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2009/10/22

日刊デジクリ[#2728] ボンドより年上の巻

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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.2728    2009/10/22.Thu.14:00.発行
 http://www.dgcr.com/    1998/04/13創刊   前号の発行部数 13665部
 情報提供・投稿・広告の御相談はこちらまで     mailto:info@dgcr.com
 登録・解除・変更・FAQはこちら  http://www.dgcr.com/regist/index.html
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         《これほど突然の別れは全く予想外》

■わが逃走[53]
 ボンドより年上の巻
 齋藤 浩

■電網悠語:日々の想い[135]
 CMSな人:RCMS、SOYCMS、TYPO3、eZ Publish
 三井英樹

■つはモノどもがユメのあと[09]
 mono08:モノ誕生の瞬間「Apple PowerMac G4 (Gigabit Ether) M7892J/A」
 Rey.Hori

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■わが逃走[53]
ボンドより年上の巻

齋藤 浩
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20091022140300.html >
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みなさんコンニチハ。なんとも過ごしやすい季節です。暑くもなけりゃ寒くも
ない。食べ物(主にモンブラン)も旨い。

そしてなんといっても布団! 私は無類の布団好きなのだ。あたたかい布団を
かけて寝られる幸せ。真夏に暑さと引き換えに布団をかける喜びを味わってみ
たところ、翌朝シーツが汗で人の形に濡れていたりしたものですが、こう涼し
くなってくると思う存分掛け布団を味わえ、しかも寝苦しくない。すばらしい。
秋は私が最も好きな季節なのです。

とはいえ、私が現在使用しているものはかなり使い込んでいるため、布団にし
ては重く、硬い。いずれお金が貯まったらやわらかい布団を買って、思う存分
睡眠を楽しみたい。しかし、重い布団にも愛着がある。というか、長い間使っ
ていると魂が宿るような気がして捨てられなくなったらどうしよう…などと物
思いにふける(=妄想する)今日この頃です。


そんな私は、秋も深まってくる頃になると毎年1コ歳をとるのだが、今年は大
台に乗ってしまうということで、少々緊張しているのだ。ちなみにシジューに
なります。

思えば小学5年生のときに磯野カツオの年齢と並び、翌年彼より年上となって
しまったショック。そうこうしているうちに高校野球の選手が年下になり、女
子大生が年下になり、サザエさんが年下になったと思ったら、あっという間に
ギレン・ザビの年齢を越えた。

そしてついに、バカボンパパまであと1年か。人生はあっという間だな。とは
いえ、シジューになる緊張も、30歳になるときの恐怖にくらべれば大したこと
はない。

10年前、独立したてのフリーのデザイナーだった私は、本当に30歳になること
が恐かった。子供の頃から30イコールおっさんという概念が植え付けられてた
し、30といえば分別のある大人なイメージがあったのだ。

「ところが今のオレときたら中2のときから価値観も美意識も全く変わってな
いじゃないか! こんなことでいいのだろうか…。」と、けっこう真面目に悩
んでしまっていたのだね。

30といえば、人の親になってる人も多いし、仕事においてそれなりに責任のあ
るポストについている人も少なくない。にもかかわらず、当時の私は中2のと
きと同じようにYMOを聴きまくってガンダムを見て、エロ本から好きなページ
を切り抜いてはファイリングしている。こんな人間に30の称号を与えては世の
中のためにならないのではないか。

とはいえ、1999年の7の月には恐怖の大王が降りてきて人類は滅びるので、残
り9か月の人生はやりたいことやって過ごして苦しまないように死ねるよう努
力しよう、なんてことも考えていた。結果として恐怖の大王らしき人は降りて
こないでそのまま歴史は21世紀になってしまい、今日に至る訳だ。

で、このあっという間の10年間を振り返ってみたところ、未だにYMOを聴きま
くってガンダムを見て、エロ本から好きなページを切り抜いてはファイリング
している。なーんだ、同じじゃん。なら平気だ。

と、今回は気持よく開き直ることができたのです。そういった訳で、今回はそ
んなに恐くない。ちなみに私の誕生日は今週の土曜日です。おめでとうのメー
ルは下記まで。

てなことを書いていたら、いままでの人生が走馬灯のように脳裏に浮かんでき
た。なかでも小学生の頃の記憶って奴はリアルに覚えている。

先日、古本屋の店先で(オレ的に)当時の思い出に直結するとんでもないもの
を見つけてしまったのです。ハヤカワ・ポケットミステリーブックスのシリー
ズでイアン・フレミングの007シリーズ原作本を6冊、しかも全てオビ付き、う
ち1冊は函つき! 非常に状態もよく、全て初版。気がついたらもう買ってま
した。

さて、私がジェームズ・ボンド/007を知ったのは、スーパーカーブームの頃だ
ったと思う。当時の最新作『私を愛したスパイ』で、ボンドが乗る潜水機能を
持ったロータス・エスプリが話題になったのだ。

で、その後テレビで放映される映画シリーズを片っ端から食い入るように見て
(当時はビデオなんかなかったから、視覚と聴覚に神経を集中させ、脳に記憶
させていたのだ)、初めて劇場で見た作品が『ムーンレイカー』。数ある007
シリーズの中でもこのムーンレイカーという作品は、ボンドがスペースシャト
ルに乗って宇宙ステーションでレーザーガンを撃ち合うという超トンデモ作品
なのだが、小学生にはカッコいい大人の世界に見えてしまったのだ。

で、ますますボンドが好きになり、次回作『ユア・アイズ・オンリー』で生涯
ボンド好きが決定した。このユア・アイズ・オンリーという作品はちょっと前
まで007俺ベストランキングの3位にいた名作で、前作のトンデモ感を反省した
のか、都合良く助からない演出や秘密兵器に頼りすぎないアクションシーンが
とてもイイ。

と、話が映画に行き過ぎてしまった。本題は原作小説なのだ。小学生当時から
オタク気質に溢れていた私が、もっとボンドを知るために原作小説に手を伸ば
したのが5年生のときだ。

早川文庫なんか近所の書店には置いてなかったので、バスに乗って駅前の本屋
まで行って『007は二度死ぬ』を買った。背表紙は赤で、表紙にはショーン・
コネリー主演の劇場版の写真が使われていたと記憶している。で、早速読みは
じめたら、なんかもう、何が書いてあるのかわからないのだ。

その頃からすでに(乱歩の少年探偵シリーズは楽しく読めるのに、ルブランの
怪盗ルパンシリーズは読むのが苦痛という)翻訳物苦手傾向が表れていた私だ
ったが、とくにこの訳者の文体が体に合わなかったようで、ひとつの文を読み
終えたときには既にアタマの部分の記憶がない、といった状況で、結局20ペー
ジも読まないうちに挫折した。

その四半世紀後、瀬戸内を旅していた私は直島を舞台にしたボンド小説がある
ことを知る。フレミングの没後、レイモンド・ペイスンによって書かれた『赤
い刺青の男』という作品で、読んでみると『2度死ぬ』の後日談的なところも
あり、けっこう面白かったのだ。そう思うや否やas soon as、四半世紀の時を
超えて、再びボンド小説のマイブームがやってきた。黙々と読みまくる。

新作数冊と創元推理文庫から出ているフレミング作品は全て読むことができた
のだが、当時ハヤカワから出ていたものは絶版なのか(?)結局手に入らず、
いつか読むことができるだろうと思っているうちにマイブームも沈静化してい
っのだった。

そんなとき、この出会いですよ、あなた。『黄金の銃を持つ男』『ゴールドフ
ィンガー』『死ぬのは奴らだ』『ドクター・ノオ』『サンダーボール作戦』
『女王陛下の007号』。読みたかった作品が一度に全て手に入った。こういう
ときに「人生ってすばらしい」なんて思ってしまう。

で、早速『黄金の銃を持つ男』を読んでみると、瞬時に小学5年生当時のこと
をリアルに思い出したのだ。
「こりゃ読みにくい!」

さすが昭和40年発行。超古くさい表現の中は差別用語だらけ、誤植も多数、さ
らに言語を超越した造語など、いまでこそ楽しめるけど、こりゃ小学生には無
理だったなあ。差別用語に関しての発言は控えるとして、とくに印象的だった
表現および誤植を紹介しよう。

この作品で007号ジェームズ・ボンドは、ピストルの達人の殺し屋スカラマン
ガを倒すべしとの命令を受けて、ジャマイカへと向かう。で、現地でスカラマ
ンガとギャングの親分との密談のシーンがあるのだが、その会話の訳に驚愕し
た。ちょこっと引用すると……。

「Sの字、いやな話があるんだ。ハバナの私の情報センターから今朝電話があ
った。むこうはモスクワからじかに聞いたというんだ。そいつはー」
え?? 『Sの字』って何???? ひょっとしてスカラマンガのこと???
スゲー!!!

この1行で思いっきりやられました。八兵衛さんや三次郎さんを「八の字」
「三の字」と呼ぶのは日本の時代小説などで定番ではあるが、スカラマンガ氏
を『Sの字』とは恐れ入った!!!

そして誤植だ。今回最も凄かったのは、以下の一文。

ボンドはちらっと時計をのぞいた。ぶらぶ揚らと引げる。

「ぶらぶ揚らと引げる」!! これはなかなかお目にかかれない、文字どうし
の激しい交錯。なんか活字ゆえのおおらかさを感じるなあ。などなど。

その他、細かい点を挙げたらきりがないけど、まあ、確かに読みにくいのだっ
た。とはいえそれはそれってことで、けっこう楽しく読むことができた。映画
と小説は内容が全く違っていたということもあり、クラシックのボンド映画の
未公開フィルムを見るような感覚で楽しかった。

その後一気に2冊読んだが、まだ残り3冊もある。という訳で、もうしばらくボ
ンドと冒険ができるシジューの秋。しあわせー。

【さいとう・ひろし】saito@tongpoographics.jp

1969年生まれ。小学生のときYMOの音楽に衝撃をうけ、音楽で彼らを超えられ
ないと悟り、デザイナーをめざす。1999年tong-poo graphics設立。グラフィ
ックデザイナーとして、地道に仕事を続けています。

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■電網悠語:日々の想い[135]
CMSな人:RCMS、SOYCMS、TYPO3、eZ Publish

三井英樹
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20091022140200.html >
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サイトのデザインをするということは、見栄えについての悩みを解消するだけ
にはとどまらない。文字通り、「デザイン=設計」であり、様々な事柄の設計
を担当する。開店前に、開店後の日々の状況を考えるのも、そのひとつ。「運
用」は大きな課題であり、先読みして負荷軽減を図らないと、みるみるサイト
が劣化してしまう。情報は鮮度が命、Webサイトでは運用がその動脈である。

そのサイトという生き物を支える骨格が、運用システムであり、広義のCコン
テンツ・マネージメント・システム(CMS)と呼んでよいだろう。CMSは手作り
の独自システムから、製品、オープンソース(OSS)まで、値段も機能も千差
万別である。自分達の運用体制に適したものを探すこと自体が難しい。

クライアントにとって難しい領域は、即ちWeb屋が頑張る領域でもある。折に
触れ提案を求められる。ということで、日々それなりの調査を重ねている。自
分達の得意分野を押さえつつ、日進月歩の技術とコンセプトを追う。今回は、
そんな中で出会った方々を軽く紹介したい。

●真摯な視線のKさん@RCMS

先輩社員から伝え聞き、デジクリ読者の方も絡んでいたので、勉強会に参加し
た。会場は、SINAPさん。外見は普通の住宅なのに、中はまさに絵に描いたよ
うなデザイン会社。足を踏み入れるだけでワクワクする。

そこで語られた「RCMS」は、「世の中の9割のWebサイトはシステム化できる」
というコンセプトの下に開発されたもの。サイトに行けば実感するが、主とし
てSaaS型のもの。インストール等の手間から開放され、様々なサポートがオン
ラインで受けられる。何より感心するのが、その試用版のラクチンさ。少々情
報を入力したら、約5分でサイトが出来上がり、管理画面へのログイン情報と
ともにmailで連絡が送られてくる。

コンセプト的なお勉強はした方がいいし、細かなカスタマイズにはSmartyをか
じっておく方が良い。それでも、サイト内にある動画やマニュアルでかなりの
ことが自習型体験が可能なようにできている。

勉強会での説明は、派手目な演出もなく淡々と進む。でも質疑になった途端に
視線が変わるのに気がついた。質問者の目を見る姿勢が真摯。できること、で
きないことを明確に分け、じっくりと説明してくる。まさにマンツーマンのサ
ポート。なんだか良い。サービス精神に溢れたサイトの原点なのだろう。

・CMSならRCMS─あらゆる要望に応える最強のCMS
< http://www.r-cms.jp/ >
・SINAP─株式会社シナップ
< http://sinap.jp/ >

●ニーズが聞きたくてたまらないFさん@SOY CMS

会社にわざわざ来てくれたので勉強会に参加。「SOY CMS」。実装可能かを問
うたびに、それ作りますという答えがすぐさま返ってくる。いやいや大丈夫か
いと、こっちが心配するほどにアグレッシブ。ユーザが望むもので理にかなっ
ているものなら、瞬時を置かずに実装してしまわないと気がすまないみたいだ。

物腰も柔らかく、そして若い。私のようなオジサン世代にとって、プラグラマ
ブルな方というのは、どっしりとして話ベタなイメージがあるのだが、真逆の
位置に感じる。だって作れるんだもん、作ってしまいましょうよ。そんな元気
な声が聞こえてくる。

サイトに行くと、元気でシンプルな画面が目に飛び込んでくる、デザイナとの
親和性の良さは、ググれば随所に書かれている。既存サイトの移行も比較的容
易という点も嬉しい。しかもOSS。

・使いやすい! 簡単便利で高機能なSOY CMS無料で公開中
< http://www.soycms.net/ >

●惚れ込んだんですとオーラを発するSさん@TYPO3

mixiマイミクの日記から辿り着いたCMS、「TYPO3」。最初の勉強会は、マンシ
ョンの一室。ホントにここでいいのかと疑いながらドアを開け、結局終電まで
色々と話す。日本では未だ知名度は低いけれど、欧州でのシェアは高い。

TYPOスクリプトでかなりかゆいところに手が届く(そうだ…未だ体感できると
ころまで勉強が進んでいないので伝聞)。別言語を憶えなければならない敷居
の高さを嫌う人も多いけれど、最終的に色々と手を加えて行くのであれば、何
かしら憶えなければならないのではないかと思っている。「色々やってもでき
ない壁」と「色々と勉強すれば何でもできる」のバランスが鍵だろう。製品自
体も、本体のエンジン部分と、プラグイン部分とに大きく分かれ、プラグイン
部分の開発が作り手の腕の見せ所。多元語系で発達した経緯からも、その辺り
の配慮も強め。

ご本人は、英語ができないというが、マニュアルや教本系の充実度は、圧倒的
に英語と独語。これをモノにするのに、言語の壁を避けられる訳はなく、凄い
努力を重ねたと創造するのだが、どこか飄々としている。

プレゼンも、はにかみながら人見知りっぽいという印象。人と話すよりもコー
ドと格闘している方が好きなのかもしれない。それでも自分の壁を越えようと
チャレンジを続けている動力源は、TYPO3への熱愛なんだろう。

ちなみに、製品名はタイプミスから来ているのではなく(笑)、タイポグラフ
ィが由来。で、Versionが上がっても「TYPO3」で行くようである。現在Ver.4
に向けて開発が進んでいる。

・CMS TYPO3 スタイルチューン株式会社
< http://www.typo3.ne.jp/ >

●ヘタレですからと謙遜する眠らないエンジニアFさん@eZ Publish

TYPO3つながりで知ったCMS、「eZ Publish」。最初の勉強会では、短時間で実
際にblogを作って見ましょうコースを実演。最初に言った時間を少し越えてし
まったけれど、作りきった手さばきに熟練プロ根性が見え隠れ。でも、タイピ
ングの手を止めずに、私はヘタレなので……と謙遜する。彼がヘタレならと思
うと、もっと頑張らねばと思ってしまう。スケジュールを聞くと、日本中を飛
び回って伝道している。なみのタフさではない。

次に凄さを感じたのは、TYPO3の勉強会。キチンと競合分析をしている姿が新
鮮。いつも使い慣れている製品のベンダーは、理由は分からないが競合製品を
余り見ていない。でも、ユーザは色々と試行錯誤しているものである。それを
実際に分かっているのだろう。しかもTYPO3のSさんとも仲が良い。シリコンバ
レーで、競合エンジニアがバーで談笑するような感じ。正攻法で情報交換して
いる姿は清清(すがすが)しい。

・eZ Publish─Open Source Enterprise Content Management System(CMS)
for web content management solutions
< http://ez.no/jp >

■ 
さて、我がbA < * http://www.b-architects.com/ >は、クライアントに合わせ
た、最適な個別コミュニケーションの手段としてのデザインを提案/実装する
会社だ。クライアントの状況、対象ユーザ、伝えたい事柄などを、一つ一つ絞
り込み吟味して唯一無二の実装を行う。だから企業ブランドと合致した多くの
サイトは、少なくとも他のサイトよりも寿命が長い。根幹にブレがないと、古
びない。

それでも、いや、それだからこそ情報の汎用化には取り組まざるを得ない。様
々な情報の形や大きさを、毎回異なる形でユーザに提供するのは、学習効率上
よろしくない。同じ意味のものは同じ形で、似た意味のものは似た形で類推を
喚起する必要もある。

情報の独自性と汎用性。このバランスは、おそらくどのような情報提供の場合
でも考えなければならず、弊社は前者から取り組み、CMS業界は後者から取り
組んでいっているのであろう(余り知られていないが、MTはかなり強い。エン
ジンよりも拡張の方がでかい納品物も多い)。

共通しているのは、お役に立ってこそという気概。ユーザ(利用者)がどうし
て欲しいのか、クライアント(発注者)は何がしたいのか、そこに対する姿勢。
誰が喜ぶのを良しとするか。

CMSというシステム自体の比較も面白いが、それぞれを背負って立っている人
の姿も味がある。そして良く見ると、そのひととなりが製品にも出ているよう
な気がしないでもない。

グラフィックデザインという分野の方が、ぱっと見の存在感はあるのだと思う。
しかし、敢えて伝わりにくい「情報の仕組み」に取り組む人たちが居る。会社
ごとにそれが異なる手順で行われていることを百も承知で、それでも情報の仕
組みの「あるべき論」を忘れずに挑んでいる。そして、様々な見せ方もある。
論理説明あり、動画あり、アニメーションあり。デモや体験環境の提供。多種
多彩なアプローチの仕方そのものも面白い。

恐らくCMSは、どれが一番巧く作られているかランキングではなく、どれが一
番自分にフィットするかランキングが重要になっていくものだろう。つまり、
製品比較をしている過程で、否が応でもクライアントは自分調査をしているの
だ。私たちはどうやって情報を提供しているのか。そこもWebサイトデザイン
の開発プロセスで同様に問われる点である。どこか緊密な融合も睨みつつ、協
走は続きそうである。精進精進。

【みつい・ひでき】感想などはmit_dgcr(a)yahoo.co.jpまで
・mitmix< * http://www.mitmix.net/ >

時間がなくて、電車でタイピング。レノボに変わったThinkPadが諸々不便。月
曜日はデジクリ、それ以外は基本仕事。杖をついているおかげで座れる確率が
上がった。けれど、ボーッとしたくもあり。最近の取組みは、朝型への人格変
革。夜を早められないままだと破綻する。朝日を見よう、と。今まで成功した
ためしがないことにチャレンジ中。眠い。

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■つはモノどもがユメのあと[09]
mono08:モノ誕生の瞬間──「Apple PowerMac G4 (Gigabit Ether) M7892J/A」

Rey.Hori
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20091022140100.html >
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お忘れかもしれないが、当連載のタイトルでもありテーマでもある「モノ」と
は、その使命をほぼ終えたにも関わらず、色々な思いが絡んで捨てることので
きない製品たちを指している。掲載媒体であるデジクリの守備範囲に鑑みて、
当連載におけるモノの範囲は主に情報系&デジタル系に設定している。

押し入れや仕事部屋の隅っこから、そうしたモノを取り上げては思うところを
書いているわけだが、そうした作業中に新たにモノを作り出してしまうことに
なるとは予想していなかった。やや番外編風になるかもしれないが、今回はモ
ノ誕生の瞬間に立ち会ってしまったことを書く。出来たてホヤホヤのモノだ。

前回バックアップ作業というものに注目し、筆者にとって最初の大容量リムー
バブルメディアだったMOドライブをモノとして取り上げつつ、現状のバックア
ップ体制に迷っていることを書いた。一部繰り返しになるが、現状の筆者のデ
ータバックアップは、Type4の両面DVD-RAMを主とし、持ち歩き用に直近の仕事
データ群だけをUSBメモリにも副として保存している。どちらも、ハードディ
スクからのコピー作業は、仕事が進んでいる限り、最低でも日に一度は行って
いる。

そのDVD-RAMの内蔵ドライブを積んだレガシーメディア担当マシンが、先々代
のメインマシンであるPowerMac G4だ。グラファイトカラーのポリタンク型で
450MHz Dual。2001年の購入時点ではラインナップの上から2番目のマシンだっ
た。購入の際に内蔵のリムーバブルドライブをDVD-RAMドライブに換装し、こ
のマシンと共にバックアップメディアをそれまでのMOからDVD-RAMへと切り換
えた。3DレンダリングにおけるデュアルCPUの威力には当時は満足したものだ。

< http://www.dgcr.com/kiji/RH/mono08.html >

このPowerMac G4がメインマシンだった期間中、かなり色々手を入れた記憶が
ある。メモリ増設は無論、HDD追加のためのIDEカードも買って挿した上、CPU
を二度換装した。デュアルCPUなので、サードパーティ製のCPUカードにデュア
ルがなかなか登場せずにやきもきしたり、ようやく見つけた某社製のカードで
はどうしても熱暴走が治らず、泣く泣く返品した記憶もある。最終的に搭載し
たのはたしか1GHz超のデュアルのカードなので、単純に購入時の3倍速近くに
なった計算だ。もっとも、換装したCPUカード直付けの小さなファン2基がカン
高い回転音を出す上、側面のドアのロック爪が折れてしまったためにきちんと
筐体が閉まらず、かなり騒々しいマシンになってしまったが。

< http://www.dgcr.com/kiji/RH/mono08.html#p2 >
< http://www.dgcr.com/kiji/RH/mono08.html#p3 >

OS歴で言えば、本機は筆者がMacOS Xを初めて動かしたマシンになった。もち
ろん元々はMacOS 9.0マシンなので、MacOS 9.xとMacOS Xとをデュアルブート
できた。現在も本機のHDD上には9.1、10.2、10.3、10.4の各起動環境が揃って
いる。メインマシンの座を、後に導入したPowerMac G5やMacProに明け渡して
も、レガシーメディア担当のみならずレガシーOS担当として動作確認などに活
躍していたのである。

ところがつい先日のこと、いつものようにLAN越しのバックアップ作業をして
いたところ、その真っ最中に突然電源がシャットダウンし、二度と目覚めなく
なってしまった。電源ボタンを押してもHDDどころかファンすら回らない。押
し過ぎ厳禁のPMUリセットボタンも押してみたが効果なし。これほど突然の別
れは全く予想外。歴代マシンで初めての致命的な故障の経験となった。

原因の疑いが濃いとニラんでいるのが電源ユニットそのものだ。バックアップ
中だったメディアを強制排出してからマシンの分解を試みたが、電源ユニット
は構造上最も深いところを通るハーネスが直接(コネクタを介さず)接続され
ているので、時間切れで一旦断念した。Appleのサポートへもダメモトで電話
をしてみたが、やはり正規の保守部品は既になくAppleでの修理は不可。残す
は完全にバラして電源ユニットの中までチェックするか、中古機を見つけて来
て部品移植するしかないだろうと思っている。

マシンの復活はともかく、まずは現在の環境で使えるFirewireかUSB接続のバ
ックアップ用外付けDVD-RAMドライブが緊急に要る。えーい、この忙しい時に、
とボヤキつつ早速秋葉原へ駆けつけて買って来た某社製ドライブが初期不良品。
まったくこの忙しい時に、と更にボヤキつつ再び秋葉原へ乗り込んで別のメー
カ製ドライブと交換、というオマケまで付いて、ひとまずバックアップ環境だ
けは(いちいちカートリッジからディスクを取り出す面倒はかかるものの)継
続できることにはなった。

だがしかし、沈黙のグラファイトG4 Macを簡単にアキラメるのは辛い。旧版OS
環境は仕事によっては貴重なのだ。今はひとまずモノとしておかざるを得ない
わけだが、仕事部屋の設置場所からは動かさず、必ずそう遠くない日の復活を
期するのみである。

【Rey.Hori/イラストレータ】 reyhori@yk.rim.or.jp

宣伝を少々。筆者も所属するイラストレータグループ「e-space」が「東京」
をテーマにしたグループ展「東京09展」を開催中です。55人のイラストレータ
が様々な作風のイラストを展示しているので、かなり楽しめるのではないかと
思っております。筆者も、グループ展への出展はものすご〜く久々なのですが、
1点出しておりますので、お近くを通りがかりの際はお立ち寄り下さいませ。
・会期:10月15日(木)〜10月26日(月)11:00〜18:00 日曜休み
・会場:山脇ギャラリー(東京都千代田区九段南4-8-21 TEL.03-3264-4027)
 JR・地下鉄市ヶ谷駅から徒歩1分
・入場無料
・公式サイト < http://www.i-e-space.com/tokyo09/ >

3DCGイラストとFlashオーサリング/スクリプティングを中心にお仕事をお請
けしてます。サイト:< http://www.yk.rim.or.jp/%7Ereyhori >

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■編集後記(10/22)

・飛行船をよく目にする。だいたいは日中、わが頭上を飛んで行く。ふと気が
つくとそいつが空にいる。独特の音が聞こえるときも聞こえないときもある。
空にその姿を見つけたときからずっと見ている。犬も子どもらもすぐに興味を
失うのに、わたしは池袋方面の空に消えて行くまで見ている。なんだか得した
ような気がする。この飛行船は世界に三隻しかない中の一隻、ドイツ製の「ツ
ェッペリンNT」だ。日本飛行船という会社の所有で、離着基地は埼玉県桶川市
にある。そこから飛び立ち、東京上空を遊覧するコースのちょうど真下が、わ
たしが犬と散歩する荒川土手なのだ。飛行船は全長75.1m、全幅19.7m、全高
17.5mと巨大なものでジャンボより少し大きい。不燃性のヘリウムガスを充満
させて浮力を得、上昇や巡航はプロペラを使う。巡航速度は時速65〜80km、高
度は300〜600mである。空中ホバリングや360度回頭など最新の制御機能がある
そうだ。飛行船は船酔いするという話を聞いたことがある。たしかに先端部が
不安定に揺れながら飛んでいるように見える。でも乗り心地は快適だそうだ。
なぜ飛行船を持ち出したかというと、Impress Watch VideoのSTAPA VISIONで
怪人・スタパ齋藤と工場オタクな不思議キャラ・百瀬みのりが飛行船体験する
「東京上空大冒険」を見たからだ。空飛ぶモノのファンにおすすめだ。その後、
日本飛行船のWebサイトでいろいろ情報を得た。おもしろい。90分のフライト
で12〜15万円もするそうで、絶対に乗れそうにないが。明日も遊覧東京クルー
ズがあるようだ。犬と一緒に土手で待機するか。犬には迷惑かも。(柴田)
< http://video.watch.impress.co.jp/docs/stapa/20091020_322206.html >
< http://video.watch.impress.co.jp/docs/stapa/20091006_319118.html >
STAPA VISION 東京上空大冒険(Impress Watch Video)
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/2009/10/22/hikousen2.jpg >
5月24日に見たDaiwa House号

・CMSをベースとしたサイトの見積もりをと言われた。クライアントの要望が
列記されていて、「ここはシステム作るほどじゃないよなぁ」「お客さんはこ
こを軽く考えているけど、ここが一番予算と時間のかかるところなんだけど、
本当に必要なのかなぁ、こんなコンテンツ」「これらを自分たちで更新、運用? 
……あ、セミナー数回とマニュアル?」読めば読むほど要望の曖昧さが目立っ
てくる。要望の裏を考えると、がちがちに取り組むことになり、週一ペースで
会議開催になるようなお客さんになりそう。毎日部活メルマガやっているよう
なSOHOレベルでは手に負えないので断る。断る前に人にふろうと思ったが、ふ
ったら迷惑かかるような気もしたのね。うーん、でもがちがちに取り組んだら、
レベルアップしただろうなぁ。年収は何倍になっただろう……。
                            (hammer.mule)
< http://www.d-kintetsu.co.jp/store/uehonmachi/ue6navigator/contents200910/index6.html >
光るのいいなぁ。
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20091016140200.html >
お金も手間もかからずにカラマネ環境
< http://www.dtp-booster.com/vol09/ >
制作者のための出力できるPDF

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発行   デジタルクリエイターズ < http://www.dgcr.com/ >

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