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2004/04/04

【物流現場 見たまま 感じたまま】NO.191

==========================================ご愛読者数 3630人============
 ロジスティクスコンサルタントの日記《まぐまぐID 0000006383》

【物流現場 見たまま 感じたまま】 2004 4/5 191号

『物流管理者の悩みその5』 お答えしましょう。続き

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参加無料講演会:『知りたい物流知識セミナーVol.1』

4月23日(金曜日)13:30〜

 ★★★ 物流とSCMを結ぶ効果 ★★★ と題して花房が講演します。

 ★★WMSとSCM、在庫削減への挑戦★★:エスエルシー 西田玲氏
 ★★そろそろ自動倉庫のリニューアル★★:日本アプト 中沢義和氏

主催:(株)アイテイフロンティア 03−6221−5502 
場所:晴海トリトンスクエア 
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●前号(3/25)に続き、皆さんがご興味のある物流問題に、答えをつけて
みました。ご参考にしていただければと思います。

セミナーQ&A(続編)

★敷地が狭いのでフォークでの操作が増えている<匿名>

→お困りの点は敷地が狭いのか、フォーク操作を仕方なくしているのかの2点
とその組み合わせでしょうが、時間軸で解決できないでしょうか。

狭い敷地で仕事をするには、分割していっぺんにしないようにする。とか、平
面が狭いなら空間を利用するようにパレットを積み込み順になるように積み上
げて作業を行う、倉庫の出荷口や工場からの出荷順を、トラックの積み込み順
に合わせる・変えるというのはどうでしょうか。


★毎日出荷トラック台数が多く、出荷検査ができずに積み残しが多い<匿名>

→出荷検査ができないことが問題なのか、積み残しが多いのが問題なのかがあ
りますね。
検査なしで後でクレーム・やり直しになるなら、予防策としても検査工程を省
いてはいけません。短時間で検査ができるような方法を模索する必要がありま
す。積み残しが多いなら、容量を前もって知り、それに合わせて車の手配がで
きるようにしなくてはなりません。納期の変更ができるのなら、積む前に順序
を決められるようにしておくことかもしれません。
仕事が多くてやるべきことができないなら、「やるべき仕事」の意味を変えて
しなくてすむようにするか、処理能力を上げる様に工数を工夫するか、簡便法
を探す必要がありますね。


★トラックドライバーがピッキングするので、誤出荷が減らない<酒販飲料>

→ドライバーでも簡便にできるようにするか、誤出荷の後処理工数や費用を試
算して防止するための増員、投資を考えるべきでしょうね。やり直しのコスト
は、2倍では納まらないはずなので費用対効果の試算ができると思います。
簡便な方法といっても、経費が掛かるはずですから、物流品質不良の経費は計
算しておきたい物です。出荷検査要員の代替費用もこの試算から捻出するもの
です。


★配送コースの効率的な編成ができず、積載効率が上げられない<酒販飲料>

→人間系での配車業務は40台が限界だと思います。日々これを超えるような
場合には、情報システムツールの導入を検討することが必要です。かつては、
配車マン50台で一人前と言われましたが、労務コストをシステム導入費用で
試算してみると、システムの価格が下がってきていますから40台でもペイで
きると思います。


★古い情報システムとの互換性を重視するので、抜本的な改革ができない
<通信IT>

→ゼロベースから見た抜本的なシステム構造にする費用と、接続、つなぎ、メ
ンテの費用を比較してはどうでしょうか。「古いシステム」とありますから、
古い=機能不足 ではないかと思うので、理想像はどんな状態なのかを示す必
要があります。(経営者に対してです)

古い=やりたいことができない ということが、如何に不合理か、販売の支障
になっているか、情報共有化の隠れコストになっているか、などゾロリと並べ
ることで、入れ替え・買い替えの効果を積算してはどうでしょう。
ERPシステムを導入べきか否か、という議論は各社がすでに経験しているの
で、システム雑誌にも記事がたくさんありました。類似の状況を探して、自社
の構造改革を提言してはどうでしょうか。仕事が面白くなりますよね。


★新卒採用を見合わせてきたために、ノウハウの蓄積が続かない<輸出入貨物
取り扱い>

→従業員の年齢ピラミッドが変形しているので、組織内の融通や風通しが悪く
なった、という話はよく聞きます。
社員が高齢化してしまい、引き継ぐべき人材がいなくなっていて世代ギャップ
が広がりすぎるという不満もあるようですね。でも考えてみれば企業はより少
ない経費で最大の売上げを目指すのが常なので、削るべき経費に新人採用が当
てられたのは不幸中の幸いかもしれません。入社時点で約束された中高齢にな
ったら高給取りよ、が反故になるより良かったのかも。

物流のノウハウは確かにあるでしょうが、社内に蓄積すべき知的財産は本当に
幅広いものなのでしょうか。
 より多くの物量をこなすための技術知識より、これから景気の期待できる産
業の荷主が行っている商談や製造の最新知識という新しい情報に貪欲なほうが、
「荷主を選べる物流会社の特権」を活かせるのではないかとも思います。
 定型化した固有技術や業界情報はむしろアウトソーシングの対象として、購
入するものではないでしょうか。物流の基本機能も保管や運送、情報処理とい
う専門性も、もしかしたらこれからは自由に調達できる分野かもしれません。
とすると、蓄積すべきノウハウは社風と価値観でありながら、実態は映画監督
のようなコーディネーション、プロデューサーの技能ではないかとも思えます。
 限られた人材ですべてをまかなうことは所詮不可能だと割り切り、単機能や
標準化された作業や技術は、その時々に購入するつもりの運営体制を敷くこと
のほうが得策だと思います。


★コストと利益はどちらを優先すべきか<匿名>

→売上げからコストを引いた残りが利益です。企業の経営目標は、本当は利益
にあり、そのためのコストや売上げの計画を立てることになります。
売上げは市場における得意先の自社に対する支持や評価の現れであり、利益は
同業他社と比べた自社の卓越性や優位性を表しています。コストと利益は比較
の対象ではなく、利益のためのコストであり、コストの構造であるといえるで
しょう。構造とは、実は時間のことです。短期のコストと長期のコストは意義
が異なります。それは金利や外部経済の不確実性に関わりますから、額よりも
期間なのです。


★物流子会社の設立の手法は。情報システムの順位は高いか<オフィス家具>

→物流部門を切り出して子会社にするのは、法人設立の手続きと同じです。物
流会社だからといって、許認可がことさら難しいわけでもなく、倉庫やトラッ
クを保有しない管理だけの物流子会社も多く存在しています。

事業の目的に、物流技術の専門性や物流コストの明確化を挙げた企業が多いよ
うですが、そうすると物流ITは、倉庫やトラックよりもはるかに重要な経営
資源といえるでしょう。
物流は価値を創造しないシステムですから、徹底的な標準化と単純化を目指さ
なければなりません。そういった物流子会社の企業風土を築き上げるためにも
情報システムがあるのとないのでは大きな格差が生じることが想像できます。
優先度は非常に高くしておいたほうが好ましいといえます。


★運賃値上げ要請への対応策は<匿名>

→運送企業を取り巻く経営環境は依然として厳しく、最近の制度改定に伴い車
両の投資や環境配慮活動のための内部コストがかさんできています。
設備投資の影響を荷主が負担すべき物なのかは、議論がありますが、事実とし
て承知しておく必要があります。
なので、運送企業における経営合理化のために、荷主としてはどのような協力
ができるのか という、パートナーシップに基づく意見交換ができる姿勢は持
ちたいものです。

 お宅の経営努力でしょう と、突き放すことが将来的に得策なのかどうかは、
分かりませんが、物流の改善や効率化は荷主側の視点と請負側の視点を合わせ
ることで新たな可能性が開けるものです。
値上げ要請の事情と同時に提案している改善計画や提言などにも耳を傾けるの
が作法として求められる時代になっていると思います。運送企業は自立的に運
送を行うわけでなく、荷主のリクエストに従って運送行為を行っているわけで、
原価要素の変更(たとえば車両費の増加)は、別の原価要素(たとえば労務費)
の低減につながらないかをともに考えるべきでしょう。


★輸送事故削減に、どのような働きかけが必要か<匿名>

→安全運行には車両点検とドライバーの意識レベル、技能が欠かせず、何より
自然体での業務遂行が求められます。いつものように、あわてず、落ち着いて、
先を読みながら、事故の可能性を予知した業務を行うには、いわば体で覚えこ
む必要が十分にあります。そこで、私は車両や貨物の取り回し、運行などにつ
いての競技会が欠かせないと思います。

危険予知会議のように先輩ドライバーの情報を共有化し、体験し、自らの経験
に移し変えることも必要です。スローガンや責任・褒章論より、実地、体育、
経験談といった現実的な予防策が必要で、定期的に行われているかの余裕の管
理が必要でしょう。


★伝票と現物チェック照合、伝票なしでの商品移動など基本ができない
<匿名>

→問題の発生には原因があり、原因は3つの要素に別れます。それは、?ルー
ルの欠如、?組織の不全、?システムの欠陥、という物です。
だから改善計画は、ルール化、組織化、システム化によって分類され、詳細の
検討もこの3つの観点で行われることになります。

基本動作に不全がある状態では、ルールを守れないのか、ルールそのものが公
認されていないのか、ルールがあっても権限が組織に付属していないのか、組
織の目的にふさわしいルールやシステムが存在しないのか、という点検が必要
です。システムという課題は何も情報システムに限ったことではなく、仕事の
手順やプロセス、工程が目的にふさわしいものになっているかという観点での
評価です。
伝票とモノが不一致であったり、伝票なしでのモノの移動は、その証拠がどこ
にも残らず責任問題が生じます。管理部門としては盗難予備軍を常住させてい
るのと同じ環境であることを認識しなくてはなりません。

いずれの企業でも最低限のモラールとして、社内伝票はカネと同じ取り扱いを
求められます。それができないなら、江戸時代の大福帳までさかのぼり、すべ
ての権限を帳元に持たせなくてはなりません。番頭の許可がなければ、出入り
も持ち出しもできないというたとえ話はどうですか?


★在庫がマイナスでも販売売上が可能なシステムがおかしい<匿名>


→物流管理専用の情報システムでは、在庫は正の整数と定義されていますが、
販売管理やその他のソフトでは在庫は便宜上の運用を許すことができるように
なっているものです。いわば、在庫更新のタイミングまでは返品や入荷の計上
が在庫の更新につながらないので、過不足を許すという運用です。

情報システムが厳然たるルールであって、運用に大きな制限を加えるべきかど
うかは、システムの性格と運用方針に求めるべきです。
所詮情報システムは運用に利用する道具に過ぎませんから、道具の不都合を越
えたところに運用ルールを設ける必要があります。
 在庫がマイナスになると、物流作業上の障害が出るのであればその対策とし
てシステムを改良すべきものであって、道具に運用が左右されるのは転倒して
いるということになります。


★時間単価精算のアウトソーシングで、双方にメリットのある契約方法は
<写真用品>

→アウトソーシング契約は個建て制や時間制があるようですが、重要な点は請
負なのか、指揮権や管理権限をどちらが持つかによります。
つまり、請負方式なら方法や手段を問うことができず、結果だけに注目してい
ます。契約の更新時期に限って交渉として、メリットの攻防が生まれます。

業務委託や時間制ならば、手段や手法などの運用に双方の知恵の出しどころが
残されており、改善や変更が自在にできます。
仮に委託側が改善の目標を定め、受託側はそれ以上の成果を生み出せれば双方
ともにメリットを享受できます。目標設定で双方で握りを行うわけです。
標準目標、努力目標、理想目標というところでしょうか。それによって、目標
到達意欲が受託側生まれれば双方メリットの可能性があります。


★物流の品質向上具体策は<匿名>

→品質は確率で測られるものです。歩留まりとかロス率とかで、処理量に比例
するものでしょう。したがって、発生を予測することが可能になりますから(
確率とは発生条件があるから)それぞれの条件での改善対策を優先順位を付け
ていくことになるでしょう。

ミスの原因は過去の事例と現在の予測によって発生のメカニズムというか、前
提条件が分かるようになっています。そこで、それらの原因となる要素や条件
をひとつずつ手を当てていくことが具体的な対策になります。事故や品質不良
の原因には、さまざまな要素が絡む物で一律的に対処することは不可能でしょ
う。過去の事故や品質不良は、対策を施さねば必ず再発しますので、順々に再
発予防を積み上げていくことが必要です。

また、逆説的ですが時間と手間を惜しまなければ、ダブルチェックを繰り返す
ことで「高度な品質」を維持できますが、コストと時間という資源の制約はど
うなるでしょうか。品質もコストに関連していることに気づくことが、はじめ
の一歩だと思います。

★物流拠点を分散配置してきたが、統合すべきか<食品卸>

→ご質問では従来の納品サービスがコスト増を招くようになっていて、続ける
べきか統合すべきかという課題でした。確かに在庫拠点が多ければ多いほど、
食品のようにリードタイムが重視される物流ではサービスも販売も容易になり
ます。しかし、収益あっての事業活動ですから顧客の要望に無制限に応え続け
ようとすると自社の疲弊になるのは確実です。


★購買業務の担当品目数はどれほどが限界か<精密機器>

→一人でどれだけの商品を管理することができるか、という時に参考になるの
は、人間の記憶力でしょうか。物流現場では600アイテムならそれらがどこ
にあって、どれほどの在庫状況かを記憶できると言います。

スーパーの棚に入っている商品の発注タイミングも、300程度までは1つの
シマに収まるのでパートさんでも大丈夫といいます。配車マンの管理できるド
ライバー人数は50人が限界か。先生は45人の生徒の面倒しか見られない。
どれほど詳しく管理するかによりますが、多くの数の管理方法は分割という手
法に尽きてしまいます。つまり、20:80とか10:50というABC分析
で利用する技術です。2割が全体の8割に影響しているという偏向の理論です。

管理技術は記憶だけでなく、パソコンを利用するのが当然でしょうから、この
動きの偏向を見るように仕掛けておけば、管理対象はどんどん広げることがで
きるでしょう。警告のシステムを組み入れることです。


★納期品質管理の改善に必要な施策とは<精密機器>

→製品の納期遵守率という課題にも前の質問にある手法を採用して、SCMサ
ービスレベルを上げることができます。つまり時間と共に変化していく受注傾
向をABC分析によって、仕掛品や完成在庫の即納体制から生産計画の管理レ
ベルを操作していくことになります。受注分析をしなかったり、在庫の基準設
定を即納可能日数(一定過去の受注データから、何日分の受注に対応できるか
で在庫量を決めるSCM在庫設定の手法です)によって、納期サービスを定め
る考え方です。

大切なことは一律の納期遵守がサービスではなく、自社の顧客の評価に合わせ
た「上得意には特別のサービスを」という販売戦略です。忙しい忙しい、遅れ
たといっても、すべての顧客に同じ満足を与えるのは不可能なことだし、それ
を目指すと何より従業員満足が疲弊しますよね。
できることが限られるから、どこに注力するべきかを振り返ると、案外気が楽
になりませんか。

●お寄せいただいたみなさんの課題やご質問にお答えしました。

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●発行者 花房陵  http://avance-tokyo.com
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