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2007/06/14

月刊「客車隊報」2007年4・5月合併号 http://www.tpo.co.jp/magazine.html

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月刊「客車隊報」2007年4・5月合併号 http://www.tpo.co.jp/magazine.html
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発行:客車隊(未来鉄道研究所)〒150-0036 渋谷区南平台4-8 協賛:TPO
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■特別企画「急行全廃論」
来る6月末日をもって急行「みよし」が遂に廃止される。これにより昼行定期
急行列車は「つやま」を残すのみとなり、かねてから拙著等に掲載・提案して
きた急行列車全廃論がいよいよ現実味を帯びてきた。本来なら号外で扱うべき
テーマだが、今回は「急行全廃論」について簡単にまとめてみた次第である。
●「急行」と「特急」
「特急」とは本来「特別急行」の略称であったが、現代のJRにおいては単なる
急行の方が「特別な存在」になりつつある。来月以降にも定期運行される急行
列車は昼行(昼間に運行される)列車では「つやま」のみ。夜行も「はまなす」
「能登」「きたぐに」「銀河」と、わずか5往復のみとなる。JRの規則である
旅客営業規則においては「特別急行」という文言も制度も残っているが(詳細
は後述)旅客の印象としては既に「特急=特別な急行ではない」と言えよう。
●「周遊券」「急行型車両」という存在
かつて「周遊券」というきっぷが存在した。学割による割引率が大きいことや
北海道20日間乗り放題といった特徴から、若者はこれを使って旅に出ていた。
現代の「青春18きっぷ」に近い存在であるが「周遊券」は急行に乗車すること
ができた・・・現代で言えば特急自由席乗り放題に近い感覚である。そのため
現代の「青春18きっぷ」に比べ行程の自由度は高く(一度でも使用経験がある
なら実感できよう)1日あたりの価格も有効日数で割れば1600円台と「青春18
きっぷ」より安く使うことができた。当時は特急と急行がほぼ同数運転されて
おり、例えば「あずさ」が特急・「かいじ」が急行(実際にもそうだった)と
いう感覚である。さらに急行型は比較的広めのボックスシート(近郊型電車の
シート間隔1350mmに対し、急行型は1470mm以上)を用いることで「詰め込みが
効きつつも」普通列車よりは快適かつ乗換不要の旅を提供していたのである。
皮肉なことに現代では「青春18きっぷ」向け夜行快速列車の大半に特急型車両
が投入されており、その結果座席数が減少。指定券争奪が激化してしまった。
●急行列車の落日
明治時代に初めて運行されて以来、鉄道の花形であり続けた急行列車。しかし
その落日は1970年代より始まっていた。現在発売中の「鉄道ピクトリアル」誌
14系客車特集号の記事によると、14系客車設計の時点で既に「急行を全廃して
特急に移行する」という萌芽が国鉄本社内にあったようである。隊報読者の方
には蛇足な説明かもしれないが、いわゆるボックスシートを装備した12系客車
(1両定員88名)に対し、14系客車は車体構造・電気系統等はほぼそのまま
継承、座席のみを簡易リクライニングシート(1両定員72名)とした。ほぼ
同じ時期に183系特急型電車も登場。どちらも各車両ごとにドアを2つ持つ
「急行型ライクな特急型車両」として運用された1972年の時点から「特別な」
急行ではなくなっていたのであろう。後に「急行型消滅までのつなぎ」と公言
された185系電車登場と同時に急行列車の衰退が始まった。かつては特急と
同数以上が運行されていた急行の「特急格上げ」が加速してゆくことになる。
●急行代替としての高速バス
急行列車最大の特徴はキハ58型急行型気動車に代表されるような多層建て列車
の存在であり、例えば仙台から東北の主要都市のみならず、宮古や男鹿などの
小都市に至るまで直通運行する列車が確保されていたことである。客車時代は
最低1両から、気動車も2両単位で動ける身軽さから、大規模な需要が見込め
ない路線にも大都市と直結する交通手段を提供していた。しかし特急列車への
統合が進むにつれ直通列車は廃止され、旅客に乗換を強いる時代が到来した。
一方、高速道路の伸長と同時に全国に広まった高速バスが、機動性を生かして
衰退する急行列車にかわり各地への直通運行を代替していった。皮肉なことに
高速バスの運賃は急行料金+運賃とほぼ同等であり、鉄道(国鉄・JR)が見放
した需要を取り込むことにより成長してきたのである。早い段階で急行全廃が
実現し「快速化」されれば、直通と格安感の両方を享受できたかもしれない。
●団体臨時列車における不透明さ
私共の本業たるイベント列車・・・業界用語では「団体臨時列車」と呼ぶが、
この料金体系が実に不透明である。かつては使用車両の形式が「特急型」なら
特急料金、急行型ならば急行料金を払うルールであったが、国鉄末期より特急
車両を急行や快速に使い始めたため、この原則が崩れてしまった(過渡期的に
14系座席車使用時には指定席料金を払う概念があり、ムーンライトシリーズの
原点と言えよう)さらにこの種の列車は定期列車の合間にダイヤ設定するため
どうしても定期列車より所要時間が遅くなる。そのため到達速度だけを見れば
快速列車としてもおかしくないところを、急行として設定するケースが大半で
あった。これは前述の「使用車両主義」のみならず、お座敷列車や欧風列車の
大半がグリーン車であったため、高額な特急・急行用グリーン料金を収受する
ことが目的であったためである。その結果「交渉力」によって価格差が生じる
事態となり、同じダイヤでも列車番号の違いだけで急行か快速かに分けられて
しまうケースが現在も多発しており、近年ではシートカバーの有無で区別する
ようなケースも見られる(団臨関連については今回初めて公表させて頂いた)
●身障者割引における不便さ
身体障害者の運賃は健常者の半額であることは比較的よく知られている。では
「料金」はどうか?・・・急行料金は半額だが、なんと特急料金は無割引なの
である!これは「特別な急行=贅沢な存在」であった頃の名残であり、急行が
事実上壊滅寸前の現状には全くそぐわない。バリアフリーが叫ばれるご時世で
あり、早急に身障者割引制度における「特急料金の半額化」を実施することで
来るべき「急行という制度が全廃される日」に備えるべきであろう。
●もはや急行=廃止すべき「制度」である
これを書いている私自身かつての急行列車はさんざん愛用しており現代の若手
鉄道愛好家とは異なる視点で、急行列車を・そして急行型車両を愛している。
しかし「旅客営業規則」上の「制度としての急行」は、最早廃止すべき制度で
はないだろうか?10年前に急行「制度」全廃が実現していれば、まだ急行列車
も急行型車両も残っており、快適な旅を格安に楽しむことができたであろう。
この10年間もたついた結果、急行列車も急行型車両も壊滅状態(北海道は全滅
九州は事実上6両のみ)となってしまったのは、かえすがえすも残念である。
●今後はJR西日本の動向次第?
現在残っている急行列車の車両所属会社は(「はまなす」以外)全てJR西日本
となっている。2002年の新幹線八戸開業時点でJR東日本は自社に所属する急行
を全廃・快速化しており、拙著での主張が認められたと言えよう。逆に言えば
JR西日本が決断すれば「急行という制度」を廃止することは容易であり、それ
が不可能であったのはJR西日本の厳しい財務体質が原因であるとされてきたが
今回「みよし」を廃止・格下げする事により新たな一歩が踏み出されたと考え
られる。一方で夜行快速を快速列車に格下げした場合に大幅減収になるという
声をよく聞くが、JR九州の観光快速に倣い(指定席料金800円)今後1000円程度
の「夜行指定席料金」的な制度を設定すれば自由席で最大260円減(近距離旅客
が多ければ増収となる)「はまなす」ではドリームカーをグリーン車に格上げ
し、「きたぐに」「能登」ではグリーン車を増結すれば大幅な減収は避けられ
よう。また「銀河」においては「のぞみ」指定席と760円差となるため、新幹線
回数券やエクスプレス予約でB寝台利用を認めるという手法も考えられよう。
今後ともJR西日本等に対し提言を繰り返したいと、私(隊長)は考えている。
■編集後記
1.路線活動維持に伴う心労等により、隊長の心身共にボロボロとなり配信が
  大変遅れました事を心よりお詫び申し上げます。また「ご心配メール」を
  多数頂き(紙上にて失礼とは存じますが)改めて御礼申し上げる次第です。
2.6月号は6月15日頃の発行予定ですが、また前後するかもしれません。
  なお「客車隊報」では読者の皆様からの情報・告知も無料にて掲載します
  採否はこちらで判断しますが、まずは原稿をお寄せ下さいませ。
3.皆さん!受信報告をお送り下さい。3月号の受信報告は12通でした。
  (恐縮ながら今回も署名欄を略させて頂きました、7月号までお待ちを!)
4.署名参加ご希望の方は署名欄に直接記入するのではなく全角4文字以内の
  【お名前のみ】をメール等にてお送り下さい!!
5.美悠紀行などでおなじみのep055チャンネルが、ショップチャンネルに統合
  されてしまいました。意欲的な番組展開だっただけに大変残念です。
6.毎年恒例「ムーン九州」乗車会については、今季の運行最終日が夏コミと
  かぶるため実施時期検討中です。参加希望の方は第三希望まで参加可能日
  を書いたメールを隊長宛にお送り下さい(7月号にて正式告知予定です)
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客車隊への質問等はeメールか返信用切手付封筒又はミニレター同封の封書にて
お願い致します。この「客車隊報」はハイブリッドメールや「まぐまぐ」など
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なお、客車隊報掲載記事の全部又は一部を転載・再配信される場合には、必ず
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★この客車隊報はPC上に等幅フォントにて表示頂く前提で編集しております★
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