2004/12/10
快適通信 No.00007 04.12.10
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪ 快 適 通 信 No.00007 04.12.10 ♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪ Contents==================================================================== ■◇■ 母のこと その6 ■□■ ヒーリング・ライティング〜自分史を書く 無料公開講座 ■□■ ヒーリング・ライティング〜自分史を書く ============================================================================ ■◇■ 母のこと その6 バリで知り合った大東文化大学の田尻先生から近々ンガベンがあると聞く。ンガベン はバリのお葬式だ。日本語には「ン(n)」で始まる言葉がないのでガイドブックなど には「ガベン」と書かれている。僕はそれまで四回バリに行ったが、ガベンを見る機 会はなかった。母が死んだそのすぐあとにガベンが見られるという巡り合わせに不思 議なものを感じた。 ニュピの礼拝のために用意した衣装を着てガベンに参列する。楕円の形をした花輪が 葬儀が始まる家の前に列をなして置かれていた。参列者はみんな男はウダンをしてい るが服装自体は質素なものだった。サロンを巻き、上半身はTシャツの人が多かった。 僕たちが家に近づいていくと、ちょうど棺が出てくるところだった。家の前に大きな 山車がある。タラップのような階段を山車に架け、棺を抱えて男達が上がっていく。 なかなかスムーズには上がらず、かなり手こずっていた。 棺が山車の上に安置されると、ガベンのひとつのクライマックスが来る。山車とタラ ップを大勢の男達がかついでいくのだ。だんじり祭のようにスピーティーではないが、 男の力でおごそかに引き回される。山車の正面にはバロンのような面が飾られ、背後 にはガルーダが飾られていた。魂が通る道を示すのか、白い布が山車からこれから進 む方向へと張り渡された。 山車の脇にはガムランを演奏する人が座って演奏していた。そのほかにも打楽器を抱 え何人もの演奏者がゆっくりと行進していく。そのあとをついていった。山車は時々 止まり、くるくると回される。魂が元来た場所に戻らないように道がわからなくなる ように回すのだとか。きれいなたんぼのそばを通り、やがて山車は小高い丘の上の火 葬場に上げられる。 火葬場と言っても日本の火葬場のように建物があるわけではない。ただの広場に牛の 形をしたバトゥラガンという棺が置かれ、テント屋根の下に先ほど行列で演奏してい たガムラン楽団が演奏の準備をしている、それだけだ。丘の上は人で埋め尽くされる。 山車は広場に入り、タラップを架けられる。タラップの上の棺の納められた場所から 小鳥が二羽放たれた。これはコバルビアスによれば、かつて王族のなきがらに殉じて 一緒に焼かれた未亡人が放ったという鳩の代わりなのだそうだが、コバルビアスの頃 (1930年代)にはすでに「魂に飛び方を教える」ためだとバリ人にふざけ半分に教えら れたという。僕にはあたかも死んだ棺の中の魂が小鳥と一緒に放たれたかに思われた。 やがて白い布が山車からバトゥラガンへと引き渡される。その布に添って棺が運ばれ る。バトゥラガンに棺が設置されるとバリスの踊りが始まる。壮麗な戦の踊りだ。戦 士たちが槍を持ち、形式的な踊りを二十名ほどで踊る。それが終わるといくつもの軽 やかな鐘の音がバトゥラガンの裏手から鳴り響く。しばらく鳴り続けるとさっきまで のガムランも止み、静寂が訪れる。人々は地面に座り合掌し、両手を高く差し上げる。 ひとしきり祈りが終わるとバトゥラガンに火が放たれる。大きなバーナーで焼き尽く されていく。白い牛の形をした棺は火に包まれ、次第に焦げ始める。まるまると太り 勇壮な牛が真っ黒に焦げていく。燃え尽きて骨組みばかりになる頃に、なかに安置さ れていた死体が牛の胴体から焼け落ちる。そこに向かって男達は大きなバーナーを向 け形がなくなるまで焼いていく。 バリの人たちにとって死体は魂の抜け殻で、あまり大切なものではないそうだ。大切 なのは魂のほう。いかにあの世で魂がくつろげるか、そのために様々な儀式をおこな う。しばらくあの世にいて、ある程度時間が経つとまた再びこの世に戻ってくる。こ こに書いたように http://www.t3.rim.or.jp/〜yoji-t/Bali/synchronizeduniverse16.html バリの人たちは必ず子孫に生まれ変わる。子供が生まれると僧侶のところに行き、誰 の生まれ変わりかを聞くのだそうだ。1999年にその話を聞いたときには「まあよくあ る輪廻転生の話と似ているけど、必ず子孫に生まれ変わると言うところが違うな」と しか思えなかった。しかし今年の11月、輪廻転生がどれだけ大きな癒しを与える価値 観なのかに気づくことができた。母の死のおかげであり、ニュピに行き続けたおかげ でもある。 その日僕はニュピのことを考えながら氷川台のモスバーガーにいた。西側を向いてい るテラスでひとりフレッシュバーガーをパクついているとマンションと中古車屋のあ いだにわずかに見える西の空が夕焼けに染まり始めた。そのとき急に輪廻転生の秘密 の一つが腑に落ちた。入り口は「もし母さんが輪廻転生したら、その子を僕は大切に するんだろうな」とふと思ったことだった。そのことと、ジェイジェイさんの輪廻転 生の話とが僕の心でリンクした。 ジェイジェイさんはかつて言った。「僕は曾おじいさんの生まれ変わりで、だから曾 おじいさんのうちに行くと気持ちが落ち着く」 当時僕はそれは生まれ変わりだから落ち着くのか?と疑問を持った。自分の記憶の底 にかつて暮らしていた場所だとわかる断片が残っているのだろうかと。しかし、モス バーガーのテラスでふと気づいた。もしかしたらそれは記憶の断片が残っているから 落ち着くのではなく、かつて生きていた曾おじいさんに恩返ししたい人たちの思いが ジェイジェイさんを心地よくするのではないかと。 僕は母に大変世話になった。だからいつかは大きな家で一緒に暮らしたいと思ってい た。しかし、母の晩年、僕は母に一人暮らしをさせざるを得なかった。母は一人で死 んでいった。この非常に悔やまれる思いが、もし転生して来るならつぐなえるかもし れない。そう思ったのだ。母が本当に転生してくるかどうか、僕は知らない。しかし、 その物語を受け入れると僕は母に恩返しができる。そう思うとふと泣けた。フレッシ ュバーガーがちょっぴり塩辛くなった。 ガベンの様子を撮影した写真がこのページにあります。 http://homepage.mac.com/waterinspiration/iblog/C2079409418/E547817208/index.html 以上の文章は以下のblogに掲載したものと同じです。 http://homepage.mac.com/waterinspiration/iblog/index.html ■■■■■■■■■■■■■■■■イベント告知■■■■■■■■■■■■■■■■ ■□■ ヒーリング・ライティング〜自分史を書く 無料公開講座 日時 : 2004年12月20日(月) 午後6時45分から午後9時15分 会場 : きゅりあん 品川区立総合区民会館 JR/東急 大井町駅 東口正面 品川区東大井5-18-1 会場案内ページ http://www.shinagawa-culture.or.jp/curian/index.html 講師 : つなぶちようじ 主催 : オフィスタラーク 受講費 : 無料 お問合、お申し込みはこちらで。 http://www.t3.rim.or.jp/〜yoji-t/form/HWappli.html 詳細についてはこちらで。 http://www.tsunabuchi.com/HealingWriting.html ■□■ ヒーリング・ライティング〜自分史を書く 日時 : 2005年1月17日(月)、1月31日(月)、2月14日(月) 2月28日(月)、3月21日(月) すべて午後7時から午後9時30分 ただし、きゅりあん使用の場合は午後6時45分から午後9時15分 会場 : きゅりあん ほか 大井町・品川・大崎 近辺 講師 : つなぶちようじ 主催 : オフィスタラーク 受講費 : 35,000円 お問合、お申し込みはこちらで。 http://www.t3.rim.or.jp/〜yoji-t/form/HWappli.html 詳細についてはこちらで。 http://www.tsunabuchi.com/HealingWriting.html ♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪ 快 適 通 信 ♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪ 快適通信通信への投稿、情報提供、レス、感想などは yoji@tsunabuchi.com まで。 ホームページURL : http://www.tsunabuchi.com 快適通信は、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して発行しています。 http://www.mag2.com/ 快適通信の登録、解除、アドレス変更、バックナンバー閲覧は http://www.tsunabuchi.com/kaitekitsushin.html ♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪



