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2004/04/25

【物流現場 見たまま 感じたまま】NO.193

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 ロジスティクスコンサルタントの日記《まぐまぐID 0000006383》

【物流現場 見たまま 感じたまま】 2004 4/25 193号

『時間のクスリ』 在庫のことを思う方法

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○トリトンスクェアセミナーにご参加ありがとうございました

お花見のする余裕もないほどの春先に、突風で冷えた金曜日、わざわざお出か
けくださいましてありがとうございました。「知りたい物流知識Vol1」と
いうセミナーでのご感想はいかがだったでしょうか。
限られた時間での盛り込みが多く、はじめての方には???だったかも知れま
せん。ご質疑があればお寄せください。

○『全社で進める30%超 物流コストダウンマニュアル』定価5万円発売

アーバンプロデュース社より制作1年を掛けた物流マニュアル本が完成しまし
た。私の持論やツール・チャート・いつもの科白まで反映しています。いわば
遺すことができるすべてを入れたつもりです。A4ファイルサイズで445ペ
ージのボリュームです。
 http://www.urbanproduce.com/books/k/15.htm コンサルに出かけるといつ
も使う調査用紙や成果物(コンサルの結果を示すために納品する報告書)など
ふんだんに入れてあります。


●在庫問題をどこから考えますか

物流問題はコスト、精度、波動、品質などの他に在庫削減も悩ましい問題です
原因を調べたり、対策の打ち手を考えるのに、どんなアプローチがあるのでし
ょうか。

突き詰めていくと問題点は、ルール・組織・システムのほころびに原因があり
だから、その3つの視点で対策を浮かび上がらすことができるものです。

「決めがなかった」「役割分担が不明確だった」「手続きがバラバラだった」
などが原因する問題の発生はよくあることです。在庫削減も本来は「誰が」
「どの責任で」「どう見ていたか」ということで、過剰になった在庫問題の抑
制方法を考え出すことができます。

●在庫は何のためにあるのか

過剰、不良、欠品を在庫三悪といい、これらを無くすことと、なるべく在庫総
額を抑えることが物流目的になっています。物流現場では欠品が一番恐怖です
ね。過剰や不良、陳腐化も倉庫スペースが限られているので排除しなくてはな
らなくて、毎月営業部門や生産部門への働きかけをしているはずです。

ところが即効手段はあまりなくて、在庫削減・三悪防止運動は遅々として進ま
ない現実があります。商品分析を行って売れ行きの落ちたCランク商品を発見
できたとしても、急に生産や調達を止めることはできず、販売の促進を掛けよ
うとしても特売に採用されることはまれで、やはりお荷物になっているでしょ
う。

在庫は何のためにあるのか、と原点に戻ったとき、見過ごされていた視点があ
ります。それは、在庫は生産と販売の時間的リスクをカバーするためのヘッジ
だということと、それをどのように表現するかということです。

●今までの視点

在庫は金額で考えると資金の固定化と見ます。経理用語で在庫は未実現利益と
呼んで、すぐに処分すれば利益になる資産になっています。そんなことはなく、
時間とともに売却価値が下がる(陳腐化する)資産です。

また、物流資産と見ると在庫がなければ倉庫も少なくなり、物流コストの管理
費を削減する要素になります。(お荷物ですね)

普通は回転率(総在庫金額/販売額)で何回回転しているかと見ます。在庫は
資金の効率ということになっています。

在庫は生産や調達の活動の結果出来上がることになりますが、在庫理論や発注
技術、生産管理のメインでは資金リスク観点がほとんどです。

発注方式では欠品が起きないように、調達のリードタイムを考慮した発注点を
決めてそこに在庫水準がきたときに発注アクションを行うようになっています。
発注点は固定的に考えられていて、発注のタイミングを定期、不定期など説明
します。在庫理論も発注方式も資金や発注コストの経済性を基準にしています。

●理解されてきたか

在庫理論は、定期定量・不定期定量・不定期不定量という発注や生産の手法で
「経済的視点」ばかりが重視されてきました。在庫量の動きに対応する資金リ
スク回避の考え方です。

でも、その手法が色々な商材やお取引先、工場への連絡できちんとできていた
かというと、「人はその習慣を変えることはしない」を地でいくようにいつも
と同じやり方で、不定期・不定量の発注などするはずもありません。

売れ行き、在庫の読みなど、BCランクに落ちた商品群では真剣に取り組む余
裕がないから、いつも通りの量を指示することになっていませんか。

●分かりやすくする方法

在庫は時間のリスクなのだから、どの程度のリスクがあるのかを時間で示すの
が一番です。2トンあろうが、3000個あろうが、500枚ある在庫は、何
日分に相当するかを計算して、その程度を掴むことが一番分かりやすいです。


過去3ヶ月に出荷のあった日付を数え、その合計の数量を足し、一日当たりの
出荷数量を計算します。これが(移動平均に基づく)「出荷実績」です。

今日の在庫数量を「出荷実績」で割れば、在庫日数が出ます。さて、ABCラ
ンクの代表的なアイテムを、ざっと計算してみてください。在庫日数が傾向値
を示していれば、抑制が効いていると見なせますが、実際は0.5日〜150
日まで、恐ろしくひどく分散しているはずです。

アイテム別に計算するのは手間かも知れませんね。でも、手作業でやってみて
ください。繰越在庫数、出荷数、入荷数、「出荷実績」から在庫日数を計算す
れば、どれだけの時間リスクに対応しているかがわかります。

●時間のクスリ

会社で一番大切なのは、従業員の心と時間です。失ったら取り返しがつきませ
ん。スピリットとチャンスとも言います。それがあれば、発展も失敗もたいし
たことではないはずです。

「筋肉痛のおくすりを4日分出しておきましょう」と医者に言われてホットす
ることがあるように、「在庫を5日分にしておきましょうね」と決めてもらえ
れば、工場も調達も営業も物流も安心できませんか。

15日分あるのは生産をやめて、販売促進アラームを出しましょう
来週5日分を切りそうになったら、発注アラームを出しましょう

それだけで、全体在庫はどれだけ削減できるかシミュレーションするのは、パ
ソコンがあればできますね。経理部長にお願いしても良いです。資金効果をし
っかり計算できるはずですから。

営業さんには、特売する予定のアイテム候補を教えてもらいましょう。+2日
と在庫を多めに手配するようにすればいいのです。

全部のアイテムを見る必要があるのか、いいえBCランク品でいいです。
そんなにあるのか、いいえ情報システムで計算してもらえばいいです。
そのような考え方が正しいのか、いいえしょせんプラシーボ(クスリ)です。
効果は上がるのか、はい思惑や予想を排除していますから現実に近いです。

クスリの効果は抜群だと思います。およそ、総数で3割は減ります。

●仮説から現実へ

在庫は誰が見ているか。あなたの会社で在庫責任を議論してみましょう。
担当部署や責任者がいなければ、数える人もその数がどんな意味があるかを考
える人もいないことになります。

資金リスクと見るならば財務部門でしょう、時間リスクと見るなら営業部門で
しょう。代わりに計算だけするなら、物流部門が発表すれば良いですね。
情報部門にお手伝い願って、簡単なプログラムを〆処理に入れてもらえれば万
事解決、しかもすべての部門が幸せになります。

クスリは正しい用法で。

●●●●能力開発セミナー(熊本ポリテクセンター)でお会いしましょう●●●

 6月17,18日 熊本県ポリテクセンター(096−242−6613)
で、終日実務セミナーを行います。有料ですが1日講座ですから、あなたの現
実を取り上げて、コスト把握から改善の進め方を学ぶことができます。
 申込書や問い合わせはお電話でお願いします。
 詳しくは、http://www.ehdo.go.jp/kumamoto/P_kuma/p_kuma.html

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電子メールマガジン【物流現場 見たまま 感じたまま】
●発行者 花房陵  http://avance-tokyo.com
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