1999/04/27
KIP990427「不況期はやっぱり経営の神様だ」
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1999年04月27日(火) 第375号
日刊!関西インターネットプレス
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■本日のコラム「不況期はやっぱり経営の神様だ」
火曜日担当:日本工業新聞大阪経済部 竹原 信夫
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■本日のコラム「不況期はやっぱり経営の神様だ」
火曜日担当:日本工業新聞大阪経済部 竹原 信夫
◎没後10年の幸之助さん
"経営の神様"と言われた松下幸之助さんが、亡くなられて今年で10
年になります。今でも取材先で幸之助さんの話がよくでてきます。
とくに、関西の中小企業経営者には根強いファンがたくさんおられ
ます。とくに、不況期の今、幸之助さんへの関心が一段と高まって
いるようです。そんなこともあって、私も松下幸之助さんの不況対
策をもう一度勉強させてもらおうと先週、京都のPHP研究所へ行っ
てきました。本当はほかにも用件がありましたが、これは取材上の
ヒミツです。
◎あんたの会社にモノ売らん
副社長から幸之助さんの生前のビデオを見せてもらいました。トツ
トツしたしゃべり方ですが改めて、「えらい人やな。やっぱりちゃ
うな」と感心させられました。
こんな話がありました。得意先に幸之助さんが、「もう、あんたの
会社にはモノ売らん。つぶれるからな」とおっしゃったそうです。
「あんたの会社には、つぶす人がおるからな」と言われました。
◎息子が会社をつぶす
その会社の社長はびっくり。「うちにはそんなやつおらん」と言う
と、幸之助さんは、「あんたの息子。専務やがな」と。「息子が
きっと会社をつぶす。3年間奉公に出さなあかんがな」と強く言わ
れたそうです。
社長は幸之助さんの言うとおり、息子を外に出され、会社をつぶさ
ずにすんだそうです。後継者に悩んでいる中小企業経営者には本当
に納得できる話です。
◎不況もまたよし
不況克服の話もおもしろい。今でも十分通用することばかりです。
「景気によい時は駆け足をしているようなものです。不景気はゆる
ゆる歩いているようなものです。だから、駆け足のときはほかに目
が移らない。いろんな欠陥があっても目につきません。ところが不
景気になるとゆるゆる歩きますから、"ああ、こういうところに欠
陥があるのか"、これを直して行こうかとなるわけです」と。
好況は好きだが、不況はきらい。大半の経営者の感覚だと思います
が、不況期こそ会社の問題点を浮き彫りにし、改善するチャンスと
いうわけです。好況だ、不況だと一喜一憂する経営者が多いですが、
幸之助さんにかかると、「不況もまたよし」となるわけです。
◎今の安易なリストラとは違う
また、有名な昭和不況の体験もあります。不況で工員さんを半日勤
務にしましたが、給料は全部出す。その代わり、休みを廃止し、昼
夜兼行で販売に回る提案をしました。従業員も「おおいにやりま
しょう」ということになり、その熱意で一気に営業が元気を出し倉
庫が空になったということです。
今のように簡単に中高年者をリストラでクビにするのとは大違いで
す。不況に直面しても、経営に対する信念、志しを失わなかったこ
とが従業員の団結につながり、不況を新たな発展の転機にすること
ができたわけです。
◎学者や評論家にない説得力
このほか、「不景気でもいいものは売れる。品物がよく価格も適切
なら不景気でなくなる」とか、「不況期は贅肉をとるための注射。
いまより健康になるための薬だからいたずらに脅えてはならない」、
「不況期こそ会社発展の好機。商売は考え方1つ、やり方1つでどう
にでもなる」など不況克服の心得を独特の視点で語っておられます。
経済学者や経済評論家、マスコミの解説などよりずっと分かりやす
く説得力があります。
やっぱり幸之助さんは"神様"だと、経済記者のハシクレのボクは、
その経営感にシビレています。
【プロフィール】
竹原 信夫/たけはら のぶお
昭和23年10月29日生まれ。大阪府出身。
・昭和46年3月関西大学社会学部マスコミ学科卒、同年4月日本
工業新聞編集局大阪経済部入社、平成2年経済部次長(デスク)、
9年2月から経済部長。
・ビジネス・ストリート・ジャーナル(BSJ)編集長、大阪府異
業種経営者異能専門家交流会議(IBC)専門家委員、大阪経済法
科大学客員研究員。
家族構成は妻と長女と10匹のネコちゃん。
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