[Town&Column report 2006/03/06 京都&地域ブランド]
=== Town&Column report ======================680部発行===
メールマガジン「地域・まちづくり情報&コラム」
□□□ 2006/03/06 第107号! □□□
====================================================
○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
いつもお読み頂きまして、ありがとうございます。
卒業シーズンの3月を迎え、いかがお過ごしでしょうか。これから新たな門
出を迎える方、がんばって下さい。
三寒四温と言われるように、寒い日、温かい日を巡りながら、徐々に暖かく
なってきています。今年の桜の開花は早いと予測もされています。
年度末で、ばたばたしており、2月は更新できなく、申し訳ありませんでし
た。今回は、レポートでは、季節は春になってきていますが、見事な紅葉だっ
た京都の真如堂とサントリーの工場見学を紹介しています。真如堂は、春の桜
も有名です。コラムでは、来月改正される「商標法」の改正のポイント及び地
域ブランドづくりをみています。
2月分の更新が3月にずれ込んでしまいましたが、3月分の更新は、3月末に
する予定です。お楽しみに!!
メールマガジン「地域・まちづくり情報&コラム」は、街並み・商業施設・
旅紀行等の視察レポートと身近な話題などのトレンドを見据えたコラムをマガ
ジン形式で発行しております。月1回程度の発行を予定しております。また、
補完する形で、読者の皆様からの情報を基にした「広報・コミュニティー情報
版」を情報が入った際に随時発行しております。
現在2本立てで発信しておりますが、将来的には、「まちづくり情報」に特
化したメールマガジンへと育てていきたいと考えております。末永く、ご愛顧
のほどよろしくお願いいたします。
また、視察レポート、コラムは、ホームページと連動して画像付きでご覧に
なることができますので併せてご利用下さいませ。
○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
================== Town&Column report INDEX ==============
◆視察レポート「紅葉の京都&サントリー工場を訪ねて」(京都)
http://www.townnet.com/tsunagu/yamkyot.html
◆コラム「4月の商標法の改正を控え
“地域ブランド”について考察する」
http://www.townnet.com/tsunagu/colam143.html
◆最近の新聞からのまちづくり関連情報(メールマガジンオリジナル)
◆“まちづくり”関連書籍の紹介(メールマガジンオリジナル)
=====================================================
───────────────────────────────────
● 視察レポート「紅葉の京都&サントリー工場を訪ねて」(京都) ●
───────────────────────────────────
京都と大阪の府境にある大阪府山崎のサントリーの山崎蒸留所(工場)を訪
ねるとともに、紅葉が見頃な京都観光をしてきました。12月に入っており、通
常では紅葉時期が終わっていますが、2005年は紅葉が遅れており、画像から
もご覧いただけるように、ちょうど燃えるような鮮やかな紅葉の見頃でした。
まず、紅葉の京都から紹介していきます。一番上の画像と上から2番目の画
像は、2005年12月3日の時点で、京都で一番鮮やかで見頃だった真如堂(し
んにょどう)の境内を写したものです。タクシーに乗って、一番旬な紅葉場所
を教えてもらっていったもので、画像からも鮮やかな紅葉が伝わるのではない
かと思います。
真如堂の正式な寺名は、鈴声山真正極楽寺(れいしょうざんしんしょうごく
らくじ)です。上から2番目の画像は、真如堂の山門を写したものですが、多
くの人で賑わっているのが伺えると思います。真っ赤な紅葉で、少し見えづら
いですが、山門は赤く塗られており、赤門(あかもん)とも呼ばれています。
この山門は、バリアフリーとも言える敷居がなく、車でも通ることができます
。この山門に敷居がないのは、この地域の神楽岡(かぐらおか)の神々が夜に
参詣する折、つまずかないようにとの伝説があります。
真如堂は、今回のような紅葉の時期、春の桜のシーズンには、大勢の人で賑
わいますが、オフの時は、地元の方がのんびりと散歩に訪れる庶民的な寺のよ
うです。真如堂は、洛東(京都市の東部)の丘に建っており、表通りに面して
いないことあり、昔から庶民に親しまれてきた寺ということが何となく伺えま
す。
真如堂は、永観2年(984年)一条天皇の母東三条院藤原詮子が、比叡山堂
行寺にあった阿弥陀如来を神楽岡の離宮に移し、戒算(かいざん)上人を開山
とした興した寺です。応仁の乱(1467年〜1477年)では、東軍の陣となった
ため、諸堂が全焼し、現在の堂宇(どうう:堂の建物のこと)は江戸時代中期
の再建によるものです。
真如堂の本尊の阿弥陀さまは、女人を救う仏さまで「うなづきの弥陀(みだ
)」と呼ばれています。比叡山のお堂で円仁(えんにん)がこの像を造られて
いたとき「都に下りて女人を救ってください」とお願いすると、三度うなづか
れたからだそうです。そして、先ほど紹介しましたが、創建には、藤原道長の
姉である東三条院の力によりところが大きく、応仁の乱で荒廃していた諸堂を
今日のかたちに再建したのは徳川綱吉とその母、桂昌院(けいしょういん)と
言われています。まさに、真如堂は、女人ぬきには語れないことから女人のた
めの寺とも言われています。
一番上の画像は、本堂の裏のもみじを写したものです。画像からお分かり頂
けますが、散りもみじの絨毯で敷きつめられた空間で、多くの方が写真を撮っ
ていました。本当に紅葉が旬で鮮やかでした。真如堂の一口メモとして、長野
の善光寺、京都の清凉寺、そして、真如堂の阿弥陀如来を日本三如来と言われ
ています。また、真如堂は、京洛六阿弥陀めぐりの第一番です。真如堂、永観
堂、清水寺、安祥院、安養寺、誓願寺の六ケ寺を月に一度、三年三カ月の間、
一日で回ると高徳があると言われています。
上から3番目の画像は、東本願寺の境内を写したものです。東本願寺は、真
宗大谷派の本山であり、親鸞聖人(しんらんしょうにん)によって開かれ、慶
長7年(1602年)に徳川家康より寄進を受けた第12代教如上人が、西本願寺
より分立したのが始まりとされています。現在、東本願寺では、2011年にお
迎えする親鸞聖人七百五十回御遠忌の特別記念事業として、明治の再建(188
5年)以来百年余を経た真宗本廟(しんしゅうほんびょう)御影堂(ごえいど
う)の御修復という歴史的事業が行われています。現在は、修復工事中で、御
影堂全体を覆って行っているため、外観を見ることはできません。2008年(
平成20年)の修復工事の完了を予定しています。
次に、モルト(麦芽)ウイスキーをつくっているサントリーの山崎蒸留所(
工場)の紹介をしていきます。冒頭でも述べましたが、住所は大阪府ですが、
古都・京都からほんの15分ほどです。ここ山崎蒸留所は、1923年に開設され
た日本初のウイスキー蒸留所です。「日本の風土にあった、日本人に愛される
ウイスキーをつくりたい」という寿屋(のちのサントリー)の創業者、鳥居信
治郎の情熱がすべての始まりでした。
古都・京都にほど近いこの地には、千利休も茶を点てた名水「離宮の水」が
湧き、深い霧が涼やかな竹林をしっとりと潤しています。山崎蒸留所の工場見
学では、ウイスキーの試飲をしてきましたが、その際に出た水もおいしかった
です。この名水が、おいしいウイスキーをつくっているのがわかります。80年
あまりの長いウイスキーの歴史を歩んできた山崎蒸留所は、この美しい水をマ
ザーウォーターに、ゆっくりゆっくり、上品なモルトウイスキーを育てつづけ
ています。
上から5番目の画像は、工場の裏にあるわき水と裏山を写したものです。画
像の右上の方に竹林が広がっています。ここ山崎蒸留所(工場)では、蒸留所
見学はじめ、ウイスキーライブラリー、ファクトリーショップ、テイスティン
グカウンター、ウイスキーの歴史を知るウイスキー館などを堪能してきました
。なかでも、試飲会場は盛り上がりをみせていました。ビール工場の見学のよ
うに、がばがばビールを飲むようにはいきませんが、それでも20分ほどの間
にウイスキーグラスで3杯ほど飲んできました。ウイスキーグラスも手になじ
む感じでよく、そのグラスは、ファクトリーショップで購入できるようになっ
ており、なかなか商売上手です。
これまで、ビール工場には、キリンビール、アサヒビールに行きましたが、
ウイスキー工場は初めてで、ウイスキーそのものも、かつてはよく飲んでいま
したが、ビールや焼酎に押されて飲んでなく、久しぶりに飲んでうまかったで
す。ウイスキーも捨てたものではないとあらためて思い、これからもう一度、
飲んでみたいという気になりました。
簡単にモルトウイスキーができるまでを紐解きますと、まず、麦芽(モルト
)をつくります。原料の二条大麦を水に浸して発芽させ、それを乾燥させて発
芽をストップさせると香ばしい麦芽(モルト)ができます。その麦芽を細かく
砕いて、温水とともに仕込み漕で、約5時間ろ過すると、甘い麦汁になります
。その麦汁を発酵槽に移し、酵母をプラスして発酵させると、アルコール度数
約7%のもろみ(ウォッシュ)ができます。その後、銅製の蒸留釜、ポットス
チルで2回の蒸留を繰り返すと、無色透明なニューポットと呼ばれる原酒の源が
完成します。そして、この無色透明な原酒(ニューポット)を、樽の中でゆっ
くり熟成することで、色と香味を身につけます。
上から6番目の画像は、原酒(ニューポット)の入っている熟成中の樽を写
したものです。この樽の中でゆっくり眠るうちに、あのウイスキーの琥珀色に
生まれ変わります。また、色だけでなく、樽の材質や形によって、香りや味わ
いも大きく変わってきます。例えば、アメリカのオーク材を使った樽なら、ヴ
ァニアのような香りになり、スペインのシェリーの空き樽を使えば、チョコレ
ートやレーズンのような香りで、フルーティーな味わいになります。さらに、
稀少価値のミズナラの樽なら、白檀(びゃくだん)や伽羅(きゃら)のような
高貴な味わいを醸し出すことができます。
ウイスキーづくりには、ウイスキーの味を引き出すブレンダーという華麗な
指揮者がおり、知れば知れるほど奥が深いものです。原酒の組み合わせ、樽、
熟成期間などで、変わってくるウイスキーは、匠の技が生んだ繊細な逸品と言
えます。ウイスキーの本場イギリスでは、毎年、ISC(インターナショナル・
スピリッツ・チャレンジ)という、権威あるお酒のコンペティションが開かれ
ています。そこで、サントリーウイスキーは、2003年にシングルモルトウイ
スキー「山崎12年」が金賞を受賞し、翌年の2004年には、「響30年」が最
高賞にあたる「トロフィー」を受賞しています。また、同じ年に、「響21年
」もウイスキー部門で金賞を受賞し、日本のウイスキー史上で初の快挙となっ
ています。
上記の「山崎12年」とか「響30年」の数値は、熟成期間を示しています。
「山崎12年」なら12年以上の酒齢であり、「響30年」なら30年以上の酒齢
で、それぞれ味わいが違います。実際に、試飲で、飲み比べしてきましたが、
素人ながらも、熟成期間が長い方が、まろやかさがあり、うまく感じました。
最後にウイスキーの効用について少し紹介します。「蒸留酒のため糖分がほと
んどなく、低カロリーである」「血中アルコール濃度が上昇しにくく、アルコ
ールが抜けやすいので酔いざめスッキリ」「ゆたかな香りで森林浴のように、
心身が香りでリラックスできる」「プリン体がほとんどなく尿酸を排出する作
用もある」「長い年月をかけて樽で熟成するので、樽材由来のポリフェノール
が溶け込む」など、ウイスキーは人に優しいお酒です。当方はメーカーのまわ
し者ではありませんが、久しぶりに飲んでうまく感じ、焼酎ブームの次は、ウ
イスキーブームがくるような感じがします。日本酒も飲みますが、今、アメリ
カでは日本酒が伸びています。
工場見学は、2名以上で随行可能ですので、京都観光の次いでに行かれては
いかがでしょうか。ドライバーやお子さん向けには、ソフトドリンクも用意さ
れています。場所は、京都駅から電車で10数分で、JRなら山崎駅、阪急なら
大山崎駅が最寄り駅で、そこから徒歩で10分ほどです。古都・京都と名水が
生んだうまいウイスキーを飲みに行かれてはいかがでしょうか。行った時は、
これから熟成させる樽の個人販売もしていました。価格は50万円から3000万
円まであり、我々は、10人くらいのグループで行きましたが、皆でお金を出
し合って、樽ごと買おうかという話で飲んだ勢いもあり盛り上がりました。時
期的なものがあると思いますが、ウイスキーの樽のオーナーも検討されてはい
かがでしょうか。
あと1枚、画像の紹介を忘れておりましたが、上から4番目の画像は、京都
駅ビルの伊勢丹のあるオープンスペースの階段上のところから、雨上がりの虹
を写したものです。画像からもご覧頂けますが、多くの方が写真を撮られてい
ました。虹の七色は覚えていらっしゃいますでしょうか。赤、橙、黄、緑、青
、藍、紫です。画像からは、どのくらい認識できるでしょうか。
視察日:2005年12月03日 By Nagura
ホームページの画像付きで見る場合のURL:
http://www.townnet.com/tsunagu/yamkyot.html
その他の文中に出てきました関連ページのURL:
※「新京都駅ビルを訪ねて(レポート)」
http://www.townnet.com/tsunagu/jriset.html
※「JR京都伊勢丹を訪ねて(レポート)」
http://www.townnet.com/tsunagu/isetan.html
───────────────────────────────────
● 「4月の商標法の改正を控え
“地域ブランド”について考察する」 ●
───────────────────────────────────
来月(2006年(平成18年)4月)、商標法の一部改正により、「地域団体
商標制度」が導入されます。一言で言えば、「三ヶ日みかん」などの地域の名
称と商品またはサービスの名称等からなる商標(地名入り商標)の取得が可能
になります。最近、地域ブランドという言葉がよく聞かれるようになってきた
と感じていらっしゃる方も多いことと思いますが、まさに、今回の商標法の改
正の狙いは、地域の事業者が統一したブランドを使って商品やサービスを提供
する「地域ブランド」の動きを促進するためです。
現行(2006年4月の改正前)の商標法の下では、地域ブランド保護に関し
て、地域名と商品名からなる商標は、原則として商標登録を受けることができ
ません。ただし、例外として、全国的な知名度を獲得したことにより、特定の
事業者の商品であることを識別できる場合に商標登録できます。また、よく使
われている図形等と組み合わせた場合は商標登録できます。現在、例外的に文
字のみで登録されているのはほんの一握りです。少し挙げますと、「西陣織」
「夕張メロン」「前沢牛」「佐賀牛」「笹野彫」「信州味噌」「三輪素麺」「
佐賀海苔」「宇都宮餃子」「富士宮やきそば」「中房温泉」などです。
比較的有名と思われる冒頭でも例に挙げました「三ヶ日みかん」はじめ、「
関あじ」「関さば」「草加せんべい」「宇治茶」「小田原蒲鉾」「信州そば」
「大島紬」「有田焼」などは、文字のみで商標登録できずに、図形・デザイン
化された文字または他の名称と組み合わせて使用することで商標登録されてい
ます。ですから、今回の商標の改正により、地域名と商品名からなる「三ヶ日
みかん」「関あじ」「関さば」などは、文字だけでの商標登録が可能となりま
す。改正されても何でもかんでも登録できるという訳ではなく、登録要件はあ
りますので、その要件の詳細は後ほど記載します。
まず、今回の改正における話に入る前に商標とは何かというところから紐解
いていきます。商標が、商いの歴史に登場したのは、今から2000年以上前の
古代ローマ時代のころです。商品の流通が国内外へと広がっていくのにともな
い、諸国間での取り引きの際に、出所を証明するものとして商標が利用されて
いたようです。10世紀頃の中世ヨーロッパでは、線上の図形やモノグラム(
氏名の頭文字等を2文字以上組み合わせて図案化したもの)等で構成された「
商人標」が普及していました。「商人標」は、主に船の難破や海賊など災難に
あった際に、その商品が元は誰のものなのかを示すためのマークでした。
そして14世紀末には、「生産標」なるものが登場し、西欧諸国全域に普及
していきました。「生産標」は、ギルド(同業者組合)によって、手工業者が
粗悪品を世に出さないように使うことを強制されていたマークです。品質保持
の意味がありました。近代的な商標の役割が確立したのは、ここ1世紀半くら
いのことで、18世紀後半の産業革命を経て、近代的な資本主義経済が成立し
てからで、1857年のフランス商標法を手はじめに各国で商標を財産権として
保護するように制度化され、現在の「商標法」へとつながっています。
日本に目を移しますと、日本における商標の発祥は、大宝律令(701年)に
より、刀剣の生産者の名前を刻印することが義務づけられたことによるもので
す。商標は、鎌倉・室町時代には「座(商人の同業組合)」が形成されること
で、屋号、暖簾(のれん)、家紋(かもん)などの形で発達し、江戸時代には
その多様化が進んでいきます。登録制度による保護は、明治17年(1884年)
6月7日に制定された「商標条例」がはじまりです。その後、産業が進歩する
のに合わせて数々の改訂を重ね、現在の商標法に至っており、今回(2006年
4月)、地域ブランドの促進を図るために、一部改正されます。
ちなみに日本の商標登録第1号は、明治18年6月2日に京都府の売薬業者・平
井祐喜による商標です。板前さんが誤って指を切ってしまった絵で、平井の軟
膏を塗ればケガも治るという効能を上手にアピールしています。
商標の歴史はこのぐらいにしまして、話を2006年4月に改正され、地域の名
称と商品またはサービスの名称等からなる商標(地名入り商標)の取得が可能
になりますが、その際の要件を詳しくみていきます。現行法(2006年4月改正
前)では、「三ヶ日みかん」は、先ほど申し上げたように、文字のみでは商標
登録ができていません。改正後に「三ヶ日みかん」という文字のみで登録する
際の要件は、まず取得する団体が「法人格があること」「事業協同組合等、特
別法により設立された組合であること」「設立準拠法において構成員資格者の
加入の自由が保障されていること」である必要があります。特別法により設立
された組合の具体例として、農業協同組合、漁業協同組合、森林組合、商店街
振興組合、酒造組合などがあります。
上記の出願者が主体的要件を満たした上で、「構成員に使用させる商標であ
ること」「商標が地域名+商品(役務)名等であること」「地域名が商品(役
務)と密接な関係があること」「商標が周知になっていること」「通常の登録
要件を備えていること」の要件が必要となります。この中で、一番判断が難し
いというか、最終段階で登録できるかどうかは「周知」にあると言えます。周
知とは、当該商品が出願者またはその構成員の業務に係る商品(役務)に表示
するものとして需要者の間で広く認識されていることという意味合いです。
周知の要件として、隣接都道府県に及ぶ程度の浸透が必要としています。判
断手法・立証方法として、「商標の使用期間」「商標の使用地域」「商品(役
務)の生産・販売等の数量」「営業地域」「広告宣伝の方法・回収・内容」「
一般紙・業界紙における記事の掲載回数・内容等」「特産品の認定、公的機関
の証明等」を挙げています。また、「通常の登録要件を備えていること」とい
うところでは、既に商品(役務)が普通名称等になっているものは登録できま
せん。「さつまいも」「奈良漬け」「伊勢エビ」などの商品名は、普通名称と
して認識されて、商標登録することはできません。
一番上の画像は、2006年1月19日に愛知県岡崎市で開催された「地域ブラ
ンドセミナーin愛知(主催:日本弁理士会、愛知県)」に参加してきた模様を
写したものです。セミナーでは、上記で説明しました商標法の改正のポイント
そして、地域ブランドの成功事例として、冒頭でも挙げましたように、文字の
みで商標登録されている「富士宮やきそば」の紹介がされました。画像から、
「富士宮やきそば」ののぼりと、お話されてる富士宮やきそば学会会長の渡辺
英彦さんがご覧いただけます。
最後に、「富士宮やきそば」の成功事例を紹介します。先日(2006年2月
18日、19日)、日常の食べ物で地域おこしを担う団体が日本中から集まる「B
級ご当地グルメの祭典 B-1グランプリ(青森県八戸市で開催)」が開催され、
初代グランプリに「富士宮やきそば」が選ばれたこともありご存知の方も多い
のではないでしょうか。B-1グランプリに選ばれる前から、「富士宮やきそば
」は、全国区的に有名になり、東京から日帰り観光バスコースにも入っている
ほどです。
それでは、「富士宮やきそば」が全国区的に有名になった背景、携わった方
の努力を見ていきます。静岡県富士宮市は、富士山の西南麓に広がる人口約
12万5千人の町です。そもそものきっかけは、多くの地方都市の例に漏れず、
富士宮市も中心市街地の空洞化が進み、市と商工会議所が1999年に中心市街
地の活性化に向けて、市民に呼び掛けてワークショップ(出席者全員参加型の
意見交換・情報交換の場)を開いたことです。約60名の市民参加のもとワー
クショップが開催されましたが、具体案を見い出すには至りませんでした。そ
のため、一部の参加者(13名)がその後も会合を重ね、ある日の会合で「富
士宮の焼きそばは他と違う」という発言から他のメンバーも同調して盛り上が
り、活動の発端となりました。
富士宮の焼きそばに使われる「蒸し麺」は、通常蒸した後に、湯通しするの
に対し、湯通しせずに強制冷却し、その過程において油をコーティングすると
いう手法で作られています。そのため、水分の含有量が低いためコシが強く硬
い麺となります。まず、2000年11月に「富士宮やきそば学会」をつくり、メ
ンバーを「やきそばG麺」と名乗ったことから話題となり、テレビや新聞、雑
誌などがこぞって取り上げました。その後、「やきそばG麺」たちは、数カ月
にわたり調査活動を展開し、2001年4月に「富士宮やきそばマップ」を完成
させ、掲載店にはオレンジ色ののぼりを立てて「食べ歩き」のできる基盤を整
えました。今では、独特のコシのある麺を出す「富士宮やきそば」のお店は市
内に150店以上あります。
富士宮やきそばがここまで有名になったのは、これでもかこれでもかという
話題性の提供です。“この麺にこのビール”とビール会社にポスターの製作の
依頼や“麺免皆伝”“やきそばの道”と謳って、日本道路公団とパンフレット
も作りました。それもなんと、すべて相手が費用を持ち、ただです。“麺免”
は、お分かりになると思いますが、“免許”にかけています。このパンフレッ
トで、東名から通じる西富士道路の通行量が月に約12,000台(2%アップ)
増えて、公団にとって費用対効果が高い事業となったそうです。それだけ、富
士宮やきそばのブランドがあるということです。
その他、やきそばでまちおこしをしている秋田県横手市と群馬県太田市と富
士宮市で、「三者麺談」「三国同麺協定」を結びました。また、北九州市の小
倉は焼きうどんが有名で、富士宮のやきそばと小倉の焼きうどんの対決イベン
トとして「天下分け麺のたたかい」をしました。ここまで、読まれた方は、お
気付きと思いますが、いわゆる“おやじギャグ”の連発が富士宮やきそばをメ
ジャーにしたような感じです。
市民たちが始めた楽しみながらのこの“おやじギャグ”による波及効果がす
ごいです。静岡県富士行政センター発表では、2001年から本格的な活動が開
始され、2002年にかけて、製麺業者の売り上げが2億6300万円の増加、小売
店の売り上げや関連素材の売り上げを含めると1年間でおよそ12億円の経済波
及効果があったとしています。2004年までの3年間で、少なくとも30億〜40
億円の経済波及効果があり、2001年から2002年にかけて、富士宮市への入
り込み客数も約100万人増えています。そのような成果により、商標法の改正
前の2004年9月に「富士宮やきそば」は、通常認められない地名と単なる商
品名で、例外として認められました。13人の市民の集まりから始まった“市
民パワー”が、ここまで地域を活気づけたことには感服いたします。
あと、ユニークな話題として、2006年3月4日に茨城県水戸市で第6回納豆
早食い世界大会が行われました。納豆とご飯をこぼしたら失格です。からしや
たれを使うのは自由です。第5回大会では、オーストラリア人の胸ポケットか
らラー油が出てきたそうです。開催場所の千波(せんば)公園には、水戸黄門
像もあり、当日は、納豆コロッケ、納豆ラーメン、納豆汁などの屋台も並んで
いたようです。また、優勝者には、お米や水戸納豆、電化製品などが贈呈され
たようです。
先ほどのB-1グランプリは、次回(第2回)の開催地は、「富士宮やきそば」
の静岡県富士宮市に決まりました。ちなみに、今回のグランプリで「富士宮や
きそば」以外で出展されたものは「北海道富良野市のカレー」「北海道室蘭市
の焼き鳥」「青森県八戸市のせんべい汁」「秋田県横手市のやきそば」「福井
県小浜市の焼きサバ」「鳥取県鳥取市の豆腐ちくわ」「福岡県北九州市の焼き
うどん」「福岡県久留米市の焼き鳥」です。この中から、今回の商標法の一部
改正で、「富士宮やきそば」に続いて、商標登録するものが出てくるかもしれ
ません。商標法の改正を契機に、これから、ますます地域ブランドづくりの重
要性がクローズアップしてきそうです。
記:2006年3月5日 By Nagura
ホームページの画像付きで見る場合のURL:コラムはワンポイント画像です
http://www.townnet.com/tsunagu/colam143.html
───────────────────────────────────
● 最近の新聞からのまちづくり関連情報(メールマガジンオリジナル) ●
───────────────────────────────────
■阪南大学が中小企業との連携加速(2006.02.15:日刊工業新聞より)
社会・人文科学系の私立大学、阪南大学が中小企業との連携を加速していま
す。会員企業約2700社の大阪府中小企業家同友会と相互支援関係を構築し、
大学と中小企業の間にある距離を着実に縮めています。
産学連携が叫ばれて久しいですが、中小企業にとっては高い壁だけに、阪南
大学のケースは文系大学における連携促進モデルになりそうです。
これまでに、大学と中小企業は、大学のインターンシップ制度で協力関係に
あったほか、同友会大学で大学の教員が講師を務めてきています。
その他、学生たちが自作飛行機で飛行距離を競う鳥人間コンテストに参加す
れば、中小企業が部品や運搬用トラックなどを無償提供しています。同友会が
大学で中小企業の魅力を伝える寄付講座も開いています。
このほか、大阪市内に中小企業ベンチャー支援センターで、就職した卒業生
から持ち込まれる「特許」「金融」「商品開発」などの相談に乗っています。
理工系分野は龍谷大学と連携しています。
■サービス業、新興へ指針(2006.02.14:日経新聞より)
経済産業省は4月をメドに、観光やコンテンツ(情報の内容)配信といった
サービス産業振興の指針となる「サービス産業戦略」をまとめます。
サービス業に特化した戦略は初めてです。同省はこれまで製造業の振興に重
点を置いてきましたが、国内工場の海外移転などが進む中、新たな雇用の創出
を見込めるサービス業に軸足を移します。
産業構造審議会に専門の部会を設け、2月17日から検討を始めます。6月に
決める政府の「経済財政運営の基本方針」(骨子の方針)へ反映させることを
目指しています。
具体的には、「福祉・健康」「観光・集客交流」「コンテンツ製作・配信」
「育児・生活支援」「人材派遣などビジネス支援」といった成長が見込まれる
5分野を対象に振興策を打ち出します。
■若者はアナログ(2006.02.10:日経流通新聞より)
日経産業消費研究所の消費者調査で、若者がレコードなどアナログ製品やア
ナログ的な生き方に傾きつつある結果が明らかになりました。
デジタル社会のなかで、若者を中心に「味わい」「本物感」などアナログ固
有の価値を認識し始めたと見られます。
アナログレコードは、全体の8.8%が関心をもっていますが、年代別では20
代が14.6%と他の年代を引き離しています。関心などを持つ理由は「味わい
がある」「本物感がある」などが多かったです。
また、フィルムカメラも20代が他の年代より多かったです。性格や志向も
20代は「何事にも凝り性」「目的や結論が出るのに手間がかかってもかまわ
ない」「うんちくが好き」「ワープロより手書きが好き」などの項目でも、
あてはまるの回答が多く、アナログ度が高かったです。
■戸建てリフォーム「制震」広がる(2006.02.10:日経新聞より)
大地震に備え、戸建て住宅のリフォーム需要が拡大しています。
東海地震などを想定した被害予測の発表やマンションの耐震強度偽装事
件をうけて、2005年の耐震診断件数や工事件数は大幅に増加しています。
従来型の耐震工事にとどまらず、家具の転倒などを防ぐ効果がある「制震」
に消費者の関心が向いています。住宅大手は相次いで制震装置を市場に投入
しています。
国も2006年度からは耐震改修工事にかかる費用の一部を所得税から税額控
除するなどの優遇税制を目指すほか、地域を限定していた補助金制度を全国
に広げるなど、地震対策を後押しする予定です。
■ニュータウン宅地処分加速(2006.02.09:日経新聞より)
国土交通省は郊外の大規模計画団地であるニュータウン宅地の処分を進める
ため、地方自治体や都市再生機構が手掛けてきた分譲業務を信託銀行に委託し
ます。年内にも実施します。
民間の営業力を活用することで、事業中や売れ残りの用地約4800ヘクター
ル(都市機構保有分、宅地ベースで15万戸程度)を、2013年度末までに約9
割減らすことを目指します。
ニュータウンの整備について規定した新住宅市街地開発法の改正案を、今国
会に提出します。
ニュータウンは高度経済成長期の人口急増に対応するため、1964年以降、
全国で開発が進められました。しかし過大な需要予測やバブル崩壊による地価
下落で、計画通りに事業が進まない地点が続出しています。
現在、ニュータウン宅地は、不動産会社などが転売することができません。
今回の法改正で不動産の仲介業務に携わっている信託銀行への分譲業務の委託
を解禁します。
───────────────────────────────────
● “まちづくり”関連書籍の紹介(メールマガジンオリジナル) ●
───────────────────────────────────
タイトル、著者、出版社、価格、発行年月日の順に示してあります。
■まちづくり道場へようこそ 片寄俊秀
学芸出版社 1,900円 2005/12/30
副題に「商店街こそ良きまちづくり人」のための稽古場だ」と付いています。
まちづくりは、ひとづくりといいます。まちには、解決しなければならない
たくさんの問題が渦巻いています。みんなが困っている切実な問題をまず何と
かしなければなりません。
そして、問題を解決するだけでなく、さらにより良い方向にむけて改善し、
創造し、人々が生きる希望をもてるようにすることが大切です。
地味だけど、やいがいのある、そういう仕事を、中心になって、あるいは
裏方としてしっかり支えていく人がほしい。そういう人のことを著者は「まち
づくり人(びと)」と呼びたいと言っています。
■都市商業とまちづくり 水谷真、浜田恵三、神戸一生編著
税務経理協会 2,400円 2005/08/01
わが国の都市は、戦後の農村部からの人口移動や産業の集積による都市化の
一方、環境悪化や地価の高騰などと合わせて、モータリゼーションの進展や大
型商業施設の郊外進出などによって、都市中心部の空洞化がみられるようにな
ってきました。
このような都市商業の衰退が、都市中心部の空洞化を加速させていることは
いうまでもありません。これらを解決するために、全国の中心市街地でまちづ
くりが展開されており、それなりの成果を発揮し始めていますが、中心市街地
の衰退に歯止めがかかっていません、とりわけ、地方都市の中心市街地では、
解決の糸口さえ見出せない状況です。
本書は、こうしたまちづくりの新たな動きや中心市街地の課題の克服と再生
への糸口を探っています。
■老舗のおかみ、金沢・加賀・能登 北陸中日新聞編
中日新聞社 1,905円 2003/08/08
和菓子・醤油・九谷焼・漆器、金沢仏壇、加賀友禅、加賀百万石の城下町・
金沢は、今も優れた文化が息づいています。
本書は、百年・三代以上にわたる老舗を訪ね、伝統を守り、家業を支える
“おかみ”の姿を追っています。
三百年、四百年・・・、歴史のまち金沢とその周辺には創業の心を守り、代
々受け継いできた老舗が多いです。
厳しい時代を乗り越え、生き残りをかけて、のれんを守る老舗、それを支え
る女将(おかみ)、彼女たちの心意気・奮闘する姿が描かれています。
71店舗を「雅びを味わう」「伝統の技」の2章に分けて、老舗の奥深さと頼
もしさが紹介されています。
====☆お知らせ☆========================================
■■■ 次回配信(2006年3月下旬配信予定)内容のお知らせ ■■■
視察レポートは、中村玉緒さんが名誉村長の岐阜県美濃加茂市の日本昭和村
を訪ねてを紹介する予定です。また、コラムではユニバーサルデザインについ
て考察するをお送りする予定です。お楽しみに!!乞うご期待を!!(注:都
合により、内容を変更する場合もございます。その際は、ご了承のほどお願い
いたします)
=======================================☆お知らせ☆=====
====☆お知らせ☆========================================
■■■ 「FriendsCircleリンク集」に追加したホームページの紹介 ■■■
○柳井さんがweb担当している「オゾン水・オゾンエアーのアイレックス」の
ホームページです。アトピーアレルギーにオゾンでダニ忌避、万能殺菌消臭効
果のオゾンエアー噴霧・オゾン水生成装置などあります。
http://www.townnet.com/tsunagu/rinkyu.html
=======================================☆お知らせ☆=====
───☆ 読者の皆様からの広報情報、レポートなど@承ります ☆───
■■■ 「広報・コミュニティー情報版」 ■■■
「広報・コミュニティー情報版」は、メールマガジン「地域・まちづくり情
報&コラム」に補完する形で読者の皆様からの情報を基に発信いたします。
自治体、NPO、市民団体、研究機関などの方からのまちづくりに関する広報
(活動内容)事項などの情報発信を承ります。
基本的にまちづくりに関するもので、非営利的な情報を取り上げていきます。
また、読者の皆様からの町、商業施設、旅紀行などの情報・レポートも併せ
て載せていきたいと思っております。ご一緒にまちづくりを考えていく上で、
何なりとお寄せいただけましたら、うれしく思っております。
下記アドレスまでお願いいたします。
tsunagu@tcp-ip.or.jp
───☆ 読者の皆様からの広報情報、レポートなど@承ります ☆───
最後まで、お読み頂きまして、ありがとうございました。
ひとときでも、ごゆっくりとくつろいで頂けましたでしょうか!!
=====================================================
○電子メールマガジン「地域・まちづくり情報&コラム」2006/03/06
発行者 名倉 弘二 (tsunagu@tcp-ip.or.jp)
発行 有限会社 ケイプラン(Kplan) 所在地:愛知県安城市
創刊 1998年10月6日(火) 大安
まちづくり情報満載のホームページ「ホッと空間 Nagura's Home」
http://www.townnet.com/tsunagu/index.html
ご意見、ご感想などありましたら
mailto:tsunagu@tcp-ip.or.jp(名倉弘二)までお気軽にどうぞ。
電子メールマガジン「地域・まちづくり情報&コラム」登録、解除は、
http://www.mag2.com/
http://www.townnet.com/tsunagu/magaeme.html
※配信アドレスを変更する場合は、お手数ですが、旧アドレスを解除した上で
、新アドレスでの登録をお願いいたします。
================================== Town&Column report ====
───────────────────────────────────
このメールマガジンは、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して
発行しています。( http://www.mag2.com/ )
───────────────────────────────────


![転職なら[en]社会人の転職情報!転職成功者続出 転職なら[en]社会人の転職情報!転職成功者続出](http://kamogawa.mag2.com/bn/recommend/sya.gif)
![派遣のお仕事探しなら[en]派遣のお仕事情報 派遣のお仕事探しなら[en]派遣のお仕事情報](http://kamogawa.mag2.com/bn/recommend/haken.gif)
![アルバイト探しは[en]本気のアルバイト アルバイト探しは[en]本気のアルバイト](http://kamogawa.mag2.com/bn/recommend/baito.gif)
![就職サイトは[en]学生の就職情報 就職サイトは[en]学生の就職情報](http://kamogawa.mag2.com/bn/recommend/gakusei.gif)
![転職なら[en]転職コンサルタントキャリアを活かした転職に! 転職なら[en]転職コンサルタントキャリアを活かした転職に!](http://kamogawa.mag2.com/bn/recommend/consul.gif)