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2009/11/08

KISARAGI vol.524

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K I S A R A G I vol.524                         2009/11/08発行
                        編集/発行:みやこたまち
                      E-mail:tmachim@yahoo.co.jp
                            http:///miytako.hp.infoseek.co.jp 
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雪の便りを聞きましたか?
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◆古典へのいざない【348】 古事記[114]   作者 たまさん

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仲哀《ちゅうあい》天皇 (3)

「高いところに登って西を見ても国土《くに》が見えない。ただ大きな海が
あるだけだ」
 これは嘘をつく神だと天皇は考え、琴を押しのけて弾かないままだまって
しまった。
 するとその神は激怒した。
「およそこの天下は汝が統治すべき国ではない。お前は黄泉の国に向かうが
よい」
 建内宿禰大臣《たけうちのすくねのおほおみ》が慌てて言った。
「恐れ多いことです。我が天皇よ、どうかその御琴を弾いてください」
 天皇はようやく琴を取り寄せていい加減に弾いたが、しばらくすると琴の
音が聞こえなくなった。火を掲げて見ると既に崩御していた。
(続く)

                                  ★

 第十四代・仲哀天皇の続きです。神功《じんぐう》皇后に下りた神に従わ
なかった天皇は命を落としてしまいました。
 続きは次回にお届けします。それではまた。
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夜空が透き通っていました。
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■薄紅通夜 第二部                          作者:みやこたまち

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「それにしても、こういう旅は久しぶりだわ。」
 市子はそう言うと、コートのポケットからタバコと携帯灰皿を取りだした。
「構内禁煙ですが、市子さん。」
 樹記が指摘すると、市子は即座に、
「吸わないわよ。」
 と言って、再びポケットへタバコと携帯灰皿をしまった。
「朝早かったから、ちょっと休ませてもらうわ。」
 市子は、そう言って目を閉じた。日差しは思いのほか暖かく、木製のベン
チの温もりを享受できた。樹記は隣で何か本でも読むような音をさせている。
「休む。」といえば、決して邪魔をしない。樹記はそういう男だ。
 たとえば、深夜に部屋を訪ねた市子を歓待してベッドを提供し、自分は隣
の台所の床にアウトドア的な仕様で一夜を明かす。戸襖を隔てたあちらとこ
ちらとに漂うのは、日常、という平和な空気でしかなく、遠慮がちな越境も、
開き直った暴力も、以心伝心による親和力も、何も働くことは無かった。そ
れは、深夜自宅方面への終電が無くなり、ではどこで夜明かしをするのかと
酔った頭が示した先が、樹記のアパートだったというだけで、当時大学に入
ったばかりの市子は、最初のゼミの友人達との新入学コンパへそんなものか
と思いつつ参加して、微妙なノリの違いに少々疲れながらも交友を深める事
に成功していた。新しい出会いは、無限の可能性を開くものだ。結局、世界
というのは、人とのコミュニケーションによって織り成される織物で、人そ
れぞれの色柄大きさ性質を持っている。その布切れが複雑に絡み合って三次
元空間を形成し、その事象平限を歩み続ける視線の先には、実は無限などは
存在せず、幾重にも折りたたまれた洗濯物の塊の中へと吸収されてジ・エン
ドだ。
 市子はため息をつく。飲み物が欲しくなり、ホームの自販機へ向かう。
「あと、8分ほどで到着だよ。」
 樹記が静かに告げる。何か飲むか、と問うと、黙って首を振った。別段機
嫌が悪いわけではない。樹記も疲れているのだろうと、市子は判断する。そ
の判断に間違いは無いと、無証明で確信している。気合が似ているのだ、と
思う。レモンティーの缶を両手のひらでクルクルと回しながら、市子はゆっ
くりとベンチへ戻る。樹記は紺色の細長い体を電気スタンドのように折畳ん
で、膝に乗せたファイルを読み進めているようだ。何を読んでいるの? と
聞くのは、多分ずっと後だろう、と市子はぼんやりと考える。まだしばらく、
朝もやにけぶる記憶の柔らかな輪郭を愛でている時間はあるのだから。
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久しぶりに寺山修司さんの著作を読んで、文体に感染するのも良い。
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 編集者 みやこたまち
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