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物流コンサルタントがクライアントの物流現場で見聞する問題を公開します。物流に携わる方々に改善のヒント、システム設計のアイデア・手法を提供できると思います。

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2009/02/15

【物流現場 見たまま 感じたまま】NO.356

物流改善のヒントと最新の現場動向を紹介します。業種を越えた
改善手法や最新の理論と手法を物流現場に導入することができます。
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■■□■■  物┃流┃現┃場・見┃た┃ま┃ま・感┃じ┃た┃ま┃ま┃   □
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□■■    2009/2/15 NO.356                        □□■
■■     『物流のJ-SOX対応』流行語の内部統制をまとめる    □□■□
■      物流改善のヒントhttp://avance-tokyo.com       □□■□□
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■一昨年からの流行語大賞は、日本版J-SOX、内部統制でした。聞いたことあるけ
ど何か?という方はずいぶん減りましたが、金融商品取引法24条4項の期限が
この3月になっています。経験しましたか?

●財務報告に関わる内部統制の評価・・・・・

法律で定めているのは上場企業の本体と関連会社の財務報告書を提出する付属文書
として、経営者の署名付き「内部統制評価報告書」と外部監査人による「内部統制
評価結果についての監査報告書」の2枚です。現在作成中ですが、完了後はEDINET
に公開されますので、すでに第1号は掲載されていますが、皆さんの耳目に触れる
ことになります。

合わせて2ページの報告書ですが、裏付け資料や作成までのゴタゴタは未だに続い
ているでしょうし、何より毎年の作業を義務づけています。これから上場を企画す
るベンチャー企業も同様です。

決算書の不正や重大な誤りが起きないように、特に3つの勘定科目に関係する業務
プロセス<売上、売掛、資産>に直結する製造、販売、物流、管理の業務が適正に
行われ、かつ不正や悪意が紛れ込むことが無いように運用や職権で管理している事
を証明するのが、内部統制評価作業です。

<売上、売掛、資産>それぞれは物流現場から始まる業務プロセスなので、利用し
ているWMSなどの情報システムが万全であるか、システムダウン対策やデータ漏
洩、悪意あるデータの改ざん防止などが施されているかの点検も行われたはずです

●物流現場は自営であれアウトソーシングであれ、上位機関からの指示による

売上や売掛の意図的な操作は、決算処理に影響しますから、もともと物流工程は業
務監査の対象になっていました。決算棚卸しの時に会計士の立ち会いを求められる
ことがあるはずですが、これらの作業が監査であり、内部統制の評価作業だったの
です。

今回は新たな法律で定められたこともあり、2年前から大騒動でした。
それは電子メールのバックアップを取らなければならない、とかシステムを全部入
れ替えねばならない、IT業界にとって千載一隅の商機と言い換えていたからです。
実際には電子メールのバックアップも不要だし、システムの交換も全く根も葉もな
いうわさ話だったことが監督官庁のQ&Aによって明らかになると、次のオオカミ
はどこにもいなくなってしまいました。

ただ、監査法人の会計士先生や業務監査専門コンサルが物流現場にも頻繁に訪れる
ようになり、次のような質問にあたふたとしているところでしょう。
★本社営業部との物流指示に始まる業務プロセスは、どのように文書化されてるか
★業務委託会社との受託契約条件は、更新日付と実態が合致しているか
★利用している情報システムのリスク対策はどこまでカバーしているか

確かに不正や犯罪の動機はなくとも、共同正犯となる可能性が全く無いわけでもな
く、実際に物流現場では空売りによる売上の水増し事件、在庫棚卸し評価の操作に
よる利益捻出事件が過去にありましたから、先生方は良く調べてきています。

そこで内部統制評価の3点セットと呼ばれる、業務規定集、業務フローチャート、
リスクコントロールマトリックス(リスク対策表)の整備を要求されることになる
わけです。

●物流現場のリスク対策

内部統制は売上、売掛、棚卸しの3業務について物流部門が直接関わっていますか
ら、最低限でも業務責任を明確に示した規定書、契約書が必要です。文書化の遅れ
は物流に限ったわけでもないので、3点セットがどうしても必要かどうかは監査担
当の会計士との協議事項です。

協議とは交渉のことで、「動機がないから不要ですよね」と一言で済む場合もあれ
ば、「最低限の文書化は絶対譲れない!」と駄々コネされることもあります。
利用している情報システムとの連携では、IT全般統制のチェックリストにあるよ
うな、設計、導入、保守、事故対策の文書化は欠かせないでしょうし、この点では
譲ってもらえる可能性は低いようです。

物流部門としての内部統制評価作業では、このIT全般統制チェックと契約書の更
新は最小限の協議事項になっています。

リスクを回避するのは経営サイドの方針であり、監査人のお墨付きでは無いわけで
すが、協議交渉によって世間様、株主様がお認めになるようなニュアンスを理解す
ることは必要なのです。

●内部統制評価はこれでよいのか、これからどうなるか

実務真っ最中の最新用語ですが、すでに来期の予算取りや体制の問題が生じていま
す。この不景気に内部コストを掛けることの是非が問われているのです。
そもそも内部統制の目的は、経営の効率化と有効性が最優先として捉えなければな
らないはずですから、そこをクリアできないような、屋上屋を重ねるような文書化
や先生方との協議という時間の無駄は経営的にも看過できない事態になっています

そこで、来期は本来の目的に立ち戻り、効率性、コンプライアンスの保証、そして
財務報告の有効性を改めて理解しなくてはなりません。
文書化作業についても、従来のISOや経営品質管理の立場から、同種の業務プロ
セス標準化作業が行われていたわけで、IT全般統制チェックも個人情報保護やI
SMS作業でも同じように点検と検証が行われてきました。

それぞれの担当者の業務がどう見ても重複している実態から、今年度からの内部統
制評価作業は、ポストJSOX活動として、新たなミニプロジェクトとして立ち上
げる必要があります。

当然物流部門の関わり方も重要なわけですから、昨年来の改善指摘事項や情報シス
テム系の文書化整備作業も着々と進めなければなりません。業務委託契約の条項整
備や料金の精算方法についての指摘もあったはずなので留意しましょう。

コンプライアンス対策でも物流部門では労務管理や物流関連業法との関わりも深い
ので、本社や親会社で整備し始めている内部通報制度との連携を確保しておかねば
なりません。セクハラ、パワハラ、契約条項の遵守など、うっかりすると落とし穴
が空いているものです。

●流行語は落ち着いても、文書化と証明作業は続く

物流がブラックボックスとか暗黒大陸とか呼ばれていて、監査担当や会計士の先生
にしても深入り出来ない部門であることが改めて認識されたようです。しかし、重
要な勘定科目も経営執行の最終現場であることも事実ですから、世間の常識には合
わせてゆく必要はあります。

分かりにくい運用プロセスは文書とチャートで整理し、情報システムとのデータ照
合がいつでも出来るように、さらにシステムダウンを防ぐためのリスク対策が欠か
せません。ますますやることが増えて、ため息と共に期待されていることの実感を
嬉しく思える時代になりましたね。


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