2004/03/25
【物流現場 見たまま 感じたまま】NO.190
==========================================ご愛読者数 3630人============ ロジスティクスコンサルタントの日記《まぐまぐID 0000006383》 【物流現場 見たまま 感じたまま】 2004 3/25 190号 『物流管理者の悩みその4』 お答えしましょう!! =================================== ●みずほセミナー大盛況でした ご参加くださった42名の皆様。本当にありがとうございました。 皆さんがお知らせくださった「問題意識」は、とても興味深く、読者にも感心 が深いと思いました。 そこで、当日十分な回答ができなかった反省をお許しいただき、紙上で回答い たします。 ●セミナー参加者の問題意識 ★2t車運賃の基本料金で2万円/日は妥当か<印刷業> →車種や付帯業務の複雑さにかかわらず、ドライバーの給与は売上の50%以 上を占めていますから、拘束時間がどれほどかで日建て運賃の比較ができます 8時間拘束として、1万円だとあなたは働きますか? 距離と重量で公定運賃は定められていますが、実態は出退社の時間でしょう。 運賃の削減要素は、拘束時間の節約にあります。配送のスタート・エンドを 調べる必要がありますね。 ★チェーン展開している小売店への配送に宅配便を利用しているが、他の手段 は<写真用品> →チェーン展開なら店舗密度の高い地域もあるはずですね。特に首都圏なら、 物流拠点からも近接ですか。それならルート配送の方が宅配運賃より遙かに低 減できるはずです。比較見積をするべきでしょう。 ★徹底的な物流コスト削減はどうするか<輸出入貨物取り扱い> →コストダウンには4つの観点があります。機能や性能が十分か、効率的か、 そのコストは有効か、負担するのは誰か。という見方をすると、意外と有効で ない物流コストが執行されていることが多いようです。運営の場合には時間の ムダや時間単価のムダ(熟練と標準化)があります。単価比較や値下げでない コストダウンもまだまだ余地があるはずです。 ★ICタグを利用した棚卸しは可能は、費用は<通信IT> →高級ブランドショップで品名タグに埋め込まれたICを、外部からスキャナ ーで読みとる方法がありました。物流現場では医療医薬品で採用されたそうで す。日本ではタグの価格はまだまだ高く、実用化に向けての実証実験が多いよ うです。 ★コスト単品管理の手法<匿名> →まさに物流ABCの理論によって、商品ごとや荷姿ごとの物流費が算定でき ます。作業日報やデータの収集は大変なので、サンプリングを実施することで 類推になります。 ★物流マンの意識が低く、指示には従うが応用力がない<家具金物> →動機や意欲は環境によって与えられるモノで、自ら生まれるモノではないよ うです。理念・ビジョン・ミッション、人は理由がなければ動きません。 ★ルールを守るか、得意先を優先すべきか悩む<匿名> →自社にとって優良な得意先ならルールも変える。すべての顧客に対応するこ となど、民間企業では不可能です。良い顧客と良い関係を作るために、自社は 限られたチャンスを活かすべきでしょう。 ★現場をアウトソーシングしたので、安易に委託先を変えられず競争原理がな くなった<通信IT> →長期契約があろうとなかろうと、物流委託は高額な購買業務ですから毎年、 仕様の変更や提案を受ける権利があります。3日で配送会社を変えるなど、日 常茶飯事ではないでしょうか。出荷を止めずに倉庫移転だってやってのけられ ます。 ★物流部門から、他部門への情報発信、働き掛けの方法に悩む<写真用品> →送るべき情報はマーケットと顧客の動向です。ならば、皆聞きたがります。 物流のわがまま と取られるような情報には、誰も耳を傾けません。 社内は取引で動く、やっかいな顧客とあきらめることです。 ★納品の時間指定が厳しく、効率化とCSが対抗する<オフィス家具> →八方美人のようにすべての顧客に最大の満足を与えることは、不可能と見切 ることが必要。そこで、重要な顧客に最大のサービスを心がけることが物流戦 略として挙げられる。効率とCSは、この点でバランスが取れる訳ですが、許 されないことが往々にしてあります。受注部門というか営業部との掛け合いが 不可欠で、納期指定のサービスを提供するコストを明らかにすることで、商談 におけるサービスレベルの引き下げが可能になる例があります。 もともと納品等の物流サービスが、どれほどのコストになっているかを営業に 知らせていないという情報の共有化に課題はありませんか。 ★OEM製造供給のため、指定倉庫が増えている。統廃合の手法は<匿名> →物流業者の指定のことだとすると、商談面での政治政策なのでしょうか。 納期納品サービスに遜色がないように統合化することで、自社のコストメリッ トを価格や営業面でお客様に提供することは考えられませんか。 帳合い先の増加は管理コストになっているはずなので、統合集約の効果を反映 させることができるはずです。物流では競争しない、ギブアンドテイクの提案 を考えてみてはいかがでしょう。 ★製造業であるが少量直送翌日納品を要求され、倉庫のようだ<匿名> →製造直販の事業が生まれたと喜ぶのではないでしょうか。メーカーのリスク は在庫にあって資金が枯渇しますよね。そのために生産計画をだんだん短サイ クルに向けて高度化してきています。流通業者さんは商品力や営業力を認めら れなくなり、物流性能で商談が左右されています。メーカーさんも物流性能が 上がれば、直販のチャネルがどんどん広がります。物流技術を習得して、物流 サービスメーカーになることを考えていただきたいです。 ★アウトソーシングの構成比の改善。どうしても集中してしまい、リスクが 高い<オフィス家具> →小売業ではいつも商品構成を見直して粗利ミックスの最大化を図ろうとしま す。ヒトも毎年健康診断で弱さを押さえようとしますよね。事業の外注化も購 買業務の一環で、取引先の選定には毎年評価会を行ってもふしぎではなく、ま た適正購買のためにも不可欠と思います。契約期間の縛りがあろうとなかろう と毎年の年度替わりには、メリット評価、リスク評価が欠かせません。 要求仕様を整理して、新規事業者からの提案を受け入れたいモノです。委託先 の自社比率が上がってくると、癒着・馴れ合い・万が一のリスクがレッドゾー ンになります。適正な比率は難しくとも、安易な業務集中は購買の観点からも 批判されます。オープン化を進めるべきでしょうね。 ★物流業としてのコスト削減提案能力の向上<物流> →物流業者さんは時代のヒーローとなっている荷主さんを選ぶ特権があります。 これを使わない手はありません。が、叱られるので口には出せませんから、荷 主業界の知識を吸収して、「より速く作り、より速く確実に売るための」物流 を提案することが、コスト低減よりも価値あるパートナーとして認められます そこに至るのは難しくとも、消費者や購買の立場には立てるので、営業面や 製造面に対しての建設的な提案はできるはずです。そのために荷主の商材を徹 底的に好きになり!詳しく業界を知ることです。 コストダウンには取引に似た前提条件があるもので、それを見つけるためには 商流に詳しくなる必要が絶対あります。 ★SCMで本当に情報の共有化が可能か。その施策は<物流> →SCMには段階があって、恐らくレベル2の販売先と営業・物流・製造とい ういわゆる社内SCMのことを指していますよね。少なくとも販売可能な在庫 情報をリアルタイムで共有化することは、可能になるはずです。そして、在庫 削減のために週次での生産計画、週次での販売計画を部門で共有化しなくては 自社の在庫削減につながりません。在庫数や在庫金額でなく、実需に応じた販 売可能日数で在庫情報を共有化すると、各部門の興味も関心も一気に上がりま す。当然、過剰在庫の在処も分かるようになり、情報の共有が資産の削減につ ながります。そして、資金繰りが良くなります。 部門に共通の関心がなくては、いわゆるバカの壁がいつまでも外れないので、 共有情報を与えても誰も関心を示さないということになります。 ★SCM構築を指示されているが、その方法論は<匿名> →前問にあるレベルの想定と、流通在庫の削減方法は大きく分かれます。製造 工場での完成品在庫は、中央倉庫がある限り一切無用になるような在庫計画を 立てる必要があります。つまり、製造は週次計画による生産を行うように、仕 掛かり在庫だけを見て、中央倉庫以下の倉庫では販売必要数だけの在庫を持た せるように段階的に上位に移管してゆきます。 この総在庫削減のプロジェクトと部門情報共有化のプロジェクトは同時に同 じヒトが担うことはできません。分離して並行進行させる必要があります。 以下は次号でお答えしましょう、 ★敷地が狭いのでフォークでの操作が増えている<匿名> ★毎日出荷トラック台数が多く、出荷検査ができずに積み残しが多い<匿名> ★トラックドライバーがピッキングするので、誤出荷が減らない<酒販飲料> ★配送コースの効率的な編成ができず、積載効率が上げられない<酒販飲料> ★古い情報システムとの互換性を重視するので、抜本的な改革ができない <通信IT> ★新卒採用を見合わせてきたために、ノウハウの蓄積が続かない<輸出入貨物 取り扱い> ★コストと利益はどちらを優先すべきか<匿名> ★物流子会社の設立の手法は。情報システムの順位は高いか<オフィス家具> ★運賃値上げ要請への対応策は<匿名> ★輸送事故削減に、どのような働きかけが必要か<匿名> ★伝票と現物チェック照合、伝票なしでの商品移動など基本ができない <匿名> ★在庫がマイナスでも販売売上が可能なシステムがおかしい<匿名> ★時間単価精算のアウトソーシングで、双方にメリットのある契約方法は <写真用品> ★物流の品質向上具体策は<匿名> ★物流拠点を分散配置してきたが、統合すべきか<食品卸> ★購買業務の担当品目数はどれほどが限界か<精密機器> ★納期品質管理の改善に必要な施策とは<精密機器> ====================================================================== 電子メールマガジン【物流現場 見たまま 感じたまま】 ●発行者 花房陵 http://avance-tokyo.com ☆ご感想、ご意見、ご質問をぜひ! mailto:hanabusa@avance-tokyo.com ========================================================================== このメールマガジンは、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』その他を利用して 発行しています。購読の中止、送付アドレスの変更登録はそれぞれの発送システム でお願いいたします。


