「減災」という概念は、1995年の阪神・淡路大震災後に生まれて きたもので、一言で言えば、災害時において発生し得る被害を最小化するため の取り組みのことです。 阪神・淡路大震災以前までの防災の概念は、被害を出さないための工夫とし て検討されてきました。しかし、阪神・淡路大震災以降は、行政や災害研究者 を通じて被害の発生を食い止めることの難しさがわかり、そこで、ある程度被 害の発生を想定した上で、予防を検討していくことが必要であるという問題意 識から「減災」ということが唱えられるようになってきています。 「減災」への取り組みの基本は、国、公共機関、地方公共団体、事業者、住 民等が一体となって最善の対策をとることが重要となってきます。そのために は、日頃から住民ひとりひとりの防災意識を高めるための「防災教育」や地域 一体となった「防災まちづくり」などの展開が重要となってきます。そして、 被害を受けた場合にも事業の継続が求められる企業の「減災」の取り組みも重 要となってきています。特に、電気、ガス、水道などのインフラ部分は被災時 も継続性が求められます。企業では、緊急時企業存続計画(BCP)の導入も進 んでいます。 認知度が高まりつつある「緊急地震速報」も地震の被害を最小限に押さえる ツールと言えます。当方自身も昨年(2008年)の夏にケーブルテレビ経由で 「緊急地震速報サービス」を導入しました。お陰様で、まだ、緊急地震速報が 鳴る機会もなく安堵しておりますが、いざという時のためと思って、初期費用 と毎月の利用料はかかりますが保険と思って払っています。「緊急地震速報サ ービス」は、地震の発生の際に「およそ○○秒後に震度○○程度の地震が来ま す」ということを警告音とともに、音声で知らせてくれます。緊急地震速報は 、○○秒後という猶予時間が短い場合もあり、必ずしも万全なものではありま せんが、数秒の違いが命取りになることもあり、ないよりあった方がいいよう に思います。 以前のコラムで、緊急地震速報の仕組みを紹介しておりますが、再度、ざっ と紐解いておきます。地震が発生すると、速度の速い初期微動(P波:秒速7〜 8キロメートル)に続き、大きな揺れをもたらす波(S波:秒速3〜4キロメー トル)が伝わってきます。この速度の差を利用し、震源に近い地震計がとらえ た初期微動から震源や規模などを推定し、気象庁が速報を出すというものです。 緊急地震速報は2006年8月から鉄道や建設、研究機関などの特定利用者向け に始まり、一般向けのは、翌年の2007年10月から始まりました。今では、一 般家庭でもケーブルテレビ等を通して簡単に設置できるようになってきていま す。緊急地震速報の認知度は高まってきていますが、地震速報を有効利用して いる企業は全体の1割にも満たない状況で、政府は2009年4月から普及を後押 しする取り組みを進めます。 政府は緊急地震速報を活用して、地震の被害を最小限に抑える「減災」に取 り組む民間事業者への支援制度を2009年4月から始めます。多くの人が出入り する商業施設や、工場などが緊急速報の受信機を設置したり、速報を活用した 減災システムを整備したりする場合の費用を対象に税制面で優遇します。 例えば工場の場合、緊急地震速報を活用すれば生産ラインへの燃料や危険物 の供給を揺れが来る前に止められ、大災害を防ぐ効果が期待できます。集客施 設でも利用者を危険な場所からあらかじめ避難させることができます。しかし 、速報を活用するには専用受信機の設置や、自動的に燃料供給を停止する制御 装置など特別の設備が必要になり、その分のコスト負担を敬遠し、普及が進ん でいない状況もあります。 今回の制度では、受信システムを整備した事業者に対し、初年度について設 備購入額の20%を通常の減価償却費とは別枠で特別償却できるようにします。 さらに、購入してから3年間の固定資産税について課税標準額を通常の3分の2 に軽減します。 次に自治体の住民へ知らせる取り組みを見ますと、2007年2月に運用が始ま った緊急地震速報などを伝える総務省消防庁の全国瞬時警報システム「J-ALERT (Jアラート)を導入している地方自治体は2008年12月1日時点で186と全体 の1割程度にとどまっています。同庁は、2008年度末までに合計で400団体が 、2009年度末までに700団体が整備を終えるとしています。 Jアラートは、人工衛星を使って緊急地震速報や津波警報・注意報、大規模 テロ情報など18項目の情報を自治体に配信し、受け取った自治体が防災無線 などを通じて住民に伝える仕組みです。発信してから住民に届くまでに4〜20 秒程度かかります。 また、先ほど述べましたが、緊急地震速報も万能ではなく、初期微動のP波 と大きな揺れをもたらす波のS波の到達時間は、震源までの距離が遠いほど時 間が稼げますが、直下型地震の場合は、P波とS波の時間差が少なく時間が稼げ ません。2004年10月に起こった直下型地震の新潟県中越地震(震度7)では 、検知システムがP波をとらえて非常ブレーキが作動しましたが、時速約200 キロで走っていた新幹線は、S波到達前に減速、停車できずに脱線して、その まま約1.6キロ進みました。 この反省を踏まえ、新幹線のP波検知から非常ブレーキ作動までを従来より 1秒短くするとともに、横転防止の新装置の装備を進めています。検知システム 開発を手掛けた元研究員は、「早期検知には限界がある。地震対策はまず設備 面の耐震補強が第一で、これに検知システムを組み合わせて初めて効果が出る 」とおっしゃっています。 設備面をしっかり耐震補強した上で、緊急地震速報の利用の点は、ご自宅で も言えることで、皆さんのお住まいは耐震は大丈夫でしょうか。耐震性能が高 いほど、どうしてもコストが高くなりますが、その分地震保険料の割り引きと いうメリットはあります。耐震性能を高める構造として大きく分けて3つあり ます。 柱、梁(はり)に筋交いなどを強化して揺れに耐える耐震構造、ダンパーと 呼ばれる揺れを吸収し、揺れを小さくする制震構造、地盤と建物の間に積層ゴ ムなどの免震装置を入れて建物に揺れを伝わりにくくする免震構造の3つです。 再び、国の視点での整備計画に目を向けますと、国土交通省が1万人以上が 津波で死亡する恐れがある東南海・南海地震などの被害を減らすために堤防の 途切れた場所の整備や排水路の確保について新たに補助制度を設けます。現状 では、自治体の財政難から津波対策が遅れている地域が少なくありません。国 の中央防災会議は同地震での死者数想定を2014年までの半数にするなどの目 標を掲げており、同省は自治体の後押しを急ぐ方針です。 また、文部科学省と東京大学などは首都圏の1都5県に微少な地震から大地 震までとらえられる地震観測網を新設します。2011年度までに高性能の地震 計を400カ所に配備します。既に、50カ所は設置済みで観測を始めています。 様々な地震をとらえた地下構造を解明できる世界でも例のない大規模観測網を 作り、首都圏直下の「地震の巣」を監視します。専用の地震計は、学校などの 地下20メートルに埋められます。 今回のコラムでは、阪神・淡路大震災から14年目を迎えて減災を中心にみ てきましたが、日本列島周辺には4つのプレートが接しあい、ぶつかりあって おり、世界中を見渡してもこれだけプレートが入り組んだところは珍しく、そ れだけに地震が発生しやすく、地震多発国の宿命を負っていると言えます。冒 頭で述べましたが、日本に住んでいる限り、いつ起きてもおかしくないだけに 、ハード面の整備とともに、緊急地震速報などのソフト面の充実をひとりひと りが意識をもって取り組んでいくことが生き残っていくために重要と言えます 。国が計画的に整備していくことは当然のことですが、“自分の身は自分で守 る”という心構えが求められています。 その他、地震についての必要最低限の備え(知識)については、「地震一口 メモ」に載せていますので、一度ご覧いただき参考になさって下さればと思い ます。また、以前に、ある市の地域防災計画策定(地震対策編・一般対策編) に携わったことがあり、防災の日(関東大震災の起こった日)、阪神大震災の 起こった日近くに、防災にちなんだコラムを今回同様に載せております。地震 防災に関するコラムは、検索コーナー・テーマ別から見ることができますので 、併せてご覧下さいませ。 記:2009年02月02日 By Nagura ホームページの画像付きで見る場合のURL:コラムはワンポイント画像です http://www.townnet.com/tsunagu/colam162.html その他の文中に出てきました関連ページのURL: ※「地震一口メモ(コーナー)」 http://www.townnet.com/tsunagu/zisin.html ─────────────────────────────────── ● 最近の新聞からのまちづくり関連情報(メールマガジンオリジナル) ● ─────────────────────────────────── ■ごみ減量へ「家電の町医者」(2009.01.07:朝日新聞より) 家電が故障したら地域の「家電の町医者」に点検、修理を依頼。いらなくな ったら中古品として流通させる。環境省は今年から、家電の使い捨ての風潮を 食い止めるための仕組み作りに乗り出します。 同省リサイクル推進室は「二つの取り組みを進めれば、家電の寿命を長くで き、ごみの減量につながる」とみています。 使用済みのテレビや冷蔵庫などは、家電リサイクル法によって回収、分解し 、再資源化しています。しかし、ドライヤーや掃除機などは決まった再資源化 のルートがありません。 こうした家電では、スイッチの接触不良など、単純な故障が多いと環境省は 判断、地域の電器店員らを気軽に点検、修理の相談ができる「家電の町医者」 (リペアマイスター)として市町村が認定する制度の検討を始めています。 ■電線地中化 加速します(2009.01.07:朝日新聞より) 電線を道路下に埋めて電柱をなくす「無電柱化」が大幅に進みそうです。 国土交通省は道路整備の指針を見直し、都市部に新設する国道は無電柱化を 基本とします。県道などの地方道は裏道に配線を集めます。 2009年度からの5カ年計画で、現計画(2004年〜2008年)の2倍の4000 キロ程度を整備する方針です。 「無電柱化」はロンドン、パリ、ボンではほぼ100%、ニューヨークは70% 以上、国内は2007年度末の市街地の幹線道路で、東京都が31%、大阪府が 10%、愛知県が6%、全国平均は13%です。 国土交通省は新年度から、新設する国道は無電柱化を原則とするよう整備指 針を見直す方向です。既設道路を無電柱化する費用は100メートルあたり 6800万円ですが、最初から埋めれば3000万円で済みます。 ■歴史まちづくり法(2009.01.20:日経新聞より) 自治体による歴史的な街並みの整備を国が補助する「歴史まちづくり法」が 昨年施行されたのを受け、国土交通、農林水産両省と文化庁は1月19日、申 請のあった金沢市など5市を最初の補助対象に認めました。 今年度から、整備にかかる事業費の3分の1から2分の1が国が負担します。 ほかに認定されたのは、岐阜県高山市、滋賀県彦根市、山口県萩市、三重県 亀山市です。 補助が出るのは街並みや仏閣の修復のほか、祭り、踊りなど伝統文化の保護 事業などで、すでに国の重要文化財や史跡などに指定され、補助を受けている ものは除きます。 ■商店街支援 専門家を派遣(2009.01.20:日刊工業新聞より) 経済産業省・中小企業庁は、2009年度内に全国各地の商店街を地域の実情 に応じて支援する組織を設立します。 流通の専門家らを商店街に派遣し、地域の特性や課題に応じた支援策を講じ ることで、顧客ニーズに対応し、商店街を活性化します。 現行の商店街支援政策はインフラ整備などハード事業が多いですが、地域に 即したソフト的な支援で、商店街でなければできない地域社会に密着した役割 や機能を追求していきます。 新たなに設ける組織は、「全国商店街支援センター(仮称)」、企業庁は商 店街を「地域コミュニティの担い手」と位置づけると同時に、「地域に必要だ が、買い物しない」という地域住民とのギャップを埋めるための商機能の強化 を進めていきます。 ■まちづくり 住民の手で(2009.01.20:日経新聞より) 国土交通省は地域住民による自主的なまちづくりを支援する制度を始めます。 地域の道路や景観などを整備するために地権者などがつくった協定に法的な 効力を持たせるほか、まちづくり関連への無利子貸付制度を新たに設けます。 国や自治体など行政主体で進めていたまちづくり政策を見直し、住民の力を 地域開発に取り入れます。 自治体財政が悪化する中で、同省は新たな活性化策と位置づけています。 同省は都市再生特別措置法などで構成する「まちづくり支援強化法」の改正 案を1月中に通常国会に提出し2009年度中に施行したい考えです。 国土交通省が住民主体のまちづくりに軸足を移す背景には景気悪化で税収が 減るなか、多額の借金を抱える地方自治体にまちづくりをする余力が乏しいと いうこともあります。 ─────────────────────────────────── ● “まちづくり”関連書籍の紹介(メールマガジンオリジナル) ● ─────────────────────────────────── タイトル、著者、出版社、価格、発行年月日の順に示してあります。 ■商店街再生計画 三浦展、神奈川大学曽我部昌史研究室著 洋泉社 1,500円 2008/12/17 副題に「大学とのコラボでよみがえれ!」と付いています。 本書は、大学が商店街に入り込み、商店街を「学ぶ場」として利用してしま う一種のファンタジーが描かれています。と同時に、ファンタジーに終わらず に、著者自身がお手伝いしていく姿勢も示しています。 ファンタジーと表現している提案とともに、名古屋の桜山商店街はじめ、全 国の大学や高校と商店街の取り組みの26の事例が紹介されています。 商店街は単なる消費空間ではなく、ひとつの社会であり、そこで育つ子ども たちを一人前にしていく(社会化していく)装置であるとも本書の中で述べて います。 ■繁盛商店街の仕掛け人 鶴野礼子著 ダイヤモンド社 1,600円 2008/11/13 副題に「街に人を呼び込んだ全国成功事例20」と付いています。 日本各地の商店街を13年にわたって訪ね歩いてきた著者が、全国20人、 20の商店街の仕掛け人が明かす繁盛の秘訣の実例が描かれています。 本書には、20人のリーダーの知恵と心意気が詰まっています。著者は、各 地の商店街を取材して実感しているのは、商店街の活性化や街づくりで最も重 要なのは「人材」が何より重要だとおっしゃっています。 これからの商店街には、地域にかかわる多くの人材、団体との連携、パート ナーシップが必須であると述べられており、キーワードとして「地域連携」と いう視点から20の事例が紹介されています。 ■今どき儲かる商店街 金子哲雄著 プレジデント社 952円 2008/12/10 副題に「趣味で始めた小さなお店が小売業を再生する」と付いています。 地元商店街の衰退→郊外ショッピングセンターの進出→商店街の破滅→小さ な商店街だからできる、地域コミュニティを活かした町おこしを!・・・。こ の本は、そんな「美しい常識」をひっくり返しています。 「目に見えない新しい形の商店街」を提案しています。それはすでに実在し 、遠くからお客が来て、単価が高い商品を買っているのです・・・ なかなか論点は斬新であり、読む人によって、賛否両論でそうな内容ですが 、一局面を捉えた一つの考えたとしては、一理あると思います。 最後まで、お読み頂きまして、ありがとうございました。 ひとときでも、ごゆっくりとくつろいで頂けましたでしょうか!! ===================================================== ○電子メールマガジン「地域・まちづくり情報&コラム」2009/02/02 発行者 名倉 弘二 (tsunagu@tcp-ip.or.jp) 発行 株式会社 ケイプラン(Kplan) 所在地:愛知県安城市 創刊 1998年10月6日(火) 大安 まちづくり情報満載のホームページ「ホッと空間 Nagura's Home」 http://www.townnet.com/tsunagu/index.html ご意見、ご感想などありましたら mailto:tsunagu@tcp-ip.or.jp(名倉弘二)までお気軽にどうぞ。 電子メールマガジン「地域・まちづくり情報&コラム」登録、解除は、 http://www.mag2.com/ http://www.townnet.com/tsunagu/magaeme.html ※配信アドレスを変更する場合は、お手数ですが、旧アドレスを解除した上で 、新アドレスでの登録をお願いいたします。 ================================== Town&Column report ==== ─────────────────────────────────── このメールマガジンは、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して 発行しています。( http://www.mag2.com/ ) ───────────────────────────────────


