2009/07/05
【物流現場 見たまま 感じたまま】NO.370
物流改善のヒントと最新の現場動向を紹介します。業種を越えた改善手法や最新 の理論と手法を物流現場に導入することができます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■■□■■ 物┃流┃現┃場・見┃た┃ま┃ま・感┃じ┃た┃ま┃ま┃ □ ■□■■ ━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛ □□ □■■ 2009/7/5 NO.370 □□■ ■■ 『3PL営業提案書の作法』そんな提案はボツ □□■□ ■ 物流改善のヒントhttp://avance-tokyo.com □□■□□ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■消えた需要、蒸発したマーケットなどと恐ろしい不景気が進んでいますが、売上 低迷と共に物流コストも低減しているはずです。変動費とは売上に比例するコスト ですから、原材料と同様に物流費も低く落ち着いているはずですが、さらなるコス トダウン要請が新しいビジネスを生むこともある、・・・・3PL提案の作法です ●トラック1000万台、自社物流700万台のトラックが走っていると言うこと は、依然として自社倉庫、自社従業員、自家用トラックでの物流が多く行われてい ることの証明です。当然、輸送効率の代表格である積載率や実車率は5割を下回り 半分は空気を運んだり、止まっていることになります。 そこで自営転換という委託物流のビジネスがあります。3PLとは物流業務の総合 請負ですから、場合によっては物流部門の解体や従業員の転籍や解雇を伴います。 会社経費の2番目には物流関連費用が占めていますので、不景気になると物流費が いっそう目の仇になります。1割、2割のコストダウンだけでしたら業者交代、輸 送見積の取り直し、倉庫業者の交代ですみますが、それ以上の3割4割の削減を諭 されたら、現状改善では及びません。構造改革というか、専門業者へのフルアウト ソーシングが行われます。 ●自営転換という画期的な大事件になると、会社は上へ下への大騒ぎとなります。 第一に自社物流の廃止は、従業員の職場が無くなりますので労働組合との協議や物 流委託先への転籍や雇用契約の問題が生まれます。 そもそも物流委託によってコストが本当に下がるのだろうか、という疑問には物流 関係の機能別経費状況を見れば分かります。保管倉庫、作業従業員、トラック稼働 率いずれも自社物流と専門業者では大きな差があります。 悲しいかな人件費=賃金体系で見ると平均年齢と所得の格差が製造業流通業と物流 でははっきりと現れています。付加価値率が違うのか、経験年数が違うのかは不明 ですけど、昔のタクシードライバーのような売上50%歩合給時代の高給取りとは 様変わりしていて、40歳年俸500万円でもうらやましい限りです。 倉庫とトラックは運用の効率=費用対収入が全く異なりますから、自営転換はその ままコストダウン、でも不便で自由度が低いということになりますね。 ●自社物流を委託に切り替えるには、多くの業者や倉庫物件の視察や調査から始め るモノです。商品の引っ越しも大がかりだし、委託と請負、共同作業と完全移行ま での期間は双方が通い婚のように行き来しなくてはなりません。 倉庫の立地はコスト先行で選択されるべきモノでしょうが、やはり通えない、遠す ぎる、居心地はどうかなどと移転と委託転換の目的がぶれてしまいます。 3PL請負会社としては通年のビッグビジネスになりますので、営業担当、情報シ ステム、現場責任者候補などの総動員で提案活動を行います。倉庫1坪当たり月額 1万円の売上が分岐点になるようですが、月額数百万円から年商数億まで、物流会 社にとっては一気に拡大のチャンスです。 チャンスには厳しいリスクがあって、提案の成約率は非常に低いでしょう。確率で 言うよりも商談の成否はスタート時点で決まっていることの方が多いようです。 業種ブランドやコスト総額、倉庫の立地というのが営業コンペに際しての最大ポイ ントですから、初期面談から数回のコンタクトで決まっていると見るべきです。 ●長引くコンペに勝算はありません。一時保管や輸送、短期の流通加工などのよう な見積比較で済むような案件は多いけれども、価格情報はネットでも参照できてし まうのでマージンは少なく、買い叩かれてしまいます。当然物流会社もエネルギー を使いたくないので、ネット商談や入札方式で済まそうとします。 自営転換や既存業者の全体取っ替え、物流拠点の集約や移転となると、新旧業者合 わせての営業コンペが行われます。 RFP(提案要請事項)の説明から始まり、何度も面談や現場視察が行われますが 成約のためのポイントはせいぜい3つ。コストは以外と順位が低いです。後ですり あわされてしまうからです。 1 倉庫の立地と規模 2 情報システムとの接続性や拡張性 3 提案業種の経験度 これ以外はおまけ同然で、商談が長引くだけです。委託側の最重要事項であると勘 違いされるのが、物流コスト計算でしょう。確かに倍の違いは困りますが、所詮現 状コストの概算は公開されますので、下回るわずかの%や額で選択を行うことはあ りません。 物流コストは変動費ですから、売り方や在庫の持ち方で大きく左右されるわけです からコスト原因は物流側にはないのです。なのに、コストダウンを全面に出した提 案活動の多いことに不思議な気がします。 ●3PL営業の成功要因は、準備できる物件の立地、提案業種の経験という2大要 素が先験的、物理的に決まっているのです。それ以上を無理しても、条件闘争を行 っても効果はあまり無かったような気がします。 それなのに、・・・・・ご苦労様という感じですね。 どんな立地にも自在に倉庫の手配が出来る、というの最近の傾向ですが、業種経験 の有無は大きく、そこに物流提案の練習をどれほど積んでも意味はない。 委託側の最重要関心事に到達できなければ、提案活動は始まらないし、継続しても 勝算がない、ということに気づかず苦労している現場が多いようです。 ミスマッチによるエネルギーロス、裁定取引の実態は意外なところで沢山あります ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★★★★★ WEB書店で好評・増刷! 物流問題解決の糸口を斬る ★★★★★ 秀和システム 図解入門ビジネス 花房 陵著 『戦略物流の基本とカラクリがよ~くわかる本』 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 電子メールマガジン【物流現場 見たまま 感じたまま】 ■発行者 株式会社アバンセ 花房陵 http://avance-tokyo.com ■ご感想、ご意見、ご質問は返信 mailto:hanabusa@avance-tokyo.com ★★★このメルマガをあなたが気に掛けてくれて、誰かに伝える。そして読んでく れて、また気に掛けてくれて、誰かに伝える。そんなことを繰り返すと、たとえば 100の4乗は1億人だから国民が読む。やっぱり世界は狭く、友達の輪は広がっ ていく。【物流現場見たまま感じたまま】創刊は 1998/8/20 発行12年目★★★ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


