2008/12/15
[Town&Column report 2008/12/15 信州木祖村]
=== Town&Column report ======================573部発行=== メールマガジン「地域・まちづくり情報&コラム」 □□□ 2008/12/15 第129号! □□□ ==================================================== ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○ いつもお読み頂きまして、ありがとうございます。 師走を迎え、今年も残すところあとわずかになりましたが、いかがお過ごし でしょうか。みなさんの今年の1年はいかがでしたでしょうか。 世界的にみると、よきせぬ事態、時代の変革というまさに目まぐるしい1年 だったように思います。 ある流通業の方が、チャンスは不況の顔をしてやってくるとおっしゃられて いました。苦境続きの昨今ですが、希望をもってやっていきたいものです。 今年のメルマガは今日が最後となります。本年もたいへんお世話になりまし た。来年もどうぞよろしくお願いいたします。皆様方にとって、良きお年とな ることをお祈り申し上げます。 メールマガジン「地域・まちづくり情報&コラム」は、街並み・商業施設・ 旅紀行等の視察レポートと身近な話題などのトレンドを見据えたコラムをマガ ジン形式で発行しております。 基本姿勢として、まちづくりと合い通じるものがありますが、無理なく、地 道に、楽しみながら末永く続けていきたいと思っております。 また、ホームページと連動して画像付きでご覧になることができますので併 せてご利用下さいませ。 ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○ ================== Town&Column report INDEX ============== ◆レポート「長野県の木曽川の源流の地・信州の木祖村を訪ねて」 http://www.townnet.com/tsunagu/kisomus.html ◆最近の新聞からのまちづくり関連情報(メールマガジンオリジナル) ◆“まちづくり”関連書籍の紹介(メールマガジンオリジナル) ===================================================== ─────────────────────────────────── ● 「長野県の木曽川の源流の地・信州の木祖村を訪ねて」 ● ─────────────────────────────────── 名古屋市の桜山商店街の活性化・まちづくりを考え、活動するグループの「 さくらやまを楽しむ会」のメンバーと長野県の木祖村(人口3,349人、1,183 世帯:2008年11月1日現在、面積140.46平方キロメートル)に行って参りま した。「さくらやまを楽しむ会」は、商店街と大学、地域団体などで組織され ている協議会で、桜山商店街振興組合、名古屋市立大学の経済学部と芸術工学 部の学生、名古屋市立大学の大学祭実行委員会、名古屋市立大学学術推進室、 AJU自立の家、名古屋市シルバー人材センター、昭和区の生涯学習センター、 椙山女学園大学の岡田教授とゼミ生の女子学生、名古屋市市民経済局、そして 長野県木祖村役場もメンバーに入っています。 木祖村は、今年(2008年)の春に名古屋に事務所を開設しています。木祖 村の産品の売り込みや観光PR、企業誘致などを主な目的としており、木祖村 産品の販売、ピーアールとしてアンテナショップの計画もあり、さくらやまを 楽しむ会に参加して、その縁もありメンバー皆で木祖村に視察に行きました。 実際に、アンテナショップは、桜山商店街のさくらやまーけっとの店舗の中に 2008年11月23日にオープンしました。 木祖村は、今回のタイトルでも示しているように木曽川の源流の地で、名古 屋市はまさに木曽川の恩恵を受けており、名古屋市と木祖村の交流は深いです。 木祖村で採取したドングリを名古屋市民が育て、成長した苗木を水源地である 木祖村へ植樹する「木曽川さんありがとう」という取り組みを毎年実施してい ます。また、木祖村からも名古屋市で開催されるイベントに参加し、特産品の 販売や観光PR、水源地域の紹介などをしています。 今回の木祖村視察には、名古屋市上下水道局の職員も参加しました。名古屋 市上下水道局では、毎年、森林の手入れに来村し、自ら汗して水源地域の実情 を研修しています。あと、木曽川の恩恵を授かっているのは名古屋市だけでな く、一宮市や日進市などとも同様に相互交流を図っています。 ざっと桜山商店街はじめ、名古屋市を取り巻く地域との木曽川を中心とした 木祖村との関係を述べてきましたが、木祖村の概要と木曽川そのものをまず少 し紹介していきます。 木祖村は木曽郡の東北部に位置し、周囲を2000メートル級の山に囲まれた 渓谷型の山村です。木祖村の東側にある鳥居峠は、太平洋に注ぐ木曽川と日本 海に注ぐ信濃川との分水嶺となっています。また、旧中山道(なかせんどう) の難所と言われた鳥居峠を境に、木祖村は戦国時代には武田氏と木曽氏の領地 争いが続き、戦乱に巻き込まれた地でもあります。江戸時代には、旧中山道 69宿の一つ「薮原(やぶはら)宿」として栄えました。後ほど詳しく紹介しま すが、木祖村の伝統工芸品として生産されている「お六櫛」の元祖である木櫛 の生産が始まったのもこの頃です。 木祖村を源流とする木曽川は、中部最大の河川であり、先ほど述べたように 中部圏の水瓶でもあります。木曽川は、木祖村の鉢盛山(2,446メートル)南 方を水源とし、岐阜県、愛知県、三重県を経て、伊勢湾に注ぐ全長229キロメ ートルの一級河川です。ちなみに、木曽川の源流の木祖村の名前の由来を述べ ますと、木曽の「祖(おや)」という意味合いで名付けられました。 一番上の画像は、薮原宿を写したものです。薮原宿は、先ほど述べましたよ うに旧中山道の宿場町で、鳥居峠の麓にあり、江戸時代の当時は、峠を控え草 履の紐をといた旅人も多かったことと思います。現在の薮原宿は、妻籠宿や馬 籠宿などと違って、当時の面影を残す建物は少ないですが、見学してきた酒蔵 の湯川酒造さんやそばを食べた「おぎのや」さん、覗いてきました宮川家資料 館、お六櫛の看板を掲げている篠原櫛店などは、当時の面影を残す昔ながらの 建物です。 上から5番目の画像は、お六櫛の伝統技法の実演をしているところを写した ものです。この実演は、上から2番目の画像の木工文化センターに隣接してい る木祖村郷土館で見ることできます。お六櫛は、わずか10センチにも満たな い幅に、約100本もの歯が挽かれたみねばりの小さな櫛です。「みねばり」と は、木の名称で学名は「カバノキ科 オノオレカンバ」といい、斧が折れるほ ど硬いところから付いているようです。また、「みねばり」の名の由来は、群 生地に見る習性が峰に張り出すように生育しているところからきているよう です。 ここで伝統工芸のお六櫛の伝説を紹介します。妻籠の旅籠屋に「お六」とい う美しい乙女がいて、お六はいつも頭の病に悩まされていました。そこで、あ る旅人が教えてくれた御嶽大権現に願掛けをしたところ「みねばりという木で 作ったすき櫛で、朝夕髪を梳かせば必ずや治る」というお告げがありました。 お六はさっそく言われるとおりにみねばりの櫛を作り、朝夕髪を梳かしている うちに、日ならずしてお六の病はすっかり治ってしまいました。このことがあ って、近くで取れるみねばりで作った櫛を旅人に売り出したところ大変な評判 になり、全国に知れわたるようになったと言われています。 上から4番目の画像は、木曽川の最上流に位置する味噌川ダムを写したもの です。画像からもお分かりいただけますが、青く澄んだ水が湖面を覆っており 、ほぼ諏訪湖の水量に匹敵する6,100万立方メートルの総貯水容量があります。 味噌川ダムは、多目的ダムで、洪水調節、河川環境保全等、新規利水、発電の 4つの目的をもっています。味噌川ダムは、平成14年度に日本で一番水質のよ いダムのひとつに挙げられています。 上から3番目の画像は、木工品制作工房のナルカリクラフトを写したもので す。ナルカリクラフトは、木祖村を拠点に木のおもちゃを中心に制作していま す。木を大切に使うことをモットーに、今までに無い木工品を提案していこう というスタイルで行っています。桜山商店街のイベントでもお越しいただき、 糸鋸寿司は子ども達ならず大人にも人気でした。糸鋸寿司は、ナルカリクラフ トが2005年の愛知万博の時にあみだしたもので、電動糸鋸切り抜き実演のこ とです。まるで本物のお寿司やさんの屋台を組んで、お寿司やさんみたいな衣 装を着て、電動糸鋸を使って、お客様の御注文を切り抜きます。動物、恐竜、 魚、文字や女子アナまで、切り抜けるものなら、なんでも切り抜いてくれま す。材料は10センチ四方の木曽ヒノキの間伐材で、一匹切り抜くのに速いも のなら30秒ほどです。実際に、見てきましたが本当に見事なもので、一見の 価値はあります。 島崎藤村が小説・夜明け前の中で、「木曽路はすべて山の中である」と言っ ているように、木祖村も山々に囲まれて自然豊かなところです。なかでも、水 木沢天然林は木曽川の源流のひとつの水木沢の周囲82ヘクタールにわたって、 ほとんど手つかずの天然林が広がっています。木曽ヒノキ、サワラ、ウラジロ モミなどの針葉樹とブナ、トチノキなどの広葉樹が混生する緑の下に、沢づた いに遊歩道もあります。今回、時間がなく見ることができませんでしたが、樹 齢約550年の大サワラ(直径2.5メートル)は圧巻だそうです。 また、今回の昼食は、やぶはら高原こだまの森でバーベキューをしました。 大自然の中にあり、景色とともに食事を堪能してきました。こだまの森には、 バーベキューハウスの他に、キャンプ場、渓流釣り、親水プール、パターゴル フ、テニスコート、50メートル近くあるジャンボ滑り台、100メートルのウ ンテイのスカイウォーカーなどがあります。 また、木祖村にはやぶはら高原スキー場もあります。自然の地形をそのまま 生かした初級コース、中級コース、上級コースなどバリエーション豊かなコー スレイアウトが人気な老舗スキー場です。私自身も学生時代から社会に出て2 、3年の新入社員の頃はよく行きました。当時とは違って、現在では、車いす で直接ゲレンデにアクセスできるアプローチの整備など、スキー場内のバリア フリー化が進んでいるようです。 あと、今回、日野百草丸の工場見学もしてきました。「百草」は、江戸時代 末期、木曽御嶽山に祀られている御嶽大権現の宣託を受けた修験者が、御嶽山 麓に自生するキハダの内皮を煎じて薬とすることを村人に伝授したのが始まり とされています。効能・効果としては、胃もたれ、胃部・腹部膨満感、消化不 良、胃弱、食欲不振、食べ過ぎ、胃のむかつき、胸つかえ、飲み過ぎ、はきけ 、胸やけ、二日酔いなどです。私自身も愛用しています。子どもの頃、祖父母 が御嶽山に幾度に百草丸を買ってきたことが記憶に残っています。御嶽山は、 古来より多くの薬用植物が分布する生薬の宝庫とともに、御嶽信仰の山として の顔もあります。 皆さんも自然豊かで、文化歴史のある木祖村に訪れてみてはいかがでしょう か。また、桜山商店街のさくらやまーけっと内にある木祖村のアンテナショッ プも合わせて起こし頂けましたらと思っております。 記:2008年12月15日(視察日:2008年9月10日) By Nagura ホームページの画像付きで見る場合のURL: http://www.townnet.com/tsunagu/kisomus.html その他の文中に出てきました関連ページのURL: ※「名古屋屈指の文教地区・桜山商店街界隈を訪ねて」 http://www.townnet.com/tsunagu/sakuray.html ※「愛・地球博(愛知万博)を訪ねて」 http://www.townnet.com/tsunagu/bapakua.html ※「中山道・妻籠宿を訪ねて」 http://www.townnet.com/tsunagu/tsumago.html ※「中山道・馬籠宿を訪ねて」 http://www.townnet.com/tsunagu/magomen.html ─────────────────────────────────── ● 最近の新聞からのまちづくり関連情報(メールマガジンオリジナル) ● ─────────────────────────────────── ■高齢化集落の住民 9割住み続けたい(2008.12.07:日経新聞より) 人口減少と高齢化が進んだ集落に暮らす住民の約9割は将来も移転せずに住 み続ける意向を持っていることが、国土交通省が全国で20地区を選んで実施 したアンケートで分かりました。 ただ近くに病院がないことなどへの不安も大きく、国土交通省は「生活関 連サービス提供をどう維持するかが課題」と分析しています。 調査は、65歳以上の高齢者が住民の半数以上で存続が危ぶまれる限界集落 」を含む地区を18道府県の20市町から選び、8、9月に実施し、計1849世帯 から回答を得ました。 ■中心商店街再生 特命チーム(2008.12.08:日経流通新聞より) 経済産業省は中心商店街の再生支援のため、専門家を集めてネットワーク組 織を立ち上げました。 再生計画の進み具合に応じて最適な専門家チームを選定します。まちづくり 会社などに紹介し、空洞化対策を支援します。 複数の店舗や住宅を集約して複合施設に建て替えるなどの再生手法には、 土地の権利調整や商業開発の経験を持つ専門家が必要と判断しました。 新設したのは「中心商店街区域再生支援ネットワーク」で、学識経験者や都 市計画分野に加え、商業施設開発、不動産、金融、情報通信の専門家ら40人と 関連8社で発足しました。事務局は中小企業基盤整備機構に置いています。 ■商業施設の駐車台数制限(2008.12.08:日経流通新聞より) 京都市は大型商業施設の駐車場の収容台数を制限する検討を始めます。市内 中心部への自動車流入を抑制する狙いです。 今年度中にも有識者や商業関係者で構成する検討会を設置、2009年度に実 施するかどうか結論を出します。 経済産業省によると、全国の自治体の中でも珍しい取り組みといいます。 京都市が検討を始める案はこれまでの店舗の規模に応じた収容台数を求めた のと逆に、大型商業施設の収容台数の基準を減らすことで、自動車による来客 を減らし、交通渋滞を緩和しようという発想です。 ■国内エコツアーをデータベースに(2008.12.12:日経流通新聞より) 特定非営利活動法人(NPO法人)の日本エコツーリズム協会は、環境に配 慮した国内エコツアー商品のデータベースを構築します。 エコツアーを手掛ける事業者から商品登録を受け付け、消費者向けの宣伝活 動などを支援します。 地域振興の一環として各地でエコツアーに取り組む動きが広がっています。 情報基盤を整備することで、ツアーの品質を高めるとともに消費者の需要発掘 を狙っています。 国内では自然や歴史など地域固有の資源を生かした観光振興を進めるエコツ ーリズム推進法が4月に実施されています。 ■全国初の禁煙条例を目指す(2008.12.12:日経流通新聞より) 全国初の「禁煙条例」制定を目指す神奈川県は、反発の強かった小規模飲食 店への導入について、施行後3年間、規制の対象外などとする条例の素案を発 表しました。 猶予期間を設ける一方、違反した施設管理者に最大5万円を科すことも盛り 込みました、県は2009年の2月議会に条例案として提出し、年度内の制定を 目指します。施行は公布から6カ月後です。 県は財政的な支援として、分煙設備の導入について融資したり利子を補助し たりする方法も検討しています。 ─────────────────────────────────── ● “まちづくり”関連書籍の紹介(メールマガジンオリジナル) ● ─────────────────────────────────── タイトル、著者、出版社、価格、発行年月日の順に示してあります。 ■奇跡のカフェ 沖縄「浜辺の茶屋」物語 小林ゆうこ著 河出書房新社 1,500円 2008/07/20 沖縄県南部の南城市玉城、世界遺産として知られる沖縄最高の聖地・斎場御 嶽があるこの地は「神々の里」とも呼ばれています。 そんなエリアの岬に「浜辺の茶屋」はあります。1994年にオープンした当 初は、「こんな田舎に客は来ない」とオーナー夫妻は周囲に変人扱いされたそ うです。 そんな茶屋がいまや一日200人が訪れています。ロケーション・カフェの火 付け役となった茶屋には、本州からわざわざ訪れる客が後を立たないようです。 本書では、そのような浜辺のカフェの奇跡が描かれています。 ■地域政策入門 藤井正、光多長温、小野達也、家中茂編著 ミネルヴァ書房 3,000円 2008/10/20 副題に「未来に向けた地域づくり」と付いています。 地域政策って何?」「そもそも、地域ってどういう意味?」普段何気なく使 っている言葉ですが、この問いに答えるのはそれほど簡単なことではないので はないでしょうか。 本書は、その意味で地域政策に関する本格的な体系的入門書であり、時代背 景を十分に踏まえて、地域を取り巻く様々な側面、地域の現状と今後の方向を もとに地域政策を考察し論じています。 地域がどう動いているか、これから地域はいかなる方向に向かうべきかなど 考えながら本書を読んでいくといいと思います。 ■団地再生 増永理彦著 クリエイツかもがわ 2,200円 2008/09/15 副題に「公団住宅に住み続ける」と付いています。 この20年ほど、大都市での公共賃貸住宅においては、建て替えを主流にし た団地再生が盛んです。 老朽化し、陳腐化していく団地の再生は避けられません。しかし、日本にお ける公共賃貸住宅の団地再生は建て替え一辺倒の方針であることから、特に高 齢者などの経済的弱者が住み続けることができない事態が全国的に拡がり、大 きな問題になっています。 本書では、そのような課題を受けて、「住み続けることの意味はなんだろう 」という根底のもと、再生のあり方など先進事例なども盛り込みながら描かれ ています。 最後まで、お読み頂きまして、ありがとうございました。 ひとときでも、ごゆっくりとくつろいで頂けましたでしょうか!! ===================================================== ○電子メールマガジン「地域・まちづくり情報&コラム」2008/12/15 発行者 名倉 弘二 (tsunagu@tcp-ip.or.jp) 発行 株式会社 ケイプラン(Kplan) 所在地:愛知県安城市 創刊 1998年10月6日(火) 大安 まちづくり情報満載のホームページ「ホッと空間 Nagura's Home」 http://www.townnet.com/tsunagu/index.html ご意見、ご感想などありましたら mailto:tsunagu@tcp-ip.or.jp(名倉弘二)までお気軽にどうぞ。 電子メールマガジン「地域・まちづくり情報&コラム」登録、解除は、 http://www.mag2.com/ http://www.townnet.com/tsunagu/magaeme.html ※配信アドレスを変更する場合は、お手数ですが、旧アドレスを解除した上で 、新アドレスでの登録をお願いいたします。 ================================== Town&Column report ==== ─────────────────────────────────── このメールマガジンは、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して 発行しています。( http://www.mag2.com/ ) ───────────────────────────────────


