1998/11/03
KIP981103「100%シェアは不況にも強い」
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1998年11月03日(火) 第230号
日刊!関西インターネットプレス
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■本日のコラム「100%シェアは不況にも強い」
火曜日担当:日本工業新聞大阪経済部 竹原 信夫
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■日刊!関西インターネットプレス/本日のコラム
火曜日担当:日本工業新聞大阪経済部 竹原 信夫
「100%シェアは不況にも強い」
◎楽な商売?この不況下、苦しんでいる中小企業は多い。「確かに
不況の影響で受注が少し落ちてはいますが、たいしたことはありま
せん。楽な商売をやらせてもらってますわ」ー。こんな明るい会社
を紹介させてもらいます。日本工業新聞のモノづくり連載企画「平
成の名匠」に登場していただくため、取材しました福田鉄工所の福
田克正社長の話です。
ご興味のある方は、今週の日本工業新聞を読んでください。
◎ネジを切る板金自動ロール機一筋
扱う装置は板金自動ロール機というネジ切り機械一つです。ただ、
すごいのはシェアが一〇〇%ということで、ほかはどこも作ってい
ないのです。魔法瓶の口ガネや電球のネジところで、すべてこの福
田鉄工所から機械を買っています。
「一度買っていただくと、二十年−三十年と使える機械です。それ
でも、当社しかないですから、また注文が来ます。見積書出せば、
三分の一の比率で正式受注につながりますよ」というわけです。他
社ができないものをつくる企業は、この不況期でも元気がありま
す。〃一点集中〃は中小企業の一つの生き残る道を教えてくれてい
るのではないでしょうか。下請けでなく独立した経営を進めるには
オリジナリティをもつ独創的な技術開発力と、それを生かす経営戦
略が必要ということを痛感しました。
◎ユーザーの難しい要望に対応
「こんなものできませんか?」。ユーザーからの要望に応じて、同
じ板金自動ロール機でも改良に改良を重ねて、より良い製品づくり
に取り組んでおられます。
〇〇%シェアだからずっと同じものをつくり続けていれば良いーと
いった甘い考えは福田さんにはまったくありません。ユーザーの困
難な要望に応えることで、新しい技術を生み、その技術を応用して
新しいマーケットを広げて行く。魔法瓶のほか、電球さらに大きい
ものならドラム缶のふたのネジを切る装置までつくる。この図式で
新しい顧客をどんどん開拓しておられます。
◎モノづくりの喜びが健在だ
技術力といっても、福田鉄工所には優秀な技術者がたくさんおられ
るわけではありません。従業員四十八人のうち三分の一が工業高校
卒、残りは普通の高校卒で技術者の集まりでもありません。それで
も「工業高校、普通校関係なく現場に入って楽しく仕事をこなして
くれていますわ」と。そして、従業員が汗水たらして作り上げた機
械が順調に動き出すと、「本当に皆の目が輝いてきますよ」と、
今、日本の企業が忘れつつあるモノづくりの喜びが、この会社には
健在です。
◎パソコンが開発から営業戦略までこなす
会社のなかで在籍時間が一番長いのは福田さんです。仕事に対する
情熱は誰にも負けていません。4台のパソコンを操り、設計から開
発、経営戦略、会計すべてパソコンでこなされています。福田さん
はコンピュータ専門学校で講師を引き受けるほどのパソコンの知識
をもっておられます。ポルシェ・オーナーズ・クラブの事務局長も
務められ、日本のホームページの管理もされておられます。不況に
なると、地味ですが本当に堅実な経営をしておられる企業が浮かび
上がってきます。福田鉄工所はシブイ会社でした。
【プロフィール】
竹原 信夫/たけはら のぶお
昭和23年10月29日生まれ。大阪府出身。
・昭和46年3月関西大学社会学部マスコミ学科卒、同年4月日本
工業新聞編集局大阪経済部入社、平成2年経済部次長(デスク)、
9年2月から経済部長。
・ビジネス・ストリート・ジャーナル(BSJ)編集長、大阪府異
業種経営者異能専門家交流会議(IBC)専門家委員、大阪経済法
科大学客員研究員。
家族構成は妻と長女と10匹のネコちゃん。
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