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日本の構造問題を考え、アジアを語り、将来の処方箋も探るページです。戦前に日本最大の発行部数を誇った黒岩涙香の「萬朝報」にあやかって命名した

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2009/04/03

「萬晩報」 0090403 4月は賀川出版ラッシュ、雑誌も賀川特集

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  ■萬晩報 コラム配信ジャーナリズム■  http://www.yorozubp.com/ 


 4月は賀川出版ラッシュ、雑誌も賀川特集

           2009年04月03日 萬晩報主宰 伴 武澄

 以前に賀川豊彦の小説『死線を越えて』が復刻されることをこのメルマガでお
知らせした。最終的に4月7日にPHP研究所の発行となった。関心のある方は
ぜひ書店で購入していただきたいと思う

 賀川の社会風刺小説『空中制服』もまた不二出版から28日に発行される予定。
昨日2日発売された太田出版の季刊誌「at」もまた「賀川特集」となっている。
山折哲雄、田中康夫ほか11人がそれぞれの立場から賀川の現代的意味を問う構
成となっている。

 賀川豊彦に関する著書・雑誌が4月に3冊も出版されるのはまったくの偶然で
ある。今年は賀川がスラム入りして献身活動を始めて100年。賀川豊彦献身
100年記念事業実行委員会は東京と神戸で多彩な記念事業を計画している。実
行委員会からみれば強力な助っ人となる。

 賀川豊彦『死線を越えて』(PHP研究所、1,500円)には山折哲雄氏が
【帯裏】を書いている。
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「賀川がスラム街に入ったころは、日本資本主義の勃興期にあたっていた。第一
次世界大戦で戦時景気が訪れ、戦時成金が続出した。それにたいして労働者は劣
悪な状況におかれ、社会保障もいきわたってはいなかった。貧富の差ははなはだ
しく、貧民階層の不満が世の中を覆っていた。そのような時代に、スラム街にお
ける愛と献身の物語が文字どおり彗星のように登場したのだといっていいだろう。
キリスト教のヒューマニズムが多くの人びとの心を惹きつけ、たちまち広い層に
浸透していったのである。その当時の社会状況が今日の日本の姿に重なって映ら
ないであろうか。アメリカにはじまる世界的な金融恐慌がわが国をも直撃し、昨
年は、格差社会のひずみが随所に噴きだして小林多喜二の小説『蟹工船』がブー
ムとなった。そしてその『蟹工船』が発表される九年前に、賀川の『死線を越え
て』がすでに世に出ていたことを思い返すとき、今回の復刊の試みがあらためて
時代の動きにうながされたものであることを痛感するのである」 

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 季刊『at』第15号【特集:賀川豊彦 その現代的可能性を求めて】の巻頭言も
転載させていただいた。(以下引用)
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 日本近代を代表する社会運動家にしてキリスト者、ベストセラー作家でもあっ
た賀川豊彦は、戦後社会においてほとんど忘れ去られている巨人である。貧困救
済から始まった彼の膨大な業績の中に何を見出すのか、経済恐慌と格差拡大の現
在、私たちの歴史的想像力と社会的構想力が試されている。

 賀川が創始した社会運動はじつに多様である。労働運動、農民運動、生活協同
組合運動、共済運動、医療組合、幼児教育、セツルメントなど、百科全書的広が
りを示している。それらを貫いている賀川の思想と信仰の根幹には、友愛=相互
扶助のエートスがあり、全運動を駆動させていたことに思い至る時、戦後の社会
政治運動が何を欠いていたのか、その反省の機縁を得ることになるだろう。

賀川豊彦の名前を知らないでも、日々の生協運動に関わる女性たちは一千万人の
オーダーに達している。賀川の播いた種は各地各領域で枝葉を伸ばし花を咲かせ
ている。今こそ、それらの意義を吟味し、より大きな展望と連携の中に据え直す
ことは、苦悶する資本主義と国家を内発的に超えるオルタナティブな回路を準備
するだろう。本特集がその一端に連なることを願ってやまない。

 特集の主要な論文は次の通り。

    * 山折哲雄  「抑圧された賀川思想の回帰」
    * 田中康夫  「〈KOBE〉、その引力と斥力」
    * 加山久夫  「賀川豊彦の〈神の国〉を考える」
    * 栗林輝夫  「不況の中で賀川の神学を再読する」
    * 倉橋正直  「賀川豊彦と満州キリスト教開拓団」
    * 増田大成  「今、生活協同組合の賀川豊彦を問う」
    * 澤口隆志  「賀川豊彦と生活クラブ運動」
    * 小南浩一  「賀川の労働運動論と〈社会化〉主義」
    * 池田雄一  「留保なき救済とメロドラマ」
    * 外山恒一  「ファシストの目に映る賀川像」
    * 杉浦秀典  「〈賀川豊彦献身100年記念事業〉の概要紹介」

購入問い合わせ:季刊『at』[あっと]編集室
Tel:03-3203-5310/ Fax:03-5273-8667/ e-mail: at-edit at jca.apc.org
特別価格:1冊¥1100+送料実費(0号のみ¥500)
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