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2006/05/10

【 FPI News Letter 第177回 】- 村上ファンドにとって阪神の経営権は手段 -

06/05/10---------------
「FPI News Letter 177」
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こんにちは、佐藤勝也です。


【 村上ファンドにとって阪神の経営権は手段 】


阪神電気鉄道(以下阪神)とM&Aコンサルティング(以下村上ファンド)の攻
防が続いています。

いくつか気になるところを示します。4月28日付け以降の阪神のプレスリリース
を見ますと、すぐにわかることは、「主張のあいまいさ」です。あいまいさは
投資家・利害関係者に混乱を与えます。



(1) 鉄道と不動産事業等を一体化させて経営することのメリットは何か

5月4日の阪神のプレスリリースによっても、何ら明らかになっていません。数
字を出して比較検討することなしに意思決定しているととらえられる可能性が
あります。ただ、実際数字を示すことは、容易ではありません。

阪神は、一体化こそ最善の経営と、繰り返すだけです。他の選択肢と比較して
どうなのか、がまったく示されていません。

ちなみに、一体化して経営するメリットとして考えられる主なものは、つまる
ところ、

 ブランド価値の維持
 
 財務基盤の安定性

の2つだと思います。

一方、村上ファンドは、阪神の持つ資産の有効活用の余地が大きいと判断して
いるものと思われます。



(2) 阪急と統合することによるメリットは何か

これもまったく説明がありません。阪急のプレスリリースからも明らかになっ
ていません。統合比率の攻防です。



(3) 阪神側は、村上ファンドが経営支配目的とのプレスリリースを出したが、
誰に対して最終的に何を主張したいのかが不明

5月2日の村上ファンドのプレスリリースでは、「経営については現経営陣にお
任せする一方、阪神電鉄の社外取締役という立場から阪神電鉄の経営を監視」
とあります。

「監視」は、程度が大きくなると「支配」に変わります。取締役全体に占める
割合が半分と少し、というのが「監視」といえるぎりぎりのところでしょう。
表面的にはそうですが、実質的には、現経営陣にとっては、相当な圧力となり
ます。したがって、実質的支配ととらえられても仕方ありません。

問題は、経営権をもつことが、純投資の目的の範囲内としてどこまで認められ
るのか、です。経営権をもつことが、すなわち「経営を支配する目的」とはい
えません。あくまで手段です。

時間軸を分けて考えるとわかりやすいかもしれません。長期的に経営を支配す
る場合は、経営支配が目的、短期的に経営を支配する場合は、投資目的の手段
としての経営支配です。

しかしながら、これもあいまいです。最終的には、投資家(株主)の意図する
ところで決まると思います。法廷闘争となった場合は、過去の経歴で決まると
思います。すなわち、村上ファンドが、経営者として阪神を維持していきたい
のかどうか、です。ありえないでしょう。



(4) 株主が経営者を選ぶことに変わりはない

そもそも、投資家と経営者の線引きはあいまいです。目的が同じだからです。
ただ、立場として、資本主義社会において、投資家が経営者を選ぶ権利と責任
をもつことから、最終的には、半分近くの株式を保有している村上ファンドに
分があると思います。

水面下での交渉は決着がつかないため、オープンに双方の主張が繰り広げられ
るのは、投資家・利害関係者からみて透明性の高いものとなり好ましいことで
す。

誤解のないようにいうと、私どもは村上ファンドの主張を全面的に支持してい
るわけではありません。最終的にどのような決着になるか、興味深いところで
す。




【 Index 】

03月14日 ジャパンネット銀行、外為証拠金取引開始
03月23日 2006年の公示地価、2.8%の下落
03月24日 2005年末の個人金融資産、1500兆円に
03月31日 2005年度の東証1部の時価総額554兆円
04月13日 3月末(2005年度)の株式投信の残高45兆円
04月18日 長期金利、一時2.000%、1999年以来
04月27日 国土交通省、不動産取引価格をネットで公開




【 Contents 】

03月14日 ジャパンネット銀行、外為証拠金取引開始

ジャパンネット銀行は、外為証拠金取引(FX)の取り扱いを開始した(2006年
3月14日)。

銀行が取り扱うのは初めて。最低取引金額を低めに設定している。また、保証
金の入出金普通預金口座との振替によりリアルタイムで反映される。




03月23日 2006年の公示地価、2.8%の下落

国土交通省は、2006年1月1日現在の公示地価を発表した(2006年3月23日)。

公示地価は、全国平均で、前年比2.8%の減少となった。減少は15年連続となる。
3大都市圏の商業地は15年ぶりに上昇した。2005年、都心5区(千代田・中央・
港・新宿・渋谷)は、前年比0.8%と15年ぶりに増加に転じた。1991年のピーク
時から商業地は7割の下落、住宅地は5割の下落となっている。





03月24日 2005年末の個人金融資産、1500兆円に

日銀は、2005年末の個人金融資産を発表した(2006年3月24日)。

個人金融資産の残高は、1509兆円で、前年比5.2%の増加となった。預貯金は7
83兆円と微減。国債は26兆円と3割増加した。株式の残高が5割増の118兆円、投
資信託の残高が4割増の51兆円となった。




03月31日 2005年度の東証1部の時価総額554兆円

東京証券取引所第1部の時価総額は554兆円となった(2006年3月31日)。

バブル時のピークの9割強に相当する。株価水準ではバブル時のピークの半分に
達していないが、時価総額においてはほぼ近づいた。




04月13日 3月末(2005年度)の株式投信の残高45兆円

投資信託協会は、2006年3月末時点の株式投信の残高を発表した(2006年4月13
日)。

残高は45.0兆円で、前年度比2兆円の増加となった。過去最高値は1989年12月末
の45.5兆円。




04月18日 長期金利、一時2.000%、1999年以来

長期金利(10年物国債利回り)が、一時2.000%に上昇した(2006年4月18日)。

長期金利は、2003年に史上最低の0.430%をつけてから反転、2006年日銀の量的
金融緩和政策を解除してからさらに上昇した。




04月27日 国土交通省、不動産取引価格をネットで公開

国土交通省は、不動産取引価格をネットで公開した(2006年4月27日)。

不動産取引価格の情報を公開することで、不動産市場の透明性を高めるねらい。
四半期ごとに更新する。現在は東京23区など大都市の1.8万件が対象だが、順に
全政令指定都市を広げる。http://www.land.mlit.go.jp/webland/




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