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段躍中(日本僑報社編集長・日中交流研究所長・日本湖南省友の会共同代表・日本湖南人会会長)が執筆し、選んだ豊富な情報を毎週水曜日お届け。98年創刊以来、800号以上を無料で発行し、日中交流・在日中国人情報を知る上で欠かせないと自負。【まぐまぐ大賞2006(ニュース・情報源部門)ノミネート、まぐまぐ大賞2008(ロングラン部門)受賞】

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2008/02/27

日本僑報電子週刊 第722号◇中国のテレビ番組における日本人像・特集◇

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    日本僑報電子週刊 第722号 2008年2月27日(水)発行
    http://duan.jp 編集発行:段躍中(duan@duan.jp)
       ▲日中交流研究所 http://jc.duan.jp/▲  
       ■段躍中日報 http://duan.exblog.jp/■
   ◆「ミニ僑報」http://mini.mag2.com/pc/m/M0068337.html◆
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      ◇中国のテレビ番組における日本人像・特集◇   
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編者より

 2月20日、読者の方から、感想文をいただきました。その方とやり
とりし、広くご意見をうかがうために、特集号として「中国のテレビ番
組における日本人像・特集」として、匿名で配信いたします。

 中国のテレビ番組における日本人像の一つは、「日本鬼子!」です。
また、その日本人イメージが、中国人の中に浸透していることも多々あ
ります。
 「実際に会う日本人はイメージとは違っていた」
 「小学三年生のいとこは、日本語を勉強している私を「子鬼子」と呼
び、映画で見た日本兵士のように『ばかやろ!』『殺してやろ!』と叫
んだ」(『国という枠を越えて―第三回中国人の日本語作文コンクール
受賞作品集』http://duan.jp/item/066.htmlより)

 中国の報道やテレビ番組が、中央宣伝部にコントロールされている面
がありますが、これは徐々に改善されてきているではないかと思ってい
ます。2004年12月に放送された連続ドラマ『記憶の証明』
http://blog.goo.ne.jp/nobuyoshi65/e/ece513f4524d0868b4a821bda4f382f9
は、いままでの映画とドラマと比べたら、大きな変化が見られます。
 しかし、地方局では運営資金に限りがあることや情報が十分に届いてい
ないという問題があります。
 なにが、日本理解に役に立つ番組や情報発信の仕方を、読者の皆様か
らご提案いただければ、と存じます。

 最後に、読者の方とのメールを紹介します。

> 早速のご返信、ありがとうございます。
>
> 私は中日の友好を心の底から願っています。その観点からあのテレビ番組を見た
> ときに絶望感を感じます。「ああ!この番組を見た人たちは日本人を憎むだろう
> な〜!」と。あのドラマで描かれていたようなシーンは事実あったのでしょう。
> それに対しては心からの謝罪を申し上げたいと思っています。
>
> しかし、中国と日本は「未来志向の」お付き合いをすることが大事です。あの番
> 組はそれを阻止します。放映を中止して欲しいな!と思っています。
>
> この感想文を他の方にも読んでいただくことが、私の願いに少しでも役に立つよ
> うであれば(と言うように段躍中先生がご判断されるならば)おおいに使ってく
> ださい。

 段躍中@2008.2.27
 ※ご参考までに、日本僑報社の『日中相互理解とメディアの役割』を
皆さんにご案内します。http://duan.jp/item/37.html

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◇特集目次◇
◆読者からのお便り
 日中関係について、感想とお願い
◆餃子事件に関する記事 
 天児・早稲田大教授(京都新聞・25日付・抜粋)
◆読者からのお便り2
 「天児・早稲田大教授の記事」を読んで

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◆読者からのお便り 日中関係について、感想とお願い

段躍中先生 殿

 突然お便り差し上げる失礼をお許しください。

 私は中国内陸部の少数民族の人達に教育支援をしているあるボランテ
ィアグループに参加し活動をしています。また、中国語を勉強し十数年
になります。中国の歴史と文化が好きで中国関連の書籍をよく読んでい
ます。
 教育支援と交流のために毎年中国へ行きます。それ以外にも個人的に
も中国各地へ旅行に行きます。旅行に行きホテルに到着しホテルの部屋
でテレビをつけると、必ずと言っていいほどに中日の戦争のドラマが流
れていて、中国人が日本人に殺され、あるいは残虐なことをされ泣いて
いる中国人、泣きながら「日本鬼子!」と叫んでいる・・・と言うシー
ンが放映されています。

 日本の映画俳優・中井貴一さんが中国との合作映画「鳳凰」を撮影し
た時の日記(「日記2」キネマ旬報社)に、「・・・テレビで日本語が
聞こえることがあると、抗日映画だったりする。しかも毎日やっている。
・・・あまり十分な教育を受けることが出来ない人がこんな映画を毎日
見ていたら、日本人に対する偏見が増すだろうと少し危惧してしまう」。
と書いています。中井貴一さんは“偏見が増すだろう”と言っています
が、増すのは“偏見”でなく日本人に対する“恐怖”であり“憎悪”な
のです。

 雑誌「人民中国」を読んでいると、「日本人は残酷な人達と思ってい
たが、会ってみるととても親切でいい人達だった」と言う、中国人の感
想をよく見ます。これは「人民中国」だけでなく、中日に関連するメデ
ィアでよく見かける文脈です。これは一見日中友好が育つとても良いこ
とのように見えます。しかし問題なのは傍線を引いた箇所にあります。
(編者注:傍線は、「日本人は残酷な人達と思っていたが」の箇所)

*2008年1月5日、NHKBS放送で「フォーラム 日本語を学ぶ
若者たちの世界会議」と言う番組を放送しました。この中で中国人留学
生が日本の友達を家に招待した時に、7歳の妹が“悪い日本人を連れて
きた”と発言したことを紹介していました。

*私が参加している教育支援団体での、日本人に支援していただいて
いる中国の子どもからの支援者に宛てた手紙の事例:
「以前、私はテレビで日本が我々中国を侵略し、我々を残酷に殺してい
るのを見ました。日本人は我々中国人を不当に扱っていました。現在皆
さん日本人は我々貧困な学生をこのように支援してくれています。私は
心の底から考え方を変えました。心の底から日本の友好を感じています。
私は日本と中国が平和に交流するよう願っています。」

 「日本人は残酷な人達と思っていた、・・・」は何処から生まれてくる
のでしょう。確かに日本人は戦争中に中国で悪いことをしました(しかし、
その後日本は平和憲法を作り他国を侵略しないと憲法で定めています)。
そう思うのは当然です“日本人は過去の歴史を容易に忘れる性向がある、
しかし中国人は過去を決して忘れない国民”だと識者は説明しています。
「歴史を鏡とし・・・」と言うフレーズは中国人要人がよく使うフレー
ズです。しかし必ずしもそうとは思いません。中国人も対日本関係以外
の歴史では過去を忘れる能力を持っています。「日本人は残酷な人達と
思っていた、・・・」が起こるのは、テレビが毎日毎日、日本人への
“憎悪を繰り返し再生産”しているからです。

 中国・全国津津浦浦の小学生・中学生が日本人を憎悪し恐怖を感じて
いると言って過言ではないと思います(大人になってもこの憎悪を持ち
続けている中国人はとても多いと思います)。このことを日本の国民が
認識していない、これは恐ろしいことです。心の底に持っている憎悪で
あり、日本人と接する機会がないので表面化していません。従って日本
人の誰も気付いていません。

*日本の隣に日本人を憎悪している子どもたち(だけではなく国民)が
数億人の規模でいる、そのような政策を今もって進めている政府がある
と言う異常事態を放置しているのは国の怠慢でありマスコミの怠慢です。

 いろいろの分野で日中友好を育てる活動が行われています。私の活動
も日中友好を育てる草の根の活動です。また、いろいろの方々が日中関
係を改善する提案を行っています。しかし日中両国の友好を育てる活動
も、あのテレビ番組により無に帰されて行きます。日中友好のために
多くの人たちがどんなに頑張っても、あの番組がその努力を無効にします。
テレビの力は強大だからです。このテレビ番組を過小評価してはいけない
と思います。

 滋賀県で中国人が幼稚園児を殺害すると言う事件が起きました。
動機は「自分の子どもが、日本人の子どもにいじめられていると思い
込み、うらみを募らせた」とのことです。
 いじめはあったかもしれません。しかし園児殺しにまで走ったのは何
故でしょう。この被告が子どものころに見たテレビで、日本人の残酷さ
を心の底に記憶していたとしたら、ちょっとしたいじめでも、そのいじ
めは日本人の“残酷な行為”に転嫁します。それを避けるために殺した、
・・・とすればこの被告は抗日のテレビ放送によりある観念を植え付け
られ、それが原因で殺人を犯したと言う観点から被害者です。

 日中友好を論じる方はたくさん居られますが、何故この問題を指摘
されないのか不思議です。中国政府は未来志向の日中関係を唱えながら、
いつでもこの恐怖・憎悪を反日行動に爆発させるマグマを内在させ
続けているのです。

 中国と日本は世界の平和に重要な役割を果たすことが出来るし、
果たすべきと思います。しかしこのテレビ番組が続く限り真の意味での
日中友好・協調は出来ません。マスコミの力でこの放送を中止させ、
真の日中友好関係を醸成し、世界の平和に貢献する、そのような行動を
起こして欲しいと願っています。

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◆餃子事件に関する記事 
 天児・早稲田大教授(京都新聞・25日付・抜粋)

ギョーザ中毒事件「日中関係悪化を意図か 共同調査の進展に期待」

 早稲田大大学院教授・天児慧氏http://duan.exblog.jp/7359113/

 またしても日中の間で深刻な事件が発生した。中国製ギョーザ中毒
事件のことだ。
(中略)

 なぜ毒薬が冷凍食品に混入されたかという確信の謎は
(中略)

「ギョーザづくり」において混入されたというよりも、袋詰め、輸送の
工程での混入という可能性も強くなってきた。となればかなり意図的な、
何かを狙った犯罪ということになる。
 ここに来て〇三年秋の西安日本人留学生殴打事件、〇四年夏の重慶、
済南、北京におけるサッカーのアジア・カップでの反日騒乱、〇五年春
の北京、上海などでの激しい反日デモを思い出した。
 私は当時、反日行動の裏に日中の関係改善を良しとしない「反日団体」
の巧妙な仕掛けがあったのではないかと考えた。
(中略)

 今回の事件が「日中関係の破壊」を意図した者の関与を前提とすると、
これまでの反日行動との大きな違いが浮かび上がる。以前は留学生、
サッカー選手、日経企業人といった特定の人々がターゲットにされた。
今回は少なくとも潜在的には日本人全体がターゲットにされていることである。
日本人は自らの身の危険を感じるが故に「中国製産品不買運動」に走って
いくだろう。従って中国側も責任の所在をあいまいにしたまま、どこか
で「外交決着」をはかろうとするならばそれこそ「不信の上塗り」となる。
(中略)

 しかし、もし双方が納得する形で決着ができれば、両国関係の成熟に
向かう貴重な教訓になるだろう。その最大のカギは日中当局の共同調査
にかかっている。
(中略)
 
 確かに今は危機である、しかし危機は新たな発展のための「試練」で
もある
(中略)

 事態の推移を慎重に冷静に見守っていきたい。

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◆読者からのお便り2
 「天児・早稲田大教授の記事」を読んで(タイトルは編者)

 今朝の「京都新聞」に添付の記事が掲載されていましたので、参考に
お送りします。 
 
 このなかで、天児氏は冷凍餃子中毒事件について「・・・。となれば
かなり意図的な、何かを狙った犯罪と言うことになる」。と示唆されて
います。
 
 私の感想文で一番危惧しているのは、反日のドラマに影響され日本人を
憎悪するようになった中国人が、残虐行為を行った日本人に復讐するため
に事件を起こすのではないかと言うことです。恐怖と憎悪は人間の感情
に属します。理性ではコントロールできません。

 中国と日本の関係が浅い時にはあまり影響しませんでしたが、関係が
深くなるに従い危険性は増大します。あのテレビ番組を企画している人
たちは、その危険性に気付いていないでしょうが、とても危険なことな
のです。あのテレビ番組に影響された誰かが、何かの事件を起こしたと
して、その結果影響を受けるのは日本人だけではありません、中国人にも
影響が及びます。

 今回の冷凍餃子事件で一番大きな影響を受けて、困っているのは会社
の従業員や農民ではないでしょうか。中国の食品に対する買い控えが
起こると、日本人も困りますが、より困るのは中国の農民だと思います。
*冷凍餃子事件が、あのテレビ番組に影響された人が起こした事件だと
は断定されたわけではありませんが、何時か何らかの事件が起こりそう
な危険を感じています。

 今回の冷凍餃子事件、仮に天児氏の危惧が的外れであったとしても、
日本人を憎悪する国民がたくさんいる(テレビドラマによりたくさん
作り出されている)、と言う現状は日中両国にとって決してよくはあり
ません。天児氏が挙げている西安事件、サッカーのアジアカップ事件、
北京・上海の反日デモ、これは中国に何か良い結果をもたらしたでしょ
うか?「中央宣伝部を討伐せよ」の著者焦国標氏が言っておられるよう
に、結局”中国のイメージを国際的にダウンさせるだけ”だと思います。

 中国人を信用していない、と言うことで気分を害されたかもしれませ
ん。その点はお詫びします。

 しかし私が言いたいのは、あのテレビ番組を見て日本人を憎悪する
ようになった中国人も、実は”被害者”だと言うことです。

(編者注:2008.02.25夜22時08分に送られたメールです)

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 日中関係・華僑華人情報専門誌・毎週水曜日発行 編集発行:段躍中
          1998年8月創刊・無断転載禁止。
   著作権は日本僑報社、またはその情報提供者に帰属します。
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