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ERICは、ESDファシリテーターズ・カレッジを創設し、国連提唱の「持続可能な開発のための教育の10年」のために指導者育成・社会的提言・平和的問題解決の方法を探り、みなさんとのネットワークを通してしさまざまな活動をしていきます。

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2009/12/06

ERIC NEWS ツリーニュース44号

ESDツリーニュース(環境教育ニュース)第44号   2009年12月6日
発信:PLT 日本事務局 by ERIC 担当 梅村松秀 足立恵理
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 「ESDツリーニュース」はPLT(Project Learning Tree 木と学ぼう)関連のニュースを発信
 し、 PLTに関心を持つ方々、各地でPLTを用いた環境教育を実践されている方々のネット
 ワークを強化し、持続可能な開発のための教育を目指して、毎月一回ペースで発行してお
 ります。
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PLT(Project Learning Tree:木と学ぼう)について詳しく知りたい方はこちら。
                 ⇒ http://www.k3.dion.ne.jp/~eric-net/plteric.htm
環境教育の人材育成事業を行っている団体として、環境省のHPに掲載されています。
        ⇒ http://www.env.go.jp/policy/edu/reg/index.html

 お天気の変化がめまぐるしいこの数日、近くの池では周囲の木立からの落ち葉が日ごとに
水面を狭めているよう。落葉樹と常緑樹の特徴が一番はっきりするこの頃です。都合により、
43号に引き続き梅村が担当します。
 前号で、大学におけるPLT指導者用養成の推進に関する事務局としての取り組み開始に
ついて記しましたが、すでに指導者養成ステップから、PLT教材の小学校段階を対象としての
翻案、教育現場への総合学習プランの提示と出前授業というかたちでの実践が始まっている
事例があります。第42号に東京農工大演習林における自然体験活動リーダー養成セミナー
報告をしましたが、11月、その佐藤研究室に集う学生による小学校への出前教室の現場を
見学させてもらうことができました。PLT教材の初等段階への適用について足立さんによる
報告とともに、学校現場を対象としてのPLT教材の活用の事例をメインにまとめてみました。
(梅村)

■□ 44号の内容 □■
1. 小学校出前授業でのPLTアクティビティ~東京農工大佐藤研究室の取り組み 梅村松秀
2. PLT Pre-k, Kindergarten 対象のアクティビティ 			足立恵里
3. 樹木調査ボランティア高校生へのPLTアクティビティの紹介 (2)		梅村松秀
4.PLT登録ファシリテーターの皆様へ(PLT日本事務局からのお願い)	角田季美枝      


1. 小学校出前授業でのPLTアクティビティ~東京農工大佐藤研究室の取り組み	梅村松秀
 東京農工大学の佐藤敬一準教授は米国におけるPLTコーディネーター会議にも連続して参加
いただくとともに、ご自身による日本の森林環境教育推進に、PLTアクティビティをさまざまな
場面で活用されています。佐藤研究室では以前からPLTテキストの購読を進めていたとのこと
ですが、多摩地区の二つの小学校への出前教室というかたちで、森林環境教育の実践に
取り組んでこられました。このたび多摩市立東落合小学校における「環境」をテーマとした
総合学習へのとりくみ、3年生を対象としての6回プログラムのひとつ、「木の構造と光合成」
(PLTテキストでは#63「木は工場」)アクティビティ実践を見せてもらうことができました。

 当日は、7~8名の学生による小道具、進行の記録などスタッフが会場である小体育館に待機。
10:30、クッキー・ツリーをつけた、該当クラスの子どもたちが入ってきて、院生の小平さん、
4年生の辻さんたちとあいさつ交わしながら床に腰をおろし、活動に入ります。。
 その日のプログラム「木は工場」のねらい、子どもたちがすることについて説明、展開に
スムーズに入りました。後で資料を見てなるほどと思ったのですが、テキストに示される
すすめ方(Doing the Activity)にほぼ準じたト書きで、その日の学習活動についてのながれ
をスタッフの皆さんはリハーサルしているのです。

 このアクティビティは、参加者が木の一部を演ずることで、木の構造や光合成のしくみを
ロールプレイの形で理解を測ろうとする活動です。あらかじめホワイトボードに木の構造を
示す図が用意され、また木の断面サンプルが用意されているところなどは、やはり専門なら
ではの感じ。導入部分で、子どもたちは、葉、心材、木質部、形成層、篩部、樹皮、根の
役割が記されたカードを、用意された袋の中からひきあてることで、自分の役割を知ります。
役割分担がすむと、さっそくロールプレイに入ります。最初、「木の中心となって支えている
部分は何?」という問いかけに、「根」という声が上がると、小平さん、辻さんの指示のもと、
根の役割にあたった子どもたち5~6人は、床に放射状にあおむけに寝ます。ついで木の強さを
支えている心材部分についての問いかけに2~3人が、そして木質部の役割の問いかけ…と続き、
子どもたちは全員、自分の役割に従って30人余りからなる一本の木を完成させます。最後に
スタッフの学生そして佐藤先生が木に働きかける虫や風の役割を演ずることで木と木を取り
囲む環境を共有するというロールプレイでした。

 木を構成する各部分の役割の理解は、さすがに難しいところで、最初、演ずることにも
戸惑いが見えましたが、もう一度、ストーリーを繰り返すことが宣言されると、袋の中の
役割カードを引き出す段階から、子どもたちはどの役割になるかを期待するかのような
目つき。二度目は、それぞれが役割になりきってのロールプレイとなりました。
  
 自然に親しむ→木に親しむ→木について知るという3段階のストーリラインの設定のもと、
それぞれの段階でのいくつかのアクティビティの組み合わせ。小平さん・辻さん、そして
佐藤先生による出前教室プログラムの詳細は「小学校の総合的な学習での森林環境教育」
にまとめられ、清里での環境教育フォーラム分科会で発表されました。PLT日本事務局にも
パワーポイント資料が提供されましたので、次のアドレスでご覧下さい。
> http://www.eric-net.org/ddoc/plt20091203-1.pdf
> http://www.eric-net.org/ddoc/plt20091203-2.pdf

3.PLT Pre-k, Kindergarten 対象のアクティビティ 			足立恵里
 先日の「PLT日本事務局ニュース」でもミネソタ州の幼児対象の教材とTeachers Guideが
紹介されましたが、PLTにはたくさんの幼児対象アクティビティが紹介されています。 
最近では野外活動や環境に関連する活動を導入したり、外部講師と連携している幼稚園も
多いと聞きます。私も言語学習を中心として幼児教育と関わ りがあり、テーマが多岐に
渡るのであまり時間を取れないのですが、「自然」や「水」がテーマの時はPLTのアクティ
ビティを参考にしています。 

 参考に、PLTではPre-k,Kindergarten対象のアクティビティはどのくらいあるのか、洗い
出してみましたが、3分の1以上のアクティビティが相当するようです。 
こうして見ると、感覚を磨き、観察や活動を通し的に親しむ活動はもちろん、自分たちの
場所を改善するための意思決定に関わるアクティビティも含まれています。幼い頃から
地域社会の意思決定へ参加し、コミットすることを学べる点がPLTらしいと感じます。 
 今後のニュースでは、Teachers Guideなどに見られる具体的な目標や発達段階への配慮
なども少しずつ紹介していきたいと思います。 

(○はPre-Kでも扱えるもの) 
多様性 
○1 ものの形 
○2 木に触れよう 
○3 ペパーミントビートル 
○4 まわりの音 
○6 思い描いてみよう 
○13 わたしたちみんな木が必要だ 
 16 木をどうぞ、召し上がれ 
 18 太陽の物語 
 20 環境交流箱 
相互依存 
○21 里木 
○22 生息地としての木 
○23 倒木 
 25 鳥と虫 
 27 それぞれの木に必要なもの 
○36 汚染を探せ 
 39 エネルギー探偵 
システム 
 41 植物の育ち方 
 43 種の冒険 
○46 校庭サファリ 
 47 空き地は空っぽ? 
○49 熱帯の木の家 
 53 引っ越すぞ 
○54 行きたい所は広々した公園 
 55 理想のコミュニティを計画する 
構造とスケール 
○61 もっと近づいてみてごらん 
○62 木であること 
○63 木は工場 
○64 葉っぱの観察 
○65 つぼみが開く 
○67 あなたの木の大きさは? 
 70 土物語 
 74 人、場所、モノ 
変化のパターン 
 78 秋の知らせ 
○79 木のライフサイクル 
○81 野火がはじまり 
○87 地球に生きるマナー 
 95 気づいてました? 

 ミネソタ州「自然のアルファベット」とTeachers Guide 
http://www.dnr.state.mn.us/young_naturalists/natures_alphabet/index.html
 (ここにとてもきれいな画像が用意されています。必見!梅村)

4.樹木調査ボランティア高校生へのPLTアクティビティの紹介(2)     梅村松秀
 前号に引き続き、荒川下流域、板橋区占用区域(生物生態園)河川敷における高校生
ボランティアによる樹木調査プログラムその活動におけるPLTアクティビティとその結果
について記します。
*2日間の樹木調査プログラム
 第1日
9:00  2日間スケジュールと健康・安全管理等についてオリエンテーション
10:00~12:00 「樹木調査のやり方」~指導者によるグループごと現場確認、ゴミ拾い、
			グループ目標の話し合い
13:00~15:00 現地での樹木調査(分布、樹種、太さ、残すべき樹木の選定)
15:30~17:00 学習プラン1「外来種~植物生態からみた河川敷」(PLT#12「侵入種」)
 第2日
9:00~12:00 樹木調査(分布、樹種、太さ、残すべき樹木の選定)
13:00~14:00 
学習プラン2 「なぜ樹木伐採か~防災の観点からみた河川と河川敷」荒川下流河川事務所 
学習プラン3 「板橋区緑の比率~航空写真から緑比率を読みとる」(PLTモジュール 
‘Places We Live’#5「緑の空間」)
14:00~17:00 樹木調査のデータ解析 二日間の調査活動・グループ目標のふりかえり

*学習プログラムとPLTアクティビティ
 学習プランとして、1)河川敷の植生そして外来種、2)防災上の観点からみた荒川、
3)板橋区における緑地の3項目を設定。プラン1にPreK-8から#12「侵入種」、プラン3に
中等モジュール‘Places We Live’から#5「緑の空間」を設定しましが、調査とその集約
に時間がかかり、プラン3は実施できませんでした。プラン1の活動案は次のようなものです。
学習プラン1「外来種」活動案(PLT PreK-8 Environmental Education Activity Guideから) 

ねらい
外来種(侵入種)がなぜ問題なのか、生態系における外来種の問題に対する認識を深めること。

進め方
1.「外来種」とはなに?なぜ「外来種」が問題になる?グループ作業で取り組んでみよう。
資料(アメリカと日本の事例資料)のいずれか1枚とワークシートを配布
2.資料を読んで、ワークシートの問いかけを整理してみよう。(個人作業) 5分
3.グループで次のことを話し合う				 10分
これらの種に共通する点は何か?/異なる点は何か?/侵入種の典型的な特性は何か?/侵入種
はどうやって増殖していくか?/侵入種を防ぐには?
4.話し合いの結果を模造紙にまとめグループごとに発表する 10分
5. 発表結果についてのコメント  

*アクティビティ#12「侵入種」適用にあたって
 PreK-8テキスト、#12「侵入種」生徒用ページに例示されるのは、カワホトトギスガイ、
エゾミソハギ、ヌートリア、ヘムロックウーリーアーデルジット、タマリスク、ヨーロッパ
ムクドリ、白松サビ、マイマイガの8種です。うちマイマイガ以外は、必ずしも日本では
知られていないことから、特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律に
基づき規制される生物リストを参考に、かつ対象地が河川敷の外来樹種ということから、
学習者用資料として採用した動植物は次のようなものになりました。

ブラックバス、カミツキガメ、アライグマ、アメリカザリガニ、ウシガエル、アレチウリ、
セイタカアワダチソウ、シダレヤナギ、ハリエンジュ、トウネズミモチ、イタチハギ

 実際の活動については、資料の読み取りとグループメンバー内での話し合いに時間がかかり、
外来種あるいは侵入種といった視点から、今回の樹木調査の理由を共有するという段階への
議論に結びつけることができませんでした。このアクティビティ#12「侵入種」は、より幅
の広い文脈を持った学習プログラムのもとで、もう少し時間をかける工夫が求められるよう
に思いました。

4. PLT登録ファシリテーターの皆様へ(PLT日本事務局からのお願い)	角田季美枝
 PLTに関する事務的なお問い合わせ(講習会開催、合冊版入手希望など)を電子メイルで
される場合は、ERICへのご連絡でお願いします。
eric@eric-net.org
 PLT日本事務局の業務は、この8月中旬から角田季美枝(つのだ・きみえ)が担当しており
ます。事務所には週1回来ているだけなのですが、事務所から連絡を転送しておりますので、
対応するようにしています。それまで業務を担当していた梅村さん(講習会関連)、鬼木さん
(テキスト関連)個人には事務的な連絡をされないよう、ご協力のほど、どうぞよろしく
お願い申し上げます。

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